JP2006002176A - 球状微小銅粉および球状微小銅粉の製造方法 - Google Patents

球状微小銅粉および球状微小銅粉の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】効率よく製造でき、導電性および流動性の高い球状微小銅粉を提供する。
【解決手段】銅を主とする原料を加熱溶融して銅の溶湯6とするための坩堝(容器)2と、銅の溶湯6を注ぐためのノズル(注湯口)3と、回転し遠心力によって注がれた銅の溶湯6を飛散させる、窒化珪素60〜80質量%、窒化アルミニウム15〜24質量%、アルミナ2〜8重量%、及びイットリア2〜8重量%を含む配合物を焼結してなる窒化珪素質ディスク4とを備えた微小銅粉製造装置を用いて製造された後、表面に付着する付着物が剥離された球状微小銅粉であって、最大直径が15.0μm以下、真球度が1.005ないし1.010かつ、複数の球状微小銅粉の粒度分布の標準偏差が0.05ないし0.20である。
【選択図】図1

Description

本発明は、銅を主とする原料を加熱溶融して溶湯とするための容器と、溶湯を注ぐための注湯口と、回転し遠心力によって前記注がれた溶湯を飛散させる窒化珪素質ディスクとを備えた微小銅粉製造装置を用いて製造される球状微小銅粉およびその球状微小銅粉の製造方法に関する。
銅粉は、電子産業の分野で幅広く利用されているが、特に最大直径約10μm以下の微小銅粉は、例えば、電子部品やスクリーン印刷による電子回路基板の配線用の導電性ペーストとして使用されている。この微小銅粉を用いた銅ペーストは従来の銀を主体としたペーストに比べてマイグレーションが起き難いことや、安価であることから、銀ペーストに替わるものとして近年使用されるようになった。
近年、パソコン,携帯電話,AV機器等の小型化に伴って電子回路基板(プリント基板)の配線のファインピッチ(高精細)化が求められており、高精細なスクリーン印刷を可能とするペーストが必要とされている。このような背景から、銅ペースト用の微小銅粉は、硬化した際に緻密な導体膜を形成して十分な導電性を有することが必要であり、導電性を確保するためには充填密度の高い銅ペースト用の微小銅粉が必要である。
また、多層プリント基板の導入により、スルーホールやビアホール等の内側に銅ペーストを充填し硬化させて導体層を作ることで、プリント基板の両面にある回路層の銅箔を導通させる方法が開発されており、銅ペーストをスルーホールやビアホール等に高充填密度で充填するためには流動性の高い銅ペースト用の微小銅粉が必要である。
ところが、微小銅粉の充填密度を高めると微小銅粉どうしが化学的に再結合してしまい、銅ペーストの粘性を高めて流動性を低くしてしまい、スルーホールやビアホール等への充填性を低下させたり、プリント配線の印刷精度を低下させてしまい、電子回路基板の導通不良の原因となっていた。
このような不具合を解消するため、硬化した際に十分な導電性を有し、かつ流動性の高い(低粘性度の)銅ペースト用の微小銅粉が求められている。球状微小銅粉は、流動性が高い、充填密度が高い、比表面積が小さいといった特性を有しており、低粘性度の銅ペーストを製造することが期待でき、球状微小銅粉が注目されている。
球状微小銅粉の製造方法としては、湿式還元法、アトマイズ法、回転ディスク法(遠心噴霧法)等がある。
湿式還元法は、他の製造方法に比べて均一な(粒度分布巾の狭い)微小銅粉を比較的容易に得られることから、現在では導電性の銅ペースト用の微小銅粉の製造方法の主流となっている。また、湿式還元法によって、形状が球状に近い微小銅粉(球状微小銅粉)を、粒径を制御しながら製造できるようになってきた。
特許文献1では、湿式還元法により粒度分布の異なる複数の球状微小銅粉をそれぞれ製造しそれらを混合して、充填密度の高い銅ペースト用の微小銅粉の製造方法が開示されている。しかし、この製造方法によって得られた球状微小銅粉を銅ペーストに使用すると、隣接する球状微小銅粉どうしが点で接触することから接触面積が少なく通電時の電気抵抗を低くすることができなかった。
そこで、導電性を高めるために、球状微小銅粉に他の形状の微小銅粉を混合することによって微小銅粉どうしの接触面積を増やすようにした銅ペースト用の微小銅粉が開発された(例えば特許文献2)。
特許文献2では、最大直径が10μm以下の均一な粒径分布を示す微小フレーク銅粉と、最大直径が10μm以下の略球形の形状をした球状微小銅粉とを混合することで、低粘性度の銅ペーストとなり、導電性が高まることが開示されている。これは、銅ペースト中で球形微小銅粉が微小フレーク銅粉の間に入り込む状態になり、銅粉全体が相互に転がり易くなることで流動性を向上させるとともに、微小フレーク銅粉同士の接触が面接触になり接触面積を増やすことで電気抵抗を下げられたためである。
しかし、このような混合微小銅粉では銅ペーストの粘性度を低くすることはできるが、導電性を高めるには至っていない。
湿式還元法によって製造される球状微小銅粉は、不純物が多く含まれると共に表面に突起やへこみなどの凹凸があり、銅ペーストの粘性度を下げる際の障害となっていた。そこで、高速攪拌機等を使用して微小銅粉どうしを機械的に衝突させることにより、微小銅粉の表面の凸凹面を除去して滑らかにすることで銅ペーストの粘性度を下げる微小銅粉の製造方法が開示されている(例えば特許文献3)。しかし、特許文献3では、微小銅粉の表面の凹凸を除去して平滑化するために微小銅粉を機械的に攪拌させて衝突させるが、この攪拌動作によって、微小銅粉の表面の付着物は除去できるものの、逆に微小銅粉の表面に傷をつけてしまい真球度を低下させてしまうという問題があり、微小銅粉の流動性を高めるには至らない。
アトマイズ法は、溶融金属(銅)流に高圧のガスや水を噴射して金属流を粉砕し、冷却・凝固させて金属粉を製造する方法である。一般に水を噴射する方法は水アトマイズ法、ガスを噴射する方法はガスアトマイズ法と呼ばれているが、両者の方法で得られる金属粉の性質(形状や粒径及び酸素含有量等)は全く異なるものである。
