WO2007148719A1

WO2007148719A1 - コンバイン

Info

Publication number: WO2007148719A1
Application number: PCT/JP2007/062410
Authority: WO
Inventors: Hirohisa Nomura; Hajime Fukui
Original assignee: Yanmar Co., Ltd.
Priority date: 2006-06-20
Filing date: 2007-06-20
Publication date: 2007-12-27
Also published as: JPWO2007148719A1; CN101466258B; CN101466258A; KR101522913B1; KR20090029707A

Abstract

　刈取部が刈取入力パイプ２３を回動中心として昇降回動可能で、且つ、鉛直支軸２１を回動中心として刈取入力パイプ２３と共に水平回動可能に構成されているコンバインにおいて、刈取部が水平に開き回動したときに、何らかの振動等で刈取部が不用意に縦揺れしたり浮き上がったりしても、刈取部が下限まで下向き回動するのを確実に阻止できるようにする。鉛直支軸２１上のホルダ部材２２に、刈取入力パイプ２３の背面側で半径外向きに突出する受け部７１を一体的に設ける。刈取入力パイプ２３には、受け部７１に下方から当接して刈取部を下降回動不能に保持するためのストッパー部材７４を、刈取入力パイプ２３の長手方向に沿ってスライド可能に設ける。

Description

明細書

コンバイン

技術分野

[0001] 本願発明は、圃場の穀稈を連続的に刈り取るための刈取部が走行機体の前部に装着されたコンバインに関するものである。

背景技術

[0002] 従来から、この種のコンバインの中には、走行機体の前部に配置された刈取部やエンジン等のメンテナンスの便宜のために、刈取部を走行機体の外側に向けて水平回動可能 (すなわち開閉回動可能）に構成したものがある。

[0003] 力かる構成のコンバインの一例が特許文献 1に開示されている。特許文献 1におけるコンバインの刈取部は、走行機体の前部のうち左右一側方に立設された鉛直支軸と、当該鉛直支軸から左右横向きに突出した水平支軸とを備えている。

[0004] 水平支軸の中途部には、前方斜め下向きに延びる刈取フレームが水平支軸と一体的に回動するように取り付けられている。この刈取フレームと走行機体との間に装架された昇降用油圧シリンダにて、刈取部は水平支軸を回動中心として昇降回動するように構成されている。そして、刈取部は、鉛直支軸を回動中心として、水平支軸及び刈取フレームと共に水平方向に開閉回動するように構成されて、る。

[0005] 刈取部を開き回動させる場合は、昇降用油圧シリンダと刈取フレームとの連結を解除するため、この開き回動状態で刈取フレームが水平支軸回りに下向き回動しないように、当該刈取フレームを所定の姿勢に保持するためのストッパー手段を備える必要がある。

[0006] この点について特許文献 1には、鉛直支軸に形成された受け部と水平支軸に形成された受け部との間に、ブロック状のロック部材を介在させることにより、水平支軸における軸心回りの回動を阻止し、その結果、刈取フレームが下限まで下向き回動するのを阻止することが記載されて、る。

特許文献 1：特開 2002— 42号公報

発明の開示発明が解決しょうとする課題

[0007] しかし、特許文献 1に記載のストッパー手段は、鉛直支軸の受け部と水平支軸の受け部とでロック部材を挟み付けることによって、刈取フレームの下向き回動を規制するものであるから、開き回動中に何らかの振動等で刈取部が不用意に縦揺れしたりすると、ロック部材の挟み込みが外れて刈取フレームが下向き回動してしまい、その結果、地面に衝突した刈取部が変形したり破損したりするというおそれがあった。

[0008] そこで、本願発明は上記の問題を解消したコンバインを提供することを技術的課題とするちのである。

課題を解決するための手段

[0009] この技術的課題を解決するため、請求項 1の発明は、エンジン及び脱穀部が搭載された走行機体と、前記走行機体の前部に配置された刈取部とを備えており、前記刈取部は、前記走行機体の前部のうち左右一側方に立設された鉛直支軸と、当該鉛直支軸から横向きに突出した水平支軸とを有しており、前記刈取部は、前記水平支軸を回動中心として昇降回動可能で、且つ、前記鉛直支軸を回動中心として前記水平支軸と共に水平回動可能に構成されて、るコンバインであって、前記水平支軸における前記鉛直支軸寄りの部位と前記鉛直支軸とのうちいずれか一方には、他方に形成された受け部に当接して前記刈取部を下降回動不能に保持するためのストッパー部材力前記水平支軸の長手方向に沿ってスライド可能に設けられているというものである。

[0010] 請求項 2の発明は、請求項 1に記載したコンバインにおいて、前記ストッパー部材を、前記受け部に当接するロック位置と、当接しないフリー位置とに選択的に保持するための切り替え保持手段を更に備えて、ると!/、うものである。

[0011] 請求項 3の発明は、請求項 1又は 2に記載したコンバインにおいて、前記ストッパー部材は角柱状に形成されている一方、前記受け部における前記ストッパー部材との当接面が平坦面に形成されているというものである。

[0012] 請求項 4の発明は、請求項 1〜3のうちいずれかに記載したコンバインにおいて、前記受け部は、前記鉛直支軸に、前記水平支軸の背面側で前記水平支軸の長手方向に突出するように設けられており、且つ、前記鉛直支軸を回動中心として前記水平支軸と共に水平回動可能に構成されている一方、前記水平支軸における前記鉛直支軸寄りの部位には、前記ストッパー部材カ Sスライド可能に嵌る凹溝を有する側面視後ろ向き開口コ字状の案内ブロック部が一体的に設けられて、ると、うものである。

[0013] 請求項 5の発明は、請求項 1〜3のうちいずれかに記載したコンバインにおいて、前記受け部は、前記水平支軸の長手方向に沿って突出するようにして、前記水平支軸の上面側に設けられている一方、前記鉛直支軸の上部には、前記水平支軸をその軸心回りに回動可能な状態で軸支するホルダ部材が、前記鉛直支軸を回動中心として前記水平支軸と共に水平回動可能に取り付けられており、前記ホルダ部材には、前記ストッパー部材カ Sスライド可能に嵌る凹溝を有する上向き開口コ字状の案内プロック部が一体的に設けられて、ると、うものである。

発明の効果

[0014] 請求項 1の発明によると、水平支軸における鉛直支軸寄りの部位と前記鉛直支軸とのうちいずれか一方には、他方に形成された受け部に当接して刈取部を下降回動不能に保持するためのストッパー部材が、前記水平支軸の長手方向に沿ってスライド可能に設けられているから、前記刈取部を前記鉛直支軸回りに開き回動させたときに、何らかの振動等で前記刈取部が不用意に縦揺れしたり浮き上がったりしても、特許文献 1に記載のロック部材に比べて水平スライド式の前記ストッパー部材が位置ずれするおそれは少ない。

