JP5630416B2 - Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金粉末の製造方法 - Google Patents

Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金粉末の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、CIGS(Cu−In−Ga−Se四元系合金)太陽電池の光吸収層の形成に使用されるCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法に用いられるCu−Ga合金粉末の製造方法に関するものである。
近年、クリーンエネルギーの一つとして、太陽光発電が注目されている。主に、結晶系Siの太陽電池が使用されているが、供給面やコストの問題から、変換効率の高いCIGS(Cu−In−Ga−Se四元系合金)系の太陽電池が注目されている。
CIGS太陽電池は、基本構造として、ガラス基板の上に形成された裏面電極となるMo電極層と、このMo電極層の上に形成された化合物半導体であるCu−In−Ga−Se四元系合金膜からなるCIGS光吸収層と、この光吸収層の上に形成されたZnS、CdS等からなるバッファ層と、このバッファ層の上に形成された透明電極とを備える。
Cu−In−Ga−Se四元系合金膜からなるCIGS光吸収層の形成方法としては、蒸着法が知られているが、より広い面積で均一な膜を得るために、スパッタ法によって形成する方法が提案されている。
スパッタ法は、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットとInターゲットを使用してCu、Ga、Inの金属成分からなるプリカーサ膜を成膜し、得られたプリカーサ膜にSeやSを反応させてCIGS光吸収層を形成する方法である。
このスパッタ法により形成されたCIGS光吸収層の品質は、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの品質に大きく依存するため、高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いることが望まれている。
Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法としては、溶解法と粉末焼結法が知られている。
しかしながら、溶解法は、特許文献1に記載されているように、溶解鋳造して得られたCIGS系太陽電池用の組成のCu−Ga合金が脆くて割れやすいという問題がある。
一方、粉末焼結法は、均一な組成が得られることからスパッタリングターゲットの製造方法として有望視されている。
粉末焼結法としては、例えば、特許文献2には、高Ga含有Cu−Ga合金粉末と、純Cu又は低Ga含有Cu−Ga合金粉末とを配合してホットプレスにてスパッタリングターゲットを製造することが記載されている。
特開2000−073163号公報 特開2008−138232号公報
粉末焼結法では、原料となるGaの融点が29.78℃と極めて低いため、Cu粉とGaから直接、焼結体を得ることができない。このため、粉末焼結法では、原料にCu−Ga合金粉末が用いられる。
一般には、Cu−Ga合金が脆性材であることを利用して、一旦CuとGaを溶解して合金化し、これを粉砕してCu−Ga合金粉末を得ている。即ち、Cu−Ga合金粉末を得るためには、CuとGaを高温にて溶解させるプロセス及びCu−Ga合金インゴットを粉砕させる等の粉末化のプロセスが必要となる。
しかしながら、これまでのような単純な粉末化プロセスでは、Ga濃度が偏析してしまい、焼結してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造したときに、ターゲットにおいてGa濃度がばらついてしまう。Ga濃度の偏析がある場合には、成膜したときにプリカーサ膜を形成すると膜組成にばらつきが生じてしまう。このため、Ga濃度の偏析があるCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いてCu−In−Ga−Se四元系合金膜をスパッタにより形成した場合には、Cu−In−Ga−Se四元系合金膜に影響を与えてしまう。
本発明は、前記実情に鑑みて提案されたものであり、組成の偏りがない高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造するCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法を提供するものである。また、このCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造に用いられるCu−Ga合金粉末の製造方法を提供するものである。
上述した目的を達成する本発明に係るCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法は、Cu粉末を、水素ガス濃度0.1%〜5%、残部が窒素ガス又はアルゴンガスである混合ガス雰囲気中で150℃〜300℃の温度で撹拌する撹拌工程と、撹拌工程を施したCu粉末に、Gaを10質量%〜45質量%の割合で配合した混合粉末を、真空又は不活性雰囲気中で30℃〜300℃の温度で攪拌することにより、直接、Cu−Ga合金粉末を形成する合金粉末作製工程と、Cu−Ga合金粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中で250℃〜1000℃の温度で熱処理する熱処理工程と、熱処理工程で熱処理したCu−Ga合金粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中で250℃〜1000℃の温度と、5MPa〜30MPaのプレス圧力とでホットプレス法により焼結する焼結工程とを備えることを特徴とする。
また、上述した目的を達成する本発明に係るCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造に用いられるCu−Ga合金粉末の製造方法は、Cu粉末を、水素ガス濃度0.1%〜5%、残部が窒素ガス又はアルゴンガスである混合ガス雰囲気中で150℃〜300℃の温度で撹拌する撹拌工程と、撹拌工程を施したCu粉末に、Gaを10質量%〜45質量%の割合で配合した混合粉末を、真空又は不活性雰囲気中で30℃〜300℃の温度で攪拌することにより、直接、Cu−Ga合金粉末を形成する合金粉末作製工程とを有することを特徴とする。
本発明では、Cu粉末を水素ガスを含む混合ガス雰囲気中で150℃〜300℃の温度で撹拌し、このCu粉末を使用して、所定の条件でCu−Ga合金粉末を作製し、このCu−Ga合金粉末を熱処理した後、焼結することによって、均一性に優れた高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができる。
Cu−Ga合金の状態図である。
以下に、本発明を適用したCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びこの製造方法により製造されたCu−Ga合金スパッタリングターゲットについて詳細に説明する。なお、本発明は、特に限定がない限り、以下の詳細な説明に限定されるものではない。
<Cu−Ga合金スパッタリングターゲット>
先ず、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットについて説明する。Cu−Ga合金スパッタリングターゲットは、後述するようにCu−Ga合金粉末を原料として粉末焼結法により製造することができる。
このCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、スパッタリングターゲット全体においてGa濃度に偏りがなく、組成が均一なものである。具体的に、このCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、スパッタリングターゲット全体におけるGaの濃度の偏りが3.0質量%以内であり、Ga濃度のばらつきが抑えられている。このようなCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いてスパッタにより成膜した場合には、全体においてGa濃度が均一で、組成にばらつきがない膜を形成することができる。したがって、このCu−Ga合金スパッタリングターゲットで例えば太陽電池のCIGS光吸収層となるCu−In−Ga−Se四元系合金膜を形成した場合には、吸収層の特性に影響を与えることがない。
<Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法>
次に、上述した組成に偏りがない高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造する製造方法について説明する。このCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法では、Cu粉末を、水素ガスを含む混合ガス雰囲気中で150℃〜300℃の温度で撹拌する撹拌工程と、この撹拌工程を施したCu粉末に、Gaを10質量%〜45質量%の割合で配合した混合粉末を、真空又は不活性雰囲気中で30℃〜300℃の温度で攪拌することにより、直接、Cu−Ga合金粉末を形成する合金粉末作製工程とにより得られたCu−Ga合金粉末を用いる。そして、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法は、真空又は不活性ガス雰囲気中で250℃〜1000℃の温度で熱処理する熱処理工程を施したCu−Ga合金粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中で250℃〜1000℃の温度と、5MPa〜30MPaのプレス圧力とでホットプレス法により焼結する焼結工程によってCu−Ga合金粉末を焼結し、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造する。
<1.Cu−Ga合金粉末の製造方法>
先ず、Cu−Ga合金粉末の製造方法について説明する。
(原料)
Cu−Ga合金粉末の原料としては、Cu粉末及びGaを用いる。
Cu粉末は、例えば、電解法又はアトマイズ法により製造される電解Cu粉又はアトマイズCu粉を使用することができる。電解Cu粉は、硫酸銅溶液等の電解液中で電気分解により陰極に海綿状又は樹枝状の形状のCuを析出させて製造される。アトマイズCu粉は、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、遠心アトマイズ法、メルトエクストラクション法等により球状又は不定形の形状のCu粉末が製造される。なお、Cu粉末は、これらの方法以外で製造されたものを使用してもよい。
Cu粉末の純度は、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットから形成されるCIGS光吸収層の特性に影響を与えないように適宜選択される。Cu粉末中の酸素含有量が0.2質量%よりも多い場合には、後述する撹拌工程の処理が長時間になってしまうため、酸素含有量は0.2質量%以下であることが好ましい。また、Cu粉末中のFe、Ni、Crの含有量が3ppmよりも多い場合には、CIGS光吸収層の量子効率が低下してしまうため、Fe、Ni、Crは3ppm以下であることが好ましい。
