JP6028714B2 - Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents

Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、CIGS(Cu−In−Ga−Se)太陽電池の光吸収層の形成に使用されるCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法に関するものである。
近年、クリーンエネルギーの一つとして、太陽光発電が注目されている。主に、結晶系Siの太陽電池が使用されているが、供給面やコストの問題から、変換効率の高いCIGS(Cu−In−Ga−Se)系の太陽電池が注目されている。
CIGS太陽電池は、基本構造として、ソーダライムガラス基板の上に形成された裏面電極となるMo電極層と、このMo電極層の上に形成された光吸収層となるCu−In−Ga−Se四元系合金膜と、このCu−In−Ga−Se四元系合金膜からなる光吸収層の上に形成されたZnS、CdS等からなるバッファ層と、このバッファ層の上に形成された透明電極とを備える。
Cu−In−Ga−Se四元系合金膜からなる光吸収層の形成方法としては、蒸着法が知られているが、より広い面積で均一な膜を得るために、スパッタ法によって形成する方法が提案されている。
スパッタ法としては、例えば、先ず、Inターゲットを使用してスパッタによりIn膜を成膜し、このIn膜の上にCu−Ga合金スパッタリングターゲットを使用してスパッタすることによりCu−Ga合金膜を成膜し、得られたIn膜およびCu−Ga合金膜からなる積層膜をSe雰囲気中で熱処理してCu−In−Ga−Se四元系合金膜を形成する方法がある。
このスパッタ法により形成されたCu−In−Ga−Se四元系合金膜の品質は、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの品質に大きく依存するため、高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いることが望まれている。
Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法としては、粉末焼結法が知られている。
例えば、特許文献1には、高Ga含有Cu−Ga合金粉末と、純Cuまたは低Ga含有Cu−Ga合金粉末とを配合してホットプレス法にて200℃といった低い温度で焼結し、高Ga含有Cu−Ga二元系合金粒の周囲を低Ga含有Cu−Ga二元系合金粒界相で包囲された二相共存組織のスパッタリングターゲットを製造する方法が記載されている。200℃といった低温で焼結しているのは、焼結時に液相が出現するのを避けるためであるが、低温で焼結しているため、ターゲットの密度が上がらず相対密度の低いターゲットになる。また、200℃での焼結ではターゲット中に高Ga合金であるCuGa相が残存してしまうが、CuGaは脆いため、ターゲット中に残存するとターゲットの強度が弱まるといった問題がある。
また、特許文献2にも、高Ga含有Cu−Ga合金粉末と、純Cuまたは低Ga含有Cu−Ga合金粉末とを配合してホットプレス法または熱間静水等方圧成形法(HIP法)により焼結する技術が開示されている。特許文献2では、高Ga含有Cu−Ga合金粉末のGa上限を45原子%以下に設定して焼結時の液相の出現を抑制することで、特許文献1よりも高温での焼結を実現している。
また、特許文献3には、Cu粉末とGaとを混合撹拌して得られたCu−Ga合金粉末をプレス成形し、この成形体を真空中で400℃〜800℃で焼結する方法が開示されているが、このような常圧焼結法では高密度の焼結体が得られていない。
すなわち、特許文献1や特許文献2に記載のホットプレス法やHIP法といった加圧焼結法は高コストの製造方法であり、特許文献3に記載の常圧焼結法のような安価な製法で焼結体を得ることが求められている。しかしながら、常圧焼結法では、高密度の焼結体が得られないという問題がある。
特開2008−138232号公報 特開2011−149039号公報 特開2011−231396号公報
本発明は上記のような事情に着目してなされたものであり、常圧焼結法による高密度のCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができるCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明者が鋭意検討した結果、ホットプレス法では高密度の焼結体を得るために焼結中の液相の出現を避けていたが、常圧焼結法では焼結中に液相を出現させることにより、むしろ空孔が減り、焼結体が高密度化することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法は、外周部がCuGa相および/またはCuGa(γ、γ)相からなり、中心部が前記外周部よりもGa濃度の低いCuGa合金相および/またはGaが固溶したCu相および/または純Cu相からなり、平均Ga濃度が32原子%〜40原子%のCu−Ga合金粉末を平均粒径(D50)が10μm〜45μmになるように粉砕した後、冷間静水等方圧成形し、その後、真空、不活性ガスまたは還元雰囲気中で450℃以上700℃以下で常圧焼結法により焼結することを特徴としている。