[0015] このため、前記ストッパー部材の規制にて、前記刈取部が下限まで下向き回動するのを阻止でき、開き回動した前記刈取部が地面に衝突して変形したり破損したりするのを未然に防止できるという効果を奏する。

[0016] 請求項 2の発明によると、前記ストッパー部材を、前記受け部に当接するロック位置と、当接しないフリー位置とに選択的に保持するための切り替え保持手段を更に備えているから、前記切り替え保持手段にて前記ストッパー部材をロック位置やフリー位置に確実に位置固定できる。

[0017] このため、前記刈取部を開き回動させていない通常の閉じ状態で、前記ストッパー部材が前記受け部に引っ掛かったり、前記刈取部が開き回動した状態で、前記受け部から前記ストッパー部材が離れたりするのを確実に防止でき、安全性を向上できるという効果を奏する。

[0018] ところで、開き回動した前記刈取部は片持ち梁の状態になるが、前記刈取部は相当の重量があるから、前記水平支軸と前記鉛直支軸との連結部には大きな前倒れモ一メントが生ずる。そして、ロック位置にある前記ストッパー部材と前記受け部との当接箇所には、前倒れモーメントによる負荷 (荷重）が作用することになる。

[0019] この点、請求項 3のように、前記ストッパー部材を角柱状に形成する一方、前記受け部における前記ストッパー部材との当接面を平坦面に形成すると、ロック位置にある前記ストッパー部材と前記受け部とは面接触することになる。これにより、前記ストツバ一部材と前記受け部との接触面積を広く確保でき、前記刈取部の重量に起因して前記ストッパー部材と前記受け部とに掛力る負荷を確実に受け止めできる。従って、開き回動した前記刈取部に対する支持安定性を向上できるという効果を奏する。

[0020] 請求項 4の発明では、前記受け部は、前記鉛直支軸に、前記水平支軸の背面側で前記水平支軸の長手方向に突出するように設けられており、且つ、前記鉛直支軸を回動中心として前記水平支軸と共に水平回動可能に構成されている一方、前記水平支軸における前記鉛直支軸寄りの部位には、前記ストッパー部材がスライド可能に嵌る凹溝を有する側面視後ろ向き開口コ字状の案内ブロック部が一体的に設けられている。

[0021] 力かる構成を採用すると、前記ストッパー部材を挟持するための前記案内ブロック部が前記水平支軸に一体的に設けられているから、前記案内ブロック部は、前記ストツバ一部材の剛性を補完するための強度メンバーとして機能し、前記ストッパー部材に作用する負荷を前記案内ブロック部に分散できる。

[0022] このため、前記ストッパー部材に必要以上の負荷力かかるのを抑制して、前記ストッパー部材が破損したり変形したりするおそれを低減でき、開き回動した前記刈取部に対する支持安定性を向上させる効果を助長できるのである。

[0023] 請求項 5の発明では、前記受け部は、前記水平支軸の長手方向に沿って突出するようにして、前記水平支軸の上面側に設けられている一方、前記鉛直支軸の上部には、前記水平支軸をその軸心回りに回動可能な状態で軸支するホルダ部材力前記鉛直支軸を回動中心として前記水平支軸と共に水平回動可能に取り付けられており、前記ホルダ部材には、前記ストッパー部材カ Sスライド可能に嵌る凹溝を有する上向き開口コ字状の案内ブロック部が一体的に設けられている。すなわち、請求項 5 の発明は、前記ストッパー部材を前記鉛直支軸側に設ける一方、前記ストッパー部材に対する前記受け部を前記水平支軸側に設けた場合に相当するものである。

[0024] このように構成した場合、前記案内ブロック部は、前記鉛直支軸側の前記ホルダ部材に一体的に設けられることによって、前記ストッパー部材の剛性を補完するための強度メンバーとして機能する。従って、請求項 4の場合と同様に、前記ストッパー部材に作用する負荷を前記案内ブロック部に分散して、前記ストッパー部材に必要以上の負荷がかかるのを抑制でき、結果的に、開き回動した前記刈取部に対する支持安定性を向上させる効果を助長できるのである。

図面の簡単な説明

[0025] [図 1]コンバインの側面図である。

[図 2]コンバインの平面図である。

[図 3]刈取部の概略側面図である。

[図 4]刈取部の概略平面図である。

[図 5]刈取部の支持構造を示す概略正面図である。

[図 6]刈取部の支持構造を示す概略平面図である。

[図 7]ストッパー機構の背面図である。

[図 8]図 7の VIII— VIII視側断面図である。

[図 9]ストッパー機構の別例を採用した場合における刈取部の支持構造を示す概略正面図である。

[図 10]ストッパー機構の平面図である。

[図 11]ストッパー機構の一部切欠き側面図である。

符号の説明

[0026] 1 走行機体

3 刈取部

4 脱穀部

5 フィードチェン 13 刈刃装置

14 穀稈引起装置

15 穀稈搬送装置

20 機体フレーム

21 鉛直支軸

22 ホルダ部材

23 水平支軸としての刈取入力パイプ

34 縦伝動パイプ

36 油圧シリンダ

50 引起ケース

51 スターホイル

52 搔き込みべノレト

53 右下部搬送チェン

54 左下部搬送チェン

55 上部搬送タイン

56 縦搬送チェン

57 補助搬送チェン

70 ストッパー機構

71 受け部

72 案内ブロック部

73 凹溝

74 ストッパー部材

75 カバープレート

76 ガイド溝穴

77 切り替え保持手段としてのノブネジ

発明を実施するための最良の形態

以下に、本願発明を具体ィ匕した実施形態を図面（図 1〜図 11)に基づいて説明する。図 1はコンバインの側面図、図 2はコンバインの平面図、図 3は刈取部の概略側面図、図 4は刈取部の概略平面図、図 5は刈取部の支持構造を示す概略正面図、図 6 は刈取部の支持構造を示す概略平面図、図 7はストッパー機構の背面図、図 8は図 7の VIII— VIII視側断面図、図 9はストッパー機構の別例を採用した場合における刈取部の支持構造を示す概略正面図、図 10はストッパー機構の平面図、図 11はストツパー機構の一部切欠き側面図である。