Cu粉末の平均粒径は、5μm〜300μmであることが好ましい。Cu粉末の平均粒径が5μm以上である場合には、Cu粉末の飛散を防止する特別な取り扱いが不要となるとともに、Cu粉末のかさ容量の増加により合金粉末製造装置が大型化し、高額な装置が必要となることを防ぐことができる。また、Cu粉末の平均粒径が300μm以下である場合には、Gaが被覆しなければならないCu粉末の表面積(BET)が不足して、余剰となった未反応の液相のGaが残り易くなるのを防止することができる。これにより、Cu粉末の平均粒径が300μm以下である場合には、未反応の液相のGaの存在によりCu−Ga合金粉末の組成にばらつきが生じることを抑制できる。したがって、Cu粉末の平均粒径を5μm以上300μm以下とすることによって、Cu粉末の飛散防止の措置をとる必要がなく、合金粉末製造装置の大型化を防止でき、また未反応のGaの液相を少なくでき、Cu−Ga合金粉末の組成のばらつきを抑えることができる。
なお、Cu粉末の平均粒径は、Cu粉末の粒度分布をレーザー回折法で測定し、小径側から存在比率(体積基準)を積算して、その値が全粒径に渡った存在比率の積算値の半分になる粒径(D50)である。比表面積の値(以下BET値)は、BET法により求めることができる。
(撹拌工程)
Cu粉末は、表面が酸化すると、Gaとの反応が不十分となる。Cu粉末の表面が酸化してGaとの反応が不十分となった場合には、表面がGaによって合金化していない未反応のCu粉末が存在して、Cu−Ga合金粉末のGa濃度のばらつきが大きくなってしまう。ここで、Cu粉末に防錆剤処理を施した場合には、酸化の進行は抑制されるが、Ga濃度のばらつきは解消されない。Cu粉末とGaとの反応が不十分となる原因は、Cu粉末表面の酸化被膜や防錆剤被膜がGaとの接触を阻害しているからと考えられる。Cu粉末は、Gaと反応させる前に、表面の酸化被膜や防錆剤被膜を取り除くことで表面を活性化させ、反応性を向上させる必要がある。
そこで、撹拌工程では、Cu粉末を、水素ガスを含む混合ガス雰囲気中で150℃〜300℃の温度で撹拌する。この撹拌工程では、Cu粉末の表面から酸化被膜や防錆剤を除去する。Cu粉末は、この撹拌工程による処理により、表面の酸化被膜や防錆剤が除去され、Gaとの反応性が向上する。これにより、この撹拌工程を施した場合には、Gaと未反応のCu粉末が減少して、Cu−Ga合金粉末やCu−Ga合金粉末スパッタリングターゲットのGa濃度のばらつきを効果的に抑制することができる。
撹拌工程は、水素ガスを含む混合ガス雰囲気中で行う。混合ガス中の水素ガス濃度は、0.1%〜5%とすることが好ましい。水素ガス濃度が0.1%よりも低い場合には、酸化被膜や防錆剤がCu粉末の表面に残留して、Gaとの反応性が不十分となり、Ga濃度のばらつきを効果的に改善することができない。水素ガス濃度が5%よりも高い場合には、酸化被膜や防錆剤の除去の効果は十分であるが、高価な水素ガスの使用量が増えてしまう。また、水素ガス濃度が高い場合には、着火・燃焼に対する高い安全性が要求されて設備が高額になってしまう。
混合ガスの残部は、窒素ガス又はアルゴンガスが好ましい。残部を窒素ガス又はアルゴンガスとした場合には、Cu粉末の表面活性化状態を維持できる。撹拌工程の雰囲気は、Cu粉末を撹拌装置に投入した後に混合ガスに置換してもよい。酸素が混入した場合には、酸化被膜や防錆剤除去が効果的に進まないので、ガス置換は圧力が100Pa以下になるまで真空排気した後に、混合ガスを導入することが好ましい。
撹拌工程の温度は、150℃〜300℃とする。150℃よりも低い場合には、酸化被膜や防錆剤がCu粉末の表面に残留してGaとの反応性が不十分となり、Ga濃度のばらつきを効果的に改善することができない。300℃よりも高い場合には、酸化被膜や防錆剤の除去の効果は十分であるが、表面が活性したCu粉末が凝集して固化してしまう。したがって、撹拌工程では、温度を150℃〜300℃とすることによって、Cu粉末の表面から酸化被膜や防錆剤を除去でき、Cu粉末のGaに対する反応性が劣らず、Ga濃度のばらつきを抑えることができ、Cu粉末が凝集することも防止できる。
温度の保持時間は、10分〜2時間とすることが好ましい。保持時間が10分よりも短い場合には、Cu粉末の表面に酸化被膜や防錆剤が残留してGaとの反応性が不十分となり、Ga濃度のばらつきを効果的に改善することができない。保持時間が2時間よりも長い場合には、Cu粉末とGaとの反応性を十分にでき、組成のばらつきが生じることの抑制効果は維持されるが、高価な水素ガスの使用量が増えてしまう。
撹拌工程は、Cu粉末を攪拌しながら行う。攪拌しない場合には、Cu粉末と混合ガスとの接触が不十分となり、Cu粉末の表面に酸化被膜や防錆剤が残留してしまうからである。
攪拌装置は、円筒、ダブルコーン、ツインシェル等の回転容器型の攪拌装置や、固定容器内を攪拌羽根や攪拌ブレード等の攪拌子が運動する攪拌装置を使用することができる。
(合金粉末作製工程)
次に、上述した撹拌工程によって表面が処理されたCu粉末に所定量のGaを加えてCu−Ga合金粉末を作製する合金粉末作製工程を行う。
合金粉末作製工程では、撹拌工程を施したCu粉末に、Gaを10質量%〜45質量%の割合で配合した混合粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中で30℃〜300℃の温度で攪拌することにより、直接、Cu−Ga合金粉末を形成する。従来では、一旦CuとGaを高温にて溶解して合金化し、作製したCu−Ga合金インゴットを粉砕してCu−Ga合金粉末を得ていた。しかしながら、この合金粉末作製工程では、上記の条件の下で、Cu粉末とGaとを混合した混合粉末を30℃〜300℃の温度で撹拌することにより、Cu−Ga合金インゴットを作製して粉砕しなくても、原料の状態から直接Cu−Ga合金粉末を作製することができる。
具体的には、上述した割合で秤量したCu粉末とGa小片を、Gaの融点よりも高くCuの融点よりも低い温度、即ち30℃〜300℃の範囲で温度を制御し、Cu粉末の表面にCu−Ga二元系合金を形成する。
Cu−Ga合金化物は、次のような過程を経て形成されるものと考えられる。融点を超えて液体となったGaは、混合のせん断運動によって小さな液滴になりながらCu粉末間に均一に分散する。分散したGa液滴は、Cu粉末の周囲に付着し、Cu粉末とGa液滴が接触するとCu粉末にGaの拡散が始まり、Ga濃度が高まるとともにCu−Ga金属間化合物を生成しながら合金化反応が進行する。このとき、Cu−Ga合金化物の表面は、Ga濃度の高いCu−Ga金属間化合物層であって、中心部は純Cu、またはGaが少量固溶したCuとなる。
このCu粉末とGaとの混合は、均一な合金化反応(均質化反応)の進行に有効である。また、混合のせん断運動は、粉同士の固着による塊状物の生成も抑制していると思われる。塊状物が生成された場合には、後のホットプレス等の焼結工程において、焼結体中に空孔が形成されて、密度が不均一になってしまう。
Gaは、Cu粉末と同様に、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットから形成されるCIGS光吸収層の特性に影響を与えないように適宜選択される。Gaの純度は、Cu粉末と同様に、Fe、Ni、Crが3ppmよりも多いとCIGS光吸収層の量子効率が低下してしまうので、Fe、Ni、Crは3ppm以下であることが好ましい。また、Ga中の酸素含有量は、0.2質量%以下であることが好ましい。Ga中の酸素含有量が0.2質量%よりも多い場合には、スパッタリング中に異常放電が発生しやすくなる。
Gaは、融点が低い金属(融点:29.78℃)である。Cu粉末に投入するGaは、融解した液体Gaである場合、直ちに攪拌を開始できるので好ましい。Gaの形状には、制限はないが、小片であると秤量が容易である。小片は、Gaを室温近傍で溶解して鋳造し、鋳造物を砕いて得ることができる。
Cu粉末とGaは、質量比で90:10〜55:45の割合で配合する。合金粉末作製工程では、Gaが10質量%以上であることにより、Cu粉末の表面にGaを短時間で均一に被覆することができ、Gaが45質量%以下であることにより、短時間で被覆したGaを合金化することができる。この合金粉末作製工程で形成されるCu−Ga合金粉末は、Cu粉末の表面にCu−Ga合金層が存在する。
合金粉末作製工程は、真空又は不活性ガス雰囲気中で行う。合金粉末作製工程では、真空又は不活性ガス雰囲気中で合金化することによって、Cu−Ga合金粉末に酸素が含まれることを抑制できる。
真空又は不活性ガス雰囲気中の酸素分圧は、20Pa以下であることが好ましい。20Paより高い場合には、形成したCu−Ga合金粉末の酸素含有量が増加し、作製したスパッタリングターゲットの酸素含有量も増加して、大きな投入電力でスパッタすると異常放電を発生してしまう。不活性ガス雰囲気は、窒素ガス又はアルゴンガスが好ましい。
合金化する際の温度は、30℃〜300℃である。30℃よりも低い場合には、Cu粉末とGaの反応性が不十分となり、未反応のCu粉末が残り、Cu−Ga合金粉末のGa濃度がばらついてしまう。300℃よりも高い場合には、Cu粉末の表面が合金化するが、温度が高くなるとCu−Ga合金粉末同士が凝集しはじめてしまう。この凝集は、攪拌によるせん断運動で解くことができるため、300℃より高温でCu−Ga合金粉末を形成することはできるが、攪拌装置の熱劣化が激しく、装置部品の交換の頻度を高めるためコスト高になってしまう。したがって、温度は、30℃〜300℃とすることによって、凝集することなく、Cu粉末とGaとを十分に反応させることができる。
温度の保持時間は、10分〜4時間が好ましい。保持時間が10分よりも短い場合には、Cu粉末とGaの反応性が不十分となり、未反応のCu粉末が残り、Cu−Ga合金粉末のGa濃度がばらついてしまう。保持時間が4時間より長い場合には、真空又は不活性ガス雰囲気であってもCu−Ga合金粉末の酸素含有量が増加してしまう。したがって、温度の保持時間は、10分〜4時間とすることによって、Cu粉末とGaとを十分に反応させ、Cu−Ga合金粉末の酸素含有量の増加を抑制できる。
攪拌は、Cu粉末とGaとの接触頻度を上げて反応を進める効果と同時に、凝集を抑制して直接にCu−Ga合金粉末を形成することに有効である。
攪拌装置は、撹拌工程と同様の円筒、ダブルコーン、ツインシェル等の回転容器型の攪拌装置や、固定容器内を攪拌羽根や攪拌ブレード等の攪拌子が運動する攪拌装置を使用することができる。上述した撹拌工程を施したCu粉末は、大気に触れると直ちに表面が酸化してGaとの反応性が低下してしまう。このため、合金粉末作製工程は、撹拌工程を行う同一の攪拌装置内で撹拌工程に続けて合金化を行うことによって、大気と遮断したままで行うことができるので好ましい。