水アトマイズ法は、冷却速度が速く、微小銅粉を製造することが可能であるが、その形状は不定形なものが多く、表面は凸凹している。また、水を媒体としているので微小銅粉の酸素含有量は比較的高くなってしまう。
一方、ガスアトマイズ法は、球状銅粉を比較的容易に製造することができ、高純度な不活性ガスを噴射ガスに用いることで、球状銅粉の酸素含有量を低く抑えられると共に不純物の少ない球状銅粉を製造する方法である。しかし、この製造方法で得られる球状銅粉の粒径は比較的大きく、最大直径が10μm以下の球状微小銅粉を得るためには微小銅粉を分級する必要があり、製造工程が複雑になるとともに分級後の歩留まりが悪くコスト高になってしまうという問題がある。
特許文献4では、水アトマイズ法により製造された球状微小銅粉を用いた銅ペーストの粘性度を抑制するために球状微小銅粉中の酸素含有量を1000 ppm以下にする技術が開示されている。これによると、球状微小銅粉表面に酸素原子、特に水酸基(OH-)が過剰に存在すると、その酸素(または水酸基)と樹脂との反応性が高まり、常温であっても銅ペーストの硬化が進行しやすくなるため、表面に酸素含有量が多い球状微小銅粉は、銅ペーストにしたときに粘度が高くなる。また、球状微小銅粉の表面に水酸基(OH-)が存在すると、球状微小銅粉の凝集が起こり、銅ペーストの粘性度が高まる要因となることも一般的に知られている。
回転ディスク法(遠心噴霧法)は、ガスアトマイズ法と同様に不純物が少なく真球度の高い球状銅粉を比較的容易に製造できる方法である。この製造方法は、銅の溶湯を高速で回転するディスク上に流下させ、ディスクの回転による遠心力を用いて、ディスク上で溶湯を薄く広がらせて、ディスクの周縁部から溶湯を液滴として飛散させるものであり、その飛散した液滴が気相中で冷却・凝固する過程において、液滴自身が表面張力により球状化する方法である。
従来の回転ディスク法により得られる球状銅粉の粒径は比較的大きいものであった。
したがって、最大直径が15μm以下または10μm以下の球状微小銅粉を製造するには、ガスアトマイズ法と同様に微小銅粉を分級する必要があり、製造工程が複雑になるとともに分級後の歩留まりが悪くコスト高になってしまうという問題があった。
回転ディスク法により球状銅粉を製造する技術として、直径80 mm、厚さ40 mmの金属製(SC37)の大型のディスクを使用したものがある(例えば特許文献5)。この特許文献5で用いるディスクは、ディスクの重量が大きいため高速回転ができず、ディスクの回転数が1分間に5000回転という低速であり、球状微小銅粉を製造することはできなかった。
回転ディスク法において製造する球状微小銅粉の粒径を小さくするためには、ディスクを高速回転させる必要があるが、従来のディスクは直径および重量が大きいため、高速回転させるには大掛かりな装置が必要となってしまう。さらに、溶融温度が1100℃を超える高温の銅の溶湯をディスク上に流下させる時に、その熱衝撃に耐えうるディスク材料や、溶湯と反応して腐食しないディスク材料を選定する必要がある。
また、溶湯をディスク上で薄く広がらせ、ディスクの周縁部から液滴として飛散させないと、球状銅粉の粒径が粗くなったり、フレークが発生する。しかし、これらの問題を解決するディスク材がこれまで見つからなかったために、回転ディスク法(遠心噴霧法)を使用しての球状微小銅粉の製造はなされなかった。
特公平7−74364号公報 特開2003−123537号公報 特開2000−268630号公報 特開2002−343135号公報 特開昭58−91101号公報
このように、これまでの製造方法では、導電性および流動性の高い球状微小銅粉を効率よく製造するには至っていない。
そこでこの発明の目的は、効率よく製造でき、導電性および流動性の高い球状微小銅粉を提供することにある。
このため請求項1に記載の発明は、銅を主とする原料を加熱溶融して溶湯とするための容器と、前記溶湯を注ぐための注湯口と、回転し遠心力によって前記注がれた溶湯を飛散させる、窒化珪素60〜80質量%、窒化アルミニウム15〜24質量%、アルミナ2〜8重量%、及びイットリア2〜8重量%を含む配合物を焼結してなる窒化珪素質ディスクとを備えた微小銅粉製造装置を用いて製造された後、表面に付着する付着物が剥離された球状微小銅粉であって、最大直径が15.0μm以下、真球度が1.005ないし1.010かつ、複数の前記球状微小銅粉の粒度分布の標準偏差が0.05ないし0.20であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の球状微小銅粉において、前記球状微小銅粉の最大直径が10.0μm以下であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の球状微小銅粉において、酸素含有量が200ないし330ppmであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、銅を主とする原料を加熱溶融して溶湯する原料加熱溶融ステップと、前記溶湯をチャンバー内で回転する窒化珪素質ディスク上に注ぐ注湯ステップと、前記回転する窒化珪素質ディスク上に注湯された前記溶湯を遠心力で前記窒化珪素質ディスクの半径方向外側に飛散させる溶湯飛散ステップと、前記飛散した溶湯を冷却して球状微小銅粉を形成する冷却ステップとを備える球状微小銅粉の製造方法において、前記球状微小銅粉の表面に付着する付着物を剥離する付着物剥離ステップを備え、該付着物剥離ステップが、前記冷却した球状微小銅粉を酸素濃度1000ppm以下の剥離容器内に入れてなされることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の球状微小銅粉の製造方法において、前記チャンバー内の雰囲気が不活性