JPH0657177A - 透明な防食性厚膜塗料組成物および透明な塗膜の形成方法 - Google Patents

透明な防食性厚膜塗料組成物および透明な塗膜の形成方法

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JPH0657177A
JPH0657177A JP20914592A JP20914592A JPH0657177A JP H0657177 A JPH0657177 A JP H0657177A JP 20914592 A JP20914592 A JP 20914592A JP 20914592 A JP20914592 A JP 20914592A JP H0657177 A JPH0657177 A JP H0657177A
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coating film
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weight
coating
component
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Application number
JP20914592A
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English (en)
Inventor
Yasunori Hamada
恭典 浜田
Takashi Ueda
尚 上田
Toru Tanaka
徹 田中
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Nippon Paint Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム系合金製ロードホイールの金属
地肌面に塗布して塗布前の金属地肌の透視性を損なわず
に金属の腐食を防止し、かつ外的衝撃による付着阻害を
防止することができ、塗布面を金属地肌面より平滑にす
ることができる透明な防食性厚膜塗料組成物を開発す
る。 【構成】 (A)特定のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、
ブロックポリイソシアネート化合物、粉末シリカ及び架
橋性重合体粒子を主成分とするプライマーと、(B)特
定のアクリル樹脂、ブロックポリイソシアネート化合
物、粉末シリカ及び架橋性重合体粒子を主成分とする厚
膜プライマーとにより上記目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム系合金製
ロードホイールの金属地肌面に塗布して塗布前の金属地
肌の透視性を損わずに金属の腐食を防止しかつ外的衝撃
による付着阻害を防止することができ、塗布面を金属地
肌面より平滑にすることができる透明な防食性厚膜塗料
組成物および透明な塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、車体軽量化の要請に伴いホイー
ル、ブレーキシリンダー、ラジエーター等の自動車部品
をアルミニウム系の軽合金により構成する比率が高まっ
ている。特にホイールをアルミニウム系合金で形成した
所謂アルミホイールの普及は目覚ましく、広く実用化さ
れている。
【0003】一般にアルミホイールはアルミニウム系合
金を鋳造、鍛造などの手段によりホイール形状に成形す
る。その後表面に残る離形剤や酸化被膜の除去および表
面粗さの均一化を目的として、ステンレス合金等の金属
小片を成形したアルミニウム系合金に打ちつける(以下
ショット工程と略し、ショット工程で生じるアルミニウ
ム系合金の表面をショット面という)。その後車軸への
装着、タイヤの装着および意匠を目的として必要部分を
切削加工する(以下切削工程と略し、切削工程で生じる
意匠を目的とする面を切削面という)。
【0004】切削工程を経たアルミホイールを塗装する
にあたっては、塗料の密着性の向上および塗装面の防食
性を強化するために通常アルミホイール表面にクロム酸
クロメート処理を行なう。クロム酸クロメート処理の防
食性は強力である反面、アルミホイール表面が着色する
ことから切削面の金属光沢を意匠に用いるアルミホイー
ルのクロム酸クロメート処理は目視において着色しない
程度まで抑制されており、従来切削面の金属光沢を意匠
に用いないアルミホイールのクロム酸クロメート処理も
同じ処理条件で行なわれることから、クロム酸クロメー
ト処理によるアルミホイール表面の塗装面に対する防食
性の確保には限界がある。
【0005】クロム酸クロメート処理を経たアルミホイ
ールは、その全面もしくは一部に防食性、美粧性、耐候
性を付与するために塗装が施される。
【0006】ショット面は通常着色顔料や金属粉末顔
料、防錆顔料、体質顔料などを含有する熱硬化性合成樹
脂エナメル塗料(以下有色塗料と略す)を1回塗装後熱
硬化する。
【0007】切削面はその金属光沢を意匠に用いる場合
(以下光輝仕様と略し、その面を光輝面という)と、用
いない場合(以下有色仕様と略し、その面を有色面とい
う)とでは塗装に使用する塗料と塗装工程が異なる。
【0008】有色仕様の場合には、通常ショット面と同
時に有色塗料を塗装後熱硬化し、その後表面調整剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤などを含有する熱硬化性合成樹
脂クリヤー塗料(以下クリヤー塗料と略す)を1回塗装
後熱硬化する。
【0009】光輝仕様の場合には、切削工程でショット
面と切削面の境に形成される鋭角的な部分(以下エッヂ
部と略す)を塗膜でカバーし防食性、美粧性、耐候性を
付与する透明性塗料の塗装方法としては、例えば特開昭
64-70175号公報や特公平3-74147 号公報などに、又、塗
料組成物として特開昭64-4660 号公報、特開平1-149868
号公報、特開平2-250999号公報などに又、塗膜として特
公平2-7980号公報などに提案されており、これらの透明
性塗料は切削面をマスキングしてショット面を有色塗料
で塗装し、熱硬化させた後に切削面とショット面に塗
装、熱硬化されている。(この透明性塗料を以下防錆ク
リヤー塗料と略す)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】近時、車輛の性能や形
状に適合するアルミホイール意匠の方向としては、ショ
ット面が切削面の面積と同等以上になっており、有色仕
様、光輝仕様において車体塗装の高外観化に伴なうアル
ミホイールの高外観塗装が要求されている。
【0011】高外観とは、可視光が塗膜の表面で乱反射
せず又塗膜の表面に映る像が鮮明であることをいう。前
者の評価方法としてはJIS K-5400 7.6鏡面光沢度におけ
る入射角と反射角がそれぞれ20°のときの反射率、後者
の評価方法としては可視光を櫛形のパターンを通して塗
膜に投影し、その反射光として得られる櫛形パターンの
滲み具合、即ち光強度曲線を三角関数を基本とするフー
リエ級数に変換したときの数学的な係数として測定する
