JPH0657130U - コンバインの穀粒タンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機台上に傾動可能に設けたコンバインの穀粒
タンク外側方へ退避させて穀粒タンクと脱穀装置との
間、又は脱穀装置を整備するとき、穀粒タンクを容易に
退避作動することができるようにすることを目的とする
ものである。 【構成】 走行装置１を有する機台２の前部に前処理装
置３を備え、前記機台２の一側に脱穀装置５を搭載し、
他側に穀粒タンク６を設け、この穀粒タンク６を脱穀装
置５に沿う姿勢と離間した姿勢とに回動し得るように支
承したコンバインにおいて、前記穀粒タンク６より脱穀
装置５側に設けた固定部材に、ロックレバー付きのフッ
クを回動可能に枢着すると共に弾機を以て係合付勢し、
前記穀粒タンク６にそれが脱穀装置５に沿う姿勢で前記
フックに係合するピンを突設し、前記ロックレバーを、
穀粒タンクが離間姿勢から脱穀装置５に沿う姿勢になる
間に前記ピンにより押されてフックがピンに係合するよ
うに傾斜させたことを特徴とするコンバインカッターの
カバー装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、穀稈を刈取脱穀するコンバインの穀粒タンクにに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、走行装置を有する機台の前部に前処理装置を備え、前記機台の一側に脱 穀装置を搭載し、他側に穀粒タンクを設け、この穀粒タンクを起立姿勢になった 作業状態と外側方へ傾斜した姿勢とに回動して穀粒タンクと脱穀装置との間に配 設した伝動装置、又は脱穀装置の整備点検をなすようにすることは既に知られて いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記既知のコンバインにおける穀粒タンクは、穀粒タンクを外側方へ回動した り、起立姿勢に戻したりする際、ロック操作装置とロック装置とが別体に構成さ れていたので、穀粒タンクを起立姿勢にしてロックする時、ロック操作装置とな るロックレバーを片手で操作しながら他方の手で穀粒タンクを起こす操作をしな ければならず、安全上問題があると共に穀粒タンクを起立回動させる操作がきわ めて困難であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、走行装置を有する機台の前部に前処理装置を備え、前記機台の一側 に脱穀装置を搭載し、他側に穀粒タンクを設け、この穀粒タンクを脱穀装置に沿 う姿勢と離間した姿勢とに回動し得るように支承したコンバインにおいて、前記 穀粒タンクより脱穀装置側に設けた固定部材に、ロックレバー付きのフックを回 動可能に枢着すると共に弾機を以て係合付勢し、前記穀粒タンクにそれが脱穀装 置に沿う姿勢で前記フックに係合するピンを突設し、前記ロックレバーを、穀粒 タンクが離間姿勢から脱穀装置に沿う姿勢になる間に前記ピンにより押されてフ ックがピンに係合するように傾斜させることにより前述の課題を解決した。

【０００５】

【作用】

前処理装置で刈取された穀稈は、その後方の一側に設けられた脱穀装置で脱穀 選別され、排藁は脱穀装置の排稈口から排出され、穀粒は穀粒タンクに揚送投入 される。そして、穀粒タンクと脱穀装置とに間に介装されている伝動装置、又は 脱穀装置自体を整備点検せんとする時は、ロックレバーを操作してフックとピン によるロックを解除して穀粒タンクを外側方へ回動すると脱穀装置と穀粒タンク との間に広いスペースが得られ、このスペース内で前記整備点検を行う。

【０００６】 そして、前記整備点検が終わって穀粒タンクを起立させる時は、穀粒タンクを 両手で脱穀装置側へ押して回動させると、穀粒タンクに突設されているピンが弾 機に抗してロックレバーを退避回動し、穀粒タンクが完全な起立姿勢になると、 フックに前記ピンが嵌入し、弾機は係合付勢する。

【０００７】

【実施例】

本考案の一実施例を図面について説明すると、走行装置１を有する機台２の前 方には、前処理装置３を昇降可能に装着し、一側には脱穀装置５を搭載し、他側 には穀粒タンク６を設け、該穀粒タンク６の前部には操作装置７と運転席８を設 けてあり、前処理装置３により刈取搬送された穀稈は、株元部がフィードチェー ンと挟扼レールとからなる挟持搬送装置に受け継がれて搬送され、穂側は供給口 から扱室に挿入されて脱穀処理され、脱穀物は風選及び篩選別されて藁屑等は排 塵口及び又は排塵風車から機外に排出され、穀粒は揚穀筒により穀粒タンク６に 投入される。

