JPH0656171A - 包装用フィルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フイルムシートによるカセットケースの包装
においてカットテープの摘み部がフイルムシートに貼り
付くこともなく、摘み部が容易に摘み易く包装フイルム
を確実かつ迅速に開封することのできる包装用フイルム
を得る。 【構成】 カットテープ２の摘み部６が対応するフイル
ムシート１面にグラビア印刷等からなる表印刷による非
接着層８を形成し、カセットケース３へのフイルムシー
ト１の熱シールによる包装時、摘み部６がフイルムシー
ト１面に貼り付かないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ビデオテープレコーダ
やオーディオ用のテープレコーダに適用されるテープカ
セットを収納したカセットケース等を密着包装するため
の包装用フイルムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、テープカセットを収納したカセッ
トケースを包装する包装用フイルムとして、カセットケ
ースを密着包装するフイルムシートと、このフイルムシ
ートの内周囲に配されたカットテープとからなるものが
ある。フイルムシートはカセットケースに巻装され該シ
ートの両側縁及び重ね合わされたシートの巻装端を溶着
するようにしてカセットケースを密着包装する。

【０００３】また、カットテープは、カセットケースと
フイルムシートとの間に介在されると共にカセットケー
スの外周囲に亘って巻回されており、カットテープの一
端がフイルムシート巻装端から摘み部として突出するよ
うに臨んでいる。上述した包装用フイルムでは、カット
テープの摘み部の両側にフイルムシートが該テープに沿
ってテープ引き裂き用の切込みが形成されている。これ
によって、カットテープの摘み部を摘み上げ、切込みを
ガイドとしてカットテープに沿ってフイルムシートを引
き裂くようにして包装フイルムの開封を行うことができ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したフ
イルムシートは一般に熱収縮性のポリプロピレン（Ｐ
Ｐ）フイルムから製作されている。また、カットテープ
はフイルムシートより引裂伝播抵抗の高い材質からな
り、一例として２種類の透明プラスチックフイルムを貼
り合わせたものからなり、これに色を付ける場合は一方
のフイルム材の表面に印刷を行ってから貼り合わせてい
る。

【０００５】上述したような材質を使用したフイルムシ
ートによる被包装物としてのカセットケースの包装は、
フイルムシートを熱加工することによってフイルム同志
が熱溶着されることによって行っている。しかし、カセ
ットケース包装後の外観体裁を向上させるために、フイ
ルムシートに必要以上に熱を加えてカセットケース表面
にフイルムシートを密着して包装する作業を行うため、
カットテープの摘み部までもフイルム溶着部に貼り付い
てしまい、このため、カットテープの摘み部が見つけに
くかったり、摘み部が剥がしにくいといった問題があっ
た。特に、急いで録音あるいは録画を行おうとしてテー
プの補充をしたい場合に包装フイルムの開封が速やかに
行えずに記録漏れの原因となる等の問題がある。

【０００６】本発明は、上述したような問題点を解消す
るためになされたもので、フイルムシートの包装におい
てカットテープの摘み部がフイルムシート面に貼り付く
こともなく、従って、摘み部が容易に摘み易く包装フイ
ルムを確実かつ迅速に開封することのできる包装用フイ
ルムを得ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明による包装用フイルムは、被包装物に巻装
されその巻装端が重ね合わされて溶着され被包装物を包
装するフイルムシートと、このフイルムシートの内周面
に接合されフイルムシートで被包装物を包装したときこ
の被包装物の一端付近の外周囲に亘って巻回され一端が
フイルムシート溶着部から突出する摘み部を有し、引裂
伝播抵抗がフイルムシートよりも高い材質のフイルム帯
からなるカットテープと、カットテープの摘み部と平行
にフイルムシート溶着部に所定長さに亘って形成した切
込みを有する包装用フイルムにおいて、カットテープの
摘み部の裏面側と、この摘み部裏面が対応するフイルム
シート面側の少なくともいずれか一方に非接着層を形成
したものである。

【０００８】

【作用】上述のように構成した本発明における包装用フ
イルムは、カットテープの摘み部の裏面側と、この摘み
部裏面が対応するフイルムシート面側の少なくともいず
れか一方に非接着層を形成したことにより、フイルムシ
ートの溶着加工において摘み部がフイルム面に貼り付く
こともなく、この結果、摘み部が掴み易くなって包装フ
イルムの開封が確実かつ迅速に行うことができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明における包装用フイルムの複数
の実施例を図面に基づいて説明する。 実施例１ この実施例における包装用フイルムは、図１に示すよう
に例えば、熱収縮性ポリプロピレンからなる薄膜状のフ
イルムシート１と、例えば、２種類のプラスチックフイ
ルムを貼り合わせて着色され引裂伝播抵抗がフイルムシ
ート１よりも高く容易に裂けることのない材質のフイル
ム帯、例えば、接着性を有する無延伸性のカットテープ
２とからなっている。フイルムシート１の外周縁は、被
包装物となる例えばテープカセットが収納されたカセッ
トケース３を包装するための溶着部４となり、溶着部４
以外の大部分のフイルムシート１面は収容されるテープ
カセットの製品説明のための所定の印刷が形成される印
刷面５となっている。

【００１０】また、カットテープ２は、無延伸性フイル
ムの溶着性によってフイルムシート１に接合されてい
る。そして、カットテープ２はフイルムシート１をカセ
ットケース３に巻装したとき、フイルムシート１とカセ
ットケース３との間に介在すると共に、カセットケース
３を該ケース３の一端付近で巻回するように配されてい
る。従って、フイルムシート１は、カットテープ２を境
としてカセットケース３の一端部を包装する第１のフイ
ルムシート部１ａと、カセットケース３の他端部の大部
分を包装する第２のフイルムシート部１ｂとに分けるこ
とができる。

【００１１】さらに、カットテープ２の一方の端部は、
フイルムシート１を引き裂き開封する際の摘みを構成す
るようにフイルムシート１の端部から所定長さ突出した
摘み部６となっている。この摘み部６の両側部のフイル
ムシート１は、カットテープ２に沿って所定長さに亘っ
て引き裂きガイドとなる切込み７，７が形成されてい
る。

【００１２】一方、カットテープ２の他方の端部が接合
されているフイルムシート１の表面には、例えば、グラ
ビア印刷等による表印刷を行ってこの部分のフイルムシ
ート１に摘み部６が溶着しないような非接着層８を形成
してある。すなわち、この非接着層８は図２に示すよう
にフイルムシート１によってカセットケース３を包装
し、図３に示すように最終的にカセットケース３がフイ
ルムシート１によって包装され溶着部４を熱シールによ
って溶着しカセットケース３を密着包装したとき、上述
したカットテープ２の摘み部６及びその近傍のカットテ
ープ部分が非接着層８の表面に重なり合うようになる。

【００１３】従って、図３のようにカセットケース３を
包装したフイルムシート１は、その重ね合わされた巻装
端は溶着部４の部分において過度の温度による熱シール
加工により溶着されたとしても、カットテープ２の摘み
部６に対応する溶着部４においては図４に拡大して示す
ように非接着層８の形成により貼り付くことはなく、摘
み部６を容易に摘むことができる。

【００１４】実施例２ この実施例における包装用フイルムは、図５及び図６に
示すように摘み部６の表面及びその近傍のカットテープ
６の表面部分にグラビア印刷等による表印刷を行って非
接着層９を形成したものである。従って、このように構
成した包装用フイルムは、カセットケース３を包装した
フイルムシート１が、その重ね合わされた巻装端を溶着
部４の部分において過度の温度による熱シール加工によ
り溶着されたとしても、カットテープ２の摘み部６は図
７に示すようにこれと対応する溶着部４に貼り付くこと
はなく、上述した実施例と同様に摘み部６を容易に摘む
ことができる。

【００１５】実施例３ この実施例における包装用フイルムは、図８及び図９に
示すようにカットテープ２の摘み部６と対応するフイル
ムシート１側で、該摘み部６と隣接してフイルムシート
の多い方、つまりカットテープ２と直交する方向で第２
のフイルムシート部１ｂの溶着部４に所定長さ範囲（一
例として２０〜３０ｍｍ）に亘って表印刷を行ってフイ
ルムシートが溶着しにくくした非接着層１０を形成した
ものである。このように構成した包装用フイルムは、カ
セットケース３を包装したフイルムシート１が、その重
ね合わされた巻装端を溶着部４の部分において過度の温
度による熱シール加工により溶着されたとしても、非接
着層１０のフイルムシート部分はその溶着力が弱まるこ
とになる。すなわち、非接着層１０の形成によって図１
０に示すようにカットテープ２の摘み部６を摘んで包装
フイルムの開封を行ったとき、切込み７によりフイルム
シート１が切り裂かれると共に非溶着部４に対応してい
るフイルムシート部分が容易に剥がれることになるた
め、従来から開封に手数を要していたフイルムの多い方
の包装フイルムの開封が迅速かつ確実に行うことができ
る。

【００１６】ここで、上述した非接着層１０が完全な非
接着部分であってもよいが、この場合はカセットケース
がフイルム包装された製品状態において非接着層１０の
部分のフイルムシートが捲り上がったり、この部分から
フイルムシートが妄りに裂けて製品不良となることもあ
る。

【００１７】従って、上述した非接着部１０の具体例と
しては、図１１及び図１２に示すように網掛け印刷１１
を行う方法がある。この網掛け印刷１１は細帯状の網状
の非印刷面１１ａと、それ以外の大部分が印刷面１ｂか
らなっている。従って、網掛け印刷１１によるシール状
態においてはフイルムシート１の重合面はその一部分に
おいて溶着されることになるため、フイルム包装された
製品状態においては妄りに剥がれることもなく、しか
も、カットシート２の摘み部６を摘んで開封操作したと
き網掛け印刷１１の溶着部４は容易に剥がすことができ
るという利点がある。尚、この実施例の場合、摘み部６
の裏面は何ら印刷処理されていないため、熱シールにお
いて対抗側のフイルムシート１面に貼り付くことがある
ので、この摘み部６の裏面にも印刷処理を行ってフイル
ムシート１面への貼り付きを防止することが必要であ
る。

【００１８】尚、本発明は、上述しかつ図面に示した実
施例に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範
囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、実施例１
及び実施例２の包装用フイルムにおける非接着層８及び
９はクラビア印刷等の全面印刷による方法以外、実施例
３の場合のように網掛け印刷による方法であってもよ
く、また、網掛け印刷と同様な作用が得られるものであ
ればその他の方法であってもよい。また、本発明の実施
例において、カットテープ２は無延伸性ポリプロピレン
の接着性によってフイルムシート１に接合されている
が、その他、例えばホットメルト等の方法によってフイ
ルムシート１に接合することであってもよい。また、本
発明における包装用フイルムは、テープカセットを収納
したカセットケース等を密着包装した場合について説明
したが、その他、被包装物の包装用フイルムとして広く
適用可能である。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明における包装
用フイルムは、被包装物を密着包装したフイルムシート
を摘み部を有するカットテープによって包装フイルムを
開封するようにした包装用フイルムにおいて、カットテ
ープの摘み部の裏面側と、この摘み部裏面が対応するフ
イルムシート面側の少なくともいずれか一方に非接着層
を形成したことによって、被包装物へのフイルムシート
のシール包装の際、カットテープの摘み部がフイルムシ
ート面に貼り付くことはなく、摘み部を容易に摘むこと
ができ包装フイルムの開封を確実かつ迅速に行うことが
できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本例の実施例１における包装用フイルムの展開
状態の斜視図である。

【図２】同じく包装用フイルムの包装途中の斜視図であ
る。

【図３】同じく包装用フイルムの包装状態の斜視図であ
る。

【図４】図３のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図５】本例の実施例２における包装用フイルムの展開
状態の斜視図である。

【図６】同じく包装用フイルムの包装途中の斜視図であ
る。

【図７】同じく包装用フイルムの包装状態の拡大断面図
である。

【図８】本例の実施例３における包装用フイルムの包装
途中の斜視図である。

【図９】同じく包装用フイルムの包装状態の斜視図であ
る。

【図１０】同じく包装用フイルムの開封途中の斜視図で
ある。

【図１１】同じく包装用フイルムの非接着層の具体例の
拡大正面図である。

【図１２】図１１のＡ−Ａ線断面図である。

【符号の説明】

１ フイルムシート ２ カットテープ ３ カセットケース ４ 溶着部 ６ 摘み部 ７ 切込み ８，９，１０ 非接着層 １１ 網掛け印刷 １１ａ 非印刷面 １１ｂ 印刷面

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被包装物に巻装されその巻装端が重ね合
   わされて溶着され上記被包装物を包装するフイルムシー
   トと、このフイルムシートの内周面に接合され上記フイ
   ルムシートで上記被包装物を包装したときこの被包装物
   の一端付近の外周囲に亘って巻回され一端が上記フイル
   ムシート溶着部から突出する摘み部を有し、引裂伝播抵
   抗が上記フイルムシートよりも高い材質のフイルム帯か
   らなるカットテープと、上記カットテープの摘