機器NSIC、NSIC* がある。しかし実際はアルミホイール
の表面が三次元曲面であることから一定の水平面積を要
する上記の方法での測定は困難であり、水平面の確保が
可能なテスト板での上記評価を基に目視で判断される。
【0012】従来の塗装によりショット面を高外観にす
るためにはショット工程でショット面の表面粗さを小さ
くする手法が考えられるが離形剤や酸化被膜の除去のた
めには打ちつける金属小片にある程度の大きさが必要で
あり、又その後に表面粗さを小さくする目的だけのショ
ット工程を組み入れた場合でも打ちつける金属小片と削
られたアルミ片を分別して金属小片を再使用するために
は、金属小片にある程度の大きさが必要であり、ショッ
ト工程でショット面の表面粗さを小さくするには限度が
ある。
【0013】ショット面を塗装により高外観にするため
には塗膜を厚くする必要があり、ショット面に有色塗料
を塗装後熱硬化した上にクリヤー塗料を1〜2回塗装、
熱硬化して塗膜を厚くした場合、塗面の平滑性は得られ
てもクリヤー塗膜を通して見えるショット面の外観はシ
ョット面に直接塗装された有色塗料がショット面の表面
粗さにほぼ匹敵する表面粗さに見えるのは公知の事実で
あり、ショット面に有色塗料を塗装する前にショット面
の上に平滑な塗膜を形成する必要がある。
【0014】ショット面に平滑な塗膜を形成した上に有
色塗料を塗装、熱硬化した場合有色塗料塗膜を保護する
ために、その上にクリヤー塗料を塗装、熱硬化する必要
があり、その外観は高外観として有色仕様に有効と考え
られる。
【0015】光輝仕様で切削面をマスキングしてショッ
ト面に平滑な塗膜と有色塗料塗膜とを形成してから防錆
クリヤー塗料を塗装、熱硬化した場合、ショット面に平
滑な塗膜があるだけ、マスキング見切部に生じる塗膜の
段差はアルミホイール塗装面全体の外観を低下させるこ
とから、ショット面に形成する平滑な塗膜を切削面も含
めてアルミホイール塗装面全体に形成する必要がある。
【0016】平滑な塗膜をアルミホイール塗装面全体に
形成する場合には、その塗膜が防錆クリヤー塗料以上の
塗膜性能であれば、有色仕様はその上に有色塗料とクリ
ヤー塗料をそれぞれ塗装、熱硬化すれば良く、光輝仕様
は切削面をマスキングしてショット面に有色塗料を塗
装、熱硬化の後に切削面とショット面にクリヤー塗装を
すれば良い。
【0017】以上のように塗膜を厚くして高外観を得る
には、塗料の塗り重ねが必要であり、そのためには塗膜
相互およびショット面、切削面と塗膜の密着性を確保す
ることが重要である。
【0018】北米では気温−20℃での走行が冬期の常で
あり、凍結によるスリップ防止のために使用される砕石
によるチッピングが充分考えられ、塗膜を厚くして高外
観の得られるアルミホイールにおいても、チッピングに
よる塗膜の損傷が小さくなければならず、腐食の進行す
るような塗膜の浮きあがりがショット面、切削面と塗膜
のあいだにあってはならない。
【0019】例えば有色塗料とクリヤー塗料を用いて4
回の塗装、熱硬化をした有色仕様塗膜はショット面での
高外観を満足するものの、北米を想定したチッピング試
験では著しい塗膜の損傷と浮きあがりが認められること
から、本発明で得られる平滑な塗膜は従来とは異なる塗
料、塗膜、設計思想が求められる。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による透明な防食性厚膜塗料組成物は、下記
の(A) 及び(B) で機能分担することを特徴とする。 ショット面、切削面、エッヂ部の防錆を目的とするプラ
イマー(A) ショット面の塗膜の平滑化を目的とし、切削面にも塗装
され、エッヂ部の塗膜によるカバーを補助する低温チッ
ピング性の優れた厚膜プライマー(B)
【0021】プライマー(A)をアルミホイール塗装面
全体に塗装し、熱硬化して又は熱硬化せずに、その上に
プライマー(B)をアルミホイール塗装面全体に塗装し
熱硬化する。その後、従来の有色塗料およびクリヤー塗
料をそれぞれ塗装、熱硬化する。ショット面の表面粗さ
が大きく高外観が得られない場合は有色塗料を塗装する
前に、さらに塗膜(B)を一層加えることにより高外観
が得られる。有色塗料を塗装する際に切削面をマスキン
グするか否かによって有色仕様と光輝仕様とに分けるこ
とができる。
【0022】前記プライマー(A)は下記の成分(1)
〜(5)を主成分とすることを特徴とする。 (1)アクリル樹脂 (2)エポキシ樹脂 (3)ブロックポリイソシアネート化合物 (4)粉末シリカ (5)架橋性重合体粒子
【0023】成分(1)は、分子内に2個以上のラジカ
ル重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物: (a):(メタ)アクリル酸ヒドロキシルメチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル
酸ヒドロキシルプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シルブチル、N−メチロールアクリルアミン等のヒドロ
キシル基を有するエチレン性モノマー (b):(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、フマール酸、マレイン酸等のカルボキシル基を有す
るエチレン性モノマー (c):(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ドデシ
ル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の前記モ
ノマー (d):前記(a)及び(b)と共重合可能なエチレン
性モノマー、並びに (e):(メタ)アクリロニトリル、スチレン等のよう
なモノマーから通常の方法により重合することができる
もので、重量平均分子量(以下、Mwと略す)が20,000
〜40,000、各モノマーの単独重合体のガラス転移温度か
ら理論的に計算されるガラス転移温度(以下、Tgと略
す)40〜50℃、水酸基価(以下、OHVと略す)30〜40
のアクリル樹脂である。
【0024】成分(2)は1分子中に2個又はそれ以上
のエポキシ基を含有する化合物からなる汎用のエポキシ
樹脂であって、具体的には、たとえば、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、1,1,2,2-テトラキス(4′−ヒ
ドロキシフェニル)エタンなどのポリフェノール類化合
物のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;カテコール、
レゾルシン、ヒドロキノン、フロログルシンなどの多価
フェノール類のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;エ
チレングリコール、ブタンジオール、グリセロール、エ
リスリトール、ポリオキシアルキレングリコールなどの
多価アルコール類のグリシジルエーテル系エポキシ樹
脂;ノボラック型エポキシ樹脂;ビニルシクロヘキセン
ジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエ
ンジオキシドなどの環状脂肪族系エポキシ樹脂;フタル
酸、シクロヘキサン−1,2 −ジカルボン酸などのポリカ
ルボン酸のエステル縮合物のポリグリシジルエステル系
エポキシ樹脂;ポリグリシジルアミン系エポキシ樹脂な
どがあげられる。ここでは、エポキシ当量 450〜 1,000
のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂が好ましい。
【0025】成分(3)はブロックされたポリイソシア
ネートで、ヘキサメチレンジイソシアネート、エチレン
ジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テト
ラメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシア
ネート、メタフェニレンジイソシアネート、トリフェニ
ルメタントリイソシアネート、シクロヘキシルイソシア
ネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート
(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)
等の各種ジイソシアネート、及びこれらのポリオールと
のアダクト、水和物、縮合物などを、熱でブロックが解
除されるフェノール系、ラクタム系、活性メチレン系、
アルコール系、アミン系、オキシム系、尿素系、イミン
系ブロック剤を付加したものである。ここではブロック
剤が異なることにより反応開始温度(塗料が塗膜として
硬化する過程において一定の温度上昇を与えるときその
弾性率が低下(熱可塑)から上昇(熱硬化)へ転じる温
度をここでは反応開始温度という)が 120〜 150℃のポ
リイソシアネートを用い、成分(3)中のイソシアネー
ト基(以下NCOと略す)の成分(3) 100重量部に対
する比率(%)(以下NCO基含有率と略す)が11〜16
%のブロックポリイソシアネート化合物である。
【0026】成分(4)は一次粒子の個数平均径(以下
dnと略す)7〜9nm、BET法(気体吸着を用いた窒素
ガスによる定圧容量法)による比表面積(以下、BET
と略す) 200〜380m2/g の粉末シリカである。
【0027】成分(5)は例えば分子内に2個以上のラ
ジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマー
を全配合中に 0.1重量%又はそれ以上使用して乳化重合
又は溶液重合させることにより得られるものであり、dn
が50〜80nmの架橋性重合体粒子である。具体的には特開
昭62-79873号公報等に記載の架橋重合体微粒子(ミクロ
ゲル)の製法が上げられる。
【0028】成分(1)についてはMwの小さい程、低
温での自己耐チッピング性が低下し、そして大きい程、
耐水性が低下する。Tgは高い程又は低い程、低温での
自己耐チッピング性が低下し、又OHVが低い程、耐水
性が低下し、高い程防錆効果が低下する。
【0029】本発明における成分(1)において、Mw
は20,000〜40,000が適当で、好ましくは30,000〜40,00
0、Tgは40〜50℃が好ましく、OHVは30〜40が好ま
しい。
【0030】成分(2)については、エポキシ当量が低
い程又は高い程、低温での自己耐チッピング性が低下す
る。
【0031】成分(2)についてはエポキシ当量は 450
〜 1,000が好ましい。
【0032】成分(3)について反応開始温度が高い
程、耐水性が低下し、低い程、塗膜に著しい黄変を生
じ、低温での自己耐チッピング性が低下する。NCO基
含有率については低い程又は高い程、低温での自己耐チ
ッピング性が低下する。
【0033】成分(3)については反応開始温度 120〜
150℃が適当で、好ましくは 130〜150℃、ポリイソシ
アネートの骨格は脂肪族型が好ましく、NCO基含有率
は12〜15%が好ましい。
【0034】成分(1)と(2)との配合比率(重量
部)は(1)/(2)として100/5〜100/15が適当で、
好ましくは 100/8〜100/12である。成分(1)の配合比
率が100/5を超えると耐水密着性が低下し、100/15より
低くなると、低温での自己耐チッピング性が低下する。
【0035】成分(1)と(3)の配合比率は成分
(1)の有するOHVと成分(3)の有するNCO基含
有率をNCO基価に置換した値(以下NCOVと略す)
の比率OHV/NCOVとして1.0/0.4 〜 1.0/0.6が適
当で、好ましくは1.0/0.45〜1.0/0.55である。NCOV
が 0.4を下廻ると耐糸錆性が低下し、NCOVが 0.6を
上廻ると低温での自己耐チッピング性が低下する。
【0036】成分(1)、(2)及び(3)の特徴およ
び配合比率は熱硬化後の塗膜の物理的性質を左右し、物
理的性質はショット面および切削面上での防食性と低温
での自己耐チッピング性、塗膜(B)との密着性に影響
することから熱硬化後に得られる成分(4)及び(5)
を除いた、塗膜(A)は下記の(イ)〜(ハ)の物理的
性質について一定の範囲にあることを特徴とする。
【0037】(イ)塗膜の粘弾性測定として塗膜に一定
の振動ひずみと温度上昇を与え(以下、動的粘弾性測定
と略す)、粘性と弾性の比率(以下tan δと略す)が極
大値を示す温度で塗膜の動的ガラス転移点(以下Tmと
略す)。 (ロ)塗膜を一定の温度条件下において一定の速度で引
張ったとき塗膜が破断する強度。 (ハ)(ロ)の破断する際の塗膜の伸び率。
【0038】長さ10.0mm、幅 4.0mmの塗膜(A)の長さ
方向に11Hz、2g重の振動ひずみと2℃/分の温度上
昇を与えた時のTmは70〜90℃が適当で、好ましくは75
〜85℃、長さ50.0mm、幅10.0mmの塗膜(A)の長さ方向
に−20℃で5mm/分で引張った時の破断強度は90〜 170
kg/cm2が適当で、好ましくは 100〜150kg/cm2 、又その
際の伸び率は 0.3〜 2.2%が適当で好ましくは 0.5〜2.
0 %である。
【0039】以上の特徴を持つ成分(4)及び(5)を
除いた、プライマー(A)を熱硬化後の切削面で10〜20
μmの膜厚になるようアルミホイールの塗装面全体に塗
装、最終的に熱硬化することでショット面、切削面に低
温での自己耐チッピング性と塗膜(B)との密着性を有
し、防食性に優れた塗膜を得ることができる。
【0040】成分(4)および(5)はプライマー
(A)をアルミホイールに塗装、最終的に熱硬化した時
エッヂ部に塗膜(A)を形成するため、プライマー
(A)の塗装後から熱硬化終了までの塗膜(A)の流動
性を制御する成分である。
【0041】成分(4)及び(5)をプライマー(A)
の成分とする時の重要なポイントは成分(4)及び
(5)を成分とする前の塗膜(A)の特徴を損なわない
ことであり、これを考慮した場合成分(1)、(2)及
び(3)の合計量を 100とした時の成分(4)の配合量
(重量部)は5〜20が適当であり、好ましくは5〜10、
同様に成分(5)の配合量は1〜10が適当であり、好ま
しくは1〜5である。塗膜(A)の熱乾燥後の切削面で
