JPH02199065A - 高熱伝導性炭化珪素焼結体及びその製造方法 - Google Patents

高熱伝導性炭化珪素焼結体及びその製造方法

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JPH02199065A
JPH02199065A JP1020572A JP2057289A JPH02199065A JP H02199065 A JPH02199065 A JP H02199065A JP 1020572 A JP1020572 A JP 1020572A JP 2057289 A JP2057289 A JP 2057289A JP H02199065 A JPH02199065 A JP H02199065A
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宮沢 陽一
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幹郎 小西
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、各種構造材料や精密金型部材、さらには高熱
伝導性が要求されろヒートシンク部品、熱交換器部品、
各種金型あるいは電極等にも好適に用いられる炭化珪素
焼結体とその製造方法に関し、特に炭化珪素焼結体の本
来の特性が損なわれることなく、熱伝導率が180W/
l−に以上の優れた特性を有する高熱伝導性炭化珪素焼
結体とその製造方法に関するものである。
「従来技術とその課題」 炭化珪素焼結体は常温及び高温で化学的に極めて安定な
もので、高温における機械的強度にも優れているため、
ガスタービン部品、自動車部品、熱交換器部品、バーナ
ーノズル等の構造材料として期待されている。またこの
ような炭化珪素焼結体は、表面平滑性、高熱伝導性、耐
摩耗性等も良好であることから、光ディスク、非球面レ
ンズ等の精密金型部材としても有望なものとされている
その他、半導体分野においても加熱処理の高温化に伴い
、耐熱性、耐クリープ性に優れた高純度の炭化珪素焼結
体がボートやプロセスチューブに利用されるようになっ
てきている。
ところで、炭化珪素は共有結合体の強い難焼結性物質で
あることから、高密度となるまで焼結して緻密化するに
は従来硼素、炭素、アルミニウム、ベリリュウム等の元
素や、これらの化合物の1種類あるいは2種類以上を焼
結助剤とtて炭化珪素粉末に数重量%添加する必要があ
る。したがって得られた炭化珪素焼結体は、焼結助剤の
種類やその量などにより、その熱伝導率が大幅に変化す
るものとなる。例えば従来使用されている硼素系焼結助
剤を添加したものでは熱伝導率80〜150W/m−に
程度であり、またアルミニウム系焼結助剤を添加したも
のでは50〜80W/m−にであり、共に十分高い熱伝
導率が得られるまでには至っていない。これは、焼結助
剤として添加された硼素やアルミニウムが炭化珪素中に
固溶し、粒内の不純物濃度が高くなるため、熱伝導媒体
であるフォノンが散乱するためと考えられる。一方、こ
れらの焼結助剤の添加機を少なくすると、炭化珪素校内
への固溶量は減少するが、焼結体密度が低下するため生
じたボアによりフォノンが散乱され、高熱伝導性が得ら
れないばかりか、炭化珪素が本来有している特性までも
劣化してしまうという問題がある。
すなわち、セラミックスの熱伝導媒体はフォノンが主体
であるが、フォノンは一種のイオンや原子の格子振動で
ある。したがって、原子間の結合が強く、単純な結晶構
造を有し、構成するイオンや原子の原子量が近く、また
原子量が低く、格子振動の対称性が高い物質は調和振動
し易く、熱伝導率が高くなる。例えば、第3図はG、^
、5lackがJ、Phys、Chem、5olid、