また、本発明のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法の別の態様は、外周部がCuGa相および/またはCuGa(γ、γ)相からなり、中心部が前記外周部よりもGa濃度の低いCuGa合金相および/またはGaが固溶したCu相および/または純Cu相からなり、平均Ga濃度が32原子%〜40原子%で、平均粒径(D50)が10μm〜45μmのCu−Ga合金粉末を冷間静水等方圧成形し、その後、真空、不活性ガスまたは還元雰囲気中で450℃以上700℃以下で常圧焼結法により焼結することを特徴としている。
本発明では、常圧焼結法であっても、焼結中に液相を出現させて焼結体内の空孔を減少させることができるため、高密度化の焼結体を得ることができる。
以下に、本発明を適用したCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法について詳細に説明する。なお、本発明は、特に限定がない限り、以下の詳細な説明に限定されるものではない。
<Cu−Ga合金スパッタリングターゲット>
先ず、本発明を適用したCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法により得られるCu−Ga合金スパッタリングターゲットについて説明する。Cu−Ga合金スパッタリングターゲットは、Cu−Ga合金粉末を原料として常圧焼結法により製造することができる。
このCu−Ga合金粉末としては、外周部がCuGa相および/またはCuGa(γ、γ)相からなり、中心部が外周部よりもGa濃度の低いCuGa合金相および/またはGaが固溶したCu相および/または純Cu相からなり、平均Ga濃度が32原子%〜40原子%のCu−Ga合金粉末を平均粒径(D50)が10μm〜45μmになるように粉砕したもの、または外周部がCuGa相および/またはCuGa(γ、γ)相からなり、中心部が外周部よりもGa濃度の低いCuGa合金相および/またはGaが固溶したCu相および/または純Cu相からなり、平均Ga濃度が32原子%〜40原子%で、平均粒径(D50)が10μm〜45μmのCu−Ga合金粉末を用いることができる。
Cu−Ga合金スパッタリングターゲットは、このCu−Ga合金粉末を焼結して得られたものであり、焼結の際にCuGa相および/またはCuGa(γ、γ)相が液相となって空孔に入り込むことで、高密度となっている。Cu−Ga合金スパッタリングターゲットは、相対密度が95%以上の高密度のものである。
<1.Cu−Ga合金粉末の製造方法>
先ず、Cu−Ga合金粉末の製造方法について説明する。
ここで作製するCu−Ga合金粉末は、後工程である焼結を促進するために、平均粒径(D50)が10μm〜45μmである。Cu−Ga合金粉末の平均粒径(D50)が45μmを超える場合には、焼結が進まず、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの相対密度が低くなってしまう。また、平均粒径(D50)が10μm未満のCu−Ga合金粉末は、Cu−Ga合金粉末を得るための出発原料であるCu粉末の粒径を細かくしたり、後述するように、合金化後にCu−Ga合金粉末を微細に粉砕する必要があるため、別途粉砕工程を必要とし、製造工程が煩雑になるだけでなく、Cu−Ga合金粉末が高コストになり、経済的な利点が無い。平均粒径(D50)が10μm〜45μmの範囲では、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの相対密度は95%以上となって、スパッタ中のアークが低減される。Cu−Ga合金粉末の平均粒径(D50)は、後述するCu粉末の粒径や粉砕によって調整する。
Cu−Ga合金粉末の平均粒径は、合金粉末の粒度分布をレーザー回折法で測定し、小径側から存在比率(体積基準)を積算して、その値が全粒径に亘った存在比率の積算値の半分になる粒径(D50)である。
(原料)
Cu−Ga合金粉末の原料としては、Cu粉末およびGaが用いられる。Cu粉末およびGaの純度は、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットから形成されるCIGS光吸収層の特性に影響を与えないように適宜選択される。
Cu粉末は、例えば、電解法またはアトマイズ法により製造される電解Cu粉またはアトマイズCu粉を使用することができる。電解Cu粉は、硫酸銅溶液等の電解液中で電気分解により陰極に海綿状または樹枝状の形状のCuを析出させて製造される。アトマイズCu粉は、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、遠心アトマイズ法、メルトエクストラクション法等により球状または不定形の形状のCu粉末が製造される。なお、Cu粉末は、これらの方法以外で製造されたものを使用してもよい。
Cu粉末の平均粒径(D50)は、5μm〜150μmであることが好ましい。CuGa合金化後にCu−Ga合金粉末を粉砕しないでそのまま用いる場合は、Cu粉末の平均粒径(D50)を5μm〜23μmとし、CuGa合金化後にCu−Ga合金粉末を粉砕する場合はCu粉末の平均粒径(D50)は23μmを越え、150μm以下とする。
Cu粉末の平均粒径(D50)が5μm未満の場合には、粉末自体が高価な上、Cu粉末の飛散防止のための特別な取り扱いが必要になるとともに、Cu粉末のかさ容量が増加して合金粉末製造装置が大型化し、高額な装置が必要となる。なお、Cu粉末の平均粒径(D50)が5μm以上であれば、合金化後のCu−Ga合金粉末の平均粒径(D50)は10μm以上となる。
