JPH0657417A - 蒸着材料とその製造方法 - Google Patents

蒸着材料とその製造方法

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JPH0657417A JP21013792A JP21013792A JPH0657417A JP H0657417 A JPH0657417 A JP H0657417A JP 21013792 A JP21013792 A JP 21013792A JP 21013792 A JP21013792 A JP 21013792A JP H0657417 A JPH0657417 A JP H0657417A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】プラスチック基材等の上に酸化珪素系薄膜を形
成するために使用する蒸着材料及びその製造方法を提供
する。 【構成】SiとSi酸化物からなり、多孔質構造を有する蒸
着材料であって、見掛け比重がこの蒸着材料の真比重よ
りも小さい蒸着材料。この蒸着材料はSi粉末とSi酸化物
を含有する粉末を混合し、水を添加して混練し、乾燥・
多孔質化した後、焼結する方法で製造する。混合粉末の
平均粒径が50μm を超える場合は、予め解砕して粒径を
50μm 以下とする。 【効果】この蒸着材料は蒸発特性が良好で、これを使用
することにより、例えば電子ビームの出力を上げて蒸着
速度を大きくすることができる。この蒸着材料を用いて
得られる薄膜は、透明で、酸素透過性が小さいので、食
品包装材料として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化珪素系蒸着膜を形
成するために使用される蒸着材料とその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】SiO(一酸化珪素) 、SiO2(二酸化珪素)
等の酸化珪素系の薄膜は、電気絶縁性に優れ、エレクト
ロニクスや光学の分野で使われているが、透明で、ガス
バリア性等にも優れていることから、食料品等様々なも
のの包装材料の表面被覆材(ガスバリア材)としても利
用されるようになってきた。
【0003】この酸化珪素系の薄膜を得る方法として、
従来は、予め合成した一酸化珪素の粉末あるいは塊状の
ものを蒸着用材料として使用し、抵抗加熱、あるいは電
子ビーム(EB)照射加熱等によって蒸着を行う方法が
採られていた。この方法は、膜の生成速度が比較的大き
く、得られる薄膜の酸素透過量、水蒸気透過量が小さ
く、耐屈曲性、耐熱性にも優れるなど、良好な特性を有
するが、蒸着材料として用いる一酸化珪素の製造工程が
複雑で、生産性が悪いため価格が高い。そのため、例え
ば蒸着ガスバリア性フィルムの原材料費が大きくなり、
包装材料をはじめとするガスバリア性フィルム応用品の
製造コストの削減には限界がある。
【0004】一方、金属珪素 (Si) と二酸化珪素(Si
O2)を混合し、造粒あるいはプレス成形した蒸着用材料
が特開昭63−310961号公報に提案されている。しかし、
この蒸着用材料は組成が不均一で、蒸着膜生成時の蒸発
特性も良くないため、良好な特性の膜を得ることは難し
い。また、熱の拡散、EB等の荷電ビーム加熱の場合の
帯電などにより、材料が飛散したり、高温で飛沫が発生
し、膜厚および組成の均一な蒸着膜が得られないという
問題があった。また、基板材料がプラスチックのような
耐熱性のない基材の場合には、飛沫により基板が溶け、
微小な穴や欠陥が発生する場合がある。更に、蒸着材料
に付着、及び、混入している不純物から多量のガスが放
出され、真空圧が上昇し、得られる膜特性が悪いという
問題もあった。このようなことは、高周波誘導加熱、抵
抗加熱等の他の蒸着法においても程度の差はあるものの
見られ、蒸着時の飛沫、スプラッシュ発生の少ない蒸着
材料が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、合成した一
