JPH0656830A - (r,s)−3−キヌクリジノールのエナンチオメリックな濃縮法 - Google Patents

(r,s)−3−キヌクリジノールのエナンチオメリックな濃縮法

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JPH0656830A
JPH0656830A JP5110461A JP11046193A JPH0656830A JP H0656830 A JPH0656830 A JP H0656830A JP 5110461 A JP5110461 A JP 5110461A JP 11046193 A JP11046193 A JP 11046193A JP H0656830 A JPH0656830 A JP H0656830A
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ester
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acid anhydride
lower fatty
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JP5110461A
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David C Muchmore
シー マッチモア デビッド
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単で、効率のよい、安価なキラルキヌクリ
ジノール及びその誘導体をエナンチオメリカリに濃縮す
る。 【構成】 アルコールの酸無水物エステル化、続いて、
スブチリシン プロテアーゼを用いた優先的な酵素加水
分解を含んでなる3−キヌクリジノールのエナンチオメ
ックな濃縮法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(R,S)−3−キヌ
クリジノールのエナンチオメリックな濃縮法に関する。
【0002】
【従来の技術】3−キヌクリジノールのエステルは、こ
の構造を下記に示すが、アセチルコリンの官能基を有
し、ムスカリン性及び反ムスカリン性の活性を有するこ
とが知られている。
【0003】
【化1】
【0004】生体活性なキヌクリジノール誘導体はキラ
ル中心を有し、そこで特異性を改良し副作用を減ずるた
めに、エナンチオメリカリに濃縮された又は純粋な形で
あることをしばしば強く要望される。従って、光学的に
高純度のキヌクリジノール調製に大きな関心が寄せられ
る。
【0005】3−キヌクリジノール誘導体のラセミ体混
合物の分割が報告された。Rehavi氏等は 1977 年21「ラ
イフ サイエンス (Life Sciences)」 1293 において、
ウマ血清からのブチリルコリン エステラーゼにより
(R)−3−キヌクリジノールブチラートの酵素−触媒
加水分解を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、R−ア
ルコールを得るための(R)−エステルのエナンチオマ
ー選択性(enantioselective) 加水分解は非常に遅く
(約10時間)、回収量も少なく、R−エナンチオマー
の比較的低いエナンチオメリックな濃縮に終り、非常に
高価な酵素を必要とした。
【0007】簡単で効率のよい、高価でない、キラルキ
ヌクリジノール及びその誘導体をエナンチオメリカリに
濃縮する方法の技術的要請が未だにあった。この必要性
及びその他のことは本発明の方法により満たされ、これ
を以下に詳細にまとめ、説明した。
【0008】
【課題を解決するための手段】ラセミ体の3−キヌクリ
ジノールは、これを酸無水物と単純に混合し、次いで、
スブチリシン プロテアーゼで(s)−エステルを選択
的に酵素的に加水分解し、所望のエナンチオマー又はそ
のエステルを分離することによりエナンチオメリカリに
濃縮できることがわかった。
【0009】本発明によると、ラセミ体混合物を酸無水
物でアシル化し、次いでエナンチオマー選択性プロテア
ーゼで触媒して加水分解し、所望のエナンチオマー又は
そのエステルを分離することからなる(R,S)−3−
キヌチリジノールをエナンチオメリカリに濃縮する方法
を提供する。この触媒はスブチリシン プロテアーゼで
あり、アシル化剤はプロパン酸無水物、ブタン酸無水
物、ペンタン酸無水物及びヘキサン酸無水物から選択さ
れる低脂肪酸無水物である。
【0010】「エナンチオメリックな濃縮」の言葉は、
一方のエナンチオマーの量を他方に比べて増加させるこ
とをいう。エナンチオメリックな濃縮は、一方のキラル
型の量を他方に比べて増加又は減少させることによりで
きる。エナンチオメリックな濃縮を簡便に表現する方法
としてエナンチオメリック エクセス(「ee」)の概
念を用い、これは下式によって表わされる。
【0011】
【数1】 式中、E1は第1キラル型のアルコール(又はそのエス
テル)の量を示し、E2は第2キラル型の量を示す。こ
のように、2つのキラル型E1及びE2の初期比がラセ
ミ体混合物で50:50の場合、エナンチオメリックな
濃縮は最終のE1:E2比を75:25とするのに充分
達成でき、第1キラル型についてのeeは50%であ
り、下式により計算される。
【0012】
【数2】
【0013】図1の反応図はアシル化剤がブタン酸無水
物である場合の方法を図解する。(R,S)−3−キヌ
クリジノールの混合物をわずかに過剰の酸無水物と反応
させて、エステル塩を生成し、その後、これをわずかに
塩基性の溶液(5 wt %炭酸水素塩水溶液)中で触媒的
に加水分解する。加水分解は(s)−エナンチオマーに
対するエナンチオマー選択性であり、結果として、エテ
スル及び(R)−エナンチオマーの濃縮となり、(s)
−エナンチオマー中にアルコールが濃縮される。未反応
の(R)−エステルはpHをわずかに上げることにより
アルコールから分離でき、炭酸ナトリウムを溶液に添加
する場合は、全炭酸塩濃度を5wt%にする。これによ
り、ヘキサンのような炭化水素溶媒により抽出可能な
(R)−エステル((s)−キヌクリジノールではなく
て)が生成する。抽出の次に(R)−エステル(R)−
アルコールに対する従来法により加水分解できる。特に
好ましい加水分解法は塩基及びアルコール、好ましくは
水酸化ナトリウム及びメタノールの使用を含む。その
後、(s)−アルコールを、水からキヌクリジノールに
対して高い分配係数を有する溶媒を用いて溶媒抽出によ
り反応混合物から回収できる。このような溶媒で2つの
典型的な好ましいものはジクロロメタン及びクロロホル
ムである。
【0014】(s)−キヌクリジニル エステルの加水
分解に適当に使用できるスブチリシン プロテアーゼ