Cu粉末の平均粒径(D50)が150μmを越える場合には、Gaが被覆しなければならないCu粉末の比表面積(BET法)が減少して、Cu粉末をGaで被覆するのに必要となるGaの量も減少し、そのため、余剰となった未反応のGaの液相が残るため、Gaを有効に利用することができない。そのため、Gaの拡散の進行も遅くなり、Cu芯が多く存在し、粉砕してもCu−Ga合金粉末の平均粒径(D50)を45μm以下にするのが困難となってしまう。Cu−Ga合金粉末の平均粒径(D50)が45μmを超えると、粉末同士の接触面積は小さくなり、焼結が進まず、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの空孔率が高くなり、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの密度が低くなってしまう。
したがって、Cu粉末の平均粒径(D50)を5μm〜150μmとすることによって、Cu粉末の飛散防止の措置をとる必要がなく、合金粉末製造装置の大型化を防止でき、また未反応のGaの液相を少なくでき、Gaを有効に利用することができる。
なお、Cu粉末の平均粒径は、Cu粉末の粒度分布をレーザー回折法で測定し、小径側から存在比率(体積基準)を積算して、その値が全粒径に亘った存在比率の積算値の半分になる粒径(D50)である。
Gaは、融点が低い金属(融点:29.78℃)であり、加熱により容易に融解する。融解したGaは、Cu粉末を被覆して二元系合金化する。Gaの形状には、制限はないが、小片であると秤量が容易である。Ga小片は、Gaを室温近傍で溶解して鋳造し、鋳造物を砕いて得ることができる。Gaは、低い温度で液体になるので、配合するGaの平均粒径(サイズ)については、Cu−Ga合金粉末の平均粒径の観点からは制限されない。したがって、Gaは、配合のための秤量のしやすさや、ハンドリングに容易な形状を選べばよい。
(配合)
Cu粉末とGaとは、原子量比で68:32〜60:40の割合で配合する。Ga量が32原子%以上であることにより、GaによるCu粉末の均一被覆が可能となると共に、Cu−Ga合金粉末の外周部が低融点のCuGa相および/またはCuGa(γ、γ)相からなり、得られた粉末を焼結した際に均一な合金組織にすることが可能となる。また、Ga量が40原子%以下であることにより、Cu粉末の間に存在する多量のGaによってCu粉末同士が結合して塊状になるのを防ぐことができ、Cu−Ga合金粉末の収率を向上させることができる。
(合金化)
上述した原子量比でCu粉末とGaとが配合された混合粉末を、真空または不活性ガス雰囲気中で110℃以上350℃以下の温度で撹拌して合金化する。雰囲気としては、真空が好ましく、具体的には、上述した原子量比で秤量したCu粉末とGa小片を、混合装置に投入し、雰囲気を真空にした後、加熱手段で110℃以上350℃以下の範囲で温度を制御し、撹拌機で撹拌することにより、Cu粉末とGaとを混合し、Cu粉末の外周部および内部にGaが分散したCu−Ga二元系合金粉末を作製する。
Cu−Ga合金粉末は、次のような過程を経て形成されるものと考えられる。融点を超えて液体となったGaは、混合のせん断運動によって小さな液滴になりながらCu粉末間に均一に分散する。分散したGa液滴は、Cu粉末の周囲に付着し、Cu粉末とGa液滴が接触するとCu粉末にGaの拡散が始まり、Ga濃度が高まるともにCuGa金属間化合物を生成しながら合金化反応が進行する。
このとき、Cu−Ga合金粉末の外周部は、Ga濃度の高いCuGa金属間化合物層であるCuGa(θ)相および/またはCuGa(γ、γ)相で、中心部は、Ga濃度が20.5原子%〜22.5原子%のζ相や、Ga濃度が29.8原子%〜37.4原子%のγ相といった外周部よりもGa濃度の低いCuGa合金相、Gaを固溶したCu相または純Cu相となる。
Cu−Ga合金粉末の合金化の温度を110℃以上350℃以下の範囲に制御することで、Cu−Ga合金粉末の外周部をCuGa(θ)相やCuGa(γ、γ)相に形成することができ、また、中心部をCuGa(γ)相、CuGa(ζ)相、Gaが固溶したCu相、純Cu相に形成することができる。なお、一般的には、撹拌温度が254℃以上の場合には、θ相の融点を超えるのでθ相からGaが溶出し、γ相(Ga:37.5原子%〜42.7原子%)やγ相(Ga:33.9原子%〜37.7原子%)に変態する。
また、Cu−Ga合金粉末の合金化を、真空雰囲気中やAr等の不活性ガス雰囲気中等で行うことで、Cu−Ga合金粉末内の酸素の含有量を抑制することができる。
Cu粉末とGaとの混合は、均一な合金化反応の進行に有効である。また、混合のせん断運動は、粉同士の固着による塊状物の生成も抑制していると思われる。塊状物が生成してしまうと、ホットプレス等の焼結工程において、焼結体中に空孔が生成し、密度が不均一になってしまう。
Cu粉末とGaの混合および合金化のための加熱には、容器内を撹拌羽根や撹拌ブレード等の撹拌機が運動する混合装置を使用することができる。また、円筒、ダブルコーン、ツインシェル等の回転容器型の混合装置を使用してもよい。また、容器の内部にボールを投入して混合を強化してもよい。
容器材質は、加熱に対する耐熱性と、GaおよびCu−Ga合金の付着抑制の観点から選ばれる。容器としては、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等のガラス容器、アルミナやジルコニア等のセラミックス容器、テフロン(登録商標)樹脂容器、テフロン(登録商標)被覆容器、ホーロー容器等が使用できる。