撹拌工程及び合金粉末作製工程に使用する攪拌装置の容器及び攪拌子の材質は、耐熱性、耐磨耗性、Fe、Ni、Cr等の金属不純物の混入抑制等の観点から、窒化チタン(TiN)、窒化クロム(CrN)、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)(Diamond like Carbon)をコーティングしたステンレス材が好ましい。
以上のように、Cu−Ga合金粉末の製造方法では、Cu粉末に対して撹拌工程を施すことによって、Cu粉末の表面のGaとの反応性が高くなり、Cu粉末の表面にGa濃度が高く均一なCu−Ga金属間化合物層を形成することができる。得られたCu−Ga合金粉末は、Cu−Ga金属間化合物層におけるGaの濃度のばらつきが抑えられ、ばらつきは3.0質量%以内となる。
<2.Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法>
次に、上述した撹拌工程及び合金粉末作製工程により得られたCu−Ga合金粉末を用いてCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造する製造方法について説明する。
(熱処理工程)
熱処理工程は、上述した合金粉末作製工程により得られたCu−Ga合金粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中で250℃〜1000℃の温度で熱処理する。
先の合金粉末作製工程で作製したCu−Ga合金粉末は、Cu粒子表面にCu−Ga合金層が存在している。このCu−Ga合金層のGa濃度は、合金粉末作製工程でGaを配合した割合よりも高くなっている。即ち、熱処理を行う前の状態では、Cu粒子の内部とGaとの相互拡散が十分に起こっていないため、Cu粉末表面にはGa濃度の高いCu−Ga合金層が存在している。Cu−Ga合金層は、Ga濃度が高くなると液相が出現する温度が低下するので、スパッタリングターゲットを作製しようとホットプレス装置でCu−Ga合金粉末を加圧した状態で加熱すると、焼結が開始されるよりも低い温度で高Ga合金層から液相が出現してしまう。これにより、Cu−Ga合金粉末は、流動してプレス型の隙間から押し出されてしまう。
このことについて図1に示すCu−Ga合金の状態図を用いて説明する。
状態図において、液相線で示す温度以上の領域は液相のみが存在する液相領域であり、固相線で示す温度以下の領域は固相のみが存在する固相領域であり、これらの線の間の温度領域は液相と固相の共存領域である。
粉末表面にGaが多く存在する熱処理前のCu−Ga合金粉末は、固相領域に位置している。このCu−Ga合金粉末に熱処理を施した際には、粉末自体が固相領域に位置した状態で合金化が完了する場合と、一時的に液相と固相の共存領域に位置するも最終的に固相領域に位置して合金化が完了する場合があるものと考えられる。
即ち、前者の場合は、粉末表面に多く存在するGaが粉末内部に拡散してCuとの合金化が進行するものと考えられる。
後者の場合は、Gaの粉末内部への拡散が遅く、粉末の表面部分が液相となり、液相と固相の共存領域に位置するものと考えられる。このときに出現した液相は周囲のCu−Ga合金粉末と接触を繰り返すことで合金化が進行し、最終的には固相領域に位置するものと考えられる。従って、後者の場合にホットプレス装置で加圧していると、発生した液相が流動してプレス型の隙間から押し出されてしまうこととなる。
そこで、熱処理工程では、ホットプレスによる焼結を行う前に、Cu−Ga合金粉末を熱処理する。Cu−Ga合金粉末は、この熱処理により、Cu粒子表面に存在する低融点のCu−Ga合金層が熔け始めると同時に、Cu粒子表面のCu−Ga合金層中のGaと粒子内部のCuとが相互拡散して、Cu粒子の表面のGa濃度が低下し、液相の出現温度を高くすることができる。これにより、後に行う焼結工程では、ホットプレスによる焼結中にGaの液相が発生することなく焼結が進行してスパッタリングターゲットを作製することができる。
熱処理の温度は、250℃〜1000℃である。250℃よりも低い場合には、Cu粒子表面の合金層中のGaと粒子内部のCuとの相互拡散が十分に進まず高Ga濃度の合金層が残存して、ホットプレスによる焼結中にGa液相が出現してCu−Ga合金粉末の漏れが発生してしまう。1000℃よりも高い場合には、多量の液相が発生してCu−Ga合金粉末と分離してしまう。
熱処理の温度は、合金粉末作製工程におけるGaの配合割合によって調整することが好ましい。熱処理中に少量の液相が発生して凝集体が形成された場合には、その凝集は弱いので後の焼結工程の焼結に影響はないが、高い温度で熱処理を行って多量の液相が出現した場合には、液相が集まってCu−Ga合金粉末と分離してしまい組成のばらつきが大きくなってしまう。このような液相の分離は、合金粉末作製工程におけるGaの配合割合に応じて熱処理温度を制御することにより効果的に抑制することができる。
具体的に、合金粉末作製工程におけるGaの配合割合をX質量%とし、熱処理温度について説明する。Gaの配合割合(X質量%)と熱処理温度(T℃)との関係は図1に示す状態図で表される。状態図の固相線を越えた温度では、液相が出現する。したがって、熱処理の温度は、250℃以上、固相線以下の温度とすることが好ましい。熱処理工程において、熱処理温度を250℃以上、固相線以下の温度とすることによって、液相が発生することなく、Cu粒子表面の合金層中のGaと粒子内部のCuとを相互拡散させることができる。
固相線をGaの配合割合(X)と熱処理温度(T)とからなる近似式で表すと次のようになる。Xが10質量%〜18.1質量%の範囲では、T=−0.209・X−5.60・X+1084.9となる。Xが18.1質量%〜20.8質量%の範囲では、T=915となる。Xが20.8質量%〜29.34質量%の範囲では、T=−0.102・X−4.16・X+1045.4となる。Xが29.34質量%〜31.5質量%の範囲では、T=836となる。Xが31.5質量%〜39.0質量%の範囲では、T=−4.8169・X+292.85・X−3609.4となる。Xが39.0質量%〜45質量%の範囲では、T=−3.6111・X+264.17・X−4325となる。
上記の近似式で計算される温度等から熱処理温度を例示すると以下のようになる。合金粉末作製工程におけるGaの配合割合が15質量%である場合、熱処理工程の熱処理温度は、250℃〜954℃となる。合金粉末作製工程におけるGaの配合割合が25質量%である場合、熱処理工程の熱処理温度は、250℃〜878℃となる。合金粉末作製工程におけるGaの配合割合が35質量%である場合、熱処理工程の熱処理温度は、250℃〜740℃となる。合金粉末作製工程におけるGaの配合割合が40質量%の場合、熱処理工程の熱処理温度は、250℃〜464℃となる。
なお、合金粉末作製工程におけるGaの配合割合が30質量%である場合は、熱処理工程の熱処理温度は、図1に示す状態図から250℃〜836℃となる。合金粉末作製工程におけるGaの配合割合が45質量%の場合は、熱処理工程の熱処理温度は、図1に示す状態図から250℃〜254℃となる。
熱処理温度の保持時間は、30分〜4時間とすることが好ましい。保持時間が30分よりも短い場合には、CuとGaの相互拡散が不十分となり、次の焼結工程のホットプレスで液相が出現しプレス型からCu−Ga合金粉末が押し出されてしまう。保持時間が4時間よりも長い場合には、酸素分圧20Pa以下の真空又は不活性ガス雰囲気中であっても、Cu−Ga合金粉末の酸素含有量が増加し、作製したスパッタリングターゲットの酸素含有量も増加して、大きな投入電力でスパッタすると異常放電が発生してしまう。
熱処理は、真空又は不活性ガス雰囲気中で行う。真空又は不活性雰囲気中の酸素分圧は、20Pa以下であることが好ましい。20Paより高い場合では、熱処理したCu−Ga合金粉末の酸素含有量が増加し、作製したスパッタリングターゲットの酸素含有量も増加して、大きな投入電力でスパッタすると異常放電が発生してしまう。不活性雰囲気は、窒素ガス又はアルゴンガスとすることが好ましい。
この熱処理工程は、後述する焼結工程と同一のホットプレス装置内で行うことが好ましい。焼結工程と同一のホットプレス装置内で熱処理を行った場合には、熱処理装置を別に設ける必要がなく、熱処理後の冷却時間やCu−Ga合金粉末の取り出し工程も不要にできる。これにより、熱処理工程と焼結工程を同一のホットプレス装置で行った場合には、別の熱処理装置を用いて熱処理を行った場合に比べて、冷却時間が不要であるため、スパッタリングターゲットの作製時間を短縮でき、Cu−Ga合金粉末を取り出す必要がないため、収率が低くなることを防止できる。
熱処理工程を焼結工程と同一のホットプレス装置内で行う際には、プレス圧力はCu−Ga合金粉末に対して無負荷とするか、又は0.1MPa以下の圧力とすることが好ましい。0.1MPa以下の圧力というのは、ホットプレス装置の上パンチの自重による圧力に相当し、無負荷又は0.1MPa以下の圧力というのは実質的にCu−Ga合金粉末に圧力がかかっていない状態である。このような状態にすることで、液相が出現したとしても、Cu−Ga合金粉末がホットプレス装置のプレス型から漏れ出ることを防止できる。
(焼結工程)
次に、前記熱処理工程で熱処理したCu−Ga合金粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中で250℃〜1000℃の温度と、5MPa〜30MPaのプレス圧力とでホットプレス法により焼結する。
ホットプレスの雰囲気は、真空又は不活性ガス雰囲気中とすることで、焼結体の酸素含有量の増加を抑制できる。真空又は不活性ガス雰囲気中の酸素分圧は、20Pa以下が好ましい。20Paより大きい場合では、形成したCu−Ga合金焼結体の酸素含有量が増加し、作製したスパッタリングターゲットの酸素含有量も増加して、大きな投入電力でスパッタすると異常放電が発生してしまう。不活性ガス雰囲気は、窒素ガス又はアルゴンガスが好ましい。
ホットプレスの温度は、250℃〜1000℃とする。温度が250℃よりも低い場合には、Cu−Ga合金粉末の焼結が不十分で、空孔の多い焼結体となってしまう。空孔の多い焼結体をスパッタリングターゲットにしてスパッタした場合には、異常放電やスプラッシュが発生してしまう。温度が1000℃よりも高い場合には、液相が出現し、焼結体を作製することができなくなってしまう。したがって、ホットプレスの温度は、250℃〜1000℃とすることによって、液漏れが生じず、空孔の少ない焼結体を作製することができる。
ホットプレスのプレス圧力は、5MPa〜30MPaとする。プレス圧力が5MPaよりも低い場合には、Cu−Ga合金粉末の焼結が不十分で空孔の多い焼結体となってしまう。プレス圧力を高くした場合には、焼結体は空孔が減少して密度が上昇するが、30MPaより高くしても密度はほとんど上昇しなくなってしまう。30MPaよりも高いプレス圧力でプレスしようとした場合には、プレス型を特別な材質に変更したり、大きな電力が必要になってくるので、プレス圧力は30MPa以下で十分である。
焼結工程では、熱処理工程で用いたホットプレス装置からCu−Ga合金粉末を取り出さず、熱処理工程に引き続いて同一のホットプレス装置で加圧焼結を行い、ホットプレスの温度を熱処理工程の熱処理温度と同じにすることが好ましい。同一のホットプレス装置で熱処理及び焼結を行うようにした場合には、熱処理工程のための熱処理装置を別に用意する必要がなく、熱処理後の冷却時間が不要である。焼結工程では、ホットプレス温度を熱処理と同じ温度にすることで、熱処理に引き続いてプレス圧力を掛けるので容易に焼結を行うことができる。また、焼結工程では、同一のホットプレス装置内で熱処理も焼結も行うことによって、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの組成が変化したり、収率が低くなることを防止できる。