は、どんな菌属のメンバーにより生産されたものであっ
ても、すべてのプロテアーゼ及びその遺伝変異型を含
む。このようなプロテアーゼの典型的な源は、微生物で
あるスブチリス菌、アミロリキファシエンス菌及びリケ
ニホルミス菌を含む。スブチリシン カールスベルグ
は、多くの源から容易に利用できるので、好ましい酵素
である。
【0015】一般的な言葉では、本発明の方法は、酵素
を用いて、選択的に転移を行い、2つの相違する化学種
として2つのエナンチオマーを残して、その後従来の化
学分離法により分離できる。特に、(R)−エナンチオ
マーはエステルとしてとどまり、一方、(s)−エナン
チオマーはアルコールである(s)−3−キヌクリジノ
ールに転移する。エステルの溶解度がアルコールの溶解
度に比べて高いような抽出溶媒を選択する。このこと
は、高エナンチオマー エクセスの(R)−3−キヌク
リジノールを得るために重要である。というのは、エス
テルと共に抽出されたどのアルコールも不適当なエナン
チオマーだからである。従って、(R)−エステルを加
水分解する場合、このアルコールは(R)−キヌクリジ
ノールと化学的に区別できず、この存在により(R)−
アルコールのエナンチオマー エクセスがより低くな
る。
【0016】(s)−キヌクリジノールの単離を所望す
るならば、すべての(R)−エステルを除去し、その後
(s)−アルコールを抽出することが重要である。とい
うのは、エステルに対して優先的にアルコールが溶解す
る抽出溶媒を見つけるのが困難だからである。
【0017】
【実施例】28gのラセミ3−キヌクリジノールを 35.
0 gのブタン酸無水物に溶解し、この混合物を16時間
攪拌し、62.2gのブタン酸塩である3−キヌクリジニル
ブチラートを生成した。このエステル塩を 570mlの5wt
%炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解し、2.8 mlの Alcal
se 2.4L(デンマーツ、バクスバードのノボインダスト
リから得られるスブチリン カールスベルグ(Carlsber
q)の調製)を添加し、この混合物を室温(23±2°)に
て 3.5時間攪拌し、この時間の終期には、反応容器中に
(s)−キヌクリジニル ブチラート塩は残っていなか
った。
【0018】反応混合物を4℃に冷却し、27gの無水
炭酸ナトリウムを添加して全炭酸塩濃度を5wt%にし
た。こうしてできた反応混合物を、その後 6400 ml部分
の氷冷ヘキサンで抽出した。ヘキセン抽出物を合わせ
て、ヘキサンを減圧下で蒸留除去した。残留物を施光度
のサインにより(R)−エステル(R)−キヌクリジニ
ルブチラートとして確認した。
【0019】この方法で単離した(R)−エステルの 1
8.7 g部分を15mlのメタノールに溶解し、メチルアル
コール中の2mlの1M水酸化ナトリウム溶液で加水分解
した。メタノールを減圧下で蒸留除去し、残留物を沸騰
トルエン中に溶解した。熱いトルエン溶液を濾過し、そ
の後室温にまで放冷する。形成された結晶を集め収量、
比施光度、及びエナンチオメリック エスセス(ee)
を分解し、すべての結果を下表に示す。
【表1】
【0020】前の明細書で用いた言葉及び表現を本明細
書において、限定ではなく説明の言葉として用い、この
ような言葉及び表現の使用において示された及び記載さ
れた特徴又はその部分と同義であることを排除する意図
はない。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ限
定されることを認めるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の方法の反応図を示す模式図であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)(R,S)−3−キヌクリジノール
    の混合物を低級脂肪酸無水物でアシル化して、(R,
    S)−低級脂肪酸エステルを生成する段階; (b)スブチリシン プロテアーゼの存在下で、(s)
    −エステルを(s)−3−キヌクリジノールに優先的に
    加水分解する段階;及び (c)(s)−3−キヌクリジノール又は3−キヌクリ
    ジノールの(R)−低級脂肪酸エステルを分離する段階
    よりなることを特徴とする(R,S)−3−キヌクリジ
    ノールのエナンチオメリックな濃縮法。
  2. 【請求項2】 前記脂肪酸無水物が脂肪酸中に3〜6個
    の炭素原子を含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記脂肪酸無水物がブタン酸無水物であ
    る請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 3−キヌクリジノールの(R)−低級脂
    肪酸エステルの分離を溶媒抽出により行う請求項1記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 前記(R)−低級脂肪酸エステルの分離
    に続いて、これをアルコールに加水分解する請求項4記
    載の方法。
JP5110461A 1992-06-19 1993-05-12 (r,s)−3−キヌクリジノールのエナンチオメリックな濃縮法 Pending JPH0656830A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/901553 1992-06-19
US07/901,553 US5215918A (en) 1992-06-19 1992-06-19 Enantiomeric enrichment of (R,S)-3-quinuclidinol

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JPH0656830A true JPH0656830A (ja) 1994-03-01

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EP (1) EP0577253A3 (ja)
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KR (1) KR940000459A (ja)
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CA (1) CA2093890A1 (ja)

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US5215918A (en) 1993-06-01
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