このようにして作製されたCu−Ga合金粉末は、強度や成形性等に優れていると共に、作製温度が低温であるがゆえに作製に用いる装置が簡便となるため、安価に合金粉末を作製できるという利点を有する。
以上のようなCu−Ga合金粉末の製造方法では、Cu粉末とGaとが原子量比68:32〜60:40の割合で配合され、110℃以上350℃以下の範囲で、且つ真空中または不活性ガス雰囲気中で加熱して合金化することによって、優れた成形性を有するCu−Ga合金粉末が得られる。また、撹拌温度によって得られる合金相を調整することも可能である。
Cu−Ga合金相の特定には、粉末を樹脂で埋め込み断面研磨し、EPMA(Electron Probe Micro Analyser)を用いた定性分析により知ることができる。
(粉砕)
合金化工程で得られたCu−Ga合金粉末の平均粒径が10μm〜45μmである場合には、この粉砕工程を経ることなしに、Cu−Ga合金スパッタリングターゲット製造工程に投入することができる。また、平均粒径が45μmを超える場合は、以下に説明する粉砕工程でCu−Ga合金粉末の粒径を調整する。
Cu−Ga合金化物の粉砕の雰囲気は、大気中またはAr等の不活性ガス雰囲気が好ましい。粉砕を行う装置としては、ボールミルを使用することができる。ボールミルに使用するボールは、Al、ZrO、SUSボールやテフロン(登録商標)を被覆したSUSボールを使用でき、直径は5mm〜20mm程度である。また、ボールミルを使用する場合には、回転数50rpm〜250rpm程度である。
ボールミルの他に、粉砕には、ジェットミルやハンマーミル等を用いることができる。また、Cu粉末とGaの合金化の際の撹拌で使用したビーカーに、ボールを入れて羽根を回転させて粉砕することもできる。
このように、Cu−Ga合金化物を粉砕することで、Cu−Ga合金粉末の平均粒径を10μm〜45μmに調整することができ、高密度なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製することができる。
<2.Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法>
次に、上述したCu−Ga合金粉末を用いたCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法について説明する。
(成形)
先ず、Cu−Ga合金粉末をゴム型に給粉する。ゴム型の形状に制限はなく、平板タイプのものでも、円筒系タイプのものでも適用可能である。
成形工程では、Cu−Ga合金粉末を、300MPa以上の圧力で加圧成形して、成形体を得る。300MPaより低い圧力では、粒子間に存在する空孔を除去することが困難となり、焼結体の密度低下をもたらす。また、成形体強度も低くなるため、安定した製造が困難となる。加圧成形には、高圧力が得られる冷間静水等方圧プレス(CIP:Cold Isostatic Press)を用いることが望ましい。
(焼結)
焼結は、常圧焼結法(真空焼結を含む)により行う。具体的には、真空中、不活性ガス雰囲気、または還元雰囲気中において行うのが望ましい。Cu−Ga合金粉末の焼結を、真空中、不活性ガス雰囲気、または還元雰囲気中で行うことにより、Cu−Ga合金粉末の焼結体の酸素含有量を低減することができる。
また、焼結工程では、Ga濃度によって焼結温度を調整しながら、450℃以上700℃以下の温度範囲で焼結する。焼結温度が450℃未満では、焼結体の密度が高くならず、好ましくない。また、焼結温度が700℃を超えると、焼結時に液相が多く出現し、焼結体から流れ出すことがあるため、高密度の焼結体が得難くなるとともに、場合によっては焼結炉の炉床板と固着することがあり、好ましくない。
したがって、焼結工程では、上述した特定のCu−Ga合金粉末を用い、常圧焼結法において、真空中、不活性ガス雰囲気、または還元雰囲気中で、且つ450℃以上700℃以下の温度範囲に制御して焼結を行うことで、液相を適度に出現させ、この液相が成形体の空孔に入り込むようになる。その結果、焼結体を高密度化することができる。
(仕上げ)
焼結後に、仕上げ処理を行う。仕上げは、CuGa合金の焼結体の表面を研削により平面にし、Cu製のバッキングプレートにボンディングする。
(評価)
Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法においては、得られたCu−Ga合金スパッタリングターゲットについて、スパッタリング装置を用いてアーク放電の有無により、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの性能の評価を行う。具体的には、スパッタ装置に取り付け、1.0×10−4Pa以下まで真空排気した後、Arガス(純度:99.99%)を導入して、Arガス圧0.5Pa、DC100Wの条件でスパッタし、スパッタ膜を成膜した。マイクロアークモニター(ランドマークテクノロジー社製)を用いて1分間平均の異常放電を計数する。
