JP3125448B2 - 光学活性2−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケン−1−オールの酵素を利用した製造法 - Google Patents

光学活性2−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケン−1−オールの酵素を利用した製造法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬、農薬の出発物質と
して有用な光学活性2−アルコキシカルボニル−2−シ
クロアルケン−1−オールの酵素を利用した製造法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】光学活性2−アルコキシカルボニル−2
−シクロアルケン−1−オールは、各種医薬、農薬など
の生理活性物質の出発物質として有用である。即ち、水
酸基とカルボキシル基の異なる二つの官能基を持ち、し
かもお互いが異性化によって対掌体に変換でき、目的と
する一方の立体のみを得ることが出来るものである。し
かしながら、本発明の下記の一般式(2)に示される化
合物は従来光学活性体が合成されておらず、その有用性
を充分評価することが出来なかった。
【0003】近年、酵素を利用した光学分割法による光
学活性体の製造法が多く報告されているが(例えば、U
SP05107039)、本発明の一般式(2)に示された化合
物を得る例は従来無かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこれらの
問題に鑑み、光学活性2−アルコキシカルボニル−2−
シクロアルケン−1−オールの両鏡像体を得るべく鋭意
研究を重ね、リパーゼ存在下、アシル化体を立体選択的
加水分解することを特徴とする製造法を見いだした。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【0006】
【化4】
【0007】(式中、R1、R2 はアルキル基を示し、
nは1または2を示す。)で表されるラセミ−2−アル
コキシカルボニル−1−アシルオキシ−2−シクロアル
ケンをリパーゼの存在下、立体選択的に加水分解するこ
とにより、一般式(2)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、*は不斉炭素を示し、R1はアル
キル基を示し、nは1または2を示す。)で表される光
学活性な2−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケ
ン−1−オールと一般式(3)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、*は不斉炭素を示し、R1、R2
はアルキル基を示し、nは1または2を示す。)で表さ
れる光学活性な2−アルコキシカルボニル−1−アシル
オキシ−2−シクロアルケンをそれぞれ得ることを特徴
とする光学活性2−アルコキシカルボニル−2−シクロ
アルケン−1−オールの製造法に関する。本発明の製造
法の反応経路は以下の式に示される。
【0012】
【化7】
【0013】本発明の出発物質であるジアルデヒド体
(5)は、例えばn=1のときは2,5−ジメトキシテ
トラヒドロフランとして購入し、酸で処理することによ
り得ることが出来る。n=2の場合は1,6ーヘキサン
ジオールを酸化するか、あるいはアジピン酸を還元する
ことにより、容易に入手することが出来る。ラセミ−2
−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケン−1−オ
ールに変換するには、ウイッティッヒ−ホルナー(Witt
ig-Horner)反応を用いることにより容易に得ることが出
来る(M. Graff, A. Al Dilaimi, P. Seguineau, M. Ra
mbaud, J. Villieras, Tetrahedron Lett., 24, 1577(1
986))。
【0014】得られたラセミ−2−アルコキシカルボニ
ル−2−シクロアルケン−1−オールを常法(例えばピ
リジン存在下、無水酢酸で処理するなど)でアシル化す
ることにより、目的とする出発物質であるラセミ−2−
アルコキシカルボニル−1−アシルオキシ−2−シクロ
アルケンを得ることができる。ラセミ−2−アルコキシ
カルボニル−1−アシルオキシ−2−シクロアルケンを
リン酸緩衝液(緩衝液/アセトン=9/1(v/v))に
濁あるいは溶解させ、リパーゼを室温で攪拌すること
により、鏡像異性体のどちらか一方が優先的に加水分解
反応され、光学活性な2−アルコキシカルボニル−2−
シクロアルケン−1−オールと光学活性な2−アルコキ
シカルボニル−1−アシルオキシ−2−シクロアルケン
を得ることが出来る。この場合、リパーゼは固定化され
たものでも良い。リン酸緩衝液はpH4〜9で、好まし
くはpH7〜8である。反応時間は処理量によって異な
るが、0.4 〜5日である。これらの分離方法としては例
えばカラムクロマトグラフィーによりそれぞれ鏡像体を
分離し得ることが可能である。
【0015】光学活性な2−アルコキシカルボニル−1
−アシルオキシ−2−シクロアルケンはさらにリン酸緩
衝液(緩衝液/アセトン=9/1(v/v))にリパーゼ
を加え加水分解反応させるか、あるいは常法により化学
的加水分解(例えば、水酸化ナトリウム溶液中攪拌、硫
酸存在下加熱攪拌など)することにより、光学活性な2
−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケン−1−オ
ールを得ることが出来る。この場合、リパーゼは固定化
されたものでも良い。リン酸緩衝液はpH4〜9で、好
ましくはpH7〜8である。
【0016】以上の製法に於て、緩衝液はリパーゼの反
応を阻害しないものであればその種類を問わない。リパ
ーゼは市販されているものが使用できる。例えば、リパ
ーゼPS、OF、AY、AK(以上、天野製薬製)、M
Y(名糖)、PPL(和光純薬)などがある。また、菌