ガスを主体としてなり、前記雰囲気圧を1.013×105Paより低くすることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の球状微小銅粉の製造方法において、前記付着物剥離ステップは、水平方向に回転軸を備える前記剥離容器を1分間に25回転の回転数で30ないし90分間回転させ前記剥離容器内に入れられた球状微小銅粉どうしを衝突または摩擦させることによって前記付着物を剥離することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の球状微小銅粉の製造方法において、前記チャンバー内で回転する窒化珪素質ディスクは1分間に最大10万回転することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、銅を主とする原料を加熱溶融して溶湯とするための容器と、溶湯を注ぐための注湯口と、回転し遠心力によって注がれた溶湯を飛散させる、窒化珪素60〜80質量%、窒化アルミニウム15〜24質量%、アルミナ2〜8重量%、及びイットリア2〜8重量%を含む配合物を焼結してなる窒化珪素質ディスクとを備えた微小銅粉製造装置を用いて製造された後、表面に付着する付着物が剥離された球状微小銅粉であって、最大直径が15.0μm以下、真球度が1.005ないし1.010かつ、複数の球状微小銅粉の粒度分布の標準偏差が0.05ないし0.20であるので、表面が滑らかで真球度が高く、酸素含有量が低く、充填率の良い球状微小銅粉、すなわち導電性および流動性の高い球状微小銅粉を提供することができる。
また、溶融した高温の溶湯を注いでも窒化珪素質ディスクが腐食せず耐久性がよく、長時間の製造を可能とし、効率よく球状微小銅粉を製造できる。
したがって、効率よく製造でき、導電性および流動性の高い球状微小銅粉を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、球状微小銅粉の最大直径が10.0μm以下であるので、本発明により製造された球状微小銅粉を銅ペーストに用いると、流動性および導電性の高い銅ペーストを提供することができ、このような銅ペーストによって電子回路基板を製造すると、導通不良のない電子回路基板を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、酸素含有量が200ないし330ppmであるので、電気的特性に優れ、導電性が向上する。また、球状微小銅粉どうしが付着することがなく、真球度の高い流動性の良い球状微小銅粉を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、銅を主とする原料を加熱溶融して溶湯する原料加熱溶融ステップと、溶湯をチャンバー内で回転する窒化珪素質ディスク上に注ぐ注湯ステップと、回転する窒化珪素質ディスク上に注湯された溶湯を遠心力で窒化珪素質ディスクの半径方向外側に飛散させる溶湯飛散ステップと、飛散した溶湯を冷却して球状微小銅粉を形成する冷却ステップとを備える球状微小銅粉の製造方法において、球状微小銅粉の表面に付着する付着物を剥離する付着物剥離ステップを備え、その付着物剥離ステップが、冷却した球状微小銅粉を酸素濃度1000ppm以下の剥離容器内に入れてなされるので、球状微小銅粉どうしの付着を容易に剥離することができ、さらに、剥離された部分に酸素が付着して酸化膜を形成するので、球状微小銅粉どうしが再度凝集して付着することを防止することができる。したがって、真球度の高い球状微小銅粉を効率よく製造することができる。また、チャンバー内の残留酸素量が低い雰囲気中で噴霧を行うことで、球状微小銅粉の酸化を抑えることができる。
請求項5に記載の発明によれば、チャンバー内の雰囲気が不活性ガスを主体としてなり、その雰囲気圧を1.013×105Paより低くするので、チャンバー内の雰囲気に水分や酸素が含まれている場合に、その水分や酸素によってディスクより飛散する溶湯の表面張力を阻害することを低減することができる。加えて、雰囲気圧を低くすることにより不活性ガス分子と飛散した溶湯とが衝突することを抑制し、衝突により生じる球状微小銅粉の変形を防止することができ、真球度の高い球状微小銅粉を製造することができる。
請求項6に記載の発明によれば、付着物剥離ステップは、水平方向に回転軸を備える剥離容器を1分間に25回転の回転数で30ないし90分間回転させ剥離容器内に入れられた球状微小銅粉どうしを衝突または摩擦させることによって付着物を剥離するので、衝突や摩擦に起因する球状微小銅粉の変形を低減することができる。また、簡単な構成で容易に球状微小銅粉を攪拌させつつ球状微小銅粉どうしを衝突または摩擦させて付着物を剥離することができる。
請求項7に記載の発明によれば、チャンバー内で回転する窒化珪素質ディスクは1分間に最大10万回転するので、単位時間あたり窒化珪素質ディスクから飛散する溶湯を多くし、効率的に球状微小銅粉を製造することができる。
以下、図面を参照しつつこの発明を実施するための最良の形態について詳述する。
この発明の球状微小銅粉を製造する微小銅粉製造装置は、図1に示すように、銅を主とする原料を加熱溶融して銅の溶湯6とするための黒鉛質の坩堝(容器)2と、銅の溶湯6を注ぐための黒鉛質のノズル(注湯口)3と、回転し遠心力によって注がれた銅の溶湯6を飛散させるディスク(窒化珪素質ディスク)4を備える。
詳しくは、一部をチャンバー1内に設けた坩堝2の下端から下方に向かってノズル3を備える。坩堝2およびノズル3内には、それぞれ坩堝2とノズル3の温度制御をするための熱電対9を設ける。
ノズル3の下端の下方には円盤状のディスク4を備える。なお、ディスク4は回転中心上方にノズル3の下端が位置するように設ける。一方、ディスク4の裏面側の回転中心付近には回転軸を固定して設け、その回転軸にはモーター5を取り付ける。そして、チャンバー1の下部には銅粉回収部8を設ける。この銅粉回収部8には開閉可能な回収口が設けられている。