以上のように、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法では、外周部がCuGa相および/またはCuGa(γ、γ)相からなり、中心部が外周部よりもGa濃度の低いCuGa合金相および/またはGaが固溶したCu相および/または純Cu相からなり、平均Ga濃度が32原子%〜40原子%のCu−Ga合金粉末を平均粒径(D50)が10μm〜45μmになるように粉砕したもの、または外周部がCuGa相および/またはCuGa(γ、γ)相からなり、中心部が外周部よりもGa濃度の低いCuGa合金相および/またはGaが固溶したCu相および/または純Cu相からなり、平均Ga濃度が32原子%〜40原子%で、平均粒径(D50)が10μm〜45μmのCu−Ga合金粉末とし、加圧成形し、常圧焼結することにより、高密度なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造することができる。
すなわち、本発明においては、ホットプレス法やHIP法等の加圧焼結法ではなく、常圧焼結法により、Cu−Ga合金粉末の焼結体を製造するため、焼結中に低融点のCuGa相および/またはCuGa(γ、γ)相が液相となり、成形体の空孔に液相が入り込むことによって、高密度化が促進され、焼結体の相対密度を高めることができる。その結果、高密度なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造することができる。
また、常圧焼結法では、焼結時に型を使用することなく一度に大量枚数の焼結体を焼結することができるため、生産性を向上させることができると共に、低コストで焼結体を製造することができるという利点もある。
次に、本発明のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法を、実施例により更に詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。なお、以下に示す表1、表2および表3には、実施例1〜11および比較例1〜5におけるCu−Ga合金作製工程、成形・焼結工程およびスパッタ評価の各条件および評価結果をまとめた。
(実施例1)
(合金粉作製工程)
合金粉作製工程では、平均粒径(D50)が100μmのCu粉末とGaとを、Ga濃度が32原子%となるように、Cu粉末1978gおよびGa1022gを用意し、250℃に加熱し、真空雰囲気(200Pa以下)中で、60分混合撹拌し、CuおよびGaを合金化した。得られたCu−Ga合金粉末を樹脂に埋め込み、断面研磨を行った後、EPMAで分析したところ、γ相、γ相、γ相、Cu固溶体相、および純Cu相の存在を確認した。
得られたCu−Ga合金粉末をポリエチレン製の10L容器に入れ、直径10mmφのZrOボールを、Cu−Ga合金粉末と同質量入れ、3時間、ボールミルで混合・粉砕を行った。得られた粉砕合金粉末の平均粒径(D50)は45μmであった。
(成形・焼結工程)
粉砕合金粉末を220mm×330mm×25mmのゴム型に敷き詰め、300MPaの圧力でCIP成形し、成形体を得た。得られた成形体を600℃、Ar雰囲気にて24時間焼結し、焼結体を作製した。
焼結体を研磨し、EPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相の存在を確認した。また、Ga濃度は32原子%であった。
光学顕微鏡により得た画像を、画像解析ソフトImageJを使用して焼結体の空隙率を求めたところ、4.82%であり、相対密度は95%であった。なお、相対密度は100%から空隙率を差し引いた値とした。
(スパッタ評価)
焼結体をCu製バッキングプレートに接合してターゲットを作製し、スパッタ装置(アルバック製SH450)に取り付けた。スパッタ電源にはDC電源を用いた。
基板としては、25×76mmのNaフリーガラスを用い、到達真空度が5×10−4Pa、Arガス圧が0.5Pa、DC100Wの条件で30分間、スパッタ成膜した。スパッタ中のアーク放電は、マイクロアークモニター(アドバンスドテクノロジー社製)で計測した。通常、スパッタ開始直後は、ターゲット面の加工汚れ等の影響でアークが発生するので、スパッタ開始5分間はターゲット直上のシャッターを閉めたままで、基板に成膜しない状態とし、その後シャッターを開いて25分間、基板上にスパッタ成膜した。アーク計測もシャターを開いた25分間とした。その結果、アーク放電は発生しなかった。
(実施例2)
(合金粉作製工程)
Ga濃度が35原子%となるように、Cu粉末1886gおよびGa1114gを用意した以外は実施例1の条件と同様にしてCuおよびGaを合金化した。得られたCu−Ga合金粉末を樹脂に埋め込み、断面研磨を行った後、EPMAで分析したところ、θ相、γ相、および純Cu相の存在を確認した。
Cu−Ga合金粉末を実施例1の条件と同様にしてボールミルで混合・粉砕を行った。得られた粉砕合金粉末の平均粒径(D50)は40μmであった。
(成形・焼結工程)
粉砕合金粉末を用いて、550℃、真空中にて24時間焼結し、焼結体を作製した。
実施例1の条件と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相の存在を確認した。また、Ga濃度は35原子%であった。
実施例1の条件と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、95%であった。
(スパッタ評価)
実施例1の条件と同様にして焼結体のスパッタを行ったところ、アーク放電は発生しなかった。
(実施例3)
(合金粉作製工程)