[0028] (1) .コンバインの概略構造

はじめに、図 1〜図 4を参照しながら、コンバインの概略構造について説明する。

[0029] 実施形態における 4条刈り用のコンバインは、左右一対の走行クローラ 2にて支持された走行機体 1を備えている。走行機体 1の前部には、圃場に植立した穀稈を刈り取りながら取り込む刈取部 3が、単動式の油圧シリンダ 36 (図 3参照）にて、後述する刈取入力パイプ 23を回動中心として昇降調節可能に装着されている。走行機体 1には、フィードチェン 5付きの脱穀部 4と、脱穀後の穀粒を貯留するための穀粒タンク 6とが横並び状に搭載されている。本実施形態では、脱穀部 4が走行機体 1の進行方向左側に、穀粒タンク 6が走行機体 1の進行方向右側に配置されている。刈取部 3と穀粒タンク 6との間には、走行機体 1の向き及び速度を変更操作するための操向丸ハンドル 9や運転座席 10等を有する運転部 8が設けられている。運転部 8の下方には、動力源としてのエンジン 11が配置されており、エンジン 11の前方には、当該エンジン 1 1からの動力を適宜変速して左右両走行クローラ 2に伝達するためのミッションケース 12が配置されている。

[0030] 刈取部 3は、バリカン式の刈刃装置 13、 4条分の穀稈引起装置 14、穀稈搬送装置 15及び分草体 16を備えている。刈刃装置 13は、刈取部 3の骨組を構成する分草フレーム 39の下方に配置されている。穀稈引起装置 14は分草フレーム 39の上方に配置されている。穀稈搬送装置 15は穀稈引起装置 14とフィードチン 5の前端部との間に配置されている。分草体 16は穀稈引起装置 14の下部前方に突設されている。刈取部 3にて刈り取られた刈取穀稈は、フィードチェン 5に受け継ぎ搬送され、脱穀部 4にて脱穀処理される。

[0031] 脱穀部 4の扱室には、刈取穀稈を脱穀処理するための扱胴 17が内蔵されている。

扱胴 17の下方には、扱網やチャフシーブ等による揺動選別を行う揺動選別機構 (図示せず)と、唐箕ファンによる風選別を行う風選別機構 (図示せず)とが配置されている。これら両選別機構による選別を経て、走行機体 1の下部にある一番受け樋（図示せず）に集められた穀粒は、一番コンペャ及び揚穀コンペャ (共に図示せず)を介して穀粒タンク 6に集積される。藁屑は、脱穀部 4の後部に配置された吸引ファン（図示せず）に吸い込まれたのち、走行機体 1の後部に形成された排出口から走行機体 1 の外部へ排出される。穀粒タンク 6内の穀粒は、排出オーガ 7を介して走行機体 1の外部に搬出される。

[0032] なお、フィードチェン 5の後端力も排稈チェン 18 (図 2参照）に受け継がれた排稈は、長い状態で走行機体 1の後方に排出されるか、若しくは排稈カツタ（図示せず）にて適宜長さに短く切断されたのち、走行機体 1の後方に排出される。

[0033] (2) .刈取部の構造

次に、主として図 3〜図 6を参照しながら、刈取部の構造について説明する。

[0034] 刈取部 3は、その内部の各装置 13〜15やエンジン 11及びミッションケース 12等のメンテナンスをし易くするために、機体フレーム (シャーシ） 20の前部一側方（実施形態では前部左側）に立設された鉛直支軸 21を中心にして水平回動可能（開閉回動可能）に構成されている（図 2及び図 6の二点鎖線状態参照)。

[0035] この場合、鉛直支軸 21の上端部は先細段付き状に形成されており、当該部位に、铸鉄製等で筒型のホルダ部材 22が上向き抜け不能で且つ水平回動可能に被嵌されている。鉛直支軸 21における段付き部 21aの外周面には、ホルダ部材 22を下向きずれ不能に支持するフランジ 21bが設けられている。なお、鉛直支軸 21と機体フレーム 20との間には、側面視後傾状の補強プレート 24 (つっかい軸）が溶接にて固着されている。

[0036] ホルダ部材 22には、水平支軸としての横長の刈取入力パイプ 23がその軸心回り（上下方向）に回動可能な状態で軸支されている。実施形態の刈取入力パイプ 23は金属製であり、平面視において鉛直支軸 21より前方にオフセットした状態で配置されている（図 3、図 4及び図 6参照)。

[0037] ホルダ部材 22は、鉛直支軸 21の上端部に被嵌された基部から外向きに突出した上向き開口半割り状の下ホルダ軸受け部 22aと、この下ホルダ軸受け部 22aにボルトにて固定された下向き開口半割り状の上ホルダ軸受け部 22bとを備えている。これら上下のホルダ軸受け部 22a, 22bが刈取入力パイプ 23の基端部 (鉛直支軸 21に近 V、側の端部）を回動可能に軸支して、る。

[0038] 刈取入力パイプ 23の先端部 (鉛直支軸 21とは反対側の端部）には、铸鉄製等の軸受け部材 25が設けられている一方、機体フレーム 20の前部のうち左右中央寄りの部位には、軸受け部材 25の下方に位置する箇所に、上向きに突出した支柱部材 26が立設されている。

[0039] 軸受け部材 25は、支柱部材 26の上板にボルト締結された上向き開口半割り状の下軸受け部 25aと、この下軸受け部 25aに横向きのボルト軸 27を介して上下回動可能に取り付けられた上軸受け部 25bとを備えている。

[0040] 上軸受け部 25bは、運転部 8に設けられた刈取ロックレバー（図示せず)の操作にてボルト軸 27回りに上下回動するように構成されている。また、上軸受け部 25bは、図示しないばね手段の弾性付勢力にて、刈取入力パイプ 23の先端部を下軸受け部 25aと共に挟持し得る下向きの回動方向に常時付勢されている。

[0041] 刈取ロックレバーの操作にて上軸受け部 25bをボルト軸 27回りに下向き回動させると、刈取入力パイプ 23の先端部が上下の軸受け部 25a, 25bにて回動可能に把持（軸支)され、刈取部 3が閉じ状態に保持される。

[0042] 逆に、上軸受け部 25bをボルト軸 27回りに上向き回動させると、刈取入力パイプ 23 の先端部の把持が解除され、刈取部 3が鉛直支軸 21を回動中心として水平方向に開き回動可能な状態になる。この場合、刈取入力パイプ 23ひいては刈取部 3は、鉛直支軸 21にて片持ち梁の状態に支持される。

[0043] 刈取入力パイプ 23には、これと同心姿勢の刈取入力軸 28が内蔵されている。刈取入力軸 28の先端部は、刈取入力パイプ 23の先端力も外向き (左右中央側）に突出しており、この突出端部に刈取入力プーリ 29が固着されている。刈取入力プーリ 29とミッシヨンケース 12の動力伝達軸に固着されたプーリ（図示せず）とには、動力伝達用のベルト 30が巻き掛けられて!/、る。