の膜厚は10〜30μmが好ましい。
【0042】成分(4)は有機溶剤又は成分(1)、成
分(2)並びに成分(1)及び(2)に容易に分散する
ことができる。
【0043】成分(5)は有機溶剤に分散された状態に
なっているので成分(1)、(2)、(3)及び(4)
を攪拌しているところへ加えれば良い。
【0044】プライマー(A)を溶解および分散する有
機溶剤の種類と配合量および塗装時に、プライマー
(A)を希釈する有機溶剤の種類と配合量は成分
(1)、(2)、(3)及び(5)と反応したり塗装後
から熱硬化終了までに成分(1)〜(5)が分離や凝集
して塗膜(A)の特徴を損なわないものであれば良く、
成分(4)及び(5)の効果を充分引き出しかつ塗膜
(A)の塗面が塗膜(B)の平滑化を阻害しない有機溶
剤の種類と配合量を各種塗装方式や方法に応じて選択す
ることが望ましい。
【0045】プライマー(B)は下記の成分(6)〜
(9)を主成分とすることを特徴とする。 (6)アクリル樹脂 (7)ブロックポリイソシアネート化合物 (8)粉末シリカ (9)架橋性重合体粒子
【0046】成分(6)は成分(1)と同様にして得ら
れるもので、Mw 5,000〜40,000、Tg−44℃〜−20
℃、OHV80〜 160のアクリル樹脂である。
【0047】成分(7)は成分(3)と同様にして得ら
れるもので、ブロック剤が異なることにより、反応開始
温度が 120〜 150℃のポリイソシアネートを用い、NC
O基含有率が9〜16%のブロックポリイソシアネート化
合物である。
【0048】成分(8)はプライマー(A)の成分
(4)と同じであり、成分(9)はプライマー(A)の
成分(5)と同様にして得られるdnが50〜80nmの架橋性
重合体粒子である。
【0049】成分(6)については、Tgが高い程、ま
たは低い程、低温での耐チッピング性が向上し、Mwは
高い程外観が低下し、低い程低温での耐チッピング性が
低下する。OHVは高い程低温での耐チッピング性及び
塗膜(A)との密着性が向上し、OHVが低い程耐水性
と塗膜(A)との密着性が低下する。
【0050】本発明の成分(6)においてはMwが 5,0
00〜40,000が適当で、好ましくは 7,000〜30,000、Tg
は−44℃〜−20℃が適当で、好ましくは−44℃〜−30
℃、OHVは80〜 160が適当で、好ましくは 120〜 160
である。
【0051】成分(7)について反応開始温度が高い
程、耐水性が低下し、低い程、塗膜に著しい黄変を生
じ、低温での耐チッピング性が低下する。NCO基含有
率については低い程耐水性が低下し、高い程、低温での
耐チッピング性が低下する。
【0052】成分(7)については反応開始温度 120〜
150 ℃が適当で、好ましくは 130〜150 ℃、ポリイソシ
アネートの骨格は脂肪族型が好ましく、NCO基含有率
は10〜15%が好ましい。
【0053】成分(6)と(7)の配合比率は成分
(6)の有するOHVと成分(7)のNCOVの比率O
HV/NCOVとして 1.0/0.9〜1.0/1.1 が適当で、好
ましくは1.0/0.9〜1.0/1.0 である。NCOVが 0.9を
下廻ると耐水性が低下し、またNCOVが 1.1を上廻る
と、低温での耐チッピング性が低下する。
【0054】成分(6)および(7)の特徴および配合
比率は熱硬化後の塗膜の物理的性質を左右し、物理的性
質は低温での耐チッピング性、塗膜(A)との密着性、
さらにプライマー(B)を塗装する場合の塗膜(B)と
の密着性、有色塗料およびクリヤー塗料との密着性に影
響することから、熱硬化後に得られる塗膜(B)は塗膜
(A)と同様に前記物理的性質(イ)〜(ハ)について
一定の範囲にあることを特徴とする。
【0055】物理的性質(イ)〜(ハ)の測定条件が塗
膜(A)の時と同じ場合、Tmは35〜 125℃が適当で、
好ましくは35〜80℃、破断強度は 300〜 600kg/cm2が適
当で、好ましくは 400〜 600kg/cm2又その際の伸び率は
2〜25%が適当で、好ましくは10〜25%である。
【0056】以上の特徴を持つ成分(8)及び(9)を
除いたプライマー(B)を熱硬化後の切削面で一層の膜
厚が20〜60μmの膜厚になるよう熱硬化の有無にかかわ
らず、塗膜(A)を塗装したアルミホイールの塗装面全
体に1〜2回塗装、熱硬化することでショット面、切削
面に塗膜(A)との密着性、塗膜(B)同志の密着性、
有色塗料およびクリヤー塗料との密着性を有し、低温で
の耐チッピング性に優れた平滑な塗膜を得ることができ
る。
【0057】成分(8)および(9)はプライマー
(B)をアルミホイールに塗装する際、塗装後から熱硬
化終了までの垂直面における塗料の流れ落ち性(以下、
タレ性と略す)とエッヂ部の熱硬化の有無にかかわら
ず、塗膜(A)を塗装した上に塗膜(B)を形成するた
め、プライマー(B)の塗装後から熱硬化終了までの塗
膜(B)の流動性を制御する成分である。
【0058】成分(8)及び(9)をプライマー(B)
の成分とする時の重要なポイントは成分(8)及び
(9)を成分とする前の塗膜(B)の特徴を損なわない
ことであり、これを考慮した場合、成分(6)及び
(7)を 100とした時の成分(8)の配合量(重量部)
は5〜20が適当であり、好ましくは5〜10、同様に成分
(9)の配合量は1〜10が適当であり、好ましくは1〜
5である。塗膜(B)の熱硬化後の切削面での一層の膜
厚は40〜 100μmが好ましい。
【0059】成分(8)は成分(4)と同様にプライマ
ー(B)の成分とすることができる。
【0060】成分(9)は成分(5)と同様にプライマ
ー(B)の成分とすることができる。
【0061】プライマー(B)を溶解および分散する有
機溶剤の種類と配合量および塗装時にプライマー(B)
を希釈する有機溶剤の種類と配合量は成分(6)、
(7)及び(9)と反応したり、塗装後から熱硬化終了
までに成分(6)〜(9)が分離や凝集して塗膜(B)
の特徴を損なわないものであれば良く、成分(8)及び
(9)の効果を充分引き出しかつ熱硬化の有無にかかわ
らず、塗装された塗膜(A)の特徴を阻害しない有機溶
剤の種類と配合量を各種塗装方式や方法に応じて選択す
ることが望ましい。
【0062】プライマー(A)及び(B)は共通に又は
それぞれに、塗膜形成補助として表面調整剤、反応触
媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤をプライマー
(A)及び(B)の特徴を損なわない範囲で添加するこ
とが望ましい。
【0063】
【作用】軽合金材料における防食性の付与効果は主に糸
錆発生を防止することにあるが、塗料樹脂の観点から考
察した場合の糸錆性の防止にはO2、H2O 、イオン透過
性を小さくする、素地との密着性を強化する、膜厚
を大きくする、ヤング率の高い強靱な塗膜とする、
内部応力を小さくする等の要件が必要となる。
【0064】又、低温での耐チッピング性について塗料
樹脂の観点から考察した場合、素地に接する部分におい
ては、上層で吸収できなかった衝撃エネルギーに対し
て、(a)素地との密着性を強化する、(b)破壊強度