なお、ディスク4は詳しくは、窒化珪素60〜80質量%、窒化アルミニウム15〜24質量%、アルミナ2〜8重量%、及びイットリア2〜8重量%を含む配合物を焼結してなる。
窒化珪素としては、セラミックス原料として一般に市販されているものであれば問題なく使用でき、その配合量は60〜80質量%の範囲とする。配合量が60質量%未満では、窒化珪素特有の高強度、耐熱衝撃性等の特性が損なわれ、80質量%を超えると、Al分として添加する窒化アルミニウムの量と、焼結時にガラスの液相を結晶粒界に形成しながら、窒化珪素が焼結する助剤として機能するアルミナ、イットリアの量が相対的に不足し、耐食性に優れた高強度の窒化珪素質ディスクにはならない。
窒化アルミニウムとしては、セラミックス原料として一般に市販されているものであれば問題なく使用でき、その配合量は15〜24質量%の範囲とする。配合量が15質量%未満では、本発明の目的である窒化珪素の粒界に存在するガラス相の結晶化が十分でなく、24質量%を超えると、焼結体の強度が低下して、本来の窒化珪素の特性が損なわれるので、遠心噴霧機のディスクとしては不適である。
アルミナとしては、セラミックス原料として一般に市販されているものであれば問題なく使用でき、その配合量は2〜8質量%の範囲とする。配合量が2質量%未満では、窒化珪素が焼結する助剤として機能するアルミナの量が不足し、耐食性に優れた高強度の窒化珪素質ディスクにはならない。一方、配合量が8質量%を超えると、ガラス成分が多くなり、耐食性に優れた窒化珪素質ディスクにはならない。
イットリアとしては、セラミックス原料として一般に市販されているものであれば問題なく使用でき、その配合量は2〜8質量%の範囲とする。配合量が2質量%未満では窒化珪素が焼結する助剤として機能するイットリアの量が不足し、耐食性に優れた高強度の窒化珪素質ディスクにはならない。一方、配合量が8質量%を超えるとガラス成分が多くなり、耐食性に優れた窒化珪素質ディスクにはならない。
本発明の窒化珪素質ディスクは、一般的な窒化珪素やサイアロンの製法によって製造することができる。例えば、以下の製法によって製造できる。
まず、所定量の窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ、及びイットリアからなる配合に水および成形助剤等を添加する。得られたスラリーをスプレードライヤー等で顆粒にしてプレス成形用の配合物を得る。次に、得られた配合物を所定寸法の円筒状のラバーに充填して、シール後、成形圧1ton/cm2以上でCIP処理をする。ここで、CIP処理の代わりに所定寸法の形状の金型を用いて一軸プレスによって成形しても何ら差し支えない。得られた成形体を、所定の寸法に、グリーン加工を行った後、脱脂処理し、1650〜1800℃の窒素雰囲気中で焼成することで、窒化珪素やサイアロンの焼結体が得られる。焼結体は所定の寸法精度に研削加工した後、遠心噴霧法に用いるディスクとする。上記の製法に代えて、鋳込成形法を適用し、石膏型や樹脂型に上記のスラリーを鋳込み、直接的にディスク形状を成形すれば、製造プロセスが簡略化され、グリーン加工を行うことなく、脱脂、焼成が可能である。また鋳込成形法に限らず射出成形法も適用可能である。
なお、球状微小銅粉を製造するにあたって、以下の点を考慮する必要がある。
(1)最大直径が15μm以下または10μm以下の球状微小銅粉を歩留良く製造する。
(2)製造された球状微小銅粉は真球度が高く、かつ酸素含有量を低くする。
(3)製造された球状微小銅粉は個々の粒子が付着することなく分散する。
最大直径が15μm以下または10μm以下の球状微小銅粉を歩留良く製造するためには、ディスク4の回転数を極めて高くする必要がある。そこで本発明者等は銅の溶湯6に対して耐久性のある窒化珪素質ディスク4を使用し、そのディスク4を高速回転可能なモーター5に取り付けて、ディスク4の回転数を1分間に70000回転(以下、1分間の回転数を「rpm」という。)以上で安定に噴霧することにより歩留まりの向上を可能にした。
このとき、得られる微小銅粉の形状は噴霧時のチャンバー1内の雰囲気に大きく依存する。従来の回転ディスク法(遠心噴霧法)で製造される微小銅粉は、形状が不定形になる場合や表面が凸凹状になる場合がある。その原因は、飛散した液滴7の表面が酸化・吸湿することで、飛散した液滴7の冷却過程で表面張力が低下して球状化を妨げるからである。
そこで従来は、噴霧前にチャンバー1内の酸素、水分を除去するために、チャンバー1内を高真空に排気し、高純度不活性ガスによって置換する操作を繰り返し行っていた。さらに、噴霧時にはチャンバー1内に1.013×105Pa(1atm)以上の高純度不活性ガスを導入し、チャンバー1内壁からのガス放出を抑えることにより、酸素量の少ない噴霧雰囲気を作製することで不定形粒子の発生を防止していた。
しかし、本発明者等による研究の結果、1.013×105Pa以上の不活性ガス中で噴霧を行った場合、ディスク4から飛散した液滴7が不活性ガス分子と衝突することによって液滴7の飛散距離が短くなるため、ディスク4の周辺の雰囲気中に浮遊する液滴7が多くなり、その浮遊した液滴7にディスク4から飛散してきた液滴7が次々と衝突することで不定形な微小銅粉や表面の凸凹した微小銅粉を発生していることが分かった。
本発明の製造方法は、これらの問題を解決するために、噴霧時にチャンバー1内に導入する不活性ガスの圧力を1.013×105Pa未満の減圧状態にして、噴霧中の液滴7どうしの衝突を抑えることで、表面が滑らかで真球度の高い球状微小銅粉を製造する方法である。
ところで、球状微小銅粉の表面が滑らかで、かつ清浄な状態であると、球状微小銅粉は著しく付着性が強くなり、球状微小銅粉どうしの付着や凝集が起きたり、塊状に固結したりして、最大直径15μm以下または10μm以下の球状微小銅粉に分級することを非常に困難にする。