 1973.Vol、34.+)p321〜335に報
告した図を加筆したもので、Adas+ant ine
構造を有する単結晶の理論伝導率Leibfried−
8chomannパラメーターMδθ、sの関係を示し
たものである。ここで、Mは単位格子の平均分子量、δ
は単位格子中の1原子当たりの占有体積の立方根、θD
はデバイ温度である。第3図から分かるように、炭化珪
素は本来ダイヤモンド、窒化硼素に次ぐ高熱伝導性物質
である。実際に、α型炭化珪素単、結晶の常温での熱伝
導率は最大460W/m・Kが報告されている。
しかしながら多結晶の場合、すなわち焼結体での熱伝導
率は、上述したようにかなり低い値となっている。これ
は、上述した熱伝導媒体であるフ十ノンが種々の要因で
散乱されているためと考えられる。
フォノンを散乱させる要因は大別すると、(イ)焼結体
中の不純物 (ロ)焼結体の微細構造欠陥 (ハ)結晶欠陥 が考えられ、(イ)の場合、結晶粒内への不純物の固溶
、粒内への第2相析出、不純物の粒界偏析等があり、(
ロ)の場合、クラック、ボア、グレインサイズ等があり
、(ハ)の場合、結晶中の転移、格子欠陥、歪み等があ
る。
一方、特開昭57−166368に開示されている方法
では、焼結助剤としてベリリアを使用し、焼結体中のア
ルミニウム、硼素及び遊離炭素量を減少させることによ
り、170W/II−に以上の高い熱伝導率が得られる
とされているが、焼結助剤として添加したベリリアが毒
性物質であることから各製造工程で特に安全に注意を要
するといった問題がある。また、上記焼結体は電気絶縁
性が高いため放電加工が不可能であるため、焼結体への
形状賦与性が劣り、これによって上述の利用分野への応
用が困難である。
本発明はこのような技術背景に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、炭化珪素本来の特性が損なわ
れることなく、熱伝導率が180W/ll1−に以上を
示す高熱伝導性炭化珪素焼結体“を提供することにある
「課題を解決するための手段」 本発明者らは、前記目的を達成すべく上述した(イ)、
(ロ)の要因をできるだけ除去する手段として焼結助剤
を添加せず、しかも高密度焼結体が得られ、さらに二酸
化珪素等の酸化物が少ない炭化珪素焼結体が得られる方
法を鋭意研究した結果、平均粒子径が0.1〜10μm
の第1の炭化珪素粉末と、非酸化性雰囲気のプラズマ中
にシラン化合物またはハロゲン化珪素と炭化水素とから
なる原料ガスを導入し、反応系の圧力を1気圧未満から
0 、1 torrの範囲で制御しつつ気相反応させる
ことによって合成された平均粒子径が0.1μm以下の
第2の炭化珪素粉末と、これらの炭化珪素粉末中に含有
される二酸化珪素等の酸化物を還元するに必要な炭素粉
末とを混合し、焼結工程の初期に還元処理した後、加熱
し焼結することにより、炭化珪素が本来有している高硬
度、高耐蝕性、高強度、高表面平滑性等の特性を損なう
ことなく、熱伝導率が180W/■・K以上と優れた熱
伝導性を有し、しかも放電加工が可能な炭化珪素焼結体
が得られることを究明し、上記課題を解決した。
以下、本発明をその製造方法に基づいて詳しく説明する
まず、平均粒子径が0.1〜10μmの第1の炭化珪素
粉末と、平均粒子径が0.1μm以下の第2の炭化珪素
粉末と、炭素とを用意し、これらを適宜配合して混合す
る。ここで第1の炭化珪素粉末としては、一般に使用さ
れるものでよく、例えば以下に述べる方法などによって
製造されたものを用いることができる。
(A)黒鉛と珪素を1150℃以上で反応させる方法。
(B)黒鉛と二酸化珪素を147566以上で反応させ
る方法。
(C)珪砂、コークス、のこくず、塩を電気炉中にて2
200〜2500℃で反応させる方法。