の高い強靱な塗膜とする等の要件を必要とし、一方直接
衝撃を受ける塗膜表面部分においては衝撃エネルギーを
水平方向に分散、吸収するために、(c)伸び率の高い
粘り強い塗膜とする、(d)Tmを下げてチッピングを
受ける塗膜の(c)の効率を良くする等の要件を必要と
する。
【0065】本発明は上記も含めて金属地肌面(アルミ
ホイールのショット面)を平滑にすることを目的としプ
ライマー(A)の組成では該糸錆の防止効果をO2, H2O,
イオン透過性の抑制と素地との密着性の強化との相乗作
用により、又該チッピングの防止効果は該糸錆防止の方
向をうまく利用することにより有効に達成するものであ
る。
【0066】腐食環境においてO2 、H2 O、各種イオ
ンが塗膜を透過して素地との界面に達することにより糸
錆の進行が容易となるが、本発明では主として成分
(1)と成分(1)および成分(1)と成分(3)の架
橋反応により塗膜を形成する分子の三次元構造を密にす
ることが、O2 、H2 O、各種イオン透過性を抑制する
要件である。
【0067】本発明において、成分(1)のMwとOH
Vを規定するのは、塗膜を形成する際の硬化収縮と、三
次元構造の橋かけ密度が防食性を左右するためである。
Mwを一定としてOHVを変化させた場合、OHVが少
なくては橋かけ密度が疎となり、OHVが多すぎては充
分な橋かけ密度にもかかわらず架橋に寄与する以上に過
剰な水酸基が塗膜中に存在することになり、糸錆防止の
要件を達成することが困難となる。
【0068】一方、OHVを一定としてMwを変化させ
た場合、Mwが小さくては充分な橋かけ密度とするため
に架橋反応を多く要しその際の硬化収縮は糸錆防止の要
件を阻害する。Mwが大きくては分子構造の立体的な
障害により橋かけ密度が疎となるか、橋かけ密度を確保
するために架橋反応を多く要すれば上記と同様に前記要
件を阻害する。したがって成分(1)Mw、OHVを
規定することは前記要件を達成するひとつの要件であ
る。
【0069】糸錆防止の要件を達成するためのもう一
方の要件は成分(3)の性質と成分(1)に対する配合
量である。成分(3)は成分(1)と成分(2)および
成分(1)同志の反応による橋かけ密度を踏まえて最終
的に塗膜を形成する分子の三次元構造による橋かけ密度
が前記要件を達成するのに最低限必要な配合比率とし
てあり、これは糸錆防止の要件およびに有効で、チ
ッピングの防止効果を発揮するためにも重要な要件であ
る。
【0070】成分(1)と(3)で塗膜を形成する場
合、通常OHV/NCOV=1/1とした設計を基本と
するがプライマー(A)の組成では成分(1)の水酸基
を多く残す方向で残った水酸基は素地との密着に充分寄
与し、さらに過剰なものについては成分(1)と成分
(3)の反応による硬化収縮より小さな硬化収縮で水酸
基同志の反応が行なわれる。
【0071】成分(3)として脂肪族ポリイソシアネー
トが好ましいのは、その骨格が柔軟で成分(1)、
(2)の分子構造の立体的な障害による反応疎外を回避
して、成分(1)、(2)と反応し、又成分(3)と反
応した成分(1)、(2)に残る水酸基同志の反応を容
易にする方向であり、最終的に塗膜を形成する分子中に
水酸基同志の反応による結合を多く形成し、三次元構造
を密にする上で大変有効であることによる。
【0072】又、成分(3)の反応開始温度や反応性を
制御することは成分(1)、(2)及び(3)相互の競
争反応の中で上記の塗膜分子構造を形成する重要な要因
である。
【0073】さらに成分(2)を加えることでプライマ
ー(A)を構成するのは成分(2)の反応は硬化収縮が
小さく、成分(2)の素地に対する密着性の優れること
が上げられる。本発明において、成分(2)についてエ
ポキシ当量と配合比率を規定するのは塗膜を形成する分
子の三次元構造が密であっても内部応力が大きくては当
該目標が達成されず、又疎の場合糸錆防止の要件を阻
害するだけでなく、チッピング防止効果を低下させるた
めであり、成分(2)のエポキシ当量と配合比率は当該
目標を達成するための重要な要件である。
【0074】成分(2)も含めて形成された塗膜(A)
は成分(1)の分子量が比較的小さいことおよび成分
(3)の配合要件から塗膜の柔軟性および引張り強度、
衝撃強度は小さく、さらに成分(1)のTgを上げるこ
とで、塗膜(A)のTmを上げ、糸錆防止の要件と耐
チッピング性の(b)の効果を下げている。これでは素
地に接する塗膜としてのチッピング防止効果は期待でき
ないはずであるが、チッピング後の観察結果から塗膜
(A)のチッピング防止効果を以下の様に推定すること
で上記の塗膜物性、成分(3)の配合要件が重要とな
る。
【0075】塗膜(A)は上層で吸収できなかった衝撃
エネルギーを自己の破壊エネルギーに変換することによ
り素地を保護する、即ち塗膜が脆いために衝撃エネルギ
ーは容易に塗膜を形成する分子の架橋を破壊するエネル
ギーに変換される。分子の橋かけ密度が高いため、素地
に達するまでに塗膜の破壊エネルギーに変換されてしま
うか、素地に達しても素地の変形に伴う部分の塗膜の破
壊エネルギーに変換する。したがって、素地密着を阻害
するような水平方向の衝撃エネルギーの分散は小さく、
素地が変形した周辺の塗膜でも充分な防食性を確保する
ことができる。
【0076】プライマー(A)の組成により防食性の付
与と素地に接する部分の低温での耐チッピング性が付与
されることからプライマー(B)の組成では塗膜(A)
の特性を阻害することなく塗膜表面部分の低温での耐チ
ッピング性と肌の平滑化を目的とする厚膜塗装に対して
反応性の抑制と硬化特性の相乗作用によりこれを有効に
達成するものである。
【0077】スプレー塗装の場合、被塗物に塗料粒子が
付着した時の凹凸の塗膜硬化後における平滑性は、塗装
後から硬化までの塗装された後に残る溶剤が与える塗膜
の流動性と、塗料が塗膜として硬化する過程において反
応開始前に示される熱可塑性とを要因とするが、厚膜塗
装における塗膜の平滑性を得るために、前者を選択すれ
ば季節による変動要因が塗装作業性を狭くすることから
平滑性にバラツキを生じやすい。
【0078】後者の場合、反応開始温度や反応性を抑制
することにより熱可塑状態を調整して塗膜の平滑性を向
上することが可能で、成分(7)のブロック剤解離温度
とポリイソシアネートの反応性を規定の熱硬化温度およ
び時間でその後の作業性や塗膜性能に影響を与えない範
囲で調整することは厚膜での平滑性を向上する要件であ
る。
【0079】一方成分(6)のTgを下げることは塗膜
(B)のTmを下げることにつながり、(c)の効率を
良くすると同時に熱可塑による厚膜での平滑性を向上す
る効果がある。
【0080】本発明において、反応性を下げる目的で用
いたポリイソシアネートは、好ましくは脂肪族の骨格で
あることが塗膜(B)に柔軟性を与える方向であり、
(c)を形成するのに大変有効である。
【0081】2層又はそれ以上の塗膜で塗装系を形成す
る場合各層間での内部応力の差は素材と塗膜の密着に歪
を生じるのと同様に層間での密着劣化又は不良を生じ、
著しくは素材に密着する塗料に歪を与える場合がある。
今回の塗膜(A)及び(B)の機能分担は相反する塗膜
形成手法であることから動的粘弾性測定においてプライ