このような付着性の強い球状微小銅粉に対する付着防止策として、微量の酸素を添加した不活性ガスを噴霧時の冷却ガスに使用する方法がある(例えば、特開平7−179912号公報)。これは、冷却ガスに含有する微量の酸素が、噴霧時の球状微小銅粉の表面に酸化被膜を形成させ、球状微小銅粉の凝集力を低下させて微小銅粉を分離させる方法である。
しかし、本発明者等はこの方法により球状微小銅粉の製造を試みたが、得られた球状微小銅粉の表面は酸化被膜によって凸凹してしまい、滑らかな表面を得ることは出来なかった。
また別の方法として、高速攪拌機、ボールミル、ジェットミル等の衝突・摩擦式の粉砕機を利用した解粒方法が一般に知られているが、この場合、球状微小銅粉の表面に衝突によるへこみや攪拌による擦過傷が入り、滑らかな表面を得ることは不可能であった。
そこで本発明者等は、この発明の球状微小銅粉を製造するにあたり、表面にへこみや傷を付けずに付着物を分離させる方法として、図2に示すような一般的な容器回転型の銅粉分離装置を用いることとした。すなわち、ステンレス製の円筒状の容器をV字型に形成して剥離容器10とし、その剥離容器10に回転軸11を延出して設け、その回転軸11を支持台12に回転自在に取り付ける。
このように構成された微小銅粉製造装置と銅粉分離装置を用いて球状微小銅粉を製造する方法について図1〜3を用いて説明する。なお、本発明の基本的な工程は一般的な回転ディスク法(遠心噴霧法)と同様である。
まず、原料加熱溶融ステップにて、銅を主とする原料をチャンバー1内に設置した坩堝2に入れ加熱溶融して溶湯にする(S1)。なお、チャンバー1内の雰囲気は窒素ガス(不活性ガス)を主体とし、その雰囲気圧は1.013×105Paより低くする。
次に、ノズル3を加熱する(S2)。なお、坩堝2およびノズル3の加熱は、それらの周りに巻かれたコイルによる高周波誘導加熱により別々に加熱することができる。
そして、加熱されたノズル3の輻射熱によってディスク4を加熱する(S3)。
さらに、ディスク4が加熱された時点で、モーター5を駆動してディスク4を高速回転させる(S4)。なお、チャンバー1内で高速回転する窒化珪素質のディスク4は最大100000rpmで回転する。
次に、注湯ステップにて、ノズル3を銅の溶融温度以上に加熱して、銅の溶湯6をチャンバー1内の回転する窒化珪素質のディスク4上に注ぐ(S5)。
そして、溶湯飛散ステップにて、回転する窒化珪素質のディスク4上に注湯された銅の溶湯6は、ディスク4の高速回転による遠心力でディスク4上を半径方向外側に薄く広がりながら移動し、ディスク4の周縁部から液滴7として飛散する(S6)。
そして冷却ステップにおいて、飛散した溶湯(液滴7)を冷却・凝固して球状微小銅粉を形成する。すなわち、液滴7はディスク4より飛散して表面張力により球状になるとともに、チャンバー1内の雰囲気により冷却されて固化し球状微小銅粉となる。その球状微小銅粉は落下して銅粉回収部8に回収される(S7)。なお、銅の溶湯6の温度測定には坩堝2及びノズル3内に設置した熱電対9を使用する。
そして、付着物剥離ステップにて、回収された球状微小銅粉を図2に示すような銅粉分離装置の開閉蓋13を開いてV字型円筒状の剥離容器10に投入して閉じた後、剥離容器10を回転軸11の周りに回転し、球状微小銅粉の表面に付着する付着物を剥離する。この付着物剥離ステップは、冷却・凝固した球状微小銅粉を酸素濃度1000ppm以下の剥離容器10内に入れてなされる。
剥離容器10が水平方向に回転軸11を備えるV字型円筒状であり、その剥離容器10を25rpmで30ないし90分間回転させることによって剥離容器10内にある球状微小銅粉どうしを衝突または摩擦させることによって球状微小銅粉に付着する別の球状微小銅粉である付着物を剥離する。
銅の溶湯6の温度は、1100〜1250℃にするのが好ましい。また、ノズル3の内径は0.9〜1.2 mmφであることが好ましい。このノズル3の内径を0.9mmφよりも小さくすると、銅の溶湯6の流下量が少なくなり、銅の溶湯6がディスク4の周縁部まで広がる前にディスク4上で冷却してしまい、銅の凝固膜が発生し噴霧が乱れる恐れがある。一方、ノズル3の内径を1.2 mmφよりも大きくすると、銅の溶湯6の流下量が多くなり、球状微小銅粉を製造することが困難になる。
ノズル3からの銅の溶湯6の流下量は0.6〜1.5kg/minとすることが好ましい。また、ノズル3から銅の溶湯6を層流の状態で流下させるために、ノズル3の長さをノズル3の内径の10〜20倍にすることが好ましい。
本発明の特徴は、ディスク4を高速で回転させることで、球状微小銅粉を効率的に製造可能にした点である。本発明で使用したディスク4の断面図を図4に示す。ディスク4は、円盤状のディスク本体4aとそのディスク本体4aの円心部分を下方から支持するように形成された支持部4bとからなる。
ディスク本体4aの直径は30〜40mmφ、ディスク本体4aの表面4sは平面状であり、その面粗度は23μm以下であることが好ましい。表面4sが平面状であるこのようなディスク本体4aを使用する理由は、噴霧時に銅の溶湯6をディスク本体4aの周縁部まで薄く一様に広がらせて飛散させ、不定形粒子の発生を防止することができることと、ディスク本体4aの加工が簡単で、表面4sを削り直せば再利用が可能であることである。