【０００８】 前記穀粒タンク６の底部に設けた排出螺旋１０の移送終端は起立筒１１ａとそ の上端に連設されていて水平旋回及び上下傾動する可動筒１１ｂとからなる揚送 排出筒１１に連通しているので穀粒タンク６が満杯になってそれを排出する時は 、機体を路上に停車させてある運搬車の側部に寄せ、可動筒１１ｂを操作してそ の吐出口を運搬車の荷台上に臨ませてから前記排出螺旋及び揚送排出筒１１内の 螺旋を回転駆動すると、穀粒タンク６内の穀粒が運搬車に積み込まれる。

【０００９】 また、前記穀粒タンク６は、前記排出螺旋１０の軸を中心として図示の起立し た姿勢と外側方へ傾斜した姿勢とになるように回動可能に支持されており、その 脱穀装置５側の上部には、機台２に立設したフレーム１２に取付けられていて前 後方向の垂直断面が下向きコ字状をなす連結タンク１３を設けて連通させてあり 、脱穀装置５の上部に設けた補助タンク１５は、その底板１５ａの前後及び外側 から垂下したカバー板１４を有し、穀粒タンク６側の下端を前記フレーム１２に 支軸１６を以って回動自在に軸支して、穀粒を排出する際は油圧シリンダにより 補助タンク１５を押し上げると、それが支軸１６を中心として上昇回動するので 補助タンク１５内の穀粒は穀粒タンク６に流入して排出される。

【００１０】 そして、前記フレーム１２に固定したブラケット１７に、下向きのフック１８ を支点ピン１９により枢着すると共に下端が穀粒タンク６に係止されたコイルス プリングからなる弾機２０により下降回動付勢し、前記フック１８の側面には上 昇傾斜したロックレバー２１を固定してあり、穀粒タンク６の後面に突設したロ ーラー付きのピン２２は穀粒タンク６が図２に示すごとく穀粒受け入れ態勢に起 立した状態で前記フック１８に係合し、ロックレバー２１の中途部に固定したボ ス２３に回動自在に貫挿した係止杆２５は、先端に折曲部を有している。

【００１１】 穀粒タンク６を外側方へ回動して穀粒タンク６と脱穀装置５との間に介装され ていて前記排出螺旋１０を駆動する伝動系、又はその他の伝動装置を整備点検す る場合、若しくは脱穀装置５を側方から整備点検する場合には、ボルト２６を緩 めて係止杆２５を回動することにより折曲部を穀粒タンク６の後面に螺着したス トッパー２７の凹部から外した後、ロックレバー２１を押し上げた状態で穀粒タ ンク６を外側方へ少し傾動させると、ピン２２がフック１８からはずれ、その後 は両手で穀粒タンク６を外側へ傾斜した状態にする。

【００１２】 前記整備点検が終了した後に穀粒タンク６を起立姿勢に復帰させる時は、穀粒 タンク６を外側方から両手で押すと、穀粒タンク６が戻り回動するにつれてピン ２２がロックレバー２１を順次押し上げ回動させながらフック１８に近付き、最 後に弾機２０の引張作用によりフック１８に嵌合する。この状態で係止杆２５を 介装してその先端の折曲部をストッパー２７の凹部に嵌合した後ボルト２６を締 めつけると、機体がピッチング又はローリングしても前記フック１８がピン２２ から外れるのを一層確実に防止することができる。このようにして側面係止が完 了したならば、穀粒タンク６の上面に枢支２８ｂしたフック２８のレバー２８ａ を操作して該フック２８を連結タンク１３上のピン２９に引掛ける。

【００１３】 なお、前述の実施例では穀粒タンク６を、前後方向の軸を中心として回動する ようにしたが、穀粒タンク６の端部を前記起立筒１１ａ又は縦軸を中心として水 平回動するようにしても良く、その場合はピン２２を穀粒タンク６の天板に突設 し、前記フック１８等を脱穀装置５の上部に装着する。