マー(A)及び(B)の液体から固体に至るまでの硬化
特性の違いは塗膜(A)および(B)の特徴を左右す
る。
【0082】成分(6)のTgを下げる方向と、成分
(7)の反応性の抑制とはプライマー(B)の硬化特性
をプライマー(A)の硬化特性に近づける方向にあり、
塗膜(A)及び(B)の特徴を引き出す重要な要件であ
る。
【0083】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に
限定するものでないことはいうまでもない。以下の例に
おいて、部は重量部を示す。
【0084】比較例1〜14および実施例1〜13 プライマー(A)の特徴を確定するために各種の(1)
アクリル樹脂、(2)エポキシ樹脂、(3)ブロックポ
リイソシアネート化合物、(4)粉末シリカ及び(5)
架橋性重合体粒子を表1に示す量で配合した、成分
(3)については、成分(1)の固形分重量部 100の有
するOHV を1.0 とした場合の成分(3)のNCOVの比
率を示し、成分(4)及び(5)の重量部は成分
(1)、(2)及び(3)の固形分重量部を 100とした
場合のそれぞれの固形分重量部で示してある。表1に記
号で示した各成分の種類は下記のとおりである。
【0085】(1)アクリル樹脂 A−1 :アクリル樹脂(ヒタロイド3001:日立化成工業(株)製) A−2〜7: 〃 (A-1 のMw、Tg、AV変更品:日立化成工業(株)製) A−8 : 〃 (ヒタロイド3018:日立化成工業(株)製)
【0086】(2)エポキシ樹脂 B−1:グリシジルエーテル 系エ ポキシ樹脂(エポトートYD134:東都化成(株)製) B−2: 〃 ( 〃 YD011: 〃 ) B−3: 〃 ( 〃 YD014: 〃 ) B−4:多官能環状脂肪族系エ ポキシ樹脂(エポリードGT403:ダ イセル化学工業 (株)製)
【0087】(3)ブロックポリイソシアネート化合物 C−1:芳香族系ポリイソシアネート化合物(デスモジュール BL4165:住友バ イエルウレタン (株)製) C−2:脂肪族系 〃 ( 〃 BL3175 : 〃 ) C−3: 〃 〃 ( 〃 TPLS2759 : 〃 ) C−4: 〃 〃 (コロネート 2507:日本ポリウレタン (株)製)
【0088】(4)粉末シリカ D−1:超微粒粉末シリカ(アエロジル 200:日本アエロジル(株)製) D−2: 〃 ( 〃 300: 〃 ) D−3: 〃 ( 〃 380: 〃 )
【0089】(5)架橋性重合体粒子 E−1:以下に製造例を示す。
【0090】両性イオン性基含有ポリエステル樹脂の
製造 攪拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、デ
カンターを備えた2リットル コルベンに、ビスヒドロ
キシエチルタウリン 134部、ネオペンチルグリコール 1
30部、アゼライン酸 236部、無水フタル酸 186部および
キシレン27部を仕込み、昇温する。反応により生成する
水をキシレンと共沸させ除去する。
【0091】還流開始より約2時間をかけて温度を 190
℃にし、カルボン酸相当の酸価が 145になるまで攪拌と
脱水を継続し、次に 140℃まで冷却する。次いで 140℃
の温度を保持し、「カージュラE10」(シェル社製のバ
ーサティック酸グリシジルエステル) 314部を30分で滴
下し、その後2時間攪拌を継続し、反応を終了する。得
られるポリエステル樹脂はAV59、OHV90、Mn(数平
均分子量)1054であった。
【0092】架橋性重合体粒子の製造 攪拌後、冷却器、温度制御装置を備えた1リットルの反
応容器に、脱イオン水232 部、上で得たポリエステル樹
脂10部およびジメチルエタノールアミン0.75部を仕込
み、攪拌下温度を80℃に保持しながら溶解し、これにア
ゾビスシアノ吉草酸 4.5部を脱イオン水45部とジメチル
エタノールアミン 4.3部に溶解した液を添加する。次い
でメチルメタクリレート70.7部、n−ブチルアクリレー
ト94.2部、スチレン70.7部、2−ヒドロキシエチルアク
リレート30部およびエチレングリコールジメタクリレー
ト 4.5部からなる混合溶液を60分間を要して滴下する。
滴下後さらにアゾビスシアノ吉草酸 1.5部を脱イオン水
15部とジメチルエタノールアミン 1.4部に溶かしたもの
を添加して80℃で60分間攪拌を続け、反応を終了した。
【0093】得られた架橋性重合体粒子エマルジョンに
キシレンを加え、減圧共沸蒸留により水を除去し、媒体
をキシレンに置換して固形分40重量%の架橋性重合体粒
子キシレン溶液(E−1)を得た。
【0094】製造例 比較例1〜14および実施例1〜13は以下の方法により、
プライマー(A)を製造した。
【0095】炭化水素系溶剤/エステル系溶剤の配合比
率(重量部)1/1の混合溶剤(以下、混合溶剤と略
す)を用意し混合溶剤/各アクリル樹脂ワニスの配合比
率(重量部)が6/10になるよう混合溶剤に表1に基づ
く粉末シリカとアクリル樹脂ワニスを加えガラスビーズ
を用いたバッチ式分散機でツブゲージ5μm以下(JISK
-5400 4.7.1)になるまで粉末シリカを分散する。分散
物を別容器に取り出し攪拌しながら表1に基づくエポキ
シ樹脂ワニスとブロックポリイソシアネート化合物ワニ
スとを加え、次いで同様に架橋性重合体粒子溶液を加え
てプライマー(A)を製造した。比較例14は混合溶剤を
攪拌しながら成分(1)、(2)及び(3)を順に加え
るだけとした。
【0096】比較例および実施例の塗膜性能を評価する
ために以下の方法で複合塗膜を形成した。
【0097】全面切削加工後に切削面を半分残して金属
小片(SUS430 0.6mmカットワイヤー:東洋精工(株)
製)をショットしたアルミニウム系合金板(AC4C(V)150
×70×6mm:日本ルートサービス(株)製)を脱脂(サ
ーフクリーナー53:日本ペイント(株)製)し、クロム
酸クロメート処理(アルサーフ1000:日本ペイント
(株)製)して、比較例1〜14および実施例1〜13の塗
料を熱硬化後の切削面で20μmの膜厚になるように全面
にエアースプレー塗装し焼付(アルミニウム系合金板の
表面温度を 140℃まで上げて20分間保持することをい
い、以下、焼付と略す)して熱硬化した。
【0098】その上に後述する実施例26の塗料を熱硬化
後の切削面で当該塗膜が60μmの膜厚になるように全面
にエアースプレー塗装し、焼付して熱硬化した。
【0099】さらに有色塗料(スーパーラック5000シル
バー:日本ペイント(株)製)を仮に熱硬化後の切削面
で当該塗膜が20μmの膜厚になるように切削面をマスキ
ングしてショット面だけにエアースプレー塗装し、マス
キング除去後、焼付して熱硬化した。
【0100】最後にクリヤー塗料(スーパーラック5000
クリヤー:日本ペイント(株)製)を熱硬化後の切削面
で当該塗膜が30μmの膜厚になるように全面にエアース
プレー塗装し焼付して熱硬化した。
【0101】得られた複合塗膜について、ショット面の
鏡面光沢度、切削面とショット面の耐糸錆性、耐低温チ
ッピング性、付着性、耐水性を評価し、表1にその結果
を示した。