体から直接使用することもできる。菌の種類としてはシ
ュードモナス、アルスロバクター、アルカリゲネス、ア
スペルギルス、クロモバクテリウム、カンジダ、ムコー
ル、リゾプスなどがある。また、動物の内臓から抽出す
ることも可能であり、例えば豚や、牛の肝臓から得るこ
とが出来る。この中で特に好ましくは、シュードモナス
菌由来のものである。
【0017】固定化坦体としてはクロモソルブ、セライ
ト、セルロース、カラギーナン、各種ポリマーなど、活
性を阻害しないものであれば良い。
【0018】
【発明の効果】以上説明した方法により、光学活性2−
アルコキシカルボニル−2−シクロアルケン−1−オー
ルが得られる。本化合物を得ることにより、例えば次に
示した合成経路によりジャスモネート、あるいは骨粗し
ょう症の治療薬として有効なビタミンD3の合成中間体
を製造することが可能になった。
【0019】
【化8】
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例によって制限されるもの
ではない。 実施例1 光学活性−2−エトキシカルボニルシクロペンタ−2−
エン−1−オールの合成 (±)−2−エトキシカルボニル−1−アセチルオキシ
−2−シクロペンタエン107mg (0.54mmol)を10%(v/v)
アセトン含有リン酸緩衝液5mlに混合し、これにリパー
ゼPS(天野製薬社製)11mgを加え、27℃で24時間振と
うした。リパーゼをセライトで濾別し、濾液をエーテル
抽出し、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧
下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、目的とするアルコール体とアシル体をそ
れぞれ分離して得た。
【0021】(+)−2−エトキシカルボニルシクロペ
ンタ−2−エン−1−オール 35.7mg(収率42.4%、100
%ee)、[α]D 30+34.2°(c0.85, CHCl3)、 (−)−2−エトキシカルボニル−1−アセチルオキシ
−2−シクロペンテン49.3mg(収率46.1%、93.4%ee) 光学純度はキラルセルOD(ダイセル社製)を用いて決定
した。
【0022】実施例2〜 以下リパーゼを変えた以外は同様の操作で行った例を表
1に示す。リパーゼは天野製薬社製(PS)、和光純薬
社製(PPL)、シグマ社製(PLE)を使用した。す
べて(±)−体に対するリパーゼの割合は100mg/mmolで
ある。
【0023】
【表1】
【0024】実施例5 (±)−2−エトキシカルボニル−1−アセチルオキシ
−2−シクロヘキセンの加水分解 (±)−2−エトキシカルボニル−1−アセチルオキシ
−2−シクロヘキセン210mg (0.99mmol)を10%(v/v)ア
セトン含有リン酸緩衝液10mlに混合し、これにリパーゼ
PS(天野製薬社製)200mg を加え、27℃で72時間振と
うした。リパーゼをセライトで濾別し、濾液をエーテル
抽出し、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧
下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、目的とするアルコール体とアシル体をそ
れぞれ分離して得た。
【0025】(+)−2−エトキシカルボニルシクロヘ
キサ−2−エン−1−オール 71.7mg(収率42.6%、100
%ee)、[α]D 28+57.6°(c0.59, CHCl3)、 (−)−2−エトキシカルボニル−1−アセチルオキシ
−2−シクロヘキセン33.3mg(収率43.6%,99.0%ee) 光学純度はキラルセルOD(ダイセル社製)を用いて決定
した。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2 はアルキル基を示し、nは1または
    2を示す。)で表されるラセミ−2−アルコキシカルボ
    ニル−1−アシルオキシ−2−シクロアルケンをリパー
    ゼの存在下、立体選択的に加水分解することにより、一
    般式(2) 【化2】 (式中、*は不斉炭素を示し、R1はアルキル基を示
    し、nは1または2を示す。)で表される光学活性な2
    −アルコキシカルボニル−2−シクロアルケン−1−オ
    ールと一般式(3) 【化3】 (式中、*は不斉炭素を示し、R1、R2 はアルキル基
    を示し、nは1または2を示す。)で表される光学活性
    な2−アルコキシカルボニル−1−アシルオキシ−2−
    シクロアルケンをそれぞれ得ることを特徴とする光学活
    性2−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケン−1
    −オールの製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1で得られた一般式(3)で示さ
    れる光学活性な2−アルコキシカルボニル−1−アシル
    オキシ−2−シクロアルケンを加水分解することによ
    り、光学活性な2−アルコキシカルボニル−2−シクロ
    アルケン−1−オールを得る製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1においてR1がエチル基である
    光学活性2−エトキシカルボニル−2−シクロアルケン
    −1−オールの製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1においてR1がエチル基でR2
    がメチル基である光学活性2−エトキシカルボニル−2
    −シクロアルケン−1−オールの製造法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、リパーゼがシュウド
    モナス菌由来である光学活性2−アルコキシカルボニル
    −2−シクロアルケン−1−オールの製造法。
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