JPH0657814B2 - エポキシ樹脂粉体塗料組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂粉体塗料組成物

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JPH0657814B2
JPH0657814B2 JP59131134A JP13113484A JPH0657814B2 JP H0657814 B2 JPH0657814 B2 JP H0657814B2 JP 59131134 A JP59131134 A JP 59131134A JP 13113484 A JP13113484 A JP 13113484A JP H0657814 B2 JPH0657814 B2 JP H0657814B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、耐衝撃性、可撓性などの物理性能にすぐれた
エポキシ樹脂粉体塗料組成物に関し、更に詳しくは特に
低温での物理性能、即ち高Tg点でなおかつ好ましい低温
特性を有するエポキシ樹脂粉体塗料組成物に関する。
従来技術 従来の一般的なエポキシ樹脂系粉体塗料はビスフェノー
ルAとエピハロヒドリンとの縮合反応物とジシアンジア
シド、アジピン酸ジヒドラジドなどのヒドラジド類(米
国特許第3039987号参照)、三フッ化ホウ素/アミン錯
体コンプレックス(英国特許第1043998号参照)、酸無
水物(英国特許第1165647号、米国特許第3477971号及び
米国特許3555111号参照)、ドデカンジカルボン酸など
のジカルボン酸(西独公開公報第2058522号参照)など
の硬化剤を組み合せ、これに各種のフィラー、顔料、流
れ調整剤などを加え溶融混合して製造されている。この
エポキシ樹脂系粉体塗料は他の熱硬化性又は熱可塑性樹
脂系粉体塗料と異なり、比較的低温で良好な流れ性と塗
装性を示し、しかも比較的高い温度に達しないと硬化し
ない性質を持っており、更にすぐれた防食性能を有して
いるので粉体塗料における主流をなしてきた。エポキシ
樹脂は、粉体塗料化にすぐれていることのほか、適切な
硬化剤との組み合せで得られるエポキシ樹脂粉体塗膜は
一般的に他の樹脂のものにくらべて金属との密着性にす
ぐれ、強靱な物理性能を持つと共に防食性能が極めてす
ぐれていることから工業的に使用するのに適した粉体塗
料組成物として発展してきた。
しかしながら、エポキシ樹脂の硬化物は一般に強靱な塗
膜であるが、好適な性能が発揮される温度が他の樹脂系
とくらべ、非常に狭いという欠点をもっている。エポキ
シ樹脂硬化物は一般に硬化物のガラス転移温度(Tg点)
をベースに考えると、その抗張力及び伸びは、ほぼ同様
の挙動を示し、抗張力はTg点を変曲点としTg点より高く
なると抗張力は極端に低下するし、伸びもTg点で最高を
示し、低温になると伸びが極端に低下する。(新保ら
「硬化エポキシ樹脂の性能」日本接着協会誌10〔4〕16
1〜168頁(1974)及び10〔6〕266〜272頁(1974参
照)。
この傾向は、Tg点附近の温度で最高の性能を示し、使用
に耐えうる温度範囲は、その用途にもよるが、ほぼ(Tg
点−40)℃〜(Tg点+20)℃と言える。即ち硬化塗膜の
Tg点が100℃であれば一般にはその塗膜は60〜12
0℃の温度環境に耐久性を持つと言われている。
従って、一種類のエポキシ樹脂硬化物だけで多くの用途
に適用することは不可能である。そのため目的・用途に
応じ、使用される環境(特に温度)により硬化塗膜のTg
点を調整して実用に供しているのが実情である。
本発明者らはエポキシ樹脂硬化物の使用に耐えうる温度
範囲を広げる目的で鋭意研究した結果、前記問題が現在
市販されている固形エポキシ樹脂の基本的な構造に起因
することをつきとめた。即ち、現在市販されているエポ
キシ樹脂はその分子内のエポキシ基の数を表わすエポキ
シ当量と分子量の関係から明らかなように、そのモデル
構造と異なって、分子の両末端にオキシラン環が結合し
ていない。即ち、モデル構造であればエポキシ当量の2
倍が分子量になるはずであるが、実際にはエポキシ当量
の2倍が分子量より大きくなっている。このことは分子
の両末端に存在しているはずのオキシラン環が欠如して
いることを示している。このことは化学反応が理論通り