また、このようにして製造されて用いられる炭化珪素の
結晶相としては、非晶質、α型、もしくはβ型であるか
、あるいはこれらの混合相であってもよい。さらに、そ
の平均粒子径としては、0.1〜IOμ11好ましくは
0 、1 = 1 utaとされる。これは、粒子径が
大きいと表面応力が小さくなり焼結駆動力が減少して高
密度焼結体が得られにくくなるからである。
また、第2の炭化珪素粉末としては、プラズマCVD法
により製造されたものとされ、具体的には非酸化性雰囲
気のプラズマ中にシラン化合物またはハロゲン化珪素と
炭化水素の原料ガスを導入し、反応系の圧力を1気圧未
満〜0 、1 torrの範囲で制御しつつ気相反応さ
せることによって得られたものを使用する。例えば、四
塩化珪素とエチレンとからなる原料ガスを高周波により
励起されたアルゴンプラズマ中に導いて合成すると、平
均粒子径が0.O1〜0.03μm程度のアイペクト比
の小さい非晶質超微粉末が得られる。また、原料ガスと
してモノシランとエチレンとからなるものを用いて同様
に合成すると、平均粒子径が0゜005〜0.03μm
程度のアイペクト比の小さいβ型超微粉末が得られ、合
成条件によってはα型とβ型の混合相が得られる。この
ようにして得られた超微粉末では、焼結性が非常に優れ
ているため、上記第1の炭化珪素粉末と混合するのみで
焼結助剤を添加することなく高密度焼結体を得ることが
できるものとなる。
また炭化珪素は、一般に合成工程中や保存中にその粒子
表面が酸化されて二酸化珪素等の酸化物が形成されてい
ることが多く、その場合には焼結性が阻害されさらには
電気比抵抗値が増加するといった問題を生ずる。したが
って、このような炭化珪素粉末中に存在する酸化物を還
元するため、上記炭化珪素粉末中に炭素を添加し、焼結
工程の初期に還元処理を行うことが高密度焼結体とする
などの目的を達成するうえで有効である。このような理
由により炭素を上記炭化珪素粉末中に添加するが、炭素
の添加量としては、上記第1および第2の炭化珪素粉末
中に含有された酸化物の還元に必要な化学当量相当とさ
れる。
炭素源としては、カーボンブラック、コロイド炭素、あ
るいは残炭素の高い有機炭化水素化合物の熱分解炭素が
用いられる。上記有機炭化水素としては、フェノール樹
脂、ポリフェニレン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、フルフラール樹脂、アミノ系
樹脂等が使用可能である。また、第2の炭化珪素粉末を
プラズマCVD法により気相合成する際、その合成条件
により超微粉末(第2の炭化珪素粉末)中に炭素を含有
させることが可能である。そしてこの場合、含有される
炭素はその平均粒子径が0.005〜0.03μmと小
さいものになり、かつ反応性に富むことから、高焼結性
、高導電性等の効果を得る上で特に有効なものとなる。
この炭素の結晶相は非晶質である場合が多いが、合成条
件によっては結晶質になる場合もある。
第1の炭化珪素粉末への第2の炭化珪素粉末の配合量は
、0.5〜50重量%の範囲とするのが好適とされる。
すなわち、第2の炭化珪素粉末の配合量を0.5重量%
未満とすると、この炭化珪素粉末を混合した効果が十分
発揮されず、また50重量%以上とすると、第2の炭化
珪素粉末がプラズマCVD法により気相合成することか
らコストが高く、よって得られた製品が高価となり、ま
た焼結密度を上げるための効果もこれ以上ではほぼ横這
いに達するからである。そして、特に焼結体を3.00
g/cm3以上の高密度のものとするためには、超微粉
末、すなわち第2の炭化珪素粉末の混合量を3重量%以
上にすることが望ましい。
次に、得られた混合物を還元処理する。ここでの還元処
理は、酸化物が二酸化珪素の場合に以下に示す(A)と