(仕上げ工程)
仕上げ工程は、焼結工程によって得られたCu−Ga合金の焼結体の表面を研削により平面に仕上げ、Cu製のバッキングプレートにボンディングすることにより、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットを得る。
以上のようなCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法では、スパッタリングターゲットの原料となるCu−Ga合金粉末を作製する際に、Cu粉末を、水素ガスを含む混合ガス雰囲気中において150℃〜300℃の温度で撹拌することによって、Cu粉末の表面のGaとの反応性が高まり、Cu粉末とGaとの反応が十分に行われるようになる。これにより、Cu−Ga合金粉末には、Cu粉末の表面に、Ga濃度が高くGa濃度のばらつきが3.0質量%以内に抑制された均一なCu−Ga金属間化合物層が形成される。
Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法では、このGa濃度のばらつきが抑制されたCu−Ga合金粉末を真空又は不活性ガス雰囲気中で250℃〜1000℃の温度で熱処理することによって、Cu粒子表面のCu−Ga金属間化合物層中のGaと粒子内部のCuとが相互拡散して、Cu粒子の表面のGa濃度が低下し、焼結中にGaの液相が発生することを抑制できる。
このようにCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法では、Ga濃度のばらつきが抑制されたCu−Ga合金粉末を原料に用い、このCu−Ga合金に対して焼結前に熱処理を行うことによって、焼結工程においてホットプレスによる焼結中にGaの液相が発生することなく焼結が進行し、Ga濃度のばらつきが抑制されたスパッタリングターゲットを作製することができる。このCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法により得られたCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、Gaの濃度のばらつきが3.0質量%以内の組成が均一な高品質のものとなる。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(撹拌工程)
先ず、第1の工程として撹拌工程では、表1中のNo.1−1に示す条件で行った。具体的に、撹拌工程では、先ず、防錆剤処理された電解Cu粉末(平均粒径100μm、BET0.088m/g、Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素:0.16質量%、炭素0.011質量%)650gを、TiNコーティング容器及び攪拌子を備えた二軸遊星型5L混合撹拌装置(小平製作所製5XDmv−rr型)に投入した。容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気した後に、水素とアルゴンの混合ガス(水素ガス濃度0.1%)で置換し、攪拌しながら300℃、2時間保持した後、150℃まで冷却した。
(合金粉末作製工程)
次に、第2工程として合金粉末作製工程では、表2中のNo.2−2に示す条件で行った。具体的に、合金粉末作製工程では、先ず、撹拌工程を行った容器内を真空度50Pa以下(酸素分圧10Pa以下)まで真空排気した後、Arガスに置換した。Ga(Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素0.01質量%未満、炭素0.001質量%未満)を50℃に加温した液体Gaを、Cu粉末が入っている容器内に350g(Ga配合割合35質量%)投入した。容器内は、攪拌しながら150℃、1時間保持した。その後、室温まで冷却して取り出したCu−Ga合金粉末を顕微鏡観察した。Cu粉末表面は、合金化して灰白色になっており、Cu−Ga合金で被覆されていない未反応のCu粉末は認められなかった。
また、Ga濃度については、Cu−Ga合金粉末1gのサンプルを3点採取してICP分析(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)により調べたところ、最小34.0質量%、最大36.2質量%であって、最大と最小の差は2.2質量%と小さかった。この結果から、撹拌工程を行い、この撹拌工程に引き続いて合金粉末作製工程を実施することで、Cu粉末とGaの反応性が向上し、Cu−Ga合金粉末の組成のばらつきが小さくなることがわかる。
また、Cu−Ga合金粉末の酸素分析値は、0.05質量%、炭素分析値は、0.004質量%であった。酸素含有量0.01質量%未満、炭素含有量0.001質量%未満のGaを35質量%配合した希釈効果だけでは、酸素:0.10質量%、炭素:0.007質量%になる。しかしながら、実施例1の分析値は、これよりも少なかったので、撹拌工程でCu粉末の酸化被膜を除去できていることがわかる。
(熱処理工程)
次に、第3工程として熱処理工程では、表3中のNo.3−2に示す条件で行った。具体的に、熱処理工程では、先ず、Cu−Ga合金粉末100gをホットプレス用の内径50mm黒鉛型にセットし、ホットプレス装置(大亜真空株式会社製)に取り付けた。次に、装置内を真空度50Pa以下(酸素分圧10Pa以下)まで真空排気した後、Arガスに置換した。次に、プレス圧力は、無負荷の状態で加熱し、温度700℃、1時間保持の条件で熱処理した。
(焼結工程)
次に、第4工程として焼結工程では、表4中のNo.4−2に示す条件で行った。具体的に、焼結工程では、Arガス雰囲気、温度700℃のままの熱処理と同じ雰囲気、温度条件の状態から、プレス圧力30MPaを加圧し1時間保持の条件でホットプレスを実施した。その結果、黒鉛型の隙間からCu−Ga合金粉末や液相が漏れ出すことはなく、直径50mm、厚み6mmの焼結体を取り出すことができた。
焼結体は、研磨して顕微鏡観察した結果、空孔は極めて少なく緻密であるとわかった。また、EPMA分析(Electron Probe Micro Analyzer)により焼結体の両面それぞれ任意の場所3点、計6点のGa濃度を分析した結果は、最小34.2質量%、最大35.8質量%であって最大と最小の差1.6質量%と小さかった。これより、熱処理工程を行い、この熱処理工程に引き続いて焼結工程を実施すること、均一組成の焼結体が得られることがわかる。
そして、上述したように作製した焼結体を平面研削してCu製バッキングプレートに接合してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。これをスパッタ装置に取り付けて、スパッタすることにより作製したCu−Ga合金膜の3箇所のGa濃度をEPMA分析で測定した結果、最小34.8質量%、最大35.2質量%であって、最大と最小の差は0.4質量%と極めて小さかった。
以上のように、実施例1では、Cu粉末を、水素ガスとArの混合ガス中で300℃の温度で撹拌し、表面を活性化させたCu粉末とGaとを混合して作製したGa濃度が均一なCu−Ga合金粉末を熱処理し、焼結することによって、Ga濃度のばらつきが小さい高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができ、このスパッタリングターゲットにより得られたCu−Ga合金膜においてもGa濃度のばらつきを抑えることができた。
<実施例2>
(撹拌工程)
先ず、第1工程として撹拌工程は、表1中のNo.1−2に示す条件で行った。具体的に、撹拌工程では、先ず、防錆剤処理された電解Cu粉末(平均粒径100μm、BET0.088m/g、Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素:0.16質量%、炭素0.011質量%)650gを、TiNコーティング容器及び攪拌子を備えた二軸遊星型5L混合撹拌装置(小平製作所製5XDmv−rr型)に投入した。容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気した後に、水素と窒素の混合ガス(水素ガス濃度1%)で置換し、攪拌しながら250℃、30分間保持した後、150℃まで冷却した。
(合金粉末作製工程)
次に、第2工程として合金粉末作製工程では、表2中のNo.2−2に示す条件で行った。即ち、実施例1の合金粉末作製工程と同様にしてCu−Ga合金粉末を作製した。Cu−Ga合金粉末を顕微鏡観察したところ、Cu粉末表面は、合金化して灰白色になっており、Cu−Ga合金で被覆されていない未反応のCu粉末は認められなかった。
また、Ga濃度は、Cu−Ga合金粉末1gのサンプルを3点採取してICP分析によりGa濃度を調べたところ、最小34.4質量%、最大35.8質量%であって、最大と最小の差は1.4質量%と小さかった。この結果から、撹拌工程を行い、この撹拌工程に引き続いて合金粉末作製工程を実施することで、Cu粉末とGaの反応性が向上し、Cu−Ga合金粉末の組成のばらつきが小さくなることがわかる。
また、Cu−Ga合金粉末の酸素分析値は、0.04質量%、炭素分析値は、0.005質量%であった。酸素含有量0.01質量%未満、炭素含有量0.001質量%未満のGaを35質量%配合した希釈効果だけでは、酸素:0.10質量%、炭素:0.007質量%になる。しかしながら、実施例2の分析値は、これよりも少なかったので、撹拌工程でCu粉末の酸化被膜を除去できていることがわかる。
(熱処理工程)
次に、第3工程として熱処理工程では、表3中のNo.3−2に示す条件で行った。即ち、実施例1の熱処理工程と同様に熱処理を行った。
(焼結工程)
次に、第4工程として焼結工程では、表4中のNo.4−2に示す条件で行った。即ち、実施例1の焼結工程と同様に焼結体を作製した。
作製した焼結体を研磨して顕微鏡観察した結果、空孔は極めて少なく緻密であるとわかった。また、EPMA分析により焼結体の両面それぞれ任意の場所3点、計6点のGa濃度を分析した結果は、最小34.5質量%、最大35.4質量%であって最大と最小の差0.9質量%と小さかった。これより、熱処理工程を行い、この熱処理工程に引き続いて焼結工程を実施することで、均一組成の焼結体が得られることがわかる。
そして、上述したように作製した焼結体を平面研削してCu製バッキングプレートに接合してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。これをスパッタ装置に取り付けて、スパッタすることにより作製したCu−Ga合金膜の3箇所のGa濃度をEPMAで測定した結果、最小34.7質量%、最大35.2質量%であって、最大と最小の差は0.5質量%と極めて小さかった。
