JPH10338576A - 窒化ケイ素系焼結体及びその製造方法 - Google Patents

窒化ケイ素系焼結体及びその製造方法

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JPH10338576A
JPH10338576A JP9147372A JP14737297A JPH10338576A JP H10338576 A JPH10338576 A JP H10338576A JP 9147372 A JP9147372 A JP 9147372A JP 14737297 A JP14737297 A JP 14737297A JP H10338576 A JPH10338576 A JP H10338576A
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silicon nitride
average particle
sintered body
particle size
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Takashi Matsuura
尚 松浦
Akira Yamakawa
晃 山川
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ焼結などの特殊な焼結法によらず、
生産性に優れたプロセスで製造でき、超微細の結晶粒子
を有し、中低温域での強度に優れた窒化ケイ素系焼結
体、及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 平均粒径200nm以下の微細で均質な
Si34粒子と、Si34粒子間に分散した平均粒径が
200nm以下のTiN粒子とを含む窒化ケイ素系焼結
体。この窒化ケイ素系焼結体は、平均粒径200nm以
下のSi34粒子と平均粒径200nm以下のTi粒子
とからなる成形体を、窒素雰囲気中において1000〜
1400℃の温度で焼結することにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車部品や耐摩
工具等に使用される構造用セラミックス材料として有用
な、室温から900℃の中低温域で優れた機械的性質を
有する窒化ケイ素系焼結体、及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】窒化ケイ素系焼結体は強度、破壊靭性
値、耐食性、耐摩耗性、耐熱衝撃性、耐酸化性等におい
てバランスの取れた材料であるため、切削工具からエン
ジン部品等の広い範囲で利用されている。特に最近で
は、自動車エンジンやガスタービン等の構造用セラミッ
クス材料として注目を集めている。
【0003】この様な窒化ケイ素系焼結体の強度を向上
させる方法として、従来から微細な窒化ケイ素粒子から
なる焼結体の作製が試みられている。例えば、特開平6
−271358号公報には、短軸径の平均粒径が0.3
μm以下の柱状粒と平均粒径が0.3μm以下の等軸粒
とからなる窒化ケイ素粒子と、その粒界に分散した30
nm以下の分散粒子とを含む窒化ケイ素系焼結体が提案
されている。同公報によれば、窒化ケイ素の柱状粒と等
軸粒、及びその間隙の粒界相に分散するチタン化合物と
が混在した微細組織とすることによって、3点曲げ強度
が170kg/mm2以上の特性が得られるとしてい
る。
【0004】しかしながら、その実施例に記載の通り、
原料粉末として平均粒径0.7μmの窒化ケイ素粉末と
微細な酸化チタン粉末をそのまま用いているため、得ら
れた焼結体中の窒化ケイ素粒子は十分に微細化せず、柱
状粒は短軸径の平均粒径が250nm程度、等軸粒は平
均粒径が300nm程度に留まっている。このように特
開平6−271358号公報に記載の方法では、更に微
細な結晶粒子の窒化ケイ素系焼結体を得ることが困難で
あるため、得られる焼結体の強度も満足すべきものでは
なかった。
【0005】更に微細化された結晶粒子からなる窒化ケ
イ素系焼結体として、特開平7−97266号公報に
は、長軸径が200nm以下の窒化ケイ素系焼結体が記
載されている。この窒化ケイ素系焼結体は、窒化ケイ素
粉末と焼結助剤を高い加速度でミリングすることによ
り、微細化したセラミックス粒子からなる粉末を作製
し、その粉末を低温若しくは短時間で焼結する方法によ
り製造される。
【0006】しかしながら、この方法においては、窒化
ケイ素粒子の粒成長が発生しないように、1200〜1
400℃の低温で焼結するか、又は1400℃以上では