(B)の反応によって進められる。
(A)  S ioz+ 2 C−49i+ 2 G。
(B)S io t+ C−h S iO+ G Oこ
れらの反応を促進させるためには、添加する炭素量を化
学当量より多少多くすることが望ましい。また、これら
の反応は、炭化珪素の焼結収縮が始まる温度以下で行う
必要があることから、反応温度を1800℃以下とする
のが望ましい。さらに、還元処理の雰囲気は真空雰囲気
が望ましく、高真空であるほどその効果が大きい。なお
、(A)と(B)の反応が進むとSrとSiOが生じる
が、これらの物質は添加された炭素の余剰分によって以
下に示す(C)と(D)の反応を行わせることにより、
SiCにするのが望ましい。なぜなら、SiやSiOは
炭化珪素の焼結初期において炭化珪素の焼結を促進する
効果があるが、炭化珪素超微粉末(第2の炭化珪素粉末
)を異常粒子に成長させる恐れがあるためである。
(C)Si+C−45iC (D)SiO+2C→ S iC+ COその後、上記
の還元処理した混合物を加熱しさらに焼結して高熱伝導
性炭化珪素焼結体を得る。
ここで加熱温度として、1800℃から2400℃とす
るのが好ましい。また焼結方法としては、常圧焼結、ホ
ットプレス焼結、あるいは熱間静水圧焼結(HIP)等
の従来の方法で行うことが可能であるが、より高密度で
熱伝導性に優れた炭化珪素焼結を得るためにはホットプ
レス等の加圧焼結法を使用することが望ましく、特に焼
結雰囲気を真空雰囲気、不活性雰囲気もしくは還元ガス
雰囲気とするのが好ましい。
なお、炭素を加えるにあたり、その添加量を多大にして
余剰分が多くなり過ぎると、得られる炭化珪素焼結体の
特性に悪影響がでる。第1図は上述した本発明の方法に
より製造した高熱伝導性炭化珪素焼結体中の遊離炭素量
と熱伝導率との関係を示した図である。第1図より、遊
離炭素量の増加に伴って熱伝導率が低下することが分か
り、特に、熱伝導率を180W/Il−に以上とするた
めには、遊離炭素量を1重量%以下にするのが望ましい
ことが分かる。
本発明によって得られる炭化珪素焼結体の高熱伝導機構
は十分解明されていないが、上述したように焼結助剤が
無添加であり、粒内や粒界に焼結助剤が不純物として存
在せず、また二酸化珪素等の酸化物も少なく、しかも焼
結体密度の高い炭化珪素焼結体が得られることにより、
フォノンの散乱が減少したためと考察される。第2図は
本発明品である炭化珪素焼結体の密度と熱伝導率との関
係を示したもので、焼結体密度が高くなるにつれて熱伝
導率も高くなることが分かる。第2図より、熱伝導率を
180 W/m−に以上の値とするためには、焼結体密
度を3.OOg/co+3以上とするのが望ましいこと
が分かる。なお、本発明においては炭化珪素焼結体の熱
伝導率を、通常のレーザーフラッシュ法によって測定し
た熱拡散率及び比熱と、別に測定した密度とから計算に
よって求めた。
また、本発明によって得られた炭化珪素焼結体は、グレ
インサイズが2〜3μmと小さく均一な微細組織を有し
、電気比抵抗値が0.1Ω・0m以下と小さいことから
、従来にない良好な放電加工性が得られた。例えば、ワ
イヤー放電加工や型彫放電加工において、その仕上げ放
電面の表面粗さ−(R■aX、)が1μm以下となり、
非常に良好な加工面となった。したがって、球面加工や
三次元加工を自由に行うことができることか)、任意の
複雑形状部品が高精度で得られるという効果を奏する。
さらに、本発明によって得られた炭化珪素焼結体は、従
来の炭化珪素焼結体より耐蝕性に優れ、常温及び高温(
1500℃〕における3点曲げ強度が各々65 kg/
 ohm”、80 kg/ ■”と高く、またビッカー
ス硬度も2500以上と高い値が得られることから、炭
化珪素が本来有している高硬度、高強度、高耐蝕性、高