【0102】なお、評価方法は下記の方法による。
【0103】ショット面の鏡面光沢度 JIS K-5400 7.6による入射角と反射角がそれぞれ20°の
ときの反射率(%)を測定した。(表3の結果について
は、実施例1のアルミニウム系合金板で同時に作成し、
評価した。 × … 70未満 △ … 70以上80未満 ○ … 80以上
【0104】耐糸錆性 カッターナイフで合金面に達する5cmの直線切り傷をつ
けたのち、食塩を5%重量濃度を含む1規定の塩酸水
(35℃)に15分間浸漬した後に取出して室内で付着水滴
がなくなるまで乾かす。ついで、温度40〜45℃、湿度70
〜75%RHに保った槽の中に 240時間置いて取り出した。
【0105】このものにつきカット部に発生した糸錆の
カットからの最大長さ及び本数を測定した。 ○ … 全く錆がないか1mm未満の点錆のみ △ … 1mm以上2mm以下で糸錆が20本以下 × … 上記に該当しないもの
【0106】耐低温チッピング性 −22℃〜−18℃の槽内に1時間置き、取り出して直ちに
6号砕石(JIS A-5001)500gをグラベロメーター(飛石
試験機:東洋理化工業(株)製)を用いて圧縮空気圧4
kg/cm2で塗面に打ちつけ、衝撃によって生じる傷とその
周辺を観察し、測定した。 ○ … 衝撃によって生じた傷だけのもの △ … 傷の部分から周辺の塗膜が合金面又は塗膜層間
で、浮き上がり又はハクリしている部分の傷からの最大
幅が 0.5mm未満 △×… △と同様なもので最大幅が 0.5mm以上1mm以下 × … 上記に該当しないもの
【0107】付着性 カッターナイフで合金面に達する2cm以上の直線の切り
傷を2mm間隔で平行に11本付け、さらにこの切り傷に対
して直角方向に同様に11本の切り傷を付けて切り傷にか
こまれるタテ、ヨコ2mmの 100コの正方形を作り、その
部分にセロハン粘着テープ(セロテープ:ニチバン
(株)製)を貼り付けて塗面に対して垂直方向にすばや
くこれをはがし、該正方形の塗膜のハガレを観察し、測
定した。 ○ … 正方形の塗膜がはがれないか切り傷によるカケ
だけのもの △ … 正方形の塗膜がはがれてもその数が10コ以内か
切り傷からのはがれが切り傷を間に両幅が 0.5mm以下 × … 上記に該当しないもの
【0108】耐水性 温度38〜42℃の恒温水槽に 240時間浸漬して取出し、1
時間後に付着性を評価した。ただし取出し直後の目視観
察でフクレ、光沢の低下、色の変化が認められるのは×
とした。
【0109】複合塗膜の評価とあわせて塗膜(A)の特
徴を確定するために比較例1〜14および実施例1〜13の
塗料について以下の方法で塗膜の物理的性質を測定し表
1にその結果を示した。
【0110】ポリプロピレン板(ノーブレンMH-8:日本
テストパネル(株)製)上に熱乾燥後の膜厚が60μmに
なるようにエアースプレー塗装しポリプロピレン板の表
面温度を 140℃まで上げて20分間保持し乾燥塗膜を形成
する。
【0111】(イ)長さ15mm、幅 4.0mmに塗膜をカッタ
ーナイフで切り、ピンセットを用いてポリプロピレン板
から塗膜をハクリして塗膜の粘弾性測定装置(レオバイ
ブロン:(株)オリエンテック製)に膜長さ10.0mmにな
るようにセットし長さ方向に11Hz、2g重の振動ひずみ
と2℃/分の温度上昇を与えてTmを測定する。
【0112】(ロ)(イ)と同様に長さ70mm、幅10.0mm
の塗膜を応力〜ひずみ測定装置(テンシロン:(株)オ
リエンテック製)に膜長さ50.0mmになるようにセット
し、塗膜を含む塗膜引張り部分の雰囲気温度が−20℃に
達してから10分後に、長さ方向に5mm/分で引張った時
の破断強度
【0113】(ハ)(ロ)測定で破断する際の塗膜の伸
び率
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【表4】
【0118】
【表5】
【0119】比較例15〜25および実施例14〜34 プライマー(B)の特徴を確定するために各種の(6)
アクリル樹脂、(7)ブロックポリイソシアネート化合
物、(8)粉末シリカ及び(9)架橋性重合体粒子を表
2に示す量で配合した。成分(7)については、成分
(6)の固形分重量部 100の有するOHVを 1.0とした
場合の成分(7)のNCOVの比率を示し、成分(8)
及び(9)の重量部は成分(6)及び(7)の固形分重
量部を 100とした場合のそれぞれの固形分重量部で示し
てある。表2に記号で示した各成分の種類は下記のとお
りである。
【0120】(6)アクリル樹脂 F−1 :アクリル樹脂(ダイヤナール AS-6699:三菱レイヨン(株)製) F−2〜7: 〃 (ダイヤナール AS-6699のMw、Tg、OHV 変更品:三菱レ イヨン(株)製) F−8 : 〃 (ヒタロイドA204 :日立化成工業(株)製) F−9 : 〃 ( 〃 3533 : 〃 ) F−10 : 〃 ( 〃 3635-1: 〃 ) F−11 : 〃 ( 〃 3635-2: 〃 )
【0121】(7)ブロックポリイソシアネート化合物 G−1:芳香族系ポリイソシアネート化合物(デ スモ ジュール BL4165:住友バ イエルウレタン (株)製) G−2:脂肪族系 〃 ( 〃 BL3175: 〃 ) G−3: 〃 〃 ( 〃 GA1048: 〃 ) G−4:芳香族系 〃 (IPDI B1299:ダ イセルヒュルス(株)製) G−5:脂肪族系 〃 (コロネート 2507:日本ポ リウレタン(株)製) G−6: 〃 〃 (デ スモ ジュール TPLS2759:住友バ イエルウレタン (株)製)
【0122】(8)粉末シリカ H−1:D−1と同じ H−2:D−2と同じ H−3:D−3と同じ
【0123】(9)架橋性重合体粒子 I−1:以下に製造例を示す。
【0124】両性イオン基含有ポリエステルの製造 攪拌加熱装置、温度計、窒素導入管、冷却管及びデカン
ターを備えた反応容器に、ビスヒドロキシエチルタウリ
ン 213部、ネオペンチルグリコール 208部、無水フタル
酸 296部、アゼライン酸 376部およびキシレン30部を仕
込み昇温した。反応により生成した水はキシレンと共沸
させ除去した。還流開始より約3時間かけて反応温度を
210℃にし、カルボン酸相当の酸価が 135になるまで攪
拌と脱水を継続して反応させた。液温を 140℃まで冷却
した後、「カージュラ−E10」(シェル社製のバーサテ
ィック酸グリシジルエステル) 500部を30分で滴下し、
その後2時間攪拌を継続し反応を終了した。得られたポ
リエステル樹脂は、AV55、OHV91、数平均分子量12
50であった。
【0125】架橋性重合体微粒子の製造 攪拌加熱装置、温度計、窒素導入管、冷却管を備えた反
応器に、脱イオン水 141部を仕込み、80℃に昇温した。
上記ポリエステル樹脂15部と脱イオン水 107部、ジメチ
ルエタノールアミン 1.5部をステンレス製ビーカに仕込
みこれに下記のモノマー混合液(ア) 100部を加え攪拌
機で激しく攪拌し、モノマー懸濁液を作成した。このモ
ノマー懸濁液と開始剤水溶液(イ) 21.64部を同時に60
分かけて滴下し、さらに90分間反応を継続し、反応を終
了した。得られた架橋性重合体粒子エマルジョンにキシ