非常に短時間で焼結することが必要である。その為、プ
ラズマ焼結やマイクロ波焼結等の特殊な焼結方法が必要
となり、量産性に欠けるという問題があった。また、得
られる窒化ケイ素系焼結体中の窒化ケイ素粒子の粒径に
大きさなバラツキが生じやすく、従ってその特性のバラ
ツキも大きいという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく、従来の
窒化ケイ素系焼結体の微粒化の試みにおいては、通常の
焼結法を用いたプロセスでは、焼結体中の窒化ケイ素粒
子の粒径として0.3μm程度が限界であり、一方更に
微細な窒化ケイ素粒子の焼結体を得るためには特殊なプ
ラズマ焼結等の焼結法が必要となるため、製造コストや
量産性等に問題があり、また焼結体組織の均質性にも問
題があった。
【0008】本発明は、かかる従来の事情に鑑み、プラ
ズマ焼結等の特殊な焼結法によることなく、通常の生産
性に優れたプロセスで製造でき、超微細の結晶粒子を有
し、中低温域での強度に優れた窒化ケイ素系焼結体、及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明が提供する窒化ケイ素系焼結体は、平均粒径
200nm以下の窒化ケイ素粒子からなる母相と、母相
の窒化ケイ素粒子間に分散した平均粒径が200nm以
下の窒化チタン粒子とを含むことを特徴とするものであ
る。この窒化ケイ素系焼結体においては、窒化ケイ素粒
子が極めて均質であり、その粒径のバラツキは好ましく
は平均粒径の±20%以内である。
【0010】また、本発明の窒化ケイ素系焼結体の製造
方法は、平均粒径200nm以下の窒化ケイ素粒子と平
均粒径200nm以下のチタン粒子とからなる成形体
を、窒素雰囲気中において1000〜1400℃の温度
に加熱して焼結することを特徴とする。この方法によっ
て、上記の超微粒の結晶粒子からなる窒化ケイ素系焼結
体を得ることができる。
【0011】更に、この本発明の窒化ケイ素系焼結体の
製造方法においては、窒化ケイ素粉末とチタン粉末をメ
カニカルアロイング法により微粒化した複合粉末を用い
ることが好ましい。また、この複合粉末からなる成形体
の相対密度は60%以上であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の窒化ケイ素系焼結体は、
平均粒径200nm以下の結晶粒子で構成される窒化ケ
イ素(Si34)母相粒子間に、平均粒径200nm以
下の窒化チタン(TiN)粒子が分散している。このよ
うなSi34とTiNの超微細な組織を達成することに
より、特に柱状粒と等軸粒とを意図的に組合せなくて
も、中低温域で通常1.5GPa以上の高い強度を実現
することができる。
【0013】また、上記本発明の窒化ケイ素系焼結体を
製造する方法としては、平均粒径が共に200nmのS
34粒子とTi粒子とからなる成形体を、窒素雰囲気
中にて1000〜14000℃の温度範囲で加熱焼結す
る。尚、Si34粒子とTi粒子の平均粒径は、焼結前
の成形体中において200nm以下であれば良く、小さ
いほど好ましい。
【0014】かかる本発明によれば、Si34粉末に混
合された金属Ti粒子が原料粉末の微粒化並びに焼結性
を促進すると共に、このTi粒子が窒素中での焼結によ
りTiNに変化してSi34素粒子の粒成長を抑制す
る。その結果、特殊な焼結法によらなくても、前記した
従来からの微細組織化手段に比べて窒化ケイ素系焼結体
の結晶粒子径の平均レベルを小さくできると共に、その
粒子径のバラツキ(分布幅)も小さく均質化することが
でき、これらが強度の向上に寄与する。
【0015】即ち、原料粉末の微粒化については、Si
34粉末にTi粉末を添加することによって、ボールミ
ル等で混合と同時に粉砕する際に、金属Tiの塑性変形
能により原料粉末粒子の微粒化が促進されるため、Si
34粒子とTi粒子の平均粒径を共に200nm以下に
することが可能である。特に粒径200nm以下のSi
34粒子とTi粒子を均一に混合した複合粉末を容易に
作製するためには、高加速度でミリングして合金化させ
るメカニカルアロイング法を用いることが好ましい。こ
のような原料粉末の微粒化工程を経る場合の原料粉末と
しては、市販されている通常のSi34粉末を使用でき
る。
【0016】また、上記のボールミル等による微粒化工
程を経ることなく、平均粒径200nm以下の成形体を
形成することも可能である。例えば、CVD法等で作製
した粒径200nm以下の微細なSi34粉末を使用
し、これをTi粉末と混合して成形体としても良い。ま