表面平滑性等の特性を満足するものとなり、種々の分野
での利用が期待できるものとなる。
「作用」 本発明によれば、平均粒子径が0.1〜lOμmの第1
の炭化珪素粉末と、非酸化性雰囲気のプラズマ中にシラ
ン化合物またはハロゲン化珪素と炭化水素とからなる原
料ガスを導入し、反応系の圧力を1気圧未満から0 、
1 torrの範囲で制御しつつ気相反応させることに
よって合成された平均粒子径が0.1μm以下の第2の
炭化珪素粉末と、これらの炭化珪素粉末中に含有される
二酸化珪素等の酸化物を還元するに必要な炭素とを混合
し、還元処理した後、加熱し焼結することによって熱伝
導率が180W/m−に以上の高熱伝導性炭化珪素焼結
体を得るものであるから、焼結助剤を添加することなく
高密度焼結体が得られ、よって粒内や粒界に焼結助剤が
存在せず、さらに粒界に酸化物が少なく、しかも微細で
均一な組織が得られ、これにより炭化珪素が本来有して
いる特性を損なうことなく高熱伝導性の炭化珪素焼結体
が得られる。さらに、得られた高熱伝導性炭化珪素焼結
体は電気比抵抗値が低く、高密度のものであるから、良
好な放電加工性も得られる。
「実施例」 以下、実施例により本発明をさらに具体・的に説明する
(実施例1) 平均粒子径0.33μm、比表面積12m+’/gであ
り二酸化珪素0.85重量%を不純物として含むβ型炭
化珪素粉末(第1の炭化珪素粉末)に、四塩化珪素とエ
チレンとを原料とし七プラズマCVD法により気相合成
して得た平均粒子粒0.02μm、比表面積150m″
/gであり二酸化珪素2.5重量%を不純物として含む
非晶質炭化珪素超微粉末(第2の炭化珪素粉末)を5〜
10重量%添加し、さらにノボラック型のフェノール樹
脂をその熱分解残留炭素量が0.3〜3重量%となるよ
うに添加し、これをメタノール中にて分散せしめ、さら
に遊星ミルで12時間混合した。
次に、乾燥器にてメタノールを蒸発し、混合物を粉砕し
た後、直径40*―の黒鉛モールドに充填し、この黒鉛
モールドをホットプレス装置に装着した。
次いで、真空中で1500℃まで加熱して脱脂及び還元
処理を行い、その後アルゴン雰囲気下で押圧力400 
kg/am”、焼結温度2150℃の条件で45分間焼
結した。
得られた炭化珪素焼結体の焼結体密度1、常温における
3点曲げ強度、熱伝導率をそれぞれ調べ、その結果を第
1表に示す。
以下余白 第1表に示した結果より、この実施例の炭化珪素焼結体
では非晶質炭化珪素超微粉末を添加した場合、遊離炭素
量が1重量%以下のもので熱伝導率が200W/負・K
以上となり、優れた熱伝導性を有していることが確認さ
れた。また、実験No、2で得られた高熱伝導性炭化珪
素焼結体は、そのダレインサイズが2〜3μmでありか
つ組織も均一であり、1500℃における3点曲げ度が
80 kg/ ff1m”、常温における電気比抵抗値
が0.02Ω・CWAと優れた焼結体特性を示した。
(実施例2) 実施例1と同一の炭化珪素粉末(第1の炭化珪素粉末)
に、モノシランとエチレンとを原料としてプラズマCV
D法により気相合成した平均粒子径0.017μ量、比
表面積145m’/gであり二酸化珪素l、55重量%
を不純物として含むβ型炭化珪素超微粉末(第2の炭化
珪素粉末)を5重量%添加し、さらにノボラック型のフ
ェノール樹脂をその熱分解残留炭素量が1〜2重量%と
なるように添加し、実施例1と同一の条件で還元処理し
た後、焼結して炭化珪素焼結体を製造した。
得られた炭化珪素焼結体の焼結体密度、常温における3
点曲げ強度、熱伝導率をそれぞれ調べ、その結果を第1
表に示す。
この結果より、炭化珪素超微粉末の結晶形がβ型のもの
であっても、本発明の効果が十分得られることが確認さ
れた。特に、NO35の炭化珪素焼結体では熱伝導率が
230W/1s−Kを示し、優れた熱伝導特性を有して
