JPH0658111U - オイルパンのバッフルプレート取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バッフルプレートの振動によるオイルパン本
体の亀裂発生を防止すると同時に、オイルスクリーンの
振れ止めを行うことを目的とする。 【構成】 シリンダブロック２下部に取り付けられたオ
イルパン本体１Ａ内を縦方向に仕切るように配設される
バッフルプレート８をシリンダブロック２下部に取り付
け、バッフルプレート８に設けた開口部９に、オイルポ
ンプ７とオイルスクリーン５間の吸引パイプ部６を貫通
支持させることにより、バッフルプレート８の振動によ
るオイルパン本体１Ａの亀裂発生を防止すると同時に、
バッフルプレート８がオイルスクリーン５の振れ止め機
能を奏するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両におけるオイルパンのバッフルプレートに関し、特にバッフル プレートの取付構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

車両におけるオイルパンにおいては、車両の登坂・降坂時の傾斜時や発進・停 車等にオイルパン本体内油面の変動が生じるのを防止して、エンジンへのオイル 循環に支障を来すことがないようにするため、オイルパン本体内を縦方向に仕切 るバッフルプレートがオイルパン本体に設けられている（実開昭６０−１０５８ ０９号公報参照）。

【０００３】 かかる従来のバッフルプレートは、オイルパン本体内部に配設され、該オイル パン本体に溶接等により固定取付される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来のバッフルプレート取付構造にあっては、バッ フルプレートの振動等により、オイルパン本体のバッフルプレート溶接固定部に 過大な応力が加わって、オイルパン本体に亀裂等が発生する場合がある。 又、従来、オイルパン本体内には、吸引パイプ部を介してオイルポンプに接続 されるオイルスクリーンが配設されているが、該吸引パイプ部は片持支持である ため、オイルスクリーンの振れが生じ易く、該吸引パイプ部のオイルポンプ側の 溶接等の取付部に応力が発生して、折損を生じる等、オイルスクリーンは強度的 に不利であった。

【０００５】 尚、従来、バッフルプレートをシリンダブロック下部に取り付けるようにして 、オイルパン本体に亀裂等が発生するのを防止する技術が知られているが（実開 昭５７−２０４４１４号公報及び実願平３−７６６１３号参照）、このものでは 、上記オイルスクリーン５の振れを防止する技術については言及されておらず、 上記問題点は依然解決されていないのが実情である。

【０００６】 そこで、本考案は上記に鑑みてなされたものであり、バッフルプレートの振動 によるオイルパン本体の亀裂発生を防止すると同時に、オイルスクリーンの振れ 止めを行うことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案は、シリンダブロック下部に取り付けられたオイルパン本体 内を縦方向に仕切るように配設されるバッフルプレートを前記シリンダブロック 下部に取り付け、該バッフルプレートに設けた開口部又は切欠溝部に、オイルポ ンプとオイルスクリーン間の吸引パイプ部を貫通支持させた。

【０００８】

【作用】

オイルパン本体とバッフルプレートの溶接等による固定部分がなくなり、バッ フルプレートの振動によるオイルパン本体の亀裂発生を防止できると同時に、バ ッフルプレートがオイルスクリーンの振れ止め機能を奏する。又、オイルスクリ ーンの振れ止めを行う部材を廃止でき、組立性を向上できる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。 図１において、シリンダブロック２下部に取り付けられたオイルパン１の本体 １Ａは常態で所定油面のオイルが保持される深い桶状部分３と浅い皿状部分４と から構成される。オイルパン本体１Ａの前記桶状部分３には、オイルスクリーン ５が配設され、該オイルスクリーン５は吸引パイプ部６を介してオイルポンプ７ に接続されている。

【００１０】 ここで、オイルパン本体１Ａ内部には、該オイルパン本体１Ａ内を縦方向に仕 切るようなバッフルプレート８が配設される。 このバッフルプレート８は、図２に示すように、方形板部材の上端部に横方向 に離間する一対の取付フランジ部８Ａを鈍角に折曲形成すると共に、下端部に前 記一対の取付フランジ部８Ａと相反する方向かつ該取付フランジ部８Ａと平行に 鈍角に折曲される折曲片８Ｂを形成した構成、かつ上端部の前記一対の取付フラ ンジ部８Ａ間部分を略円弧状に切除して切除部８Ｃを設けた構成とされる。

【００１１】 更に、かかるバッフルプレート８には、前記オイルポンプ７に接続されたオイ ルスクリーン５の吸引パイプ部６を貫通支持させる円形の開口部９が形成される 。 この開口部９は、バッフルプレート８の板面から筒状に膨出して形成した円筒 部９Ａから構成される。

【００１２】 以上のバッフルプレート８は、上記一対の取付フランジ部８Ａをシリンダブロ ック２下端部にボルト１０等の締結具により締結することにより、該シリンダブ ロック２に固定取付される。この固定取付状態において、バッフルプレート８は 桶状部分３内部において斜めに傾斜して配設され、前記折曲片８Ｂが桶状部分３ の底壁内面に近接して配置される。

【００１３】 又、バッフルプレート８の円筒部９Ａには、吸引パイプ部６が貫通され、ロー 付け等により固着される。 かかる構成によると、バッフルプレート８をシリンダブロック２下端部に固定 取付した構成により、オイルパン本体１Ａとバッフルプレート８の溶接等による 固定部分がなくなり、バッフルプレート８の振動によるオイルパン本体１Ａの亀 裂発生を防止できる。又、バッフルプレート８により吸引パイプ部６を支持する ようにした結果、オイルスクリーン５の振れが生じ難くなり、吸引パイプ部６の オイルポンプ７側の溶接等の取付部に応力が発生して折損等を生じるのを防止で きる等、オイルスクリーン５の強度の向上を図ることができる。

【００１４】 更に、オイルスクリーン５の振れ止めを行うブラケット等の部材を別途設ける 必要がなく、部品数の低減を図れ、組立性を向上できるという利点もある。 尚、上記実施例においては、バッフルプレート８に吸引パイプ部６を貫通支持 させる開口部９を形成するようにしたが、下向きに開放された略Ｕ字形等の切欠 溝部を設けるようにしても良い。

【００１５】 以上のように、特定の実施例を参照して本考案を説明したが、本考案はこれに 限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本考案に添付 された実用新案登録請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可 能であるとの点に留意すべきである。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は以上説明したように、オイルパン本体内の油面変動を抑えるバッフル プレートをシリンダブロック下部に取り付けると共に、該バッフルプレートにオ イルポンプとオイルスクリーン間の吸引パイプ部を貫通支持させるようにしたか ら、オイルパン本体の亀裂発生を防止できると同時に、バッフルプレートがオイ ルスクリーンの振れ止め機能を奏し、オイルスクリーンの強度向上並びに組立性 を向上できる実用的効果大なるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係るオイルパンの一実施例を示す縦
断面図

【図２】 同上実施例におけるバッフルプレートとオイ
ルスクリーンとの組立状態を示す斜視図

【符号の説明】

１ オイルパン １Ａ オイルパン本体 ２ シリンダブロック ５ オイルスクリーン ６ 吸引パイプ部 ７ オイルポンプ ８ バッフルプレート ９ 開口部 １０ ボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダブロック下部に取り付けられた
   オイルパン本体内を縦方向に仕切るように配設されるバ
   ッフルプレートを前記シリンダブロック下部に取り付
   け、該バッフルプレートに設けた開口部又は切欠溝部
   に、オイルポンプとオイルスクリーン間の吸引パイプ部
   を貫通支持させたことを特徴とするオイルパンのバッフ
   ルプレート取付構造。