このディスク本体4aは、銅の溶湯6を流下量0.6〜1.5kg/minで100時間流下させても表面4sに損傷が認められない。ノズル3によって流量制御された銅の溶湯6は高速で回転するディスク4のディスク本体4a上の回転中心部R(円心部分)より5mm以内の範囲に流下させることが好ましい。回転中心部Rより5mmを超える範囲に流下させると、銅の溶湯6がディスク本体4aの周縁部で均一に広がらず、製造される微小銅粉の粒度分布巾が広くなり効率よく球状微小銅粉を製造することが困難になる。ノズル3の下端部3bからディスク本体4aの表面4sまでの距離は20〜25mmとすることが好ましい。ノズル3の下端部3bからディスク4の表面4sまでの距離を20mm未満にすると、銅の溶湯6がディスク本体4a上に流下する際、その流下点でディスク本体4aから跳ね上がる銅の溶湯6の液滴がノズル3の下端部3bに付着して、ノズル3から銅が安定して流下することが困難になってしまう。また、ノズル3の下端部3bからディスク4の表面4sまでの距離が25mmを超えると、銅の溶湯6の表面4sへの流下圧が大きくなってモーター5の回転に負荷がかかり、停止してしまう恐れがある。
なお、ディスク4を取り付けるモーター5は、一般的な磁気浮上型を使用し、減圧状態でもディスク回転数が最大100000rpmまで安定して回転できるものを用いる。
本発明の特徴は、噴霧時にチャンバー1内の高純度不活性ガスの圧力を1.013×105Paより低くすることで、表面が滑らかで真球度が高く、かつ酸素含有量の低い球状微小銅粉を大量に効率よく製造できることである。高純度不活性ガスの種類としてはAr,He,N2ガスが使用可能であるが、He,Arガスは量産を行うにはコスト面で不利になるのでN2ガスの使用が好ましい。N2ガスは純度が99.999重量%以上、酸素含有量が0.1ppm以下の高純度ガスを使用する。噴霧前にチャンバー1内の酸素、水分を除去するために、チャンバー1内を約1×10-2 Paまで排気し、高純度N2ガスによって置換する操作を繰り返した後に、チャンバー1内に1.013×105Paより低い高純度N2ガスを冷却ガスとして導入する。
なお、チャンバー1内のガス(雰囲気)の圧力は5.065×104以上1.013×105Pa未満の範囲とすることが特に好ましい。チャンバー1内のガスの圧力が5.065×104Pa未満になると、噴霧中に飛散した液滴の冷却ガスによる冷却効果が遅くなることで、微小銅粉が完全に球状化する前にチャンバー1の内壁に衝突してしまい、不定形粒子を発生させてしまう。噴霧時のチャンバー1内の雰囲気の温度は、70〜90℃,残留酸素量は300ppm以下とする。
また、本発明の特徴は、銅粉分離装置として容器回転型の粉末混合装置を使用して、容器回転中に球状微小銅粉どうしを衝突させて付着物の分離を行うことである。本発明で使用する粉末混合装置は容器回転型の水平軸回転するものが好ましい。噴霧で得られた球状微小銅粉を剥離容器10に投入する前に、高純度窒素ガスにて剥離容器10内のガス置換を行う。ガス置換後は球状微小銅粉を剥離容器10内に見かけの体積が30〜50%になるように投入する。
そして、再び高純度窒素ガスによるガス置換を行った後、剥離容器10を室温で回転して付着物の分離を行う。このとき、剥離容器10内の酸素濃度は1000ppm以下、剥離容器10は25rpmで回転する。剥離容器10の回転時間は30〜90分が好ましい。回転時間が30分未満であると球状微小銅粉の分離が不十分であり、回転時間が90分を超えると剥離容器10内で分散した球状微小銅粉の再凝集を引き起こしてしまう。
回転時の球状微小銅粉の温度上昇は10℃以下である。回転終了後の球状微小銅粉は、空気分級により最大直径15μm以下または10μm以下に分級を行う。使用した空気分級機(日清エンジニアリング(株)製、精密空気分級機ターボクラシファイア TC−25型)は高速回転する円盤の回転数と風量の組合せにて異なる最大直径の分級を可能とするものである。
〔実施例1〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。まず、本発明のディスク4の製造方法について説明する。
(ディスクの製造)
下記表1に示す配合割合で、各種の原料、水、成形助剤を加えて、ボールミルで混合し、スプレードライヤーにて顆粒を作製した。それぞれの顆粒をφ90mm×90mmのラバーモールドに充填後、CIP成形した。成形体はφ45mm×L40mmの傘型のディスク上にグリーン加工した。脱脂、焼成後研削加工して、図4に示すようなL=40mm、Φ1=35mm、Φ2=8mmのディスク4を得た。
また、製品の一部からサンプリングして、X線による結晶構造の同定とアルキメデス法による密度測定を行った。その結果を下記表1に示した。
X線解析結果において特徴的なことは、βSi34もしくはβサイアロンのピーク(表1中のA)Y0.54(Si9.57Al2.43)(O0.8115.19)のピーク(表1中のB)の高さを比較すると、実施例の場合A<Bであり、比較例の場合A>Bとなっていたことである。このことから、Y0.54(Si9.57Al2.43)(O0.8115.19)の量が窒化珪素質ディスクの特性に有効に寄与しているといえる。また、TEM観察の結果では、ガラス相は認められなかった。
なお、ディスク状の製品と同時に製造したサンプルより、JISR1601に準じて、曲げ試験片を加工、曲げ強さを測定した。その結果も表1に示した。
上記の要領で作成した窒化珪素質ディスク4を用いて、遠心噴霧機で溶銅を流下しながら、噴霧安定性、耐用時間の試験をした。以下にその試験方法を示す。なお、この試験で使用した遠心噴霧機は図1に示す微小銅粉装置である。
(ディスクの試験方法)
図3に示すフローでディスク4を試験した。すなわち、銅原料を黒鉛製の坩堝2に入れ、高周波誘導加熱により、コイルが巻かれている坩堝2および黒鉛製の出湯ノズル3を1200℃に加熱し、銅原料を溶融させる。なお、測温は坩堝2とノズル3に接触させている熱電対9で行った。
次に、ディスク4をモーター5で回転させ、ディスク4が出湯ノズル3の輻射により加熱された時点で銅の溶湯6を流下する。
本試験では、図4に示す出湯用のノズル3の下端部3bとディスク4の表面4sとの距離は20mm、ディスク4の回転数は70000rpm、遠心噴霧機のチャンバー1内は5.065×104Paの窒素雰囲気とした。
(ディスクの試験結果)