に進行せずに副反応が起こることから当然予測されるこ
とであるが、通常市販されているエポキシ樹脂は意外に
副反応が多く起っており、そのため塗膜の物理性能、特
に低温領域での性能が劣ることが判明した。即ち、一般
に、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとをカセイ
ソーダの存在下に反応させることにより下記反応が起き
てエポキシ樹脂が得られる。
実際にはこの主反応の他に、エピクロルヒドリンの加水
分解生成物とビスフェノールAの反応、エピクロルヒド
リンの異常付加反応などの副反応が起り、末端は下記の
官能基を有する化合物などの混合物となっている。
この内99.9%以上の末端基が、オキシラン環、加水
分解性塩素、α−ジオール及びフェノール性-OH
(水酸基)で占められている。そして、エポキシ樹脂用
硬化剤との反応性からこれらの官能基を考察する反応性
末端基はオキシラン環のみであり、その他はいずれも反
応しない非反応性末端基である。即ち、樹脂中にオキシ
ラン環以外の未反応性末端基(加水分解性塩素、α−ジ
オールフェノール性水酸基)が多いとそれだけ硬化程度
が少なくなり、物性を低下させる。また、本発明者らの
研究によれば、エポキシ樹脂硬化剤は各種存在するが塗
膜物性を向上させる目的からすればフェノール系硬化剤
の場合に、未反応末端基の影響を最も受け易いことを認
めた。
フェノール系硬化剤を使用する粉体塗料は、例えば特開
昭54-7437号公報、特許公表公報昭58-500950号及び特開
昭58-79011号公報などに記載されており、パイプ外面用
に使用できるなど物性を飛躍的に高めることができるこ
とを特徴としている。
特に、特開昭58−79011号公報には、(a)特定
の多官能ポリエポキシ樹脂、(b)多価フェノールのジ
グリジルエーテル又はそのアルキルもしくはハロゲン誘
導体および(c)多価フェノール又はそのアルキルもし
くはハロゲン誘導体の反応生成物よりなる前駆した固体
状エポキシ樹脂であって(a)/(b)に60〜90重
量%/10〜40重量%で(c)/〔(a)+(b)〕
=2〜23%の濃度にあることが開示されているが、本
発明とは、(a)成分及び(b)成分の比率並びに(a
+b)成分に対する(c)成分の濃度が異なる。
発明の目的 従って、本発明はフェノール系硬化剤を利用しエポキシ
樹脂粉体塗料についてその塗膜物性を更に向上させ、安
定して所望性能が得られ、特に低温領域で従来技術のも
のとくらべ、飛躍的にその物理性能が向上した塗膜を与
えるエポキシ樹脂系粉体塗料組成物を提供することを目
的とする。
発明の構成 本発明に従えば、 (a)ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンとエピ
ハロヒドリンとを反応させて得られる末端にエポキシ基
を90.0%以上含有するポリグリシジルエーテル化合物
と、 (b)ノポラック型フェノール樹脂またはノポラック型
クレゾール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて得ら
れる末端にエポキシ基を90.0%以上含有するポリグリシ
ジルエーテル化合物と、 (c)「ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン」及
び/又は「(a)成分のポリグリシジルエーテル化合物と
ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンとの反応生成
物で、吸光度測定によるフェノール性水酸基当量が200
〜1000g/モルである化合物」を(a)/(b)=95/5〜55/45
(重量比)で(a)成分と(b)成分の全エポキシ基を1とし
たときに(c)成分のフェノール性水酸基が0.8〜1.2の範
囲内で(a)、(b)及び(c)成分を触媒存在下の前駆反応に
より生成せしめた前記反応生成物をビヒクルとするエポ
キシ樹脂粉体塗料組成物が提供される。
発明の構成及び作用の説明 本発明に従った塗料組成物の成分(a)としては 〔式中、nは2〜9であり、RはH、又はCH
2+1(但し=1〜6)であり、RはH又はCH3
である〕 の構造式を有するものが好ましく、特にR、R共に
水素又は炭素数1〜6のアルキル基である化合物、即ち
ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンとエピハロヒ
ドリンとの反応で得られるポリグリジンエーテル化合物
が好ましい。
前記したビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンの好
ましい例としては(通常ビスフェノールFと言われる)
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、(通常ビスフ
ェノールAと言われる)ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、(通常ビスフェノールADと言われる)ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをあげることが
できる。
一方、前記したエピハロヒドリンとしては、例えば、エ
ピクロルヒドリン、エピプロモヒドリン、α−メチルエ
ピクロヒドリンなどをあげることができる。なお前記成
分(a)は末端エポキシ基含有量が90%以上であるこ
とが必要である。この条件を満足しない場合にはその硬
化物の架橋反応が有効に行なわれず、特に低温域での物
性面が悪くなるので好ましくない。エポキシ樹脂の末端
エポキシ基含有量は、例えば末端官能基の分子が以下官
能基を含む場合には、 〔1〕エポキシ当量W(g/eq) 〔2〕α−ジオールA(meq/100g) 〔3〕加水分解性塩素C(meq/100g) 〔4〕フェノール性水酸基P(meq/100g) のエポキシ基含有量は次式で求めることができる。
成分(a)は公知の化合物であり、例えば、特公昭28-4
494号公報に記載される一般的方法、いわゆる2段反応
によって製造することができる。即ち、低分子量エポキ
シ樹脂とビスフェノール類を触媒の存在下に高分子化さ
せることにより所望の成分(a)を製造することがで
き、この時の触媒としてはアミン類が有用である。その
ような触媒の具体例としてはベンジルジメチルアミン、
トリエチルアミンなどの3級アミン類、2−メチルイミ
ダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−
ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイ
ミダゾール、などのイミダゾール類、トリメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモ
ニウムプロマイド、トリエチルベンジルブロマイド、テ
トラエチルアンモニウムブロマイドヘキサデシル、トリ
メチルアンモニウムブロマイドなどの4級アンモニウム
塩を挙げることができる。
本発明においては、この公知反応化合物であるエポキシ
基含有量を公知化合物以上にあげる手段が必要であり、
使用する原料である低分子エポキシ樹脂の純度に注意す
ることが必要である。即ち、前記2段反応により高分子
エポキシ樹脂を製造するに当っては末端の非反応性官能
基としてフェノール性水酸基以外に原料である低分子エ
ポキシ樹脂中のα−ジオール、加水分解性塩素がそのま
ま残ってしまうからである。
α−ジオールはエポキシ基の加水分解により生成する。
即ち、反応系に水の存在が必要である。一方、2段反応
によるエポキシ樹脂の合成において、2段目の反応系は
公知の如く水を使用せずα−ジオールの生成物は起りえ
ない。従って、このα−ジオールは1段目の反応におい
て合成される低分子エポキシ樹脂の含有量が目的成分
(a)中にそのまま入りこんでくることになるから出発
低分子エポキシ樹脂の純度を制限すればこの問題は解決
される。現在市販されている低分子エポキシ樹脂で現在
純度の高いものはα−ジオールの含有量が最大5.5meq/
100gである。具体例としてエピコート828P(油化
シェルエポキシ)、エポトートYD−128R(東部化
成)、エポミックR−140P(三井石油化学)などを
あげることができる。
加水分解性塩素も2段反応によるエポキシ樹脂の合成の
2段目の反応の時点では生成されず、原料である低分子
エポキシ樹脂中の含有量で左右される。即ち、2段目の
反応ではエピクロルヒドリンはもはや使用しないため塩
素の入る機会はない。従って、この加水分解性塩素の量
も低分子エポキシ樹脂の純度を制限することでコントロ
ールすることができる。
前述の純度の高い市販低分子エポキシ樹脂の加水分解性