酸化珪素単体を蒸着材料とするのではなく、主にSiとSi
O2をはじめとするSi酸化物からなる蒸着材料を用いて薄
膜を作製する方法において、出力を上げて高能率の作業
を行っても良好な特性が得られる技術の開発を課題とし
てなされたものである。
【0006】本発明の具体的な目的は、蒸発特性が良好
で、蒸着速度を大きくした場合でも優れた特性の薄膜を
得ることができる酸化珪素系蒸着材料とその製造方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、以下の
蒸着材料およびその製造方法にある。即ち、SiとSi酸化
物を含有し、多孔質構造を有する蒸着材料であって、見
掛け比重がこの蒸着材料の真比重よりも小さいことを特
徴とする蒸着材料であり、また見掛け比重がこの蒸着材
料の真比重よりも5〜60%小さい値をもつ特許請求の範
囲の請求項1に記載の蒸着材料であり、また、SiとSiの
酸化物を含有する粉末状組成物を用いて蒸着材料を製造
するに際し、粉末状組成物を多孔質化させた後、焼結す
ることを特徴とする蒸着材料の製造方法であり、またSi
とSi酸化物を含有する粉末状組成物に水を添加して多孔
質化させることを特徴とする請求項3に記載の蒸着材料
の製造方法であり、更に、粉末状組成物の平均粒径が50
μm 以下である請求項3または請求項4に記載の蒸着材
料の製造方法である。
【0008】本発明における真空蒸着法とは、抵抗加
熱、高周波誘導加熱、EB加熱、レーザー加熱等によ
り、ルツボに入っている材料を加熱、蒸発させて基板に
付着させる方法である。この時、真空槽内に水素、酸
素、水蒸気等の反応性ガスを導入し、例えば酸化反応を
行わせる、反応性蒸着等の特殊な蒸着も含まれる。
【0009】本発明の被覆用材料は、SiとSi酸化物を含
むものであるが、Si酸化物としては、SiO 、SiO2等およ
びそれらの混合物が挙げられる。SiO2の使用が好適であ
る。
【0010】SiとSiO2酸化物との混合割合は作製する薄
膜に要求される特性により変化させてよく、特に限定さ
れないが、包装用ガスバリアフィルムへの応用を考えた
場合には、例えば次の通りである。すなわち、Si 100重
量部に対して、Si酸化物は通常20〜400 重量部、好まし
くは50〜300 重量部、更に好ましくは 100〜250 重量部
である。また、Si酸化物として SiOとSiO2との混合物を
使用する場合、その配合割合は、 SiO 100重量部に対し
て、SiO2は通常50〜400 重量部、好ましくは50〜200 重
量部、更に好ましくは 100〜150 重量部である。また、
この成分中に、本発明の効果が損なわれない範囲で、Si
およびSi酸化物以外の成分を微量、例えば全成分に対し
て5重量%程度まで含んでいてもよい。
【0011】本発明でいう多孔質構造とは、細かい空孔
を多量に含んだ構造である。この空孔は発泡工程により
生じさせたものをいい、天然のままで存在しているもの
は含まれない。本発明の多孔質構造の空孔の大きさとし
ては、 0.1μm 〜十数mm程度であればよいが、蒸着効率
と得られる蒸着材料の特性を考えると1μm 〜数mm程度
が好ましい。
【0012】本発明でいう真比重とは、原料である無機
成分が本来もっている比重をいい、見掛け比重とは、空
孔を含んだ見掛け上の比重である。空孔率を原料の比重
との変化率で示すと、見掛け比重が真比重よりも小さけ
ればよく、見掛け比重が真比重よりも5〜60%小さい値
をもつものがより好ましい。すなわち、見掛け比重が原
材料の比重より60%を超えるほど小さい場合、すなわち
原材料の比重の40%未満の場合には、蒸着時の材料の消
耗が激しすぎるため、材料供給を頻繁に行わなければな
らないという問題が出てくる。また、見掛け比重が原材
料の比重より5%に満たない程度しか小さくない場合に
は、本発明の効果がやや小さい。
【0013】本発明の多孔質構造を有する蒸着材料を作
製する方法としては、SiとSi酸化物を含有する粉末状組