[0044] エンジン 11からミッションケース 12を経由した動力は、ミッションケース 12の動力伝達軸から、プーリ 29及びベルト 30伝動系を介して、刈取入力パイプ 23内の刈取入力軸 28に伝達され、この刈取入力軸 28から刈取前処理装置 3の各装置 13〜15に動力伝達される。

[0045] 刈取入力パイプ 23の中途部と鉛直支軸 21の下端部との間には、刈取入力パイプ 23と鉛直支軸 21との剛性を高めるための筋交いアーム 31が配置されている。

[0046] 筋交いアーム 31は、鉛直支軸 21の下端部から離れるに連れて高さが高くなるように傾斜しており、上端部は刈取入力パイプ 23の中途部に固定されている。筋交いァーム 31の下端部には、平面視で左右外向きコ字状のブラケット部材 32が設けられており、このブラケット部材 32が鉛直支軸 21に対して半径外側力も嵌っている。

[0047] なお、ブラケット部材 32の内部には、鉛直支軸 21の外周面に当たるスライダ（図示せず）が設けられており、このスライダの存在にて、ブラケット部材 32は鉛直支軸 21 の外周面に沿ってスムーズに滑り回動（摺動回動）できる。

[0048] 刈取入力パイプ 23における先端部寄りの箇所には、当該刈取入力パイプ 23に固着されたギヤボックス 33を介して、前方斜め下向きに延びる縦伝動パイプ 34が取り付けられている。従って、刈取入力パイプ 23と縦伝動パイプ 34とは鉛直支軸 21回りに水平回動可能になっており、且つ、縦伝動パイプ 34は刈取入力パイプ 23を中心にして上下方向に回動可能になって、る。

[0049] 縦伝動ノイブ 34の長手中途部には軸受けリブ 35が下向きに突設されており（図 3 参照）、この軸受けリブ 35には、油圧シリンダ 36のピストンロッドが左右横長のピン 37 にて連結されている。詳細は図示していないが、油圧シリンダ 36の後端部は機体フレーム 20にピンにて回動可能に連結されて、る。

[0050] なお、刈取部 3を開き回動させる場合は、前提の作業として、油圧シリンダ 36と縦伝動パイプ 34とを連結しているピン 37を抜き外すと共に、ミッションケース 12側のプーリと刈取入力プーリ 29とに巻き掛けられたベルト 30を外すことになる。

[0051] 縦伝動パイプ 34の下端に設けられた横長の横伝動パイプ 38 (図 3参照）には、前向きに突出した複数本の分草フレーム 39が横伝動パイプ 38の長手方向に沿って適宜間隔で並設されている。これら分草フレーム 39の下方にバリカン式の刈刃装置 13 が設けられている。各分草フレーム 39の先端部には分草体 16が突設されている。

[0052] 図 3に詳細に示すように、横伝動パイプ 38の両端部には、縦フレームとしての縦状パイプ 40が前方斜め上向きに延びるように立設されており、これら両縦状パイプ 40 間には、横長の引起伝動パイプ 41が横架されている。

[0053] 引起伝動パイプ 41には、メ IJり取り条数に合わせた数 (本実施形態では 4本)の引起駆動ケース 42が下向きに突設されている。これら引起駆動ケース 42は、引起伝動パイブ 41の長手方向（走行機体 1の横幅方向）に沿って適宜間隔で並んでいる。

[0054] なお、引起伝動パイプ 41の中途部と縦伝動ノイブ 34の上端部とは、上向き凸の湾曲状に形成された湾曲フレーム 43にて連結されている。

[0055] 各引起駆動ケース 42の下方には、圃場に植立した未刈穀稈を引き起こすための穀稈引起装置 14が配置されている。穀稈引起装置 14は、分草体 16を介して取り込んだ未刈穀稈を起立させる引起タインを有する縦長の引起ケース 50と、当該各引起ケース 50の後方下部に配置されたスターホイル 51及び搔き込みベルト 52とを備えている。

[0056] 引起ケース 50の上端部は引起駆動ケース 42の下端部に取り付けられており、引起ケース 50の下端部は、その近傍に位置する分草フレーム 39に立設された分岐フレーム 44にて支持されている。スターホイル 51及び搔き込みベルト 52は、これらの組に対応する弓 I起ケース 50の弓 I起タインにて引き起こされた未刈穀稈の株元部を後方に搔き込むためのものである。スターホイル 51及び搔き込みベルト 52にて搔き込まれた未刈穀稈の株元部はバリカン式の刈刃装置 13にて切断される（刈り取られる)。

[0057] 穀稈引起装置 14とフィードチェン 5の始端部との間には、刈刃装置 13にて刈り取られた刈取穀稈をフィードチェン 5に向けて挟持搬送するための穀稈搬送装置 15が配置されている。

[0058] 図 3及び図 4に詳細に示すように、穀稈搬送装置 15は、右 2条分の刈取穀稈を左斜め後方に搬送する右下部搬送チン 53と、左 2条分の刈取穀稈を右斜め後方に搬送してその株元部を右下部搬送チン 53の送り終端部近傍に合流させる左下部搬送チン 54と、 4条分の刈取穀稈の穂先部を寄せ集めながら左斜め後方に搬送する上部搬送タイン 55と、右下部搬送チン 53の送り終端部近傍にて合流した 4条分の刈取穀稈の株元部をフィードチェン 5に向けて後ろ斜め上方に搬送する縦搬送装置としての縦搬送チェン 56と、縦搬送チェン 56とフィードチェン 5との間で刈取穀稈の株元部 (より詳しくは株元寄りの中途部）の搬送を中継する補助搬送装置としての補助搬送チェン 57とを備えて、る。補助搬送チェン 57の送り側と対畤する箇所には、 4条分の刈取穀稈の株元部を補助搬送チン 57と共に挟持するための挟持ガイド部材 60が配置されている（図 1及び図 3参照)。

[0059] この場合、上部搬送タイン 55と縦搬送チェン 56と補助搬送チェン 57とは、側面視で上から、上部搬送タイン 55、補助搬送チェン 57、縦搬送チェン 56の順に並べて配置されている。更に詳述すると、補助搬送チン 57は、上部搬送タイン 55の後端部と縦搬送チェン 56の後端部とにより上下から挟まれている。補助搬送チェン 57の送り終端部は、フィードチェン 5との刈取穀稈の受け渡しをスムーズに行うために、フィードチェン 5の始端部に近接させて、る（図 3及び図 4参照)。