塩素は最大1.0meq/100gである。
フェノール性水酸基については、未反応のビスフェノー
ルA又は末端に残ったフェノール性水酸基に起因するも
のであり、これは製造時の原料配合比でほぼコントロー
ルすることができる。即ち原料である低分子エポキシ樹
脂とビスフェノールAを2.4〜2.0/1のモル比率で配合
反応を進めることによりフェノール性水酸基を10ppm
以下にコントロールすることができる。
この様に成分(a)の非反応性末端基をできるだけ少な
くするためには、原料の低分子エポキシ樹脂の純度と原
料配合比を制御して2段反応によりエポキシ樹脂を製造
することが必要である。
なお、前記成分(a)の分子量は800〜4000であるのが
好ましい。成分(a)の分子量800未満では固形になら
ず粉体塗料の原料として使えないし、4000を越えると樹
脂の融点が高くなり粉体塗料化しても溶解しなくなり、
密着に悪影響を与える。
次に、本発明の塗料組成物の成分(b)はいわゆるアル
キルフェノールのノボラック型エポキシ樹脂であり、こ
れはアルキルフェノールとホルムアルデヒドとからノボ
ラック樹脂を調製した後、エピクロルヒドリンと反応さ
せることによって製造することができる。成分(b)と
して好ましいポリグリシルシジルエーテル化合物は以下
の式で表わされるものである。
(式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、mは
平均値で1〜7である。) 本発明において成分(b)はアルキルフェノールノボラ
ック型の多官能エポキシ樹脂であり、硬化物の架橋密度
を上げることにより硬化塗膜の強度を上げると共にTg点
を上げ熱耐久性をもたせ、実用性能を高める目的で使用
する。
前記一般式において平均縮合度mが1未満であると樹脂
の融点が低くなって常温で液状になり、粉体塗料化に適
さない。なお、m=1〜m=2程度では融点が20〜3
0℃位で通常は粘稠液体であるが、量が少ない範囲、即
ち(a)/(b)が80/20以上換言すればエポキシ
樹脂成分〔(a)+(b)〕中の成分(b)の量が20
以下の場合にはこのようなものも使用できる。また、m
が1未満の場合には架橋密度を上げる硬化が不十分とな
り、本願発明の目的を達成できなくなる。一方mが7を
超えると形状は固形であるが融点が高くなり粉体塗料化
した時に溶融せず均一塗膜が得られないばかりでなく、
密着性及び塗膜物性などに悪影響を及ぼす。成分(b)
の使用量は(a)/(b)=95〜55/5〜45(重
量比)、即ち〔(a)+(b)〕中の成分(b)の量が
5%未満であると架橋密度が不十分であり、硬化物のTg
点が低く、熱耐久性が悪いのは勿論のこと、一般物理性
能や耐食性も不十分となるので好ましくない。
逆に成分〔(a)+(b)〕中の成分(b)の量が45
%を超えると架橋密度が高くなって硬くなりすぎ、伸び
が小さくなるので脆くなり衝撃性、曲げ性などの物理的
性能が悪化するので好ましくない。好ましい成分(a)
及び(b)の配合比は、(a)/(b)=93〜80/
7〜20である。
又、前記一般式の化合物のうちR=CHである化合物
が本発明において成分(b)として使用するのに最も適
している。
成分(c)としては、「ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)アルカン」及び/又は「(a)成分のポリグリシジル
エーテル化合物とビス(4−ヒドロキシフェニル)アル
カンとの反応生成物で、吸光度測定によるフェノール性
水酸基当量が200〜1000g/モルである化合物」であ
り、具体的にはビスフェノールA、ビスフェノールF、
ビスフェノールADなどのビスフェノール類及びこれら
のビスフェノールエポキシ樹脂とビスフェノール類との
反応物で両末端をフェノール性水酸基に調製した一般式 (式中、=1〜4である) である化合物でフェノール性水酸基当量200〜1000g/e
qのものが挙げられる。が1未満のものは原料として
ビスフェノール系エポキシ樹脂を使用するため存在しえ
ない。逆にが4を超えると合成上、反応が進みすぎて
実際上は合成が困難である。本発明の前記反応生成物に
おいては、成分(c)のフェノール性水酸基/成分
〔(a)+(b)〕のエポキシ基=0.8〜1.2/1である
ことが必要である。この比率が0.8では架橋不足で物性
性能、耐蝕性などが悪化するので好ましくない。逆に1.