以上のように、実施例2では、Cu粉末を、水素ガスと窒素の混合ガス中で250℃の温度で撹拌し、表面を活性化させたCu粉末とGaとを混合して作製したGa濃度が均一なCu−Ga合金粉末を熱処理し、焼結することによって、Ga濃度のばらつきが小さい高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができ、このスパッタリングターゲットにより得られたCu−Ga合金膜においてもGa濃度のばらつきを抑えることができた。
<実施例3>
(撹拌工程)
先ず、第1工程として撹拌工程では、表1中のNo.1−3に示す条件で行った。具体的に、撹拌工程では、先ず、防錆剤処理された電解Cu粉末(平均粒径200μm、BET0.044m/g、Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素:0.08質量%、炭素0.006質量%)650gを、TiNコーティング容器及び攪拌子を備えた二軸遊星型5L混合撹拌装置(小平製作所製5XDmv−rr型)に投入した。容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気した後に、水素とアルゴンの混合ガス(水素ガス濃度5%)で置換し、攪拌しながら150℃、10分間保持した。
(合金作製工程)
次に、第2工程として合金作製工程では、表2中のNo.2−2に示す条件で行った。即ち、実施例1の合金作製工程と同様にCu−Ga合金粉末を作製した。作製したCu−Ga合金粉末を顕微鏡観察したところ、Cu粉末表面は合金化して灰白色になっており、Cu−Ga合金で被覆されていない未反応のCu粉末は認められなかった。
また、Ga濃度については、Cu−Ga合金粉末1gのサンプルを3点採取してICP分析により調べたところ、最小33.7質量%、最大36.7質量%であって、最大と最小の差は3.0質量%と小さかった。この結果から、撹拌工程を行い、この撹拌工程に引き続いて合金粉末作製工程を実施することで、Cu粉末とGaの反応性が向上し、Cu−Ga合金粉末の組成のばらつきが小さくなることがわかる。
また、Cu−Ga合金粉末の酸素分析値は、0.02質量%、炭素分析値は0.002質量%であった。酸素含有量0.01質量%未満、炭素含有量0.001質量%未満のGaを35質量%配合した希釈効果だけでは、酸素:0.05質量%、炭素:0.004質量%になる。しかしながら、実施例3の分析値は、これよりも少なかったので、撹拌工程でCu粉末の酸化被膜を除去できていることがわかる。
(熱処理工程)
次に、第3工程として熱処理工程では、表3中のNo.3−2に示す条件で行った。即ち、実施例1の熱処理工程と同様に熱処理を行った。
(焼結工程)
次に、第4工程として焼結工程では、表4中のNo.4−2に示す条件で行った。即ち、実施例1の焼結工程と同様に焼結体を作製した。
作製した焼結体を研磨して顕微鏡観察した結果、空孔は極めて少なく緻密であるとわかった。また、EPMA分析により焼結体の両面それぞれ任意の場所3点、計6点のGa濃度を分析した結果、最小34.3質量%、最大35.7質量%であって最大と最小の差1.4質量%と小さかった。これより、熱処理工程を行い、この熱処理工程に引き続いて焼結工程を実施することで、均一組成の焼結体が得られることがわかる。
そして、上述したように作製した焼結体を平面研削してCu製バッキングプレートに接合してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。これをスパッタ装置に取り付けて、スパッタすることにより作製したCu−Ga合金膜の3箇所のGa濃度をEPMAで測定した結果、最小34.8質量%、最大35.2質量%であって、最大と最小の差は0.4質量%と極めて小さかった。
以上のように、実施例3では、Cu粉末を、水素ガスとアルゴンの混合ガス中で150℃の温度で撹拌し、表面を活性化させたCu粉末とGaとを混合して作製したGa濃度が均一なCu−Ga合金粉末を熱処理し、焼結することによって、Ga濃度のばらつきが小さい高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができ、このスパッタリングターゲットにより得られたCu−Ga合金膜においてもGa濃度のばらつきを抑えることができた。
<実施例4>
先ず、第1工程として撹拌工程は、表1中のNo.1−2に示す条件で行った。具体的に、撹拌工程では、防錆剤処理された電解Cu粉末(平均粒径100μm、BET0.088m/g、Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素:0.16質量%、炭素0.011質量%)700gを、TiNコーティング容器および攪拌子を備えた二軸遊星型5L混合撹拌装置(小平製作所製5XDmv−rr型)に投入した。容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気した後に、水素と窒素の混合ガス(水素ガス濃度1%)で置換し、攪拌しながら250℃、30分間保持した後、150℃まで冷却した。
(合金粉末作製工程)
次に、第2工程として合金粉末作製工程では、表2中のNo.2−1に示す条件で行った。具体的に、合金粉末作製工程では、撹拌工程と同一の容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気した。次に、Ga(Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素0.01質量%未満、炭素0.001質量%未満)を50℃に加温した液体Gaを、真空状態のCu粉末の入っている容器内に、配管を通じて300g(Ga配合割合30質量%)投入した。真空排気を続けたまま攪拌し、300℃に昇温してこの温度を30分間保持した。その後、室温まで冷却して取り出したCu−Ga合金粉末を顕微鏡観察した。Cu粉末表面は、合金化して灰白色になっており、Cu−Ga合金で被覆されていない未反応のCu粉末は認められなかった。
また、Ga濃度は、Cu−Ga合金粉末1gのサンプルを3点採取してICP分析によりGa濃度を調べたところ、最小29.4質量%、最大30.8質量%であって、最大と最小の差は1.4質量%と小さかった。この結果から、撹拌工程を行い、この撹拌工程に引き続いて合金粉末作製工程を実施することで、Cu粉末とGaの反応性が向上し、Cu−Ga合金粉末の組成のばらつきが小さくなることがわかる。
また、Cu−Ga合金粉末の酸素分析値は、0.04質量%、炭素分析値は、0.005質量%であった。酸素含有量0.01質量%未満、炭素含有量0.001質量%未満のGaを30質量%配合した希釈効果だけでは、酸素:0.11質量%、炭素:0.008質量%になる。しかしながら、実施例4の分析値は、これよりも少なかったので、撹拌工程でCu粉末の酸化被膜を除去できていることがわかる。
(熱処理工程)
次に、第3工程として熱処理工程は、表3中のNo.3−1に示す条件で行った。具体的に、熱処理工程では、先ず、Cu−Ga合金粉末100gをホットプレス用の内径50mm黒鉛型にセットし、ホットプレス装置(大亜真空株式会社製)に取り付けた。次に、装置内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)に真空排気したまま、プレス圧力は無負荷の状態で加熱し、温度830℃、30分間保持の条件で熱処理した。
(焼結工程)
次に、第4工程として焼結工程では、表4中のNo.4−1に示す条件で行った。焼結工程では、先ず、熱処理工程と同一の容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気したまま、温度830℃、プレス圧力30MPaを加圧し30分間保持の条件でホットプレスを実施した。その結果、黒鉛型の隙間からCu−Ga合金粉末や液相が漏れ出すことはなく、直径50mm、厚み6mmの焼結体を取り出すことができた。
焼結体は、研磨して顕微鏡観察した結果、空孔は極めて少なく緻密であるとわかった。また、EPMA分析により焼結体の両面それぞれ任意の場所3点、計6点のGa濃度を分析した結果、最小28.8質量%、最大30.9質量%であって最大と最小の差2.1質量%と小さかった。これより、熱処理工程を行い、この熱処理工程に引き続いて焼結工程を実施することで、均一組成の焼結体が得られることがわかる。
そして、上述したように作製した焼結体を平面研削してCu製バッキングプレートに接合してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。これをスパッタ装置に取り付けて、スパッタすることにより作製したCu−Ga合金膜の3箇所のGa濃度をEPMAで測定した結果、最小29.9質量%、最大30.2質量%であって、最大と最小の差は0.3質量%と極めて小さかった。
以上のように、実施例4では、Cu粉末を、水素ガスと窒素の混合ガス中で250℃の温度で撹拌し、表面を活性化させたCu粉末とGaとを混合して作製したGa濃度が均一なCu−Ga合金粉末を熱処理し、焼結することによって、Ga濃度のばらつきが小さい高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができ、このスパッタリングターゲットにより得られたCu−Ga合金膜においてもGa濃度のばらつきを抑えることができた。
<実施例5>
先ず、第1工程として撹拌工程では、表1中のNo.1−2に示す条件で行った。具体的に、撹拌工程では、防錆剤処理された電解Cu粉末(平均粒径100μm、BET0.088m/g、Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素:0.16質量%、炭素0.011質量%)600gを、TiNコーティング容器及び攪拌子を備えた二軸遊星型5L混合撹拌装置(小平製作所製5XDmv−rr型)に投入した。容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気した後に、水素と窒素の混合ガス(水素ガス濃度1%)で置換し、攪拌しながら250℃、30分間保持した後、30℃まで冷却した。
(合金粉末作製工程)
次に、第2工程として合金粉末作製工程では、表2中のNo.2−3に示す条件で行った。具体的に、撹拌工程と同一の容器内を真空度50Pa以下(酸素分圧10Pa以下)まで真空排気した後、Nガスに置換した。Ga(Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素0.01質量%未満、炭素0.001質量%未満)を30℃に加温した液体Gaを、Cu粉末の入っている容器内に400g(Ga配合割合40質量%)投入した。攪拌しながら30℃、4時間保持した。その後、室温まで冷却して取り出したCu−Ga合金粉末を顕微鏡観察した。Cu粉末表面は、合金化して灰白色になっており、Cu−Ga合金で被覆されていない未反応のCu粉末は認められなかった。
また、Ga濃度は、Cu−Ga合金粉末1gのサンプルを3点採取してICP分析によりGa濃度を調べたところ、最小38.8質量%、最大41.5質量%であって、最大と最小の差は2.7質量%と小さかった。この結果から、撹拌工程を行い、この撹拌工程に引き続いて合金粉末作製工程を実施することで、Cu粉末とGaの反応性が向上し、Cu−Ga合金粉末の組成のばらつきが小さくなることがわかる。