Ga濃度が40原子%となるように、Cu粉末1733gおよびGa1267gを用意したこと以外は実施例1の条件と同様にしてCuおよびGaを合金化した。得られたCu−Ga合金粉末を樹脂に埋め込み、断面研磨を行った後、EPMAで分析したところ、θ相、γ相、および純Cu相の存在を確認した。
Cu−Ga合金粉末を実施例1の条件と同様にしてボールミルで混合・粉砕を行った。得られた粉砕合金粉末の平均粒径(D50)は15μmであった。
(成形・焼結工程)
粉砕合金粉末を用いて、焼結温度を500℃にした以外は実施例1の条件と同様にして焼結体を作製した。
実施例1の条件と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相の存在を確認した。また、Ga濃度は40原子%であった。
実施例1の条件と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、98%であった。
(スパッタ評価)
実施例1の条件と同様にして焼結体のスパッタを行ったところ、アーク放電は発生しなかった。
(実施例4)
(合金粉作製工程)
Cu粉末の平均粒径を150μmにしたことと、合金化温度を350℃、合金化時間を30分にしたこと以外は実施例1の条件と同様にしてCuおよびGaを合金化した。得られたCu−Ga合金粉末を樹脂に埋め込み、断面研磨を行った後、EPMAで分析したところ、γ相、γ相、およびζ相の存在を確認した。
Cu−Ga合金粉末を実施例1の条件と同様にしてボールミルで混合・粉砕を行った。得られた粉砕合金粉末の平均粒径(D50)は10μmであった。
(成形・焼結工程)
粉砕合金粉末を用いて、650℃、真空中にて24時間焼結し、焼結体を作製した。
実施例1の条件と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相の存在を確認した。また、Ga濃度は32原子%であった。
実施例1の条件と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、99%であった。
(スパッタ評価)
実施例1の条件と同様にして焼結体のスパッタを行ったところ、アーク放電は発生しなかった。
(実施例5)
(合金粉作製工程)
Cu粉末の平均粒径を30μmにしたこと以外は実施例1の条件と同様にしてCuおよびGaを合金化した。得られたCu−Ga合金粉末を樹脂に埋め込み、断面研磨を行った後、EPMAで分析したところ、γ相、Cu固溶体相、および純Cu相の存在を確認した。
Cu−Ga合金粉末を実施例1の条件と同様にしてボールミルで混合・粉砕を行った。得られた粉砕合金粉末の平均粒径(D50)は20μmであった。
(成形・焼結工程)
粉砕合金粉末を用いて、600℃、真空中にて24時間焼結し、焼結体を作製した。
実施例1の条件と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相の存在を確認した。また、Ga濃度は32原子%であった。
実施例1の条件と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、96%であった。
(スパッタ評価)
実施例1の条件と同様にして焼結体のスパッタを行ったところ、アーク放電は発生しなかった。
(実施例6)
(合金粉作製工程)
実施例1の条件と同様にしてCu−Ga合金粉末を作製し、次いで、実施例1の条件と同様にしてEPMAでCu−Ga合金粉末の分析を行ったところ、γ相、γ相、γ相、Cu固溶体相、純Cu相の存在を確認した。
実施例1の条件と同様にしてCu−Ga合金粉末を混合・粉砕を行った。得られた粉砕合金粉末の平均粒径(D50)は45μmであった。
(成形・焼結工程)
粉砕合金粉末を用いて、700℃、Ar中にて24時間焼結し、焼結体を作製した。
実施例1の条件と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相の存在を確認した。また、Ga濃度は32原子%であった。
実施例1の条件と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、97%であった。
(スパッタ評価)
実施例1の条件と同様にして焼結体のスパッタを行ったところ、アーク放電は発生しなかった。
(実施例7)
(合金粉作製工程)
実施例1の条件と同様にしてCu−Ga合金粉末を作製し、次いで、実施例1の条件と同様にしてEPMAでCu−Ga合金粉末の分析を行ったところ、γ相、γ相、γ相、Cu固溶体相、および純Cu相の存在を確認した。
実施例1の条件と同様にしてCu−Ga合金粉末を混合・粉砕を行った。得られた粉砕合金粉末の平均粒径(D50)は45μmであった。
(成形・焼結工程)
粉砕合金粉末を用いて、450℃、Ar中にて24時間焼結し、焼結体を作製した。
実施例1の条件と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相の存在を確認した。また、Ga濃度は32原子%であった。
実施例1の条件と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、95%であった。
(スパッタ評価)
実施例1の条件と同様にして焼結体のスパッタを行ったところ、アーク放電は発生しなかった。
(実施例8)
(合金粉作製工程)