いることが確認された。
(実施例3) 平均粒子径0.70μm、比表面積15n”/gであり
二酸化珪素0.7重量%を不純物として含むα型炭化珪
素粉末に、第2の炭化珪素粉末として実施例1で使用し
た非晶質炭化珪素超微粉末と実施例2で使用したβ型炭
化珪素超微粉末とをそれぞれ別に10重量%ずつ配合し
、さらにノボラック型のフェノール樹脂をその熱分解残
留炭素量が2重量%となるように添加し、実施例1と同
一の条件で還元処理した後、焼結して炭化珪素焼結体を
製造した。
得られた炭化珪素焼結体の焼結体密度、常温における3
点曲げ強度、熱伝導率をそれぞれ調べ、その結果を第1
表に示す。
この結果より、第1の炭化珪素粉末としてα型炭化珪素
粉末を使用しても、本発明の効果が得られることが確認
された。
(実施例4) 実施例Iで用いた第1の炭化珪素粉末と同一の炭化珪素
粉末を用意し、また第2の炭化珪素粉末を以下の方法に
よってフリー炭素を含有するよう作製して用意した。
四塩化珪素とエチレンとを原料とし、これらのモル比を
変化させてC/ S iのモル比が1.2以上となる条
件下でプラズマCVD法により気相合成し、平均粒子径
0.019μm、比表面積155m”7gであり二酸化
珪素1.40重量%を不純物として含み、そしてフリー
炭素量を5.25重量%含有する非晶質炭化珪素超微粉
末(第2の炭化珪素粉末)を得た。
次に、上記第1の炭化珪素粉末にフリー炭素を含有する
第2の炭化珪素粉末を10.5重量%添加し、混合して
実施例1と同一の方法で還元処理し、その後焼結して炭
化珪素焼結体を製造した。
得られた炭化珪素焼結体の焼結体密度、常温における3
点曲げ強度、熱伝導率をそれぞれ調べ、その結果を第1
表に示す。
この結果より、炭化珪素粉末中に含有された酸化物を還
元するための炭素源として、プラズマCVD法によって
気相合成した炭化珪素超微粉末中の余剰炭素を利用する
と、本発明の効果がさらに高まることが確認された。
(比較例1) 実施例!で使用したβ型炭化珪素粉末を用い、これに平
均粒子径0.5μ隋の硼素0.3重重%を添加し、さら
にノボラック型のフェノール樹脂をその熱分解残留炭素
量が3重量%となるように添加し、実施例1と同一の条
件で炭化珪素焼結体を製造した。
得られた焼結体を調べたところ、グレインサイズは4〜
5μ■であった。また熱伝導率は105W/m−にとな
り、実施例の高熱伝導性炭化珪素焼結体に比較してはる
かに低い値であった。
(比較例2) 実施例3で使用したα型炭化珪素粉末(第1の炭化珪素
粉末)にアルミナを3重量弛添加し、実験例3と同一の
条件で焼結して炭化珪素焼結を製造した。ただし、焼結
温度を2000℃、焼結時間を30分とした。
得られた焼結体を調べたところ、3点曲げ強度は75 
kg/ am’と高い値が得られたが、熱伝導率は45
W/ll−にと実施例の高熱伝導性炭化珪素焼結体に比
較してはるかに低い値であった。
(比較例3) 実施例1で使用したβ型炭化珪素粉末(第1の炭化珪素
粉末)に非晶質炭化珪素超微粉末(第2の炭化珪素粉末
)あるいはβ型炭化珪素超微粉末(第2の炭化珪素粉末
)を5重機%添加してこれを混合し、実施例1と同一の
条件で焼結して炭化珪素焼結体を製造した。
得られた焼結体の熱伝導率を調べたところ、いずれも1
97W/II−にとなり、本発明の実施例のものに比べ
低いものとなった。
(比較例4) 実施例1で使用したβ型炭化珪素粉末(第1の炭化珪素
粉末)に非晶質炭化珪素超微粉末(第2の炭化珪素粉末
)あるいはβ型炭化珪素超微粉末(第2の炭化珪素粉末
)を5重量%添加し、さらに熱分解残留炭素が3〜4重
量%になるようにノボラック型フェノール樹脂を添加し
てこれを混合し、実施例1と同一の条件で焼結して炭化
珪素焼結を製造した。