また、Cu−Ga合金粉末の酸素分析値は、0.06質量%、炭素分析値は、0.004質量%であった。酸素含有量0.01質量%未満、炭素含有量0.001質量%未満のGaを40質量%配合した希釈効果だけでは、酸素:0.10質量%、炭素:0.007質量%になる。しかしながら、実施例5の分析値は、これよりも少なかったので、撹拌工程でCu粉末の酸化被膜を除去できていることがわかる。
(熱処理工程)
次に、第3工程として熱処理工程では、表3中のNo.3−3に示す条件で行った。具体的に、熱処理工程では、先ず、Cu−Ga合金粉末100gをホットプレス用の内径50mm黒鉛型にセットし、ホットプレス装置(大亜真空株式会社製)に取り付けた。次に、装置内を真空度50Pa以下(酸素分圧10Pa以下)まで真空排気した後、Arガスに置換した。次に、プレス圧力は無負荷の状態で加熱し、温度400℃、4時間保持の条件で熱処理した。
(焼結工程)
次に、第4工程として焼結工程では、表4中のNo.4−3に示す条件で行った。具体的に、焼結工程では、Arガス(酸素分圧10Pa以下)、温度400℃のままの熱処理と同じ雰囲気、温度条件の状態から、プレス圧力5MPaを加圧し4時間保持の条件でホットプレスを実施した。その結果、黒鉛型の隙間からCu−Ga合金粉末や液相が漏れ出すことはなく、直径50mm、厚み6mmの焼結体を取り出すことができた。
焼結体は、研磨して顕微鏡観察した結果、空孔は極めて少なく緻密であるとわかった。また、EPMA分析により焼結体の両面それぞれ任意の場所3点、計6点のGa濃度を分析した結果、最小38.9質量%、最大41.3質量%であって最大と最小の差2.4質量%と小さかった。これより、熱処理工程を行い、この熱処理工程に引き続いて焼結工程を実施することで、均一組成の焼結体が得られることがわかる。
そして、上述したように作製した焼結体を平面研削してCu製バッキングプレートに接合してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。これをスパッタ装置に取り付けて、スパッタすることにより作製したCu−Ga合金膜の3箇所のGa濃度をEPMAで測定した結果、最小39.7質量%、最大40.2質量%であって、最大と最小の差は0.5質量%と極めて小さかった。
以上のように、実施例5では、Cu粉末を、水素ガスと窒素の混合ガス中で250℃の温度で撹拌し、表面を活性化させたCu粉末とGaとを混合して作製したGa濃度が均一なCu−Ga合金粉末を熱処理し、焼結することによって、Ga濃度のばらつきが小さい高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができ、このスパッタリングターゲットにより得られたCu−Ga合金膜においてもGa濃度のばらつきを抑えることができた。
<実施例6>
先ず、第1工程として撹拌工程は、表1中のNo.1−2に示す条件で行った。具体的に、撹拌工程では、防錆剤処理された電解Cu粉末(平均粒径100μm、BET0.088m/g、Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素:0.16質量%、炭素0.011質量%)850gを、TiNコーティング容器および攪拌子を備えた二軸遊星型5L混合撹拌装置(小平製作所製5XDmv−rr型)に投入した。容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気した後に、水素と窒素の混合ガス(水素ガス濃度1%)で置換し、攪拌しながら250℃、30分間保持した後、150℃まで冷却した。
(合金粉末作製工程)
次に、第2工程として合金粉末作製工程では、表2中のNo.2−4に示す条件で行った。具体的に、合金粉末作製工程では、撹拌工程と同一の容器内を真空度50Pa以下(酸素分圧10Pa以下)まで真空排気した。次に、Ga(Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素0.01質量%未満、炭素0.001質量%未満)を50℃に加温した液体Gaを、真空状態のCu粉末の入っている容器内に、配管を通じて150g(Ga配合割合15質量%)投入した。真空排気を続けたまま攪拌し、150℃の温度を10分間保持した。その後、室温まで冷却して取り出したCu−Ga合金粉末を顕微鏡観察した。Cu粉末表面は、合金化して灰白色になっており、Cu−Ga合金で被覆されていない未反応のCu粉末は認められなかった。
また、Ga濃度は、Cu−Ga合金粉末1gのサンプルを3点採取してICP分析によりGa濃度を調べたところ、最小14.4質量%、最大15.4質量%であって、最大と最小の差は1.0質量%と小さかった。この結果から、撹拌工程を行い、この撹拌工程に引き続いて合金粉末作製工程を実施することで、Cu粉末とGaの反応性が向上し、Cu−Ga合金粉末の組成のばらつきが小さくなることがわかる。
また、Cu−Ga合金粉末の酸素分析値は、0.05質量%、炭素分析値は、0.005質量%であった。酸素含有量0.01質量%未満、炭素含有量0.001質量%未満のGaを15質量%配合した希釈効果だけでは、酸素:0.14質量%、炭素:0.009質量%になる。しかしながら、実施例6の分析値は、これよりも少なかったので、撹拌工程でCu粉末の酸化被膜を除去できていることがわかる。
(熱処理工程)
次に、第3工程として熱処理工程は、表3中のNo.3−1に示す条件で行った。具体的に、熱処理工程では、先ず、Cu−Ga合金粉末100gをホットプレス用の内径50mm黒鉛型にセットし、ホットプレス装置(大亜真空株式会社製)に取り付けた。次に、装置内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)に真空排気したまま、プレス圧力は無負荷の状態で加熱し、温度830℃、30分間保持の条件で熱処理した。
(焼結工程)
次に、第4工程として焼結工程では、表4中のNo.4−1に示す条件で行った。焼結工程では、先ず、熱処理工程と同一の容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気したまま、温度830℃、プレス圧力30MPaを加圧し30分間保持の条件でホットプレスを実施した。その結果、黒鉛型の隙間からCu−Ga合金粉末や液相が漏れ出すことはなく、直径50mm、厚み6mmの焼結体を取り出すことができた。
焼結体は、研磨して顕微鏡観察した結果、空孔は極めて少なく緻密であるとわかった。また、EPMA分析により焼結体の両面それぞれ任意の場所3点、計6点のGa濃度を分析した結果、最小14.7質量%、最大15.6質量%であって最大と最小の差0.9質量%と小さかった。これより、熱処理工程を行い、この熱処理工程に引き続いて焼結工程を実施することで、均一組成の焼結体が得られることがわかる。
そして、上述したように作製した焼結体を平面研削してCu製バッキングプレートに接合してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。これをスパッタ装置に取り付けて、スパッタすることにより作製したCu−Ga合金膜の3箇所のGa濃度をEPMAで測定した結果、最小15.0質量%、最大15.2質量%であって、最大と最小の差は0.2質量%と極めて小さかった。
以上のように、実施例6では、Cu粉末を、水素ガスと窒素の混合ガス中で250℃の温度で撹拌し、表面を活性化させたCu粉末とGaとを混合して作製したGa濃度が均一なCu−Ga合金粉末を熱処理し、焼結することによって、Ga濃度のばらつきが小さい高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができ、このスパッタリングターゲットにより得られたCu−Ga合金膜においてもGa濃度のばらつきを抑えることができた。
<実施例7>
先ず、第1工程として撹拌工程は、表1中のNo.1−2に示す条件で行った。具体的に、撹拌工程では、防錆剤処理された電解Cu粉末(平均粒径100μm、BET0.088m/g、Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素:0.16質量%、炭素0.011質量%)800gを、TiNコーティング容器および攪拌子を備えた二軸遊星型5L混合撹拌装置(小平製作所製5XDmv−rr型)に投入した。容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気した後に、水素と窒素の混合ガス(水素ガス濃度1%)で置換し、攪拌しながら250℃、30分間保持した後、150℃まで冷却した。
(合金粉末作製工程)
次に、第2工程として合金粉末作製工程では、表2中のNo.2−5に示す条件で行った。具体的に、合金粉末作製工程では、撹拌工程と同一の容器内を真空度50Pa以下(酸素分圧10Pa以下)まで真空排気した。次に、Ga(Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素0.01質量%未満、炭素0.001質量%未満)を50℃に加温した液体Gaを、真空状態のCu粉末の入っている容器内に、配管を通じて200g(Ga配合割合20質量%)投入した。真空排気を続けたまま攪拌し、150℃の温度を30分間保持した。その後、室温まで冷却して取り出したCu−Ga合金粉末を顕微鏡観察した。Cu粉末表面は、合金化して灰白色になっており、Cu−Ga合金で被覆されていない未反応のCu粉末は認められなかった。
また、Ga濃度は、Cu−Ga合金粉末1gのサンプルを3点採取してICP分析によりGa濃度を調べたところ、最小19.1質量%、最大20.5質量%であって、最大と最小の差は1.4質量%と小さかった。この結果から、撹拌工程を行い、この撹拌工程に引き続いて合金粉末作製工程を実施することで、Cu粉末とGaの反応性が向上し、Cu−Ga合金粉末の組成のばらつきが小さくなることがわかる。
また、Cu−Ga合金粉末の酸素分析値は、0.04質量%、炭素分析値は、0.004質量%であった。酸素含有量0.01質量%未満、炭素含有量0.001質量%未満のGaを20質量%配合した希釈効果だけでは、酸素:0.13質量%、炭素:0.009質量%になる。しかしながら、実施例7の分析値は、これよりも少なかったので、撹拌工程でCu粉末の酸化被膜を除去できていることがわかる。
(熱処理工程)
次に、第3工程として熱処理工程は、表3中のNo.3−1に示す条件で行った。具体的に、熱処理工程では、先ず、Cu−Ga合金粉末100gをホットプレス用の内径50mm黒鉛型にセットし、ホットプレス装置(大亜真空株式会社製)に取り付けた。次に、装置内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)に真空排気したまま、プレス圧力は無負荷の状態で加熱し、温度830℃、30分間保持の条件で熱処理した。
(焼結工程)
次に、第4工程として焼結工程では、表4中のNo.4−1に示す条件で行った。焼結工程では、先ず、熱処理工程と同一の容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気したまま、温度830℃、プレス圧力30MPaを加圧し30分間保持の条件でホットプレスを実施した。その結果、黒鉛型の隙間からCu−Ga合金粉末や液相が漏れ出すことはなく、直径50mm、厚み6mmの焼結体を取り出すことができた。