成物を用いて蒸着材料を製造する際に、粉末状組成物を
多孔質化させた後、焼結する方法を採ればよい。粉末状
組成物とは、粉末状の組成成分であって、その粒度は本
発明の効果が損なわれない限り特に限定はしないが、細
かいほど本発明の効果が大きく、平均粒径50μm 以下が
特に好ましい。従って、混合粉末の粒径が50μm を超え
る場合には、解砕して平均粒径を50μm 以下に微細化す
ることも効果的である。
【0014】図1は、本発明の概略の製造工程を示す図
である。この図に示すように、本発明方法では、まず、
Si(金属珪素)粉末とSiO2(二酸化珪素)粉末を混合す
る。
【0015】混合する方法としては、特に限定されない
が、ボールミル、ジェットミル等、混合と同時に解砕
(微粉砕)することが可能な混合機を使用するのが好ま
しい。これによって、混合と解砕(微粉砕)を同時に行
うことができる。
【0016】Si粉末とSiO2粉末との混合粉末の粒度は後
述の表1から推察されるように細かいほどよく、50μm
以下の微粉末であるのが好ましい。従って、混合粉末の
粒度が50μm を超える場合は、解砕して50μm 以下に微
細化するのが望ましい。なお、混合粉末を解砕する場合
は、必ずしも図1に示すように混合工程の後に行う必要
はない。例えば、混合前に両者を別々に解砕してもよい
し、混練と同時に行ってもよく、要するに成形前に微細
化しておけばよい。
【0017】次に、混合粉末を微粉砕した後、水を添加
して混練し、スラリー状とする。水の量が少なければス
ラリー状にならず、また、水の量が多すぎるとスラリー
の粘度が低くなりすぎ、後工程の鋳込み時に取り扱いが
困難になるので、水の量はSi粉末とSiO2粉末との混合粉
末 100g に対して32〜52g とするのが好適である。
【0018】次いで、スラリー状の混合粉末を成形す
る。この成形は、型枠 (鋳型) に鋳込む方法によって行
うのが実際的である。型枠ごと乾燥させることができる
ように耐熱材料製の型枠を用いるのが望ましい。型枠の
形状は特に限定はされないが、材料の取り扱いの便を考
えて、高さの低い直方体が好ましい。
【0019】成形後、乾燥して水分を蒸発させ、成形体
を多孔質化する。前記のようにスラリー状の混合粉末を
型枠に鋳込んだ場合は、そのままホットプレート等の上
に載せて乾燥・多孔質化(以下、単に多孔質化ともい
う)を行ってもよいし、乾燥機へ入れて水分を蒸発させ
てもよい。
【0020】多孔質化の温度は特に限定する必要はない
が、低ければ水分の蒸発に長時間を要し、高ければ激し
く沸騰して均一な多孔質体が得られないので、40〜150
℃とする方がより望ましい。この乾燥工程でスラリー状
の混合粉末は多孔質体となる。
【0021】蒸発乾固した多孔質体は1000〜1300℃で焼
結する。このときの多孔質化の見掛け比重は混練の際に
添加する水分の量、組成比、多孔質化の温度等によって
調節が可能である。これによって、蒸着材料として極め
て好適な多孔質体が得られる。
【0022】上記の工程で得られる多孔質構造を有する
蒸着材料が本発明の蒸着材料で、以下に述べるように、
酸化珪素系蒸着膜を形成するために使用される蒸着材料
として極めて好適である。
【0023】
【作用】本発明の蒸着材料及びその製造方法の特徴は、
SiとSiO2をはじめとするSi酸化物との混合粉末を用い
ること、及び、蒸着材料を多孔質体にすること、にあ
る。多孔質体にするために、混合粉末に水を加える工程
を経るのである。
【0024】のSiとSi酸化物を含有する粉末状組成物
を用いることにより、両粉末の混合の均一性ならびに反
応性が高められ、下記 (1)式によって反応し、SiO とな
って蒸発する傾向が大きくなる。この傾向は、粉末状組
成物の平均粒径が小さいほど大きい。
【0025】Si+SiO2→2SiO ・・・(1) 図2は種々の平均粒径を有するSiとSiO2との混合粉末を
10-5Torrの真空中で1250℃に加熱したときのSiO の蒸発
による重量減少(以下、蒸発特性という)を熱重量分析