得られた焼結体の熱伝導率を調べたところ、焼結体中の
遊離炭素量が多いことからいずれも低い値となった。
(試験例) 実施例1で得られた実験No、3の高熱伝導性炭化珪素
焼結体(直径40■X厚さ30s+s)を、トランジス
タパルス回路方式の放電加工機によってワイヤー放電加
工のテストを行った。放電用ワイヤーには外径が2mm
の黄銅のワイヤーを用い、試験条件としては加工電圧を
50V、パルス幅を1゜2μsec、休止時間を20μ
Seeとした。
このようにしてワイヤー放電加工を行ったところ、安定
した放電加工ができた。また、このときの放電加工速度
は170 ms”/ winであり、放電加工面の表面
粗さはRnax、2.2μ識程度であることから、放電
加工性が良好であることが確認された。
さらに、上記放電面に仕上げ放電加工を施したところ、
表面粗さがRmax、0.7μm以下となり非常に良好
な平滑面を得ることができた。またこの放電加工面を走
査型電子顕微鏡により観察したところ、クラック等の欠
陥が全く見られなかった。
「発明の効果」 以上説明したように本発明の高熱伝導性炭化珪素焼結体
は、平均粒子径が0.1−10μmの第1の炭化珪素粉
末と、非酸化性雰囲気のプラズマ中にシラン化合物また
はハロゲン化珪素と炭化水素とからなる原料ガスを導入
し、反応系の圧力を1気圧未満から0 、1 torr
の範囲で制御しつつ気相反応させることによって合成さ
れた平均粒子径が0.1μm以下の第2の炭化珪素粉末
と、これらの炭化珪素粉末中に含有される二酸化珪素等
の酸化物を還元するに必要な炭素とを混合し、還元処理
した後、加熱し焼結することによって得られた熱伝導率
か180W/m−に以上のものであるから、焼結助剤を
添加することなく高密度焼結体となり、よって粒内や粒
界に焼結助剤が不純物として存在せず、さらに粒界に存
在する酸化物か少なく、しかも微細で均一な組織を有す
るものとなることから、炭化珪素焼結体が本来有してい
る高硬度、高強度、高表面平滑性、高耐蝕性等の特性を
損なうことなく高熱伝導性を有した炭化珪素焼結体とな
る。したがって、従来の構造用セラミックスとしての利
用ばかりでなく、特に熱伝導性が要求されるヒートシン
ク部品、熱交換器部品、各種金型、電極等にも用いるこ
とができるなど応用範囲が非常に広いものとなる。また
、この高熱伝導性炭化珪素焼結体は優れた放電加工性を
有しているので、これを用いることにより三次元複雑形
状部品などをも十分精度良(製造することができ、した
がって材料としての自由度が高く、多くの分野での利用
が期待でき、これにより産業上多大な効果を奏するもの
となる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本発明に係−わる図であって、第
1図は本発明の製造方法によって得られた炭化珪素焼結
体中の遊離炭素量と熱伝導率との関係を示すグラフ、第
2図は本発明の製造方法によって得られた炭化珪素焼結
体の焼結体密度と熱伝導率との関係を示すグラフ、第3
図は^dmantine構造を有する単結晶の300K
における熱伝導率と、Leibfried−3chlo
@annパラメ一ターMδθD3との関係を示したグラ
フである。 第3図 Ma9D/100(100(・K3)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)平均粒子径が0.1〜10μmの第1の炭化珪素
    粉末と、非酸化性雰囲気のプラズマ中にシラン化合物ま
    たはハロゲン化珪素と炭化水素とからなる原料ガスを導
    入し、反応系の圧力を1気圧未満から0.1torrの
    範囲で制御しつつ気相反応させることによって合成され
    た平均粒子径が0.1μm以下の第2の炭化珪素粉末と