焼結体は、研磨して顕微鏡観察した結果、空孔は極めて少なく緻密であるとわかった。また、EPMA分析により焼結体の両面それぞれ任意の場所3点、計6点のGa濃度を分析した結果、最小19.4質量%、最大20.6質量%であって最大と最小の差1.2質量%と小さかった。これより、熱処理工程を行い、この熱処理工程に引き続いて焼結工程を実施することで、均一組成の焼結体が得られることがわかる。
そして、上述したように作製した焼結体を平面研削してCu製バッキングプレートに接合してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。これをスパッタ装置に取り付けて、スパッタすることにより作製したCu−Ga合金膜の3箇所のGa濃度をEPMAで測定した結果、最小19.8質量%、最大20.1質量%であって、最大と最小の差は0.3質量%と極めて小さかった。
以上のように、実施例7では、Cu粉末を、水素ガスと窒素の混合ガス中で250℃の温度で撹拌し、表面を活性化させたCu粉末とGaとを混合して作製したGa濃度が均一なCu−Ga合金粉末を熱処理し、焼結することによって、Ga濃度のばらつきが小さい高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができ、このスパッタリングターゲットにより得られたCu−Ga合金膜においてもGa濃度のばらつきを抑えることができた。
<実施例8>
先ず、第1工程として撹拌工程は、表1中のNo.1−2に示す条件で行った。具体的に、撹拌工程では、防錆剤処理された電解Cu粉末(平均粒径100μm、BET0.088m/g、Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素:0.16質量%、炭素0.011質量%)700gを、TiNコーティング容器および攪拌子を備えた二軸遊星型5L混合撹拌装置(小平製作所製5XDmv−rr型)に投入した。容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気した後に、水素と窒素の混合ガス(水素ガス濃度1%)で置換し、攪拌しながら250℃、30分間保持した後、150℃まで冷却した。
(合金粉末作製工程)
次に、第2工程として合金粉末作製工程では、表2中のNo.2−6に示す条件で行った。具体的に、合金粉末作製工程では、撹拌工程と同一の容器内を真空度50Pa以下(酸素分圧10Pa以下)まで真空排気した。次に、Ga(Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素0.01質量%未満、炭素0.001質量%未満)を50℃に加温した液体Gaを、真空状態のCu粉末の入っている容器内に、配管を通じて300g(Ga配合割合30質量%)投入した。真空排気を続けたまま攪拌し、150℃の温度を30分間保持した。その後、容器内の真空排気を停止して、容器内にArガスを導入した状態で、室温まで冷却した。冷却したCu−Ga合金粉末を取り出して顕微鏡観察した。Cu粉末表面は、合金化して灰白色になっており、Cu−Ga合金で被覆されていない未反応のCu粉末は認められなかった。
また、Ga濃度は、Cu−Ga合金粉末1gのサンプルを3点採取してICP分析によりGa濃度を調べたところ、最小29.3質量%、最大30.6質量%であって、最大と最小の差は1.3質量%と小さかった。この結果から、撹拌工程を行い、この撹拌工程に引き続いて合金粉末作製工程を実施することで、Cu粉末とGaの反応性が向上し、Cu−Ga合金粉末の組成のばらつきが小さくなることがわかる。
また、Cu−Ga合金粉末の酸素分析値は、0.03質量%、炭素分析値は、0.004質量%であった。酸素含有量0.01質量%未満、炭素含有量0.001質量%未満のGaを20質量%配合した希釈効果だけでは、酸素:0.11質量%、炭素:0.008質量%になる。しかしながら、実施例8の分析値は、これよりも少なかったので、撹拌工程でCu粉末の酸化被膜を除去できていることがわかる。
(熱処理工程)
次に、第3工程として熱処理工程は、表3中のNo.3−1に示す条件で行った。具体的に、熱処理工程では、先ず、Cu−Ga合金粉末100gをホットプレス用の内径50mm黒鉛型にセットし、ホットプレス装置(大亜真空株式会社製)に取り付けた。次に、装置内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)に真空排気したまま、プレス圧力は無負荷の状態で加熱し、温度830℃、30分間保持の条件で熱処理した。
(焼結工程)
次に、第4工程として焼結工程では、実施例4と同様にして行った。すなわち、表4中のNo.4−1に示す条件で行った。焼結工程では、先ず、熱処理工程と同一の容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気したまま、温度830℃、プレス圧力30MPaを加圧し30分間保持の条件でホットプレスを実施した。その結果、黒鉛型の隙間からCu−Ga合金粉末や液相が漏れ出すことはなく、直径50mm、厚み6mmの焼結体を取り出すことができた。
焼結体は、研磨して顕微鏡観察した結果、空孔は極めて少なく緻密であるとわかった。また、EPMA分析により焼結体の両面それぞれ任意の場所3点、計6点のGa濃度を分析した結果、最小29.6質量%、最大30.6質量%であって最大と最小の差1.0質量%と小さかった。これより、熱処理工程を行い、この熱処理工程に引き続いて焼結工程を実施することで、均一組成の焼結体が得られることがわかる。
そして、上述したように作製した焼結体を平面研削してCu製バッキングプレートに接合してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。これをスパッタ装置に取り付けて、スパッタすることにより作製したCu−Ga合金膜の3箇所のGa濃度をEPMAで測定した結果、最小29.8質量%、最大30.1質量%であって、最大と最小の差は0.3質量%と極めて小さかった。
以上のように、実施例8では、Cu粉末を、水素ガスと窒素の混合ガス中で250℃の温度で撹拌し、表面を活性化させたCu粉末とGaとを混合して作製したGa濃度が均一なCu−Ga合金粉末を熱処理し、焼結することによって、Ga濃度のばらつきが小さい高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができ、このスパッタリングターゲットにより得られたCu−Ga合金膜においてもGa濃度のばらつきを抑えることができた。
<実施例9>
先ず、第1工程として撹拌工程は、表1中のNo.1−2に示す条件で行った。具体的に、撹拌工程では、防錆剤処理された電解Cu粉末(平均粒径100μm、BET0.088m/g、Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素:0.16質量%、炭素0.011質量%)900gを、TiNコーティング容器および攪拌子を備えた二軸遊星型5L混合撹拌装置(小平製作所製5XDmv−rr型)に投入した。容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気した後に、水素と窒素の混合ガス(水素ガス濃度1%)で置換し、攪拌しながら250℃、30分間保持した後、150℃まで冷却した。
(合金粉末作製工程)
次に、第2工程として合金粉末作製工程では、表2中のNo.2−7に示す条件で行った。具体的に、合金粉末作製工程では、撹拌工程と同一の容器内を真空度50Pa以下(酸素分圧10Pa以下)まで真空排気した。次に、Ga(Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素0.01質量%未満、炭素0.001質量%未満)を50℃に加温した液体Gaを、真空状態のCu粉末の入っている容器内に、配管を通じて100g(Ga配合割合10質量%)投入した。真空排気を続けたまま攪拌し、150℃の温度を30分間保持した。その後、容器内の真空排気を停止して、容器内にArガスを導入した状態で、室温まで冷却した。冷却したCu−Ga合金粉末を取り出して顕微鏡観察した。Cu粉末表面は、合金化して灰白色になっており、Cu−Ga合金で被覆されていない未反応のCu粉末は認められなかった。
また、Ga濃度は、Cu−Ga合金粉末1gのサンプルを3点採取してICP分析によりGa濃度を調べたところ、最小9.6質量%、最大10.6質量%であって、最大と最小の差は1.0質量%と小さかった。この結果から、撹拌工程を行い、この撹拌工程に引き続いて合金粉末作製工程を実施することで、Cu粉末とGaの反応性が向上し、Cu−Ga合金粉末の組成のばらつきが小さくなることがわかる。
また、Cu−Ga合金粉末の酸素分析値は、0.08質量%、炭素分析値は、0.007質量%であった。酸素含有量0.01質量%未満、炭素含有量0.001質量%未満のGaを10質量%配合した希釈効果だけでは、酸素:0.14質量%、炭素:0.010質量%になる。しかしながら、実施例9の分析値は、これよりも少なかったので、撹拌工程でCu粉末の酸化被膜を除去できていることがわかる。
(熱処理工程)
次に、第3工程として熱処理工程は、表3中のNo.3−4に示す条件で行った。具体的に、熱処理工程では、先ず、Cu−Ga合金粉末100gをホットプレス用の内径50mm黒鉛型にセットし、ホットプレス装置(大亜真空株式会社製)に取り付けた。次に、装置内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)に真空排気したまま、プレス圧力は無負荷の状態で加熱し、温度1000℃、1時間保持の条件で熱処理した。
(焼結工程)
次に、第4工程として焼結工程では、表4中のNo.4−4に示す条件で行った。焼結工程では、先ず、熱処理工程と同一の装置内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気したまま、温度1000℃、プレス圧力30MPaを加圧し1時間保持の条件でホットプレスを実施した。その結果、黒鉛型の隙間からCu−Ga合金粉末や液相が漏れ出すことはなく、直径50mm、厚み6mmの焼結体を取り出すことができた。
焼結体は、研磨して顕微鏡観察した結果、空孔は極めて少なく緻密であるとわかった。また、EPMA分析により焼結体の両面それぞれ任意の場所3点、計6点のGa濃度を分析した結果、最小9.6質量%、最大10.3質量%であって最大と最小の差は0.7質量%と小さかった。これより、熱処理工程を行い、この熱処理工程に引き続いて焼結工程を実施することで、均一組成の焼結体が得られることがわかる。
そして、上述したように作製した焼結体を平面研削してCu製バッキングプレートに接合してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。これをスパッタ装置に取り付けて、スパッタすることにより作製したCu−Ga合金膜の3箇所のGa濃度をEPMAで測定した結果、最小9.8質量%、最大10.0質量%であって、最大と最小の差は0.2質量%と極めて小さかった。