た、蒸着法等により、Si34とTiの各ターゲットか
ら基板上に堆積させた粒子も粒径200nm以下となる
から、このSi34とTiの混合された堆積物をそのま
ま又は更に成形して用いることもできる。
【0017】このようにして得られた成形体は窒素雰囲
気中で焼結されるが、その際にTi粒子は窒化されてT
iN粒子が生成する。生成したTiN粒子はSi34
子の間に存在してピン止め粒子として作用し、Si34
粒子の粒成長を抑制すると共に、組織の均質化に寄与す
る。これにより、Si34粒子の平均粒径を200nm
以下に抑えることができる。
【0018】また同時に、ピン止め粒子としてのTiN
粒子は、Si34粒子の粒径のバラツキを小さく抑える
こともできる。即ち、Si34粒子の平均粒径が200
nmの場合、従来の方法では粒径のバラツキは平均粒径
の±50%程度に及ぶのが通常であったが、本発明によ
れば少なくとも平均粒径の±20%以内、通常は±10
%以内に粒径のバラツキを抑えることができる。
【0019】また、Si34粉末にTi粉末が混合され
ているため、Tiの塑性変形能により焼結性が向上し、
従来の通常の加熱焼結の場合よりも低い温度で焼結する
ことができる。ただし、焼結温度が1000℃未満では
緻密な焼結体が得られず、焼結体の強度も著しく低下す
る。逆に焼結温度が14000℃を越えると、上記ピン
止め粒子としてTiN粒子が存在していてもSi34
粒成長が発生し、Si34粒子の平均粒径が200nm
を越えてしまう。
【0020】従って、本発明においては1000〜14
00℃の温度範囲で焼結する必要があり、この温度範囲
であれば焼結時間に拘らず粒成長が起こらないので、プ
ラズマ焼結やマイクロ波焼結等の特殊な焼結法によら
ず、通常の焼結法を利用することができる。また、この
温度範囲では、Si34の昇華分解を抑えるために加圧
窒素雰囲気で焼結を行う必要がないので、大量生産に適
した通常の加熱炉を用いて容易に且つ安価に焼結を行う
ことが可能である。
【0021】上記成形体の相対密度は、焼結性をできる
だけ改善させるために、60%以上とすることが望まし
い。このような高い相対密度をもった成形体を得るため
には、Si34とTiとの複合粉末を非常に高圧で成形
する方法もあるが、加熱によってTiの塑性変形能が増
し、容易に成形密度が向上することを利用して、複合粉
末を加熱して成形することが好ましい。成形温度として
は、Tiの塑性変形能が増す100℃以上が好ましい
が、600℃を越えるとTiが酸化され、焼結性の低下
及び得られる焼結体の特性劣化を招くので好ましくな
い。
【0022】
【実施例】実施例1 市販の平均粒径0.5μmのSi34粉末(α化率95
%)に、焼結助剤としてSi34粉末に対して2重量%
のAl23粉末(平均粒径0.5μm)、1重量%のM
gO粉末(平均粒径0.5μm)及び5重量%のY23
粉末(平均粒径0.5μm)を加え、更に平均粒径5μ
mの金属Ti粉末をSi34粉末と焼結助剤の合計に対
して30重量%添加した。
【0023】この原料粉末を、SUS 304製のボー
ルとポットを用いた遊星ボールミルにより、150Gの
加速度で4時間の混合と粉砕を行った。得られた複合粉
末の内部をTEMで観察し、Si34粒子、焼結助剤粒
子及びTi粒子の粒径を評価した。その結果、Si34
粒子及び焼結助剤粒子の平均粒径は共に20nm、Ti
粒子の平均粒径は10nmまで微粒化していた。
【0024】次に、この複合粉末を500℃に加熱した
状態で、200kg/mm2の成形圧力にて大気中でプ
レス成形することにより、相対密度60%の成形体を得
た。得られた成形体を、1気圧の窒素雰囲気中におい
て、1300℃で1時間の条件で焼結した。
【0025】得られたSi34焼結体を、3×4×40
mm相当の抗析試験片に切り出し、#800のダイヤモ
ンド砥石により切削加工仕上げを行った後、15本の試
験片についてJIS R 1601に準拠して3点曲げ強
度を測定した。また、同じ焼結体を研磨した後、Arイ
オンエッチングで薄膜試験片を作製し、透過電子顕微鏡
を用いて母相のSi34粒子及びTiN粒子の粒径を評
価した。
【0026】その結果、15本の試験片の平均強度は、
室温で2GPaであった。また、焼結体中のSi34
子の平均粒径は100nm、その粒径分布は90〜11
0nmであり、TiN粒子の平均粒径は150nmであ
った。
【0027】一方、比較例として、Ti粉末を添加しな
かった以外は上記と同じ原料粉末を使用し、これを上記
と同じ遊星ボールミルにより150Gの加速度で12時