[0060] 縦搬送チェン 56にて横倒しの姿勢で送られてきた 4条分の刈取穀稈の株元部は、補助搬送チェン 57及び挟持ガイド部材 60にて挟持搬送され、フィードチェン 5の始端部に受け継がれる。そして、フィードチェン 5に受け継ぎ搬送された刈取穀稈の穂先部が脱穀部 4における扱室内の扱胴 17にて脱穀処理される。

[0061] 実施形態では、刈取入力パイプ 23内の刈取入力軸 28に伝達された動力が、縦伝動パイプ 34内の縦伝動軸を介して、横伝動パイプ 38内の横伝動軸に伝達されるように構成されている。そして、この横伝動軸力もの動力伝達にて、引起ケース 50の引起タイン、スターホイル 51、搔き込みベルト 52、左右の下部搬送チェン 53, 54、及び刈刃装置 13が駆動するように構成されて、る。

[0062] 縦伝動パイプ 34内の縦伝動軸に伝達された動力の一部は、縦伝動軸の中途部に設けられたべベルギヤ機構を介して、前方斜め上向きに延びる縦搬送駆動軸 58 (図 3参照）に分岐して伝達され、この縦搬送駆動軸 58からの動力伝達にて、縦搬送チェン 56が駆動するように構成されて！、る。

[0063] 一方、刈取入力軸 28に伝達された動力の一部は、当該刈取入力軸 28の中途部に設けられたべベルギヤ機構を介して、右斜め上向きに延びる搬送駆動軸 59 (図 3及び図 5参照）に分岐して伝達されるように構成されている。搬送駆動軸 59からの動力は、上部搬送タイン 55を駆動させると共に、補助搬送チェン 57を駆動させるように構成されている。 [0064] 図 3に示すように、刈取部 3の前部のうちフィードチン 5寄りの一側方（実施形態では左側方）に位置した縦状パイプ 40の長手中途部には、前後に長い丸パイプ製の支持フレーム 45の前端部が取り付けられている。支持フレーム 45は、側面視で上向き凸状に湾曲又は屈曲した形態に形成されており、支持フレーム 45の後端部は、フイードチェン 5の前方で且つ補助搬送チェン 57より上方に位置して、る。この支持フレーム 45の後端部に、補助搬送チェン 57の送り側と対畤して 4条分の刈取穀稈の株元部を補助搬送チェン 57と共に挟持するための挟持ガイド部材 60が吊支されて!ヽる。

[0065] 支持フレーム 45の中途部には、弾性を有する長板ばね製の株元押え部材 61が、挟持ガイド部材 60の下方を通って後ろ向きに延びるように取り付けられている。株元押え部材 61は、縦搬送チェン 56及び補助搬送チェン 57にて搬送されてきた刈取穀稈の株元部をフィードチェン 5に向けて案内（ガイド)して、当該フィードチェン 5の始端部に到着した株元部を上方力押え付けるためのものである。実施形態の株元押ぇ部材 61は、刈取穀稈の多寡に応じてフィードチェン 5の始端部に接離する方向に弾性変形するように構成されて、る。

[0066] なお、図 1に示すように、支持フレーム 45には、刈取穀稈の穂先部を検出するための扱ぎ深さセンサ 62を吊支するための逆 U字状のセンサーパイプ 63も取り付けられている。図 3では、扱ぎ深さセンサ 62とセンサーパイプ 63との図示を省略している。

[0067] (3) .機体フレームの詳細及びその補強構造

次に、図 4〜図 6を参照しながら、機体フレームの詳細とその補強構造とについて説明する。

[0068] 走行機体 1の機体フレーム 20は、適宜間隔で左右並列状に配置された前後長手の桁部材 91の複数本と、適宜間隔で前後並列状に配置された左右長手の梁部材 9 2の複数本とを、平面視略格子状に連結してなるものである。

[0069] 以下の説明では、機体フレーム 20のうち進行方向左端に位置した桁部材 91から右方への並び順に、第 1桁部材、第 2桁部材、第 3桁部材* · ·と称し、それぞれの符号には並び順に対応したアルファベットを付して、る（例えば第 1桁部材の符号は 91 a、第 2桁部材の符号は 9 lb等)。 [0070] また同様に、機体フレーム 20のうち進行方向前端に位置した梁部材 92から後方への並び順に、第 1梁部材、第 2梁部材、第 3梁部材' · ·と称し、それぞれの符号には並び順に対応したアルファベットを付している（例えば第 1梁部材の符号は 92a、第 2 梁部材の符号は 92b等)。

[0071] 機体フレーム 20のうち左端に位置した第 1桁部材 91aと前端に位置した第 1梁部材 92aとが交差する箇所 (機体フレーム 20の左前コーナ部）には、下向き開口略箱型の刈取架台 93が溶接等にて固着されている。実施形態では、この刈取架台 93上に、刈取部 3を水平回動可能に支持する鉛直支軸 21が立設されている。なお、実施形態の補強プレート 24は、鉛直支軸 21における後面側の上下中途部位と刈取架台 9 3の上面後部との間に溶接等にて固着されている。

[0072] 一方、刈取部 3が閉じ状態のときに刈取入力パイプ 23の軸受け部材 25を下方から支持する支柱部材 26は、第 1桁部材 91aより左右内側に位置した第 2桁部材 91bと第 1梁部材 92aとが交差する箇所に立設されている。

[0073] 機体フレーム 20における鉛直支軸 21の立設箇所 (実施形態では刈取架台 93)と支柱部材 26との間には、角筒状に形成された第 1補強フレーム 94が配置されている。第 1補強フレーム 94は、刈取架台 93 (又は鉛直支軸 21)から離れるに連れて高さが高くなるように傾斜しており、その一端部（実施形態では左端部）は、刈取架台 93 における支柱部材 26に近、方の側板部 93aに溶接等にて固着されて、る。第 1補強フレーム 94の他端部（実施形態では右端部）は支柱部材 26のうち刈取架台 93に面した側板部 26aの上下中途部位に溶接等にて固着されている。換言すると、刈取架台 93と支柱部材 26とは、刈取架台 93から支柱部材 26に向けて正面視で斜め上向きに傾斜した第 1補強フレーム 94にて連結されているのである。

[0074] また、第 2桁部材 91bを挟んで第 1桁部材 91aの反対側に位置した第 3桁部材 91c と支柱部材 26との間には、角筒状に形成された第 2補強フレーム 95が配置されている。第 2補強フレーム 95は、支柱部材 26から離れるに連れて高さが低くなるように傾斜しており、その一端部（実施形態では左端部）は、支柱部材 26における第 3桁部材 91cに面した側板部 26bの上下中途部位に溶接等にて固着されている。第 2補強フレーム 95の他端部（実施形態では右端部）は、第 3桁部材 91cに溶接等にて固着されている。すなわち、支柱部材 26と第 3桁部材 91cとは、支柱部材 26から第 3桁部材 91 cに向けて正面視で斜め下向きに傾斜した第 2補強フレーム 95にて連結されているのである。