以上のように、実施例9では、Cu粉末を、水素ガスと窒素の混合ガス中で250℃の温度で撹拌し、表面を活性化させたCu粉末とGaとを混合して作製したGa濃度が均一なCu−Ga合金粉末を熱処理し、焼結することによって、Ga濃度のばらつきが小さい高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができ、このスパッタリングターゲットにより得られたCu−Ga合金膜においてもGa濃度のばらつきを抑えることができた。
<実施例10>
先ず、第1工程として撹拌工程は、表1中のNo.1−2に示す条件で行った。具体的に、撹拌工程では、防錆剤処理された電解Cu粉末(平均粒径100μm、BET0.088m/g、Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素:0.16質量%、炭素0.011質量%)550gを、TiNコーティング容器および攪拌子を備えた二軸遊星型5L混合撹拌装置(小平製作所製5XDmv−rr型)に投入した。容器内を真空度100Pa以下(酸素分圧20Pa以下)まで真空排気した後に、水素と窒素の混合ガス(水素ガス濃度1%)で置換し、攪拌しながら250℃、30分間保持した後、80℃まで冷却した。
(合金粉末作製工程)
次に、第2工程として合金粉末作製工程では、表2中のNo.2−8に示す条件で行った。具体的に、合金粉末作製工程では、撹拌工程と同一の容器内を真空度50Pa以下(酸素分圧10Pa以下)まで真空排気した。次に、Ga(Fe、Cr、Niそれぞれ1ppm未満、酸素0.01質量%未満、炭素0.001質量%未満)を50℃に加温した液体Gaを、真空状態のCu粉末の入っている容器内に、配管を通じて450g(Ga配合割合45質量%)投入した。真空排気を続けたまま攪拌し、80℃の温度を1時間保持した。その後、容器内の真空排気を停止して、容器内にArガスを導入した状態で、室温まで冷却した。冷却したCu−Ga合金粉末を取り出して顕微鏡観察した。Cu粉末表面は、合金化して灰白色になっており、Cu−Ga合金で被覆されていない未反応のCu粉末は認められなかった。
また、Ga濃度は、Cu−Ga合金粉末1gのサンプルを3点採取してICP分析によりGa濃度を調べたところ、最小43.7質量%、最大45.2質量%であって、最大と最小の差は1.5質量%と小さかった。この結果から、撹拌工程を行い、この撹拌工程に引き続いて合金粉末作製工程を実施することで、Cu粉末とGaの反応性が向上し、Cu−Ga合金粉末の組成のばらつきが小さくなることがわかる。
また、Cu−Ga合金粉末の酸素分析値は、0.04質量%、炭素分析値は、0.003質量%であった。酸素含有量0.01質量%未満、炭素含有量0.001質量%未満のGaを45質量%配合した希釈効果だけでは、酸素:0.09質量%、炭素:0.006質量%になる。しかしながら、実施例10の分析値は、これよりも少なかったので、撹拌工程でCu粉末の酸化被膜を除去できていることがわかる。
(熱処理工程)
次に、第3工程として熱処理工程では、表3中のNo.3−5に示す条件で行った。具体的に、熱処理工程では、先ず、Cu−Ga合金粉末100gをホットプレス用の内径50mm黒鉛型にセットし、ホットプレス装置(大亜真空株式会社製)に取り付けた。次に、装置内を真空度50Pa以下(酸素分圧10Pa以下)まで真空排気した後、Arガスに置換した。次に、プレス圧力は無負荷の状態で加熱し、温度250℃、1時間保持の条件で熱処理した。
(焼結工程)
次に、第4工程として焼結工程では、表4中のNo.4−5に示す条件で行った。具体的に、焼結工程では、Arガス(酸素分圧10Pa以下)、温度250℃のままの熱処理と同じ雰囲気、温度条件の状態から、プレス圧力5MPaを加圧し1時間保持の条件でホットプレスを実施した。その結果、黒鉛型の隙間からCu−Ga合金粉末や液相が漏れ出すことはなく、直径50mm、厚み6mmの焼結体を取り出すことができた。
焼結体は、研磨して顕微鏡観察した結果、空孔は極めて少なく緻密であるとわかった。また、EPMA分析により焼結体の両面それぞれ任意の場所3点、計6点のGa濃度を分析した結果、最小43.3質量%、最大45.5質量%であって、最大と最小の差は2.2質量%と小さかった。これより、熱処理工程を行い、この熱処理工程に引き続いて焼結工程を実施することで、均一組成の焼結体が得られることがわかる。
そして、上述したように作製した焼結体を平面研削してCu製バッキングプレートに接合してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。これをスパッタ装置に取り付けて、スパッタすることにより作製したCu−Ga合金膜の3箇所のGa濃度をEPMAで測定した結果、最小44.8質量%、最大45.2質量%であって、最大と最小の差は0.4質量%と極めて小さかった。
以上のように、実施例10では、Cu粉末を、水素ガスと窒素の混合ガス中で250℃の温度で撹拌し、表面を活性化させたCu粉末とGaとを混合して作製したGa濃度が均一なCu−Ga合金粉末を熱処理し、焼結することによって、Ga濃度のばらつきが小さい高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができ、このスパッタリングターゲットにより得られたCu−Ga合金膜においてもGa濃度のばらつきを抑えることができた。
<比較例1>
比較例1では、第1工程の撹拌工程を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてCu−Ga合金粉末を作製した。Cu−Ga合金粉末を顕微鏡観察したところ、Cu−Ga合金で被覆されていない未反応のCu粉末が多数認められた。
Ga濃度は、Cu−Ga合金粉末1gのサンプルを3点採取してICP分析によりGa濃度を調べたところ、最小32.1質量%、最大38.2質量%であって、最大と最小の差は6.1質量%と大きかった。
次に、実施例1と同様にしてCu−Ga合金焼結体を作製し、焼結体を研磨して顕微鏡観察した結果、空孔は極めて少なく緻密であった。Ga濃度は、EPMA分析により焼結体の両面それぞれ任意の場所3点、計6点のGa濃度を分析したところ、最小31.9質量%、最39.3質量%であって最大と最小の差は7.4質量%と大きかった。
上述したように作製した焼結体を平面研削してCu製バッキングプレートに接合してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。これをスパッタ装置に取り付けて、スパッタにより作製したCu−Ga合金膜の3箇所のGa濃度をEPMA分析で測定した結果、最小33.4質量%、最大35.0質量%であって、最大と最小の差は1.6質量%と大きかった。
<比較例2>
比較例2では、第3工程の熱処理工程を実施しなかった以外は、実施例2と同様にしてCu−Ga合金粉末をホットプレスしたところ、黒鉛型の隙間からCu−Ga合金粉末の一部が漏れ出して圧力が不均一となり、黒鉛型とともに焼結体も割れてしまった。
以下、表1〜表5に、各工程の条件及びGa濃度の最大濃度と最小濃度の差を示す。
Figure 0005630416
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表5に示す結果から、実施例1〜実施例10では、Cu粉末に対して第1の工程の撹拌工程を施していない比較例1と比べて、Cu−Ga合金粉末、スパッタリングターゲット及びスパッタ膜におけるGa濃度の最大濃度と最小濃度の差が小さくなった。このことから、Cu−Ga合金粉末及びスパッタリングターゲットを作製するにあたって、撹拌工程を行うことによって、均一な組成のCu−Ga合金粉末及びスパッタリングターゲットが得られることがわかる。したがって、実施例1〜実施例10では、均一組成のスパッタ膜を形成することができる。
また、実施例1〜実施例10では、焼結前にCu−Ga合金粉末に対して熱処理を行っていない比較例2と比べて、焼結前にCu−Ga合金粉末に対して熱処理を行っているため、Gaの液漏れが生じることなく、組成が均一なスパッタリングターゲットを作製することができた。

Claims (8)

  1. Cu粉末を、水素ガス濃度0.1%〜5%、残部が窒素ガス又はアルゴンガスである混合ガス雰囲気中で150℃〜300℃の温度で撹拌する撹拌工程と、
    前記撹拌工程を施したCu粉末に、Gaを10質量%〜45質量%の割合で配合した混合粉末を、真空又は不活性雰囲気中で30℃〜300℃の温度で攪拌することにより、直接、Cu−Ga合金粉末を形成する合金粉末作製工程と、
    前記Cu−Ga合金粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中で250℃〜1000℃の温度で熱処理する熱処理工程と、
    前記熱処理工程で熱処理したCu−Ga合金粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中で250℃〜1000℃の温度と、5MPa〜30MPaのプレス圧力とでホットプレス法により焼結する焼結工程とを備えることを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  2. 前記合金粉末作製工程、前記熱処理工程及び前記焼結工程の真空又は不活性ガス雰囲気は、酸素分圧が20Pa以下であることを特徴とする請求項1記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  3. 前記撹拌工程及び前記合金粉末作製工程は、同一の攪拌装置内で前記撹拌工程に続けて前記合金粉末作製工程を行うことを特徴とする請求項1記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  4. 前記攪拌装置の容器と攪拌子は、窒化チタン、窒化クロム又はダイヤモンドライクカーボンをコーティングしたステンレスであることを特徴とする請求項記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  5. 前記熱処理工程の熱処理温度は、Cu−Ga合金の状態図における固相線以下の温度とすることを特徴とする請求項1記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  6. 前記熱処理工程及び前記焼結工程は、同一のホットプレス装置内で前記熱処理工程に続けて前記焼結工程を行うことを特徴とする請求項1記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  7. 前記焼結工程のホットプレスの温度は、前記熱処理工程の熱処理と同じ温度であることを特徴とする請求項記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  8. Cu粉末を、水素ガス濃度0.1%〜5%、残部が窒素ガス又はアルゴンガスである混合ガス雰囲気中で150℃〜300℃の温度で撹拌する撹拌工程と、
    前記撹拌工程を施したCu粉末に、Gaを10質量%〜45質量%の割合で配合した混合粉末を、真空又は不活性雰囲気中で30℃〜300℃の温度で攪拌することにより、直接、Cu−Ga合金粉末を形成する合金粉末作製工程とを有することを特徴とするCu−Ga合金粉末の製造方法。
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