    、これらの炭化珪素粉末中に含有される二酸化珪素等の
    酸化物を還元するに必要な炭素とを混合し、還元処理し
    た後、加熱し焼結することによって得られた熱伝導率が
    180W/m・K以上である高熱伝導性炭化珪素焼結体
  2. (2)平均粒子径が0.1〜10μmの第1の炭化珪素
    粉末と、非酸化性雰囲気のプラズマ中にシラン化合物ま
    たはハロゲン化珪素と炭化水素とからなる原料ガスを導
    入し、反応系の圧力を1気圧未満から0.1torrの
    範囲で制御しつつ気相反応させることによって合成され
    た平均粒子径が0.1μm以下の第2の炭化珪素粉末と
    、これらの炭化珪素粉末中に含有される二酸化珪素等の
    酸化物を還元するに必要な炭素とを混合し、還元処理し
    た後、加熱し焼結して熱伝導率が180W/m・K以上
    の焼結体を得る高熱伝導性炭化珪素焼結体の製造方法。
  3. (3)請求項1に記載した高熱伝導性炭化珪素焼結体に
    おいて、第2の炭化珪素粉末の配合量が0.5〜50重
    量%である高熱伝導性炭化珪素焼結体。
  4. (4)請求項2に記載した高熱伝導性炭化珪素焼結体の
    製造方法において、第2の炭化珪素粉末の配合量が0.
    5〜50重量%である高熱伝導性炭化珪素焼結体の製造
    方法。
  5. (5)請求項1に記載した高熱伝導性炭化珪素焼結体に
    おいて、第2の炭化珪素粉末の結晶相が非晶質、α型、
    もしくはβ型であるか、あるいは、それらの混合相であ
    る高熱伝導性炭化珪素焼結体。
  6. (6)請求項2に記載した高熱伝導性炭化珪素焼結体の
    製造方法において、第2の炭化珪素粉末の結晶相が非晶
    質、α型、もしくはβ型であるか、あるいは、それらの
    混合相セある高熱伝導性炭化珪素焼結体の製造方法。
  7. (7)請求項1に記載した高熱伝導性炭化珪素焼結体に
    おいて、炭素がカーボンブラックまたはコロイド状炭素
    であるか、あるいは残炭素の高い有機炭化水素の熱分解
    炭素である高熱伝導性炭化珪素焼結体。
  8. (8)請求項2に記載した高熱伝導性炭化珪素焼結体の
    製造方法において、炭素がカーボンブラックまたはコロ
    イド状炭素であるか、あるいは残炭素の高い有機炭化水
    素の熱分解炭素である高熱伝導性炭化珪素焼結体の製造
    方法。
  9. (9)請求項1に記載した高熱伝導性炭化珪素焼結体に
    おいて、炭素が第2の炭化珪素粉末中に含有される高熱
    伝導性炭化珪素焼結体。
  10. (10)請求項2に記載した高熱伝導性炭化珪素焼結体
    の製造方法において、炭素が第2の炭化珪素粉末中に含
    有される高熱伝導性炭化珪素焼結体の製造方法。
  11. (11)請求項2に記載した高熱伝導性炭化珪素焼結体
    の製造方法において、還元処理の雰囲気が真空雰囲気で
    ある高熱伝導性炭化珪素焼結体の製造方法。
  12. (12)請求項2に記載した導電性炭化珪素焼結体の製
    造方法において、焼結雰囲気が、真空雰囲気、不活性雰
    囲気、もしくは還元がス雰囲気であり、焼結温度が18
    00〜2400℃である高熱伝導性炭化珪素焼結体の製
    造方法。
  13. (13)請求項1に記載した高熱伝導性炭化珪素焼結体
    において、焼結体の密度が3.00g/ cm^3以上
    である高熱伝導性炭化珪素焼結体。
  14. (14)請求項1に記載した高熱伝導性炭化珪素焼結体
    において、遊離炭素量が1重量%以下である高熱伝導性
    炭化珪素焼結体。
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