により測定した結果を示す図である。この図から、所定
温度(1250℃)に達した後の重量減少は、混合粉末の粒
径が 100μm 程度の比較的大きい場合でも認められる
が、特に、粒径が50μm 以下の場合に急激で、蒸発特性
が著しく向上していることがわかる。これは、微粉末を
用いることによってSiとSiO2との混合の均一性がよくな
り、反応性が向上したことによるものと考えられる。焼
結温度を低くすれば、焼結時の粒の成長を抑え、粉末の
粒径と焼結体の粒径をほとんど同程度にすることができ
る。この蒸発特性に対する微粉末使用の効果は、焼結後
の材料の蒸発特性においても同じである。
【0026】表1は、種々の平均粒径を有するSiとSiO2
との混合粉末の蒸発特性を、前記図2の場合と同様の測
定を行い、昇温開始後 200分経過した後の重量変化を求
めた結果である。この結果からも、混合粉末の平均粒径
が小さくなるに従って重量減少率が大きくなり、蒸発特
性が向上していることがわかる。
【0027】
【表1】
【0028】前記の蒸着材料を多孔質体にすること、
すなわち、混合粉末に水を加えて混練し、乾燥すること
により多孔質化する効果は以下の点にある。
【0029】すなわち、従来のSiとSiO2とを単に混合し
て造粒し、あるいはプレス成形した後、焼結することに
よって得られる従来の蒸着用材料は、粒子あるいは成形
体が緻密であり、見掛け比重と真比重の差はほとんどな
い。このような材料を用いると、例えばEB蒸着法の場
合、電子ビームの照射点の蒸着材料の温度が局部的に急
上昇し、材料の表面からその破片が飛散する。又、造粒
した蒸着材料を使用する場合は、造粒された球状の粒子
自体が飛散する。電子ビームの出力を上げるとその傾向
はさらに強まるので、蒸着速度を大きくすることができ
ない(後述の実施例1参照)。
【0030】これに対して、本発明の多孔質構造を有す
る蒸発材料では、材料の破片等の飛散、スプラッシュが
少なくなるので、ビームの出力を高め、蒸着速度を格段
に高くすることが可能である。これは、蒸着材料が多孔
質であると、ビームの照射による熱が速やかに逃げてし
まうことによるものと考えられる。
【0031】次に実施例をあげて、本発明を説明する。
【0032】
【実施例1】本発明方法により作製した蒸着材料を用い
た場合(本発明例)と、SiとSiO2とを混合して造粒し、
焼結して得られた蒸着材料を用いた場合(比較例)につ
いて、EB蒸着時の粒子(造粒された球状の粒子)ある
いは蒸着材料の破片の飛散状況を比較した。
【0033】本発明方法による蒸着材料の作製において
は、平均粒径 100μm のSiとSiO2とをそれぞれ 300g秤
量し混合した。直径5mmのジルコニアのボールとともに
材料をジルコニア製のポットに容れ、遊星ボールミルに
装着し、150rpmで2時間回転させ、混合、解砕した。こ
うして得られた混合粉末の平均粒径は2μm であった。
この微粉砕した混合粉末 100gに対して水を40g加え、
攪拌してスラリー状とし、直方体の型枠に容れ、 100℃
で20時間乾燥した後、1300℃で2時間焼結した。この焼
結体は見掛け比重が1.47で、前記粉末原材料の比重に対
して60%の比重を有する多孔質構造の焼結体であった。
【0034】一方、比較用の蒸着材料は、平均粒径 100
μm のSiとSiO2の混合粉末にバインダーを加え、造粒機
を用いて直径3〜15mm程度の球状に造粒し、 100℃で20
時間乾燥した後、1300℃で2時間焼結した。この焼結体
の見掛け比重は、前記粉末材料の比重に対し95%であ
り、ほとんど緻密な構造であった。
【0035】EB蒸着時の粒子あるいは蒸着材料の破片
の飛散状況を表2に示す。この表において、本発明例で
は、蒸着材料は多孔質体で、比較例の場合のような粒子
(造粒された球状の粒子)は存在しないので、蒸着材料
の破片の飛散状況のみを記した。なお、表中の「微」と
は、1mm以下の小片がわずかに飛散する状態、「少」と
は、1〜3mm程度の破片がときどき飛散する状態、
「中」とは、3〜5mm以上の破片がときどき飛散する状