レンを加え、減圧下共沸蒸留により水を除去し、媒体を
キシレンに置換して、固形分濃度30重量%の架橋性重合
体粒子キシレン溶液(I−1)を得た。
【0126】 モノマー混合液(ア) メチルメタクリレート 15 部 スチレン 25 部 n−ブチルアクリレート 15 部 エチレングリコールジメタクリレート 40 部 2−エチルヒドロキシメタクリレート 4 部 ジメチルアミノエチルメタクリレート 1 部 開始剤水溶液(イ) アゾビスシアノ吉草酸 1.0 部 脱イオン水 20 部 ジメチルエタノールアミン 0.64 部
【0127】製造例 比較例15〜25および実施例14〜34は以下の方法によりプ
ライマー(B)を製造した。プライマー(A)と同じ混
合溶剤/各アクリル樹脂ワニスの配合比率(重量部)が
6/10になるよう混合溶剤に表2に基づく粉末シリカと
アクリル樹脂ワニスを加えガラスビーズを用いたバッチ
式分散機でツブゲージ5μm以下になるまで粉末シリカ
を分散する。分散物を別容器に取り出し攪拌しながら表
2に基づくブロックポリイソシアネート化合物ワニスを
加え、次いで同様に架橋性重合体粒子溶液を加えて、プ
ライマー(B)を製造した。
【0128】比較例及び実施例の塗膜性能を評価するた
めに以下の方法で複合塗膜を形成した。
【0129】プライマー(A)の比較例および実施例に
用いたものと同じ処理板に実施例1のプライマー(A)
を熱硬化後の切削面で20μmの膜厚になるように全面に
エアースプレー塗装し焼付して熱硬化した。
【0130】その上に比較例15〜25および実施例14〜34
の塗料を熱硬化後の切削面で当該塗膜が60μmの膜厚に
なるように全面にエアースプレー塗装し焼付して熱硬化
した。
【0131】以下実施例1と同様に複合塗膜を形成し、
得られた複合塗膜について実施例1と同じ評価項目につ
いて同じ評価方法で塗膜性能を評価し表2にその結果を
示した。
【0132】複合塗膜の評価とあわせて塗膜(B)の特
徴を確定するために実施例1と同様に比較例15〜25およ
び実施例14〜34の塗料について塗膜の物理的性質を測定
し表2にその結果を示した。
【0133】
【表6】
【0134】
【表7】
【0135】
【表8】
【0136】
【表9】
【0137】
【表10】
【0138】
【表11】
【0139】実施例35〜46および比較例26〜28 表1のプライマー(A)および表2のプライマー(B)
の中から表3に示した組合せで塗膜性能を評価するため
に以下の方法で複合塗膜を形成した。
【0140】アルミロードホイール(トヨタ自動車
(株)製)を実施例1と同様に処理したものに、プライ
マー(A)を熱硬化後の切削面で20μmの膜厚になるよ
う全面にエアースプレー塗装する。この際、アルミロー
ドホイールを2つ塗装し、一方は焼付して熱硬化し、他
方は熱硬化しない。
【0141】その上にプライマー(B)を熱硬化後の切
削面で当該塗膜が60μmの膜厚になるように全面にエア
ースプレー塗装し焼付して熱硬化した。
【0142】以下実施例1と同様に複合塗膜を形成し、
得られた複合塗膜について実施例1と同じ評価項目につ
いて同じ評価方法で塗膜性能を評価し、表3にその結果
を示した。各例でプライマー(A)の熱硬化の有無によ
り評価が異なる場合の悪い方の結果を示し、また耐糸錆
性の評価においてアルミロードホイールのエッヂ部に錆
の発生が認められないものは◎、認められるものは×と
評価した。
【0143】
【表12】
【0144】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば金
属地肌面に塗装して塗装前の金属地肌の透視性を損ねず
に腐食を防止および外的衝撃による付着阻害を防止する
ことができ、塗装面を金属地肌面より平滑にすることが
できる塗料組成物及び塗膜形成方法を提供することがで
きる。したがってアルミニウム系軽合金材で製造される
ホイールの高防食性、高耐チッピング性、高外観性を必
要とする光輝仕様および有色仕様の塗装目的に有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/00 PPF 6904−4J 133/02 PFW 7921−4J 133/08 PGG 7921−4J 163/00 PJP 8830−4J PJX 8830−4J PKE 8830−4J 175/04 PHP 8620−4J PHV 8620−4J (72)発明者 田中 徹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)重量平均分子量20,000〜40,000、
    ガラス転移点40〜50℃及び水酸基価30〜40のアクリル樹
    脂固形分 100重量部に対して(2)エポキシ当量 450〜
    1,000のエポキシ樹脂固形分5〜15重量部を配合し、ま
    た(3)反応開始温度が 120〜 150℃のブロック剤を有
    する、ブロックポリイソシアネート化合物であって、そ
    の固形分中のNCO が化合物固形分 100重量部に対して11
    〜16%のブロックポリイソシアネート化合物固形分を、
    アクリル樹脂固形分の水酸基価/ブロックポリイソシア
    ネート化合物固形分のNCO 基価として 1.0/0.4〜1.0/0.
    6 になるように配合し、更に上記成分(1)、(2)及
    び(3)の固形分 100重量部に対して(4)一次粒子の
    個数平均径が7〜9nm、比表面積(BET法)が200〜
    380m2/gの粉末シリカ5〜20重量部及び(5)一次粒子
    の個数平均径が50〜80nmの架橋性重合体粒子1〜10重量
    部を配合した透明な塗膜を形成する防食塗料組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の防食塗料組成物を塗布
    後、下記成分(6)〜(9)を主成分とする厚膜塗料組
    成物を塗布することを特徴とする透明な塗膜の形成方
    法。 (6)重量平均分子量が 5,000〜40,000、ガラス転移点
    が−44℃〜20℃、水酸基価が80〜 160のアクリル樹脂固
    形分に対して(7)反応開始温度が 120〜 150℃のブロ
    ック剤を有する、ブロックイソシアネート化合物であっ
    て、その固形分中のNCO が化合物固形分 100重量部に対
    して9〜16%のブロックポリイソシアネート化合物固形
    分を、アクリル樹脂固形分の水酸基価/ブロックポリイ
    ソシアネート化合物固形分のNCO 基価として 1.0/0.9〜
    1.0/1.1 になるように配合し、更に上記成分(6)及び
    (7)の固形分 100重量部に対して(8)一次粒子の個
    数平均径が7〜9nm、比表面積(BET法) 200〜 380
    m3/gの粉末シリカを5〜20重量部及び(9)一次粒子の
    個数平均径が50〜80nmの架橋性重合体粒子を1〜10重量
    部を配合した。
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