[0075] 実施形態の第 1及び第 2補強フレーム 94, 95は、平面視において互いに直列状に並んでおり、この並び方向は各梁部材 92と平行状になるように設定されている（図 4 及び図 6参照)。

[0076] 刈取部 3が鉛直支軸 21回りに開き回動して片持ち梁の状態になったときは、鉛直支軸 21に刈取部の重量に起因した前倒れモーメントが作用する。この前倒れモーメントにより、機体フレーム 20における鉛直支軸 21の立設箇所 (刈取架台 93の箇所）には、鉛直支軸 21を沈ませる方向の負荷（下向き荷重）が集中的に作用する。このため、鉛直支軸 21や刈取架台 93の箇所 (機体フレーム 20の前コーナ部）はできるだけ頑丈な構造にする必要があるが、むやみに当該箇所のフレーム等を厚肉化したり、多くの補強部材を追加したりしたのでは、鉛直支軸 21や刈取架台 93の箇所の剛性向上は図れても、同時にコストの上昇も招来するため、近年高まっているコストダウンの要請にそぐわないと言う問題があった。

[0077] この点、実施形態では、機体フレーム 20における鉛直支軸 21の立設箇所 (刈取架台 93の箇所）と支柱部材 26とを、刈取架台 93から支柱部材 26に向けて正面視で斜め上向きに傾斜した第 1補強フレーム 94にて連結しているから、第 1補強フレーム 94 が機体フレーム 20における鉛直支軸 21の立設箇所の剛性を補完するための強度メンバーとして機能し、前記立設箇所に掛カる下向き荷重の一部は第 1補強フレーム 9 4に分散することになる。すなわち、第 1補強フレーム 94にて、前記立設箇所に掛かる下向き荷重の一部を支える（受ける）ことができる。

[0078] このため、機体フレーム 20や刈取架台 93自体の剛性を厚肉化等にて高めたりしなくても、 1本の補強フレーム 94を追加するだけで、前記立設箇所に掛カる下向き荷重に対する支持強度を向上でき、その結果、開き回動した刈取部に対する支持安定性を向上できるのである。

[0079] 一方、機体フレーム 20における鉛直支軸 21の立設箇所と支柱部材 26を第 1補強フレーム 94にて連結した場合において、刈取部 3を鉛直支軸 21回りに開き回動させると、支柱部材 26には、第 1補強フレーム 94があるために、刈取架台 93へ向けて倒れ込む方向に引っ張る引張り力が作用することになる。

[0080] これに対して実施形態では、第 2桁部材 91bを挟んで第 1桁部材 91aの反対側に位置した第 3桁部材 91cと支柱部材 26とを、支柱部材 26から第 3桁部材 91cに向けて正面視で斜め下向きに傾斜した第 2補強フレーム 95にて連結しているから、当該第 2補強フレーム 95の存在により、前記引張り力に杭して支柱部材 26を支持できる。

[0081] このため、支柱部材 26、ひいては、機体フレーム 20における鉛直支軸 21の立設箇所に掛カる負荷 (下向き荷重）に対する支持強度の向上効果をより一層助長できるのである。

[0082] (4) .ストッパー機構の構成

次に、図 5〜図 8を参照しながら、刈取部の下向き回動を規制するための構成について説明する。

[0083] 前述の通り、実施形態の刈取入力パイプ 23は、平面視において鉛直支軸 21より前方にオフセットした状態で配置されている（図 3、図 4及び図 6参照)。平面視において刈取入カノイブ 23と鉛直支軸 21上のホルダ部材 22とで挟まれた箇所には、刈取部 3の刈取入力パイプ 23回りの下向き回動を規制するためのストッパー機構 70が配置されている。

[0084] ストッパー機構 70は、ホルダ部材 22における刈取入力パイプ 23に近い方の側面上部に一体的に設けられた受け部 71と、刈取入力パイプ 23におけるホルダ部材 22 寄りの部位に設けられた案内ブロック部 72にて、刈取入力パイプ 23の長手方向に沿つてスライド可能に支持された水平スライド式のストッパー部材 74とを備えている。

[0085] 実施形態の受け部 71は、ホルダ部材 22における刈取入力パイプ 23に近い方の側面上部から、刈取入力パイプ 23の長手方向に沿うように（半径外向きに）突出しており、且つ、刈取入力パイプ 23の背面側に位置している。受け部 71はホルダ部材 22 に一体的に設けられているため、刈取入力パイプ 23と共に鉛直支軸 21回りに水平回動可能である。

[0086] 案内ブロック部 72は、刈取入力パイプ 23におけるホルダ部材 22寄りの背面に一体的に設けられたものである。この案内ブロック部 72は、側面視で後ろ向き開口コ字状の形態になっている。力かる形態から明らかなように、案内ブロック部 72には、後ろ向きに開口した凹溝 73が刈取入力パイプ 23の長手方向に沿って延びるように形成されている。凹溝 73の側断面 (縦断面)形状は略矩形状に設定されている（図 7参照）

[0087] ストッパー部材 74は案内ブロック部 72の凹溝 73にスライド可能に嵌め込まれている。実施形態のストッパー部材 74は、凹溝 73内をガタ付きなくスライドし得るように角柱状に形成されている。すなわち、ストッパー部材 74は、凹溝 73の縦断面形状と略相似形の矩形断面を有するブロック状に形成されていて、凹溝 73内をほとんど隙間なしでスライド可能に嵌るように構成されて！ヽる。

[0088] 図 8に示すように、案内ブロック部 72とホルダ部材 22の受け部 71との間には、適宜間隔の隙間 Gを開けており、刈取入力パイプ 23がその軸心回りに回動したとき (刈取部 3の昇降回動時）に、案内ブロック部 72と受け部 71とが互いに接触しない（干渉しない）ように構成されている。

[0089] また、受け部 71の下面 71a (当接面）は刈取入力パイプ 23の軸心と平行状に広がる平坦面になっている。実施形態では、刈取部 3を所定の高さ位置 (例えば上限位置等)まで上昇回動させたときに、刈取入力パイプ 23側の案内ブロック部 72とホルダ部材 22側の受け部 71とが対畤し、この状態でストッパー部材 74を凹溝 73におけるホルダ部材 22寄りの開口端力突出したロック位置（図 6及び図 8の二点鎖線状態参照）にすると、受け部 71における平坦な下面 71aにストッパー部材 74の上面 74aが密接（当接)するように、案内ブロック部 72の凹溝 73とストッパー部材 74と受け部 71 との関係が設定されている。