2を超えると、成分(c)が硬化物中に残って耐蝕性に
悪影響を及ぼすので好ましくない。
本発明においては前記成分(a)/(b)/(c)を前
駆反応させる。前駆反応の反応率は好ましくは5〜55
%とする。この前駆反応は、塗料の状態にすることがで
きる範囲内において、予め反応させておくことにより、
塗膜化過程での反応のし難さからの未反応官能基をでき
るだけ少なくするためのものである。換言すれば、反応
に関与する官能基の反応度を上げて硬化塗膜の性能を最
大に発揮させるために実施される。この意味で成分
(a)の非反応性末端基を少なくすることが好ましく、
かかる観点からも前記成分(a)の非反応性末端基を5
%以内にコントロールすることが非常に有効であること
が判る。
前駆反応は塗料製造過程において実施してもよいし、樹
脂のみ反応させてもよい。例えば、成分(a)の樹脂を
合成し終った時点で予め調製した、成分(b)及び
(c)を混合し、温度100〜150度で攪拌下に反応させ
る。この前駆反応の終点はフェノール性水酸基を分析し
て初期量と比較することによって決定することができ
る。この前駆反応に使用する触媒としては、アミン系触
媒が有効であり、特に2−メチルイミダゾール、2−エ
チル−4−メチルイミダゾール、2ウンデシルイミダゾ
ール、2−ヘプタデカンイミダゾール、2−フエニルイ
ミダゾールなどのイミダゾール類、ベンジルジメチルア
ミン−2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ
ール、ジメチルアニリンなどの3級アミン類、ピペラジ
ン、ピペリジンなどの2級アミン類を好適に使用するこ
とができる。
本明細書におけるフェノール性水酸基とは成分(c)中に
含まれる水酸基のうちベンゼン核に直接結合した水酸
基、即ちフェノール基をいい、フェノール性水酸基当量
とは該水酸基1mol当たりの樹脂の重量を云う。したがっ
て、フェノール性水酸基を1分子中にX個含有する分子
量Mなるフェノール樹脂のフェノール性水酸基当量は、
次の式で表される。
因みに、明細書20頁に示された一般式における=1の
フェノール樹脂の分子量は782であり、この時のフェノ
ール性水酸基のモル数は2であるのでフェノール性水酸
基当量は391(=782÷2)となる。
このフェノール性水酸基当量は次の方法によって測定し
た。
すなわち、ジオキサン溶液中でフェノール性水酸基にア
ンモニア性アルカリ雰囲気で塩酸3-メチル-2-ブンゾチ
アゾリノンヒドラゾンを作用させて発色させた後、フェ
リシアン化カリウムで発色物質を安定させ、分光光度計
を用い、510nmにおける吸光度を測定し、予め4,4′ビス
ヒドロキシフェニルプロパンを標準とし、同様の操作に
より作成した検量線との対照により行う。
前記前駆反応を塗料製造中に実施する場合には、押出機
の温度を85〜95℃にコントロールし、押出機内滞留
時間を調製したり、あるいは、押出後、40〜80℃程
度の温度で熟成させる方法によって、行うことができ
る。前駆反応の効果は速硬化性の粉体塗料を調製するこ
とができる点にあり、ゲル化時間は200℃において1
〜20秒程度の粉体塗料の製造も可能となる。
反応度5%未満では本発明の目的を充分達成することが
できず、逆に55%を超すと反応が進行し過ぎて、塗料
の融点が高くなり溶融し難くなり均一な塗膜が得られな
くなるので好ましくない。
なお、本発明の塗料組成物には必要に応じて、従来汎用
されている適当な顔料、流れ調整剤、はじき防止剤、充
填剤又は石油樹脂などの熱可塑性樹脂などを配合するこ
とができる。
実施例 以下、実施例に従って、本発明を具体的に説明するが、
本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないこ
とはいうまでもない。
実施例1〜3 樹脂成分(a)の調製 樹脂A エピコート828P(油化シェルエポキシ社製、エポキ
シ当量182、加水分解製塩素0.8meq/100g、α−ジ
オール3meq/100g)220gを150℃に加熱し、攪拌しな
がら触媒としてトリメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド96mg(原料の300ppm)を加え、次いでビフェノー
ルA100gを加えた。エポキシ当量とフェノール性水酸