表1に噴霧試験結果を示した。比較例である試料No1,No2,No3は、ディスク本体4aの中心部に銅の溶湯6を流下することで、その周辺部分1mmが溶損しはじめて、平面でなくなり、噴霧の方向が水平方向でなく、上向きに角度がついた状態で噴霧された。この場合は、要求される球状の微小銅粉が得られなかったので、その時点で「噴霧不可能」とした。ここで、比較例の試料No1は、特願2002−151752号公報に記載のものと同等のものである。
一方、実施例の試料No4,No5,No6では、平均直径52.3±30μmの真球状の球状微小銅粉が得られた。比較例の試料No6は、強度が不足しているために、溶銅を流下後の熱衝撃により割れた。
(球状微小銅粉の製造)
次に、上述のディスク4を備える微小銅粉製造装置を使用して、球状微小銅粉を製造する手順を図1〜4を用いて説明する。まず、坩堝2に銅の原材料入れて加熱し、銅を溶融する(S1)。次に、ノズル3を加熱する(S2)とともに、そのノズル3の輻射熱でディスク4を加熱して(S3)、ディスク4を回転数100000rpmで回転させる(S4)。このとき、チャンバー1内の圧力6.078×104Pa(0.6atm)の高純度窒素ガス雰囲気(濃度0.1ppmの酸素を含む)は80℃とする。そして、ディスク4の表面4s上に、加熱されて1180℃となった銅の溶湯6を0.67kg/minの流下量でノズル3の下端部3bよりディスク4の表面4sに流下して(S5)、ディスク4の遠心力により銅の溶湯6を液滴7として飛散させて雰囲気中で冷却させる(S6)。液滴7は表面張力により球状となって冷却して固化しながら銅粉回収部8に向けて落下する。そして、銅粉回収部8より球状微小銅粉を回収する(S7)。
なお、このときのノズル3の下端部3bとディスク4の表面4sとの距離は、25mmとし、ノズル3より流下する銅の溶湯6はディスク本体4a上の回転中心部R(円心部分)より1mm外方に流下させる。
その球状微小銅粉を微量の酸素を含有するV字型容器である剥離容器10内に入れて回転軸11の回りに回転速度25rpmで60分間回転させることによって、球状微小銅粉どうしを衝突させて付着物を分離する。このとき、剥離容器10内の高純度窒素ガスに含有する濃度200ppmの微量の酸素が、衝突によって分離した球状微小銅粉の表面に薄い酸化被膜を形成し、球状微小銅粉の付着力を低下させ、分離した球状微小銅粉どうしの再付着を抑制する。
分散した球状微小銅粉は、空気分級機により最大直径10μm以下に分級した。詳しくは、空気分級機の円盤回転数1350rpm、風量6m3/minで分級した。
このようにして製造された最大直径10μm以下の球状微小銅粉の概要を下記表2に示す。また、球状微小銅粉の形状を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、球状微小銅粉は分散していて凝集や付着は抑えられていた。また、回転による球状微小銅粉表面のへこみや損傷は見られなかった。
表2に示すように、この例の製造方法により製造された球状微小銅粉は、従来の球状微小銅粉に比べて、真球度が高く、酸素含有量が低く、タップ密度が高く、比表面積が小さい。
すなわち、この例の製造方法によって製造された球状微小銅粉は、銅を主とする原料を加熱溶融して銅の溶湯6とするための坩堝(容器)2と、溶湯を注ぐためのノズル(注湯口)3と、回転し遠心力によって注がれた銅の溶湯6を飛散させる、窒化珪素60〜80質量%、窒化アルミニウム15〜24質量%、アルミナ2〜8重量%、及びイットリア2〜8重量%を含む配合物を焼結してなる窒化珪素質のディスク4とを備えた微小銅粉製造装置を用いて製造される、最大直径が10.0μm以下、真球度が1.007ないし1.009、酸素含有量が263ないし324ppm、タップ密度が5.35〜5.46g/cm3、比表面積が0.138〜0.142m2/gの球状微小銅粉であって、複数の球状微小銅粉の粒度分布の標準偏差が0.085ないし0.166である。
なお、重量累積10%、50%、90%における粒径(それぞれD10、D50、D90とする)は、レーザー回折・散乱法を使用した粒度分布測定装置(島津製作所製、SALD−2000型)を用いて、測定した。
真球度DR(DR=DL/DS、但し、DLは最大直径、DSは最小直径とする)は、図5,6に示すように球状微小銅粉の走査型電子顕微鏡像をもとに測定した。最大直径、最小直径、真球度はいずれも走査型電子顕微鏡像にある球状微小銅粉を無作為に20個選択して測定した。測定は、20個の球状微小銅粉のそれぞれについて、略球状の直径の最大値と最小値を測定してそれぞれの真球度を算出した。表2中に記載されている最大直径、最小直径、真球度は、20個の球状微小銅粉それぞれから得られた最大直径、最小直径、真球度の平均値である。
酸素含有量の測定は、酸素・窒素分析装置(堀場製作所製、EMGA−523型)にて行った。
タップ密度の測定は、日本粉末冶金工業会発行の「金属粉のタップ密度試験法」JPMA P 08に記載の測定方法にて行った。
比表面積は、BET法により測定した。
〔実施例2〕
上述の実施例1と同じ微小銅粉製造装置と銅粉分離装置とをそれぞれ同じ条件で使用して製造された球状微小銅粉を空気分級機により最大直径15μm以下に分級した。
なお、空気分級機の円盤回転数1100rpm、風量6m3/minで最大直径15μm以下に分級した。
このようにして製造された最大直径15μm以下の球状微小銅粉の概要を下記表3に示す。また、球状微小銅粉の走査型電子顕微鏡(SEM)像を図7,8に示す。図から明らかなように、球状微小銅粉は分散していて凝集や付着は抑えられ、銅粉剥離装置による分散時の球状微小銅粉表面のへこみや損傷は見られなかった。
表3に示すように、実施例1と同様の製造方法により製造された球状微小銅粉は、従来の球状微小銅粉に比べて、真球度が高く、酸素含有量が低く、タップ密度が高く、比表面積が小さい。