[0090] 案内ブロック部 72の外面 (背面）には、凹溝 73における横長の後ろ向き開口を後方力も覆う金属薄板製のカバープレート 75がボルトにて固定されている。カバープレート 75のうち凹溝 73と重なる箇所には、凹溝 73に沿って延びるガイド溝穴 76が形成されている。凹溝 73内のストッパー部材 74には、ガイド溝穴 76を介して切り替え保持手段としてのノブネジ 77がねじ込まれて!/、る。

[0091] ガイド溝穴 76の長手方向の両端にノブネジ 77の軸部がつかえることにより、ストツパー部材 74は、受け部 71に下方から当接するロック位置（図 6及び図 8の二点鎖線状態参照）と、当接せずにカバープレート 75にてほとんど隠れるフリー位置（図 6及び図 8の実線状態参照）とに選択的に保持されるように構成されている。

[0092] すなわち、ストッパー部材 74は、ノブネジ 77の存在により、案内ブロック部 72の凹溝 73から抜け不能で、且つ、凹溝 73に沿ってスライド可能に保持されている。そして、ストッパー部材 74の凹溝 73に沿ってのスライドストロークは、ガイド溝穴 76の長手方向の両端にノブネジ 77の軸部が当たることによって規制されている。

[0093] 従って、ノブネジ 77を緩めた状態では、ストッパー部材 74が凹溝 73に沿ってスライドし得る一方、ノブネジ 77を締め付けると、ストッパー部材 74が位置固定されることになる。

[0094] ストッパー部材 74をフリー位置に保持した状態では、ストッパー部材 74は凹溝 73 におけるホルダ部材 22寄りの開口端力も突出せず、ホルダ部材 22の受け部 71に接触しない。このため、刈取入力パイプ 23自身の軸心回りの回動、ひいては刈取入力ノイブ 23を回動中心とした刈取部 3の昇降回動が許容される。

[0095] 一方、刈取部 3を所定の高さ位置 (例えば上限位置等)まで上昇回動させた状態で、ストッパー部材 74をロック位置に保持したときは、ストッパー部材 74が凹溝 73におけるホルダ部材 22寄りの開口端力も突出して、受け部 71における平坦な下面 71aにストッパー部材 74の上面 74aが密接（当接)する。

[0096] このため、刈取入力パイプ 23は、その軸心回りに下向き回動しょうとしても、ストッパ一部材 74がホルダ部材 22の受け部 71に引っ掛力つて下向き回動できず、その結果、刈取部 3が所定の高さ位置で維持されるのである。

[0097] 以上の構成によると、刈取入力パイプ 23におけるホルダ部材 22寄りの部位に、ホルダ部材 22に形成された受け部 71に下方から当接して刈取部 3を下降回動不能に保持するストッパー部材 74力刈取入力パイプ 23の長手方向に沿ってスライド可能に設けられているから、刈取部 3を鉛直支軸 21回りに開き回動させたときに、何らかの振動等で刈取部 3が不用意に縦揺れしたり浮き上がったりしても、特許文献 1に記載のロック部材に比べて水平スライド式のストッパー部材 74がロック位置力位置ずれするおそれは少ない。し力も、実施形態ではノブネジ 77にてストッパー部材 74を位置固定できる。 [0098] このため、刈取部 3が下限まで下向き回動するのを確実に阻止でき、開き回動した刈取部 3が地面に衝突して変形したり破損したりするのを未然に防止できる。

[0099] また、前述の通り、ノブネジ 77にてストッパー部材 74を位置固定できるから、刈取部 3を開き回動させていない通常の閉じ状態で、ストッパー部材 74がホルダ部材 22 の受け部 71に引っ掛力つたり、刈取部 3が開き回動した状態で、受け部 71からストッパー部材 74が離れたりするのを確実に防止でき、安全性を向上できる。

[0100] ところで、開き回動した刈取部 3は片持ち梁の状態になる力刈取部 3は相当の重量があるから、刈取入力パイプ 23と鉛直支軸 21上のホルダ部材 22との連結部には、大きな前倒れモーメントが生ずる。そして、ロック位置にあるストッパー部材 74とホルダ部材 22に一体成形された受け部 71との当接箇所には、前倒れモーメントによる負荷 (荷重)が作用することになる。

[0101] これに対して実施形態では、ストッパー部材 74を角柱状に形成する一方、受け部 7 1の下面 71aをストッパー部材 74の上面 74aに当接し得る平坦面に設定しているから、ロック位置にあるストッパー部材 74と受け部 71とは面接触することになる。

[0102] このため、ストッパー部材 74と受け部 71との接触面積を広く確保でき、刈取部 3の重量に起因してストッパー部材 74と受け部 71とに掛カる負荷を確実に受け止めできる。従って、開き回動した刈取部 3に対する支持安定性を向上できる。

[0103] また、刈取入力パイプ 23におけるホルダ部材 22寄りの部位に、ストッパー部材 74 力 Sスライド可能に嵌る凹溝 73を有する側面視後ろ向き開口コ字状の案内ブロック部 7 2がー体的に設けられているから、ストッパー部材 74を挟持する案内ブロック部 72が、ストッパー部材 74の剛性を補完するための強度メンバーとして機能し、ストッパー部材 74に作用する負荷を案内ブロック部 72に分散できる。

[0104] このため、ストッパー部材 74に必要以上の負荷がかかるのを抑制して、ストッパー部材 74が破損したり変形したりするおそれを低減でき、開き回動した刈取部 3に対する支持安定性を向上させる効果を助長できるのである。

[0105] (5) .ストッパー機構の別例

次に、図 9〜図 11を参照しながら、刈取部の下向き回動を規制するストッパー機構の別例について説明する。ここで、当該別例において構成及び作用が先の実施形態と変わらないものは、先の実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。

[0106] この場合、機体フレーム 20の前部一側方に立設された鉛直支軸 2 は中空筒状に形成されており、この鉛直支軸 2 の上端部に、铸鉄製等のホルダ部材 22' が上向き抜け不能で且つ水平回動可能に差し込み装着されている。ホルダ部材 22' には、横長の刈取入力パイプ 23がその軸心回り（上下方向）に回動可能な状態で軸支されている。刈取入力パイプ 23は、鉛直支軸 21/ の上方に、ほとんどオフセットしな、状態で配置されて、る（図 9及び図 11参照)。

[0107] ホルダ部材 22' は、上向き開口半割り状の下ホルダ軸受け部 22a' と、この下ホルダ軸受け部 22aにボルトにて固定された下向き開口半割り状の上ホルダ軸受け部 22b' とを備えている。これら上下のホルダ軸受け部 22a' , 22b' が刈取入力パイプ 23の基端部 (鉛直支軸 21' に近い側の端部）を回動可能に軸支している。