Cu粉末の平均粒径を23μmにし、混合・粉砕を行わなかったこと以外は実施例1の条件と同様にしてCuおよびGaを合金化した。得られたCu−Ga合金粉末の平均粒径(D50)は45μmであった。また、Cu−Ga合金粉末を樹脂に埋め込み、断面研磨を行った後、EPMAで分析したところ、γ相、および純Cu相の存在を確認した。
(成形・焼結工程)
Cu−Ga合金粉末を用いて、650℃、真空中にて24時間焼結し、焼結体を作製した。
実施例1の条件と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相の存在を確認した。また、Ga濃度は32原子%であった。
実施例1の条件と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、95%であった。
(スパッタ評価)
実施例1の条件と同様にして焼結体のスパッタを行ったところ、アーク放電は発生しなかった。
(実施例9)
Cu粉末の平均粒径を10μmにし、混合・粉砕を行わなかったこと以外は実施例1の条件と同様にしてCuおよびGaを合金化した。得られたCu−Ga合金粉末の平均粒径(D50)は19μmであった。また、Cu−Ga合金粉末を樹脂に埋め込み、断面研磨を行った後、EPMAで分析したところ、γ相、Cu固溶体相、および純Cu相の存在を確認した。
(成形・焼結工程)
Cu−Ga合金粉末を用いて、650℃、真空中にて24時間焼結し、焼結体を作製した。
実施例1の条件と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相の存在を確認した。また、Ga濃度は32原子%であった。
実施例1の条件と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、98%であった。
(スパッタ評価)
実施例1の条件と同様にして焼結体のスパッタを行ったところ、アーク放電は発生しなかった。
(実施例10)
Cu粉末の平均粒径を5μmにしたこと、合金化温度を110℃、合金化時間を80分にしたこと、および混合・粉砕を行わなかったこと以外は実施例1の条件と同様にしてCuおよびGaを合金化した。得られたCu−Ga合金粉末の平均粒径(D50)は10μmであった。また、Cu−Ga合金粉末を樹脂に埋め込み、断面研磨を行った後、EPMAで分析したところ、γ相、および純Cu相の存在を確認した。
(成形・焼結工程)
Cu−Ga合金粉末を用いて、650℃、4体積%のHガスを含むNガスによる還元雰囲気中にて24時間焼結し、焼結体を作製した。
実施例1の条件と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相の存在を確認した。また、Ga濃度は32原子%であった。
実施例1の条件と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、99%であった。
(スパッタ評価)
実施例1の条件と同様にして焼結体のスパッタを行ったところ、アーク放電は発生しなかった。
(実施例11)
(合金粉作製工程)
合金化の雰囲気をAr雰囲気にしたこと以外は実施例1の条件と同様にしてCuおよびGaを合金化した。得られたCu−Ga合金粉末を樹脂に埋め込み、断面研磨を行った後、EPMAで分析したところ、γ相、γ相、純Cu相の存在を確認した。
Cu−Ga合金粉末を実施例1の条件と同様にしてボールミルで混合・粉砕を行った。得られた粉砕合金粉末の平均粒径(D50)は35μmであった。
(成形・焼結工程)
粉砕合金粉末を用いて、600℃、Ar中にて24時間焼結し、焼結体を作製した。
実施例1の条件と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相の存在を確認した。また、Ga濃度は32原子%であった。
実施例1の条件と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、96%であった。
(スパッタ評価)
実施例1の条件と同様にして焼結体のスパッタを行ったところ、アーク放電は発生しなかった。
(比較例1)
(合金粉作製工程)
Ga濃度が45原子%となるように、Cu粉末1581gおよびGa1419gを用意したことと、合金化温度を300℃にしたこと以外は実施例1の条件と同様にしてCuおよびGaを合金化した。得られたCu−Ga合金粉末を樹脂に埋め込み、断面研磨を行った後、EPMAで分析したところ、θ相、γ相の存在を確認した。
Cu−Ga合金粉末を、粉砕時間を2時間とした以外は実施例1の条件と同様にしてボールミルで混合・粉砕を行った。得られた粉砕合金粉末の平均粒径(D50)は45μmであった。
(成形・焼結工程)
粉砕合金粉末を用いて、430℃、真空中にて24時間焼結し、焼結体を作製した。
実施例1の条件と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相であり、Ga濃度は45原子%であった。
実施例1の条件と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、80%であった。
(スパッタ評価)
実施例1の条件と同様にして焼結体のスパッタを行ったところ、アーク放電が発生した。
(比較例2)
(合金粉作製工程)
Ga濃度が30原子%となるように、Cu粉末2040gおよびGa960gを用意したことと以外は実施例1の条件と同様にしてCuおよびGaを合金化した。得られたCu−Ga合金粉末を樹脂に埋め込み、断面研磨を行った後、EPMAで分析したところ、γ相、Cu固溶体相、および純Cu相の存在を確認した。