【００１４】 図７〜９はフィードチェーン３０のスプロケット３１を示すもので、このスプ ロケット３１の歯縁の全周（又は少なくとも谷部の側縁）を面取りしてあるので 、チェーンプレート３２のローラーを受けているバーリング部３３にスプロケッ ト３１の歯縁の底部が圧接されることがなくスプロケット３１及びフィードチェ ーン３０の摩耗を防止し、耐久性を向上させることができる。

【００１５】 図１０は脱穀装置５の排稈口よりも後方の天板３５上に、後部が穂側へ偏位す るように斜設した排藁搬送装置３６を示すもので、排藁チェーン３７と挟持レー ル３８とからなり、該挟持レール３８はパイプからなる前部レール３８ａの後部 レール３８ｂを進退調節可能に貫挿して排藁をカッターにより細断処理する場合 は後部レール３８ｂを前方へ押し込み、細断処理することなく後送してそのまま 排出するか、又は結束する場合は排藁チェーン３７の後端まで引き出してセット するものであって、前部レール３８ａは前記天板３５に支軸３９，３９とスプリ ングとにより排藁量により昇降するように弾持されている。そして、前記前部レ ール３８ａの下部一側には、ガイド板４０を固定してあり、このガイド板４０は 挟持搬送されながら垂れ下がった藁屑や排藁を押し下げて前記支軸３９，３９や スプリングに絡み付くのを防止している。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は、走行装置１を有する機台２の前部に前処理装置３を備え、前記機台 ２の一側に脱穀装置５を搭載し、他側に穀粒タンク６を設け、この穀粒タンク６ を脱穀装置５に沿う姿勢と離間した姿勢とに回動し得るように支承したコンバイ ンにおいて、前記穀粒タンク６より脱穀装置５側に設けた固定部材に、ロックレ バー付きのフック１８を回動可能に枢着すると共に弾機２０を以て係合付勢し、 前記穀粒タンク６にそれが脱穀装置５に沿う姿勢で前記フック１８に係合するピ ン２２を突設し、前記ロックレバー２１を、穀粒タンク６が離間姿勢から脱穀装 置５に沿う姿勢になる間に前記ピン２２により押されてフック１８がピン２２に 係合するように傾斜させたので、穀粒タンク６を脱穀装置５から離間させた状態 で該穀粒タンク６と脱穀装置５との間に介装されている伝動装置、又は脱穀装置 ５を整備点検した後、穀粒タンク６を脱穀装置５に沿うように戻す時、穀粒タン ク６を脱穀装置５に向けて押すことにより回動させると、穀粒タンク６に突設し たピン２２がロックレバー２１を自動的に回動させてフック１８に係合すること となり、片手でロックレバーを操作しながら他方の手で穀粒タンクを回動する方 式に比し著しく安全であると共に回動操作が容易になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバインの斜視図である。

【図２】穀粒タンクの背面図である。

【図３】穀粒タンクロック装置の第１段階作用図であ
る。

【図４】同上第２段階作用図である。

【図５】同上第３段階作用図である。

【図６】同上最終段階作用図である。

【図７】フィードチェーン巻き掛け部の側面図である。

【図８】同上平断面図である。

【図９】同上平面図である。

【図１０】排藁搬送装置の側面図である。

【符号の説明】

１ 走行装置 ２ 機台 ５ 脱穀装置 ６ 穀粒タンク １７ ブラケット １８ フック ２０ 弾機 ２１ ロックレバー ２２ ピン ２５ 係止杆

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行装置１を有する機台２の前部に前処
   理装置３を備え、前記機台２の一側に脱穀装置５を搭載
   し、他側に穀粒タンク６を設け、この穀粒タンク６を脱
   穀装置５に沿う姿勢と離間した姿勢とに回動し得るよう
   に支承したコンバインにおいて、前記穀粒タンク６より
   脱穀装置５側に設けた固定部材に、ロックレバー付きの
   フック１８を回動可能に枢着すると共に弾機２０を以て
   係合付勢し、前記穀粒タンク６にそれが脱穀装置５に沿
   う姿勢で前記フック１８に係合するピン２２を突設し、
   前記ロックレバー２１を、穀粒タンク６が離間姿勢から
   脱穀装置５に沿う姿勢になる間に前記ピン２２により押
   されてフック１８がピン２２に係合するように傾斜させ
   たことを特徴とするコンバインの穀粒タンク。