間混合粉砕を行った。得られた複合粉末は平均粒径20
nmのSi34粒子と焼結助剤粒子のみからなってい
た。この複合粉末を、上記と同じ条件で成形及び焼結し
たところ、得られた焼結体中のSi34粒子は500n
mまで粒成長し、室温での焼結体の強度は1GPaであ
った。
【0028】また、上記比較例と同じTi粉末を含まな
い複合粉末からなる成形体を、プラズマ焼結を用いて1
400℃で1分の条件で焼結したところ、Si34粒子
の平均粒径は100nm、その粒径分布は50〜150
nmとなり、上記実施例に比べてSi34粒子の粒径の
バラツキが大きい組織が得られた。また、平均曲げ強度
も室温で1〜2GPaとなり、Si34粒子の平均粒径
が同一の上記実施例に比べ強度が低下した。
【0029】実施例2 上記実施例1で作製した成形体を、下記表1に示す90
0℃〜1500℃の温度と雰囲気で1時間焼結し、実施
例1と同様にして焼結体中のSi34粒子とTiN粒子
の平均粒径、室温での焼結体の3点曲げ強度(平均)、
及び焼結体の相対密度をそれぞれ評価した。得られた結
果を表1に併せて示した。
【0030】
【表1】 焼結温度 焼 結 平均粒径(nm) 相対密度 曲げ強度試料 (℃) 雰囲気 TiN Si3N4 (%) (GPa) 1* 900 N2 1atm 10 20 85 0.6 2 1000 同上 20 20 97 1.5 3 1100 同上 50 30 98 2.0 4 1200 同上 70 40 100 2.5 5 1300 同上 100 50 100 2.0 6 1400 同上 200 150 100 1.8 7* 1400 Ar 1atm − 400 100 0.8 8* 1500 N2 1atm 400 300 100 1.0 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0031】上記表1の結果から、比較例である試料1
は焼結温度が低いため緻密化しておらず、比較例の試料
7は雰囲気がアルゴンであるためTiNが生成せず、S
34粒子が大きく粒成長しており、また比較例の試料
8では焼結温度が高過ぎるためSi34粒子及びTiN
粒子が粒成長を起こしていることが分かる。その結果、
比較例の試料1、7及び8の焼結体は、全て3点曲げ強
度が1GPa以下に止まっている。
【0032】実施例3 上記実施例1で作製した複合粉末を、下記表2に示す5
0〜1000kg/cm2の範囲の成形圧力で成形し、
相対密度40〜70%の各成形体をそれぞれ作製した。
得られた各成形体を、1気圧の窒素雰囲気中において1
300℃で1時間の条件で焼結した。得られた各焼結体
について、実施例1と同様にして3点曲げ強度及び焼結
体の相対密度を評価し、その結果を表2に併せて示し
た。
【0033】
【表2】
【0034】上記表2の結果から分かるように、成形体
の相対密度が60%より小さい試料9及び10では、得
られた焼結体が完全に緻密化しておらず、焼結体の3点
曲げ強度も若干低下した。
【0035】実施例4 上記実施例1で作製した複合粉末を、成形体の相対密度
が60%になるように大気中において下記表3に示す温
度と成形圧力で加圧成形し、それぞれ相対密度60%の
成形体を作製した。得られた各成形体中の酸素濃度を表
3に示した。また、この各成形体を1気圧の窒素雰囲気
中において1300℃で1時間の条件で焼結し、得られ
た各焼結体について実施例1と同様に3点曲げ強度を測
定し、その結果を表3に併せて示した。
【0036】
【表3】
【0037】上記表3の結果から、成形温度が100℃
より低い試料14及び15では、相対密度60%の成形
体を得るために、1000kg/cm2以上の高い成形
圧力が必要であることが分かる。また、成形温度が70
0℃の試料19では、Tiの酸化により成形体中の酸素
量が5重量%にまで上昇し、得られる焼結体中の粒界ガ
ラス相が増加するため、3点曲げ強度が1.5GPa以
下に若干低下し、焼結体作製にあたって余り望ましくな
いことが分かる。
【0038】実施例5 市販の平均粒径0.5μmのSi34粉末に、焼結助剤
としてSi34粉末に対して2重量%のAl23粉末
(平均粒径0.5μm)及び5重量%のY23粉末(平
均粒径0.5μm)を加え、アルコール中で24時間湿
式混合し、乾燥した後、直径35mm×厚さ5mmに成
形した。この成形体を5気圧の窒素雰囲気中において1
700℃で5時間焼結し、焼結体表面を800番砥石で
研削して、直径30mm×厚さ10mmのSi34焼結
体ターゲットを作製した。
【0039】また、平均粒径10μmの金属Ti粉末