Cu−Ga合金粉末を、粉砕時間を4時間とした以外は実施例1の条件と同様にボールミルで混合・粉砕を行った。得られた粉砕合金粉末の平均粒径(D50)は30μmであった。
(成形・焼結工程)
粉砕合金粉末を用いて、650℃、真空中にて24時間焼結し、焼結体を作製した。
実施例1の条件と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相の存在を確認した。また、Ga濃度は45原子%であった。
実施例1の条件と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、90%であった。
(スパッタ評価)
実施例1の条件と同様にして焼結体のスパッタを行ったところ、アーク放電が発生した。
(比較例3)
(合金粉作製工程)
Cu粉末の平均粒径を30μmにし、混合・粉砕を行わなかったこと以外は実施例1の条件と同様にしてCuおよびGaを合金化した。得られたCu−Ga合金粉末の平均粒径(D50)は59μmであった。また、得られたCu−Ga合金粉末を樹脂に埋め込み、断面研磨を行った後、EPMAで分析したところ、γ相、Cu固溶体相、純Cu相の存在を確認した。
(成形・焼結工程)
Cu−Ga合金粉末を用いて、700℃、真空中にて24時間焼結し、焼結体を作製した。
実施例1の条件と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相であり、Ga濃度は32原子%であった。
実施例1の条件と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、88%であった。
(スパッタ評価)
実施例1の条件と同様にして焼結体のスパッタを行ったところ、アーク放電が発生した。
(比較例4)
(合金粉作製工程)
実施例1の条件と同様にしてCu−Ga合金粉末を作製し、次いで、実施例1の条件と同様にしてEPMAでCu−Ga合金粉末の分析を行ったところ、γ相、γ相、γ相、Cu固溶体相、および純Cu相の存在を確認した。
実施例1の条件と同様にしてCu−Ga合金粉末を混合・粉砕を行った。得られた粉砕合金粉末の平均粒径(D50)は45μmであった。
(成形・焼結工程)
粉砕合金粉末を用いて、800℃、Ar中にて24時間焼結し、焼結体を作製したところ、焼結中に液相が溶出し、焼結体の一部が炉床板に固着してしまった。
実施例1と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相の存在を確認した。また、Ga濃度は32原子%であった。
実施例1と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、94%という高密度の部分もあったが、液相の溶出により極端に低密度の部分が存在した。
(スパッタ評価)
炉床板に焼結体が固着してしまったため、焼結体のみを取り出すことができず、スパッタリングすることができなかった。
(比較例5)
(合金粉作製工程)
実施例1の条件と同様にしてCu−Ga合金粉末を作製し、次いで、実施例1の条件と同様にしてEPMAでCu−Ga合金粉末の分析を行ったところ、γ相、γ相、γ相、Cu固溶体相、および純Cu相の存在を確認した。
実施例1の条件と同様にしてCu−Ga合金粉末を混合・粉砕を行った。得られた粉砕合金粉末の平均粒径(D50)は45μmであった。
(成形・焼結工程)
粉砕合金粉末を用いて、400℃、Ar中にて24時間焼結し、焼結体を作製した。
実施例1と同様にして焼結体の断面をEPMA分析したところ、γ相(CuGa)単相の存在を確認した。また、Ga濃度は32原子%であった。
実施例1と同様にして焼結体の光学顕微鏡写真の空隙率から相対密度を求めたところ、70%であった。
(スパッタ評価)
実施例1と同様にして焼結体のスパッタを行ったところ、アーク放電が発生した。























Figure 0006028714






















Figure 0006028714
Figure 0006028714

Claims (2)

  1. 外周部がCuGa相および/またはCuGa(γ、γ)相からなり、中心部が前記外周部よりもGa濃度の低いCuGa合金相および/またはGaが固溶したCu相および/または純Cu相からなり、平均Ga濃度が32原子%〜40原子%のCu−Ga合金粉末を平均粒径(D50)が10μm〜45μmになるように粉砕した後、冷間静水等方圧成形し、その後、真空、不活性ガスまたは還元雰囲気中で450℃以上700℃以下で常圧焼結法により焼結することを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  2. 外周部がCuGa相および/またはCuGa(γ、γ)相からなり、中心部が前記外周部よりもGa濃度の低いCuGa合金相および/またはGaが固溶したCu相および/または純Cu相からなり、平均Ga濃度が32原子%〜40原子%で、平均粒径(D50)が10μm〜45μmのCu−Ga合金粉末を冷間静水等方圧成形し、その後、真空、不活性ガスまたは還元雰囲気中で450℃以上700℃以下で常圧焼結法により焼結することを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
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