すなわち、この例の製造方法によって製造された球状微小銅粉は、銅を主とする原料を加熱溶融して銅の溶湯6とするための坩堝(容器)2と、溶湯を注ぐためのノズル(注湯口)3と、回転し遠心力によって注がれた銅の溶湯6を飛散させる、窒化珪素60〜80質量%、窒化アルミニウム15〜24質量%、アルミナ2〜8重量%、及びイットリア2〜8重量%を含む配合物を焼結してなる窒化珪素質のディスク4とを備えた微小銅粉製造装置を用いて製造される、最大直径が15.0μm以下、真球度が1.007ないし1.008、酸素含有量が206ないし262ppm、タップ密度が5.41〜5.53g/cm3、比表面積が0.096〜0.108m2/gの球状微小銅粉であって、複数の球状微小銅粉の粒度分布の標準偏差が0.111ないし0.140である。
なお、実施例1と同様に、重量累積10%、50%、90%における粒径(それぞれD10、D50、D90とする)は、レーザー回折・散乱法を使用した粒度分布測定装置(島津製作所製、SALD−2000型)を用いて、測定した。
真球度DR(DR=DL/DS、但し、DLは最大直径、DSは最小直径とする)は、図7,8に示す球状微小銅粉の走査型電子顕微鏡像をもとに測定した。最大直径、最小直径、真球度はいずれも走査型電子顕微鏡像にある球状微小銅粉を無作為に20個選択して測定した。測定は、20個の球状微小銅粉のそれぞれについて、略球状の直径の最大値と最小値を測定してそれぞれの真球度を算出した。表3中に記載されている最大直径、最小直径、真球度は、20個の球状微小銅粉それぞれから得られた最大直径、最小直径、真球度の平均値である。
酸素含有量の測定は、酸素・窒素分析装置(堀場製作所製、EMGA−523型)にて行った。
タップ密度の測定は、日本粉末冶金工業会発行の「金属粉のタップ密度試験法」JPMA P 08に記載の測定方法にて行った。
比表面積は、BET法により測定した。
なお、この発明の球状微小銅粉は、ロウ材、シールド材、熱伝導グリース、摺動性ペースト、MIM等の粉末冶金の分野においても利用することができ、工業上、その利用価値は非常に高いものである。
また、この発明は、上述の実施例1および実施例2に記載の内容に限定されるものではない。
この発明の球状微小銅粉を製造する微小銅粉製造装置の概略図である。 図1の微小銅粉製造装置にて製造された球状微小銅粉に付着した付着物を剥離して拡散するための銅粉剥離装置の概略図である。 図1の微小銅粉製造装置にて球状微小銅粉を製造するためのフローチャートである。 図1の微小銅粉製造装置に用いる窒化珪素質ディスクの断面図である。 図1の微小銅粉製造装置、および図2の銅粉剥離装置を用いて製造され、10μm以下に分級された球状微小銅粉の電子顕微鏡像である。 図5の電子顕微鏡像の拡大像である。 図1の微小銅粉製造装置、および図2の銅粉剥離装置を用いて製造され、15μm以下に分級された球状微小銅粉の電子顕微鏡像である。 図7の電子顕微鏡像の拡大像である。
符号の説明
1 チャンバー
2 坩堝(容器)
3 ノズル(注湯口)
3b 下端部
4 ディスク(窒化珪素質ディスク)
4a ディスク本体
4b 支持部
4s 表面
5 モーター
6 銅の溶湯(溶湯)
7 液滴
8 銅粉回収部
10 剥離容器
11 回転軸
12 支持台
13 開閉蓋
R 回転中心部

Claims (7)

  1. 銅を主とする原料を加熱溶融して溶湯とするための容器と、
    前記溶湯を注ぐための注湯口と、
    回転し遠心力によって前記注がれた溶湯を飛散させる、窒化珪素60〜80質量%、窒化アルミニウム15〜24質量%、アルミナ2〜8重量%、及びイットリア2〜8重量%を含む配合物を焼結してなる窒化珪素質ディスクとを備えた微小銅粉製造装置を用いて製造された後、表面に付着する付着物が剥離された球状微小銅粉であって、
    最大直径が15.0μm以下、真球度が1.005ないし1.010かつ、
    複数の前記球状微小銅粉の粒度分布の標準偏差が0.05ないし0.20であることを特徴とする球状微小銅粉。
  2. 前記球状微小銅粉の最大直径が10.0μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の球状微小銅粉。
  3. 酸素含有量が200ないし330ppmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の球状微小銅粉。
  4. 銅を主とする原料を加熱溶融して溶湯する原料加熱溶融ステップと、
    前記溶湯をチャンバー内で回転する窒化珪素質ディスク上に注ぐ注湯ステップと、
    前記回転する窒化珪素質ディスク上に注湯された前記溶湯を遠心力で前記窒化珪素質ディスクの半径方向外側に飛散させる溶湯飛散ステップと、
    前記飛散した溶湯を冷却して球状微小銅粉を形成する冷却ステップとを備える球状微小銅粉の製造方法において、
    前記球状微小銅粉の表面に付着する付着物を剥離する付着物剥離ステップを備え、
    該付着物剥離ステップが、前記冷却した球状微小銅粉を酸素濃度1000ppm以下の剥離容器内に入れてなされることを特徴とする、球状微小銅粉の製造方法。
  5. 前記チャンバー内の雰囲気が不活性ガスを主体としてなり、前記雰囲気圧を1.013×105Paより低くすることを特徴とする、請求項4に記載の球状微小銅粉の製造方法。
  6. 前記付着物剥離ステップは、水平方向に回転軸を備える前記剥離容器を1分間に25回転の回転数で30ないし90分間回転させ前記剥離容器内に入れられた球状微小銅粉どうしを衝突または摩擦させることによって前記付着物を剥離することを特徴とする、請求項4に記載の球状微小銅粉の製造方法。
  7. 前記チャンバー内で回転する窒化珪素質ディスクは1分間に最大10万回転することを特徴とする、請求項4に記載の球状微小銅粉の製造方法。

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