を、直径35mm×厚さ5mmに成形し、この成形体を
真空中(10-4Torr)にて900℃で1時間焼結し
た。得られた焼結体表面を800番砥石で研削して、直
径30mm×厚さ10mmのTi焼結体ターゲットを作
製した。
【0040】次に、上記Si34焼結体ターゲットとT
i焼結体ターゲットを真空チャンバー内に配置した後、
真空チャンバー内を10-5Torrまで真空引きし、次
に10-2Torrまで窒素ガスを充填した。この状態で
上記2つのターゲットに同時にエキシマレーザーを照射
し、それぞれのターゲットから飛び出した粒子をターゲ
ットに対向して配置させたSi34基板上に堆積させ
て、縦10mm×横50mm×厚さ5mmで相対密度6
0%の成形体を作成した。尚、このときのエキシマレー
ザーの照射条件は、レーザー波長248nm(Kr
F)、エネルギー密度10J/cm2、照射周波数10
Hz、照射時間10時間とした。
【0041】基板上に堆積した成形体の内部をTEMで
観察し、Si34粒子、焼結助剤粒子及びTi粒子の平
均粒径を評価したところ、Si34粒子と焼結助剤粒子
は共に30nm、Ti粒子は20nmまで微粒化してい
た。そこで、この成形体を前記実施例1と同様に焼結
し、得られた焼結体を実施例1と同様に評価したとこ
ろ、Si34粒子の平均粒径は120nm、TiN粒子
の平均粒径は180nmと非常に微細であり、また室温
での3点曲げ強度における平均強度は1.8GPaと非
常に高強度であった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、プラズマ焼結等の特殊
な焼結法によらず、生産性に優れたプロセスによって、
従来よりも低温で焼結することができ、超微細の結晶粒
子からなり、中低温域での強度に優れた窒化ケイ素系焼
結体を得ることができる。
【0043】本発明のこの窒化ケイ素系焼結体は、超微
細な組織で強度が高く、そのバラツキも小さいため、高
い信頼性が要求される自動車エンジン部材をはじめ、ガ
スタービンや耐摩工具等の構造用セラミックス材料とし
て極めて有用である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径200nm以下の窒化ケイ素粒
    子からなる母相と、母相の窒化ケイ素粒子間に分散した
    平均粒径が200nm以下の窒化チタン粒子とを含むこ
    とを特徴とする窒化ケイ素系焼結体。
  2. 【請求項2】 窒化ケイ素粒子の粒径のバラツキが、平
    均粒径の±20%以内であることを特徴とする、請求項
    1に記載の窒化ケイ素系焼結体。
  3. 【請求項3】 平均粒径200nm以下の窒化ケイ素粒
    子と平均粒径200nm以下のチタン粒子とからなる成
    形体を、窒素雰囲気中において1000〜1400℃の
    温度に加熱して焼結することを特徴とする窒化ケイ素系
    焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 窒化ケイ素粉末とチタン粉末をメカニカ
    ルアロイング法で混合して微粒化することにより、平均
    粒径200nm以下の窒化ケイ素粒子と平均粒径200
    nm以下のチタン粒子との複合粉末を作製し、この複合
    粉末を用いて成形体を形成することを特徴とする、請求
    項3に記載の窒化ケイ素系焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 成形体の相対密度が60%以上であるこ
    とを特徴とする、請求項3又は4に記載の窒化ケイ素系
    焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】 複合粉末を加熱下で加圧することにより
    成形体を形成することを特徴とする、請求項4又は5に
    記載の窒化ケイ素系焼結体の製造方法。
  7. 【請求項7】 成形温度が100℃〜600℃であるこ
    とを特徴とする、請求項6に記載の窒化ケイ素系焼結体
    の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001139380A (ja) * 1999-11-09 2001-05-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 窒化珪素系複合材料およびその製造方法
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