基を測定しながら150℃で反応を進め、約5時間でエポ
キシ当量1056及びフェノール性水酸基2meq/100g樹脂
Aを製造した。この樹脂中の加水分解性塩素及びα−ジ
オール含量を分析した。これらの特性値と前記計算式に
基づいてエポキシ機含有量を計算した。この特性値を融
点とともに表1に示す。
樹脂B エポトート128R(東部化成製エポキシ当量185、
加水分解製塩素0.5meq/100g、α−ジオール5meq/10
0g)230gを140℃に加熱し、攪拌しながら触媒として
テトラエチルアンモニウムブロマイド132mg(原料の400
ppm)を加え、次にビスフェノールA100gを加えた。エ
ポキシ当量とフェノール性水酸基を測定しながら徐々に
温度を上げ、約4時間で165℃まで加熱し、温度165℃で
更に反応を続けた。約6時間反応を行なわせたところ、
エポキシ当量992、フェノール性水酸基1.85meq/100g
の樹脂Bが得られた。この樹脂の特性値を樹脂Aの結果
と同様表1に示す。
比較として一般に市販されているほぼ同じ分子量、即ち
エポキシ当量をもつエポキシ樹脂の分析値を表1に併記
する。
前駆反応生成物の調製及び粉体塗料の調製 I.(i)エポキシ樹脂A(エポキシ含有量95.3%、エ
ポキシ当量1056)100g、エポトートYD−701(東部
化成社製、クレゾールノポラック型エポキシ樹脂、エポ
キシ当量207、軟化点67℃)8.8g、エピキュアーDX−
171(油化シェルエポキシ社製、フェノール系硬化
剤、フェノール性水酸基当量233)32g(エポキシ樹脂
A/エポトートYD−701=92/8、 酸化チタン1g、アエロジルR−972(日本アエロジ
ル社、酸化ケイ素)1.3g、ミキレベMKコンク(共栄
社油脂製流れ調整剤)0.2gそして触媒として2−メチ
ルイミダゾール0.6gを加えスーパーミキサー(川田製
作所)で粒状均一混合し、次いで、コニーダー(スイス
ブス社製)にてケーシング温度95℃及び軸温度35℃
で通過時間が45秒になる様に軸回転速度を調製して、
溶融混合と同時に前記した2種のエポキシ樹脂と硬化剤
のフェノール性水酸基との前駆反応を行なわせた。更
に、溶融混合物を60℃で24時間保温し、前駆反応を
進めた。この前駆反応生成物10gをメチルエチルケト
ン100g中で攪拌し、溶解濾過し、不溶物である酸化チ
タンを濾別した。前記反応物溶液を用いてフェノール性
水酸基を分析した。この結果を表2に示す。
(ii)つぎに上で得た前駆反応物をACM粉砕機(細川
鉄工所)にて粉砕して粉体塗料を調製した。この粉体塗
料のゲル化時間を測定し、更に、寸法3.3×70×150m
m、粗度45〜65μにブラスト処理した鉄板を240℃に
予熱し、静電粉体塗装をし、180〜220μの膜厚の完全硬
化塗膜を得た。
この塗膜の密着性、曲げ性及び衝撃性の性能を試験し
た。
結果を表2に示す(実施例1)。
II.(i)エポキシ樹脂A100g、エピコート154
28g(油化シャルエポキシ社性フェノールノポラッ
クエポキシ樹脂エポキシ当量178)キュアリングエー
ジェントXD−8062−O1(ダウケミカル社製フェ
ノール系硬化剤フェノール性水酸基当量249)69
g、(エポキシ樹脂A/エピコート154=78/2
酸化チタン30gアエロジルWR−972(日本アエロ
ジル(株)製)1.3gミキレベMKコンク0.2gそして触
媒としてピペリジン0.4gを加え、スーパーミキサーで
粒状均一混合し、次いでコニーダーにてケーシング温度
90℃、軸温度60℃、通過時間が35秒になる様に軸
回転速度を調製して溶融混合と同時に2種のエポキシ樹
脂と硬化剤のフェノール性水酸基との反応を行なわせ
た。更に、この溶融混合剤を50℃で6日間保温し、前
駆反応を進めた化合物を得た。
(ii)上記前駆反応生成物の1部を上記実施例1と同じ
手順でフェノール性水酸基を分析すると共に、残部を粉
砕し、粉体塗装を行ない、塗膜性能を試験した。その結
果を表2に示す(実施例2)。
III.(i)エポキシ樹脂B(エポキシ当量992、エ
ポキシ含有量94.6%)100gとエポトートYDCN−7
04(東邦化成、エポキシ当量220、クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂)28g、とエピキュアーDX−
172(油化シェルエポキシ社製フェノール系硬化剤フ
ェノール性水酸基当量342)78g、(エポキシ樹脂
B/エポトートYDCN−704=92/8 酸化チタン30gアエロジルR−972 1.3gミキ
レベMKコンク0.2gそして触媒として2−メチルイミ
ダゾール0.6gを加え、実施例1と同じ工程にて前駆反
応生成物を得た。
(ii)上で得た前駆反応生成物を実施例1と同様に分析
すると共にその塗膜性能を試験した。
結果を表2に示す(実施例3)。
比較例1 表1に記載したエピコート1004 100g、エピコ
ート154 8.8g及びエピタキュア−DX−171
36g(エピコートU#1004/エポートYD−70
1=92/8 酸化チタン1g、アエロジルR−972 1.3gミキレ
ベMKコンク0.2g並びに触媒として2−メチルイミダ
ゾール0.6gを実施例1と同様に試験した。
結果を表2に示す。
比較例2 表1に記載のエポトート014 100g、エポトート
YD−701 28g及びキュアリングエージェントXD
−8062−OO 65g(エポトート014/エポ
トート701=78/22、 を用いた以外は実施例2を全く同様にして試験した。
結果を表2に示す。
比較例3 表1に記載のエポミックR−304 100g、DEN−
438(ダウンケミカル社製フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、エポキシ当量178)8.8g及びエピキュ
アーDX−172 53g(エポミクR−304/DE
N−438=92/8 を用いた以外は実施例1と全く同様に試験した。
結果を表2に示す。
比較例4、5及び6 実施例1、2及び3においてコニーダーにて押出した
後、それぞれの保温での前駆反応を行なわせずに粉砕し
同様の手順で分析し、塗膜性能を試験した。
結果を表2に示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ビス(4−ヒドロキシフェニル)ア
    ルカンとエピハロヒドリンとを反応させて得られる末端
    にエポキシ基を90.0%以上含有するポリグリシジルエー
    テル化合物と、 (b)ノボラック型フェノール樹脂またはノボラック型
    クレゾール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて得ら
    れる末端にエポキシ基を90.0%以上含有するポリグリシ
    ジルエーテル化合物と、 (c)「ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン」及
    び/又は「(a)成分のポリグリシジルエーテル化合物と
    ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンとの反応生成
    物で、吸光度測定によるフェノール性水酸基当量が200
    〜1000g/モルである化合物」を(a)/(b)=95/5〜55/45
    (重量比)で(a)成分と(b)成分の全エポキシ基を1とし
    たときに(c)成分のフェノール性水酸基が0.8〜1.2の範
    囲内で(a)、(b)及び(c)成分を触媒存在下の前駆反応に
    より生成せしめた前駆反応生成物をビヒクルとすること
    を特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料組成物。
  2. 【請求項2】前記成分(a)が次式で示される化合物であ
    る特許請求の範囲第1項記載のエポキシ樹脂粉体塗料組
    成物。 [式中、nは2〜9であり、R1はH、又はCH2+1
    (但し=1〜6であり、R2はH又はCH3である。]
  3. 【請求項3】前記成分(b)が次式で示される化合物であ
    る特許請求の範囲第1項記載のエポキシ樹脂粉体塗料組
    成物。 (式中mは1〜7である。)
  4. 【請求項4】前記前駆反応物が成分(a)及び(b)と反応し
    た成分(c)のフェノール性水酸基の反応率を5%〜55%に調
    整したものである特許請求の範囲第1項記載のエポキシ
    樹脂粉体塗料組成物。
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