[0108] ホルダ部材 22' と刈取入カノィプ 23との間には、別例としてのストッパー機構 70 ' が配置されている。ストッパー機構 70' は、刈取入力パイプ 23の上面側に一体的に設けられた受け部 71' と、ホルダ部材 22' (より詳しくは上ホルダ軸受け部 221/ )に設けられた案内ブロック部 72' にて、刈取入力パイプ 23の長手方向に沿ってスライド可能に支持された水平スライド式のストッパー部材 74' とを備えて!/、る。

[0109] この別例では、刈取入力パイプ 23におけるホルダ部材 22' 寄りの上部に、ベベルギヤ機構（図示せず)及び搬送駆動軸 59を内蔵するカバーケース 80' がー体的に設けられている。そして、カバーケース 80' のうち半径外向きに突出したフランジ部を、受け部 71' として利用している。

[0110] 案内ブロック部 72' は、ホルダ部材 22' の上ホルダ軸受け部 221/ 上に一体的に設けられたものであり、上向き開口コ字状の形態になっている。かかる形態から明らかなように、案内ブロック部 72^ には、上向きに開口した凹溝 73' が刈取入力パイブ 23の長手方向に沿って延びるように形成されている。凹溝 7 の側断面 (縦断面)形状は略矩形状に設定されている（図 11参照)。ストッパー部材 74' は案内プロック部 72^ の凹溝 73^ にスライド可能に嵌め込まれている。この場合のストッパー部材 74' も、先の実施形態と同様に、凹溝 73' 内をガタ付きなくスライドし得るように角柱状に形成されている。

[0111] 案内ブロック部 72^ の外面（上面）には、凹溝 7 における横長の上向き開口を上方力も覆う金属薄板製のカバープレート 75^ がボルトにて固定されている。カバープレート 7 のうち凹溝 7 と重なる箇所には、凹溝 73' に沿って延びるガイド溝穴 76' が形成されている。凹溝 73' 内のストッパー部材 74' には、ガイド溝穴 76 ' を介して切り替え保持手段としてのノブネジ 77' がねじ込まれている。ノブネジ 77 ' によるストッパー部材 74' の位置保持の態様は、先の実施形態の場合と同様である。

[0112] ストッパー部材 74' をフリー位置（図 9及び図 10の二点鎖線状態参照）に保持した状態では、ストッパー部材 74' が刈取入力パイプ 23側の受け部 71' (フランジ部）に接触せず、刈取入力パイプ 23自身の軸心回りの回動、ひいては刈取入力パイプ 2 3を回動中心とした刈取部 3の昇降回動が許容される。

[0113] 一方、刈取部 3を所定の高さ位置 (例えば上限位置等)まで上昇回動させた状態で、ストッパー部材 74' をロック位置（図 9及び図 10の実線状態参照）に保持したときは、ストッパー部材 74' が刈取入力パイプ 23側の受け部 71/ (フランジ部）に下方力当接し、刈取入力パイプ 23の下向き回動を阻止する結果、刈取部 3が所定の高さ位置で維持されるのである。

[0114] 以上のように、ストッパー部材 74' を鉛直支軸 2 側（ホルダ部材 22' )に設ける一方、ストッパー部材 74' に対する受け部 71' を刈取入力パイプ 23側に設けた場合においても、ストッパー部材 74' の規制にて、刈取部 3が下限まで下向き回動するのを阻止して、開き回動した刈取部 3が地面に衝突して変形したり破損したりするのを未然に防止できる。すなわち、別例としてのストッパー機構 70' の構成でも、第 1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。

[0115] また、この場合は、案内ブロック部 7^ 力鉛直支軸 2 側のホルダ部材 22' に一体的に設けられることによって、ストッパー部材 74' の剛性を補完するための強度メンバーとして機能する。従って、先の実施形態の場合と同様に、ストッパー部材 74 ' に作用する負荷を案内ブロック部 72' に分散して、ストッパー部材 74' に必要以上の負荷がかかるのを抑制でき、結果的に、開き回動した刈取部 3に対する支持安定性を向上させる効果を助長できるのである。

本願発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなぐ本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。

Claims

請求の範囲

[1] エンジン及び脱穀部が搭載された走行機体と、前記走行機体の前部に配置された刈取部とを備えており、前記刈取部は、前記走行機体の前部のうち左右一側方に立設された鉛直支軸と、当該鉛直支軸から横向きに突出した水平支軸とを有しており、前記刈取部は、前記水平支軸を回動中心として昇降回動可能で、且つ、前記鉛直支軸を回動中心として前記水平支軸と共に水平回動可能に構成されているコンバインであって、

前記水平支軸における前記鉛直支軸寄りの部位と前記鉛直支軸とのうちいずれか一方には、他方に形成された受け部に当接して前記刈取部を下降回動不能に保持するためのストッパー部材が、前記水平支軸の長手方向に沿ってスライド可能に設けられてヽることを特徴とするコンノイン。

[2] 前記ストッパー部材を、前記受け部に当接するロック位置と、当接しないフリー位置とに選択的に保持するための切り替え保持手段を更に備えていることを特徴とする請求項 1に記載したコンノイン。

[3] 前記ストッパー部材は角柱状に形成されている一方、前記受け部における前記ストツバ一部材との当接面が平坦面に形成されていることを特徴とする請求項 1又は 2に記載したコンバイン。

[4] 前記受け部は、前記鉛直支軸に、前記水平支軸の背面側で前記水平支軸の長手方向に突出するように設けられており、且つ、前記鉛直支軸を回動中心として前記水平支軸と共に水平回動可能に構成されて!、る一方、

前記水平支軸における前記鉛直支軸寄りの部位には、前記ストッパー部材がスライド可能に嵌る凹溝を有する側面視後ろ向き開口コ字状の案内ブロック部が一体的に設けられていることを特徴とする請求項 1〜3のうちいずれかに記載したコンノイン。

[5] 前記受け部は、前記水平支軸の長手方向に突出するようにして、前記水平支軸の上面側に設けられている一方、

前記鉛直支軸の上部には、前記水平支軸をその軸心回りに回動可能な状態で軸支するホルダ部材が、前記鉛直支軸を回動中心として前記水平支軸と共に水平回動可能に取り付けられており、前記ホルダ部材には、前記ストッパー部材がスライド可能に嵌る凹溝を有する上向き開口コ字状の案内ブロック部が一体的に設けられていることを特徴とする請求項 1 〜3のうちいずれかに記載したコンバイン。