態、「多」とは、破片が間断なく飛散している状態を表
す。
【0036】この結果から明らかなように、出力をあげ
た場合、比較例では蒸着材料の粒体状での飛散、あるい
は材料の破片での飛散が激しい。飛散した破片等によっ
て、均一な膜が得られないばかりでなく、飛沫によって
プラスチック基板等が溶け、微小な穴や欠陥が発生する
ので、製品として利用できない。このため、出力をあげ
て生産速度を高めることができない。これに対し、本発
明例では電子ビームの出力を高めても蒸着材料の破片の
飛散は極めて少なく、電子ビームの出力を高め、蒸着速
度を大きくすることができる。
【0037】表3は、平均粒径が2μm 、50μm 、 100
μm および 150μm と異なるSi粉末とSiO2粉末の混合粉
末を用いて、上記の方法で焼結体を蒸着材料とした場合
の破片の飛散状況を調査した結果である。この結果から
明らかなように、原料粉末の平均粒径が大きくなると破
片の飛散が多くなるが、粒径が50μm 以下であれば特に
飛散が少なく、電子ビーム出力を高めることが可能であ
ることがわかる。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【実施例2】実施例1で作製した本発明例および比較例
の蒸着材料(原料粉末の平均粒径:2μm )を用いてP
ETフィルム(東洋紡績(株)製 E5007:12μm 厚)
の表面に酸化珪素系薄膜(膜厚: 700Å)を形成させ、
これらの膜の酸素バリア性を測定した。
【0041】蒸着時の電子ビーム出力は、本発明例にお
いては10〜45kw、比較例においては10kwおよび15kwとし
た。また、作製したガスバリアフィルムの酸素透過量
は、酸素透過率測定装置(モダンコントロールズ社製
OX−TRAN100 )を用いて測定した。
【0042】測定結果を表4に示す。比較例では、フィ
ルムの移動速度を 60m/minとすれば酸素透過量が 70cc/
m2・day を超え、ガスバリア膜として使用できないが
(比較例2)、本発明例では、フィルムの移動速度を10
0m/min以上にしても酸素遮蔽性は損なわれず、実に 200
m/min でも良好な性能を示した。
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】本発明の蒸着材料は良好な蒸発特性を有
し、蒸着速度を大きくとることができるので、電子ビー
ム蒸着法を用いて被覆を行えば、透明で、酸素透過量が
小さく、飛散物の付着のない食品包装材料を高能率で生
産することが可能である。この蒸着材料は本発明方法に
よれば、比較的簡単な工程で製造することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の概略の製造工程を示す図である。
【図2】金属珪素と二酸化珪素との混合粉末の加熱時に
おける蒸発特性(重量減少)を示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiとSi酸化物を含有し、多孔質構造を有す
    る蒸着材料であって、見掛け比重がこの蒸着材料の真比
    重よりも小さいことを特徴とする蒸着材料。
  2. 【請求項2】見掛け比重がこの蒸着材料の真比重よりも
    5〜60%小さい値をもつ請求項1に記載の蒸着材料。
  3. 【請求項3】SiとSi酸化物を含有する粉末状組成物を用
    いて蒸着材料を製造するに際し、粉末状組成物を多孔質
    化させた後、焼結することを特徴とする蒸着材料の製造
    方法。
  4. 【請求項4】SiとSi酸化物を含有する粉末状組成物に水
    を添加して多孔質化させることを特徴とする請求項3に
    記載の蒸着材料の製造方法。
  5. 【請求項5】粉末状組成物の平均粒径が50μm 以下であ
    る請求項3または請求項4に記載の蒸着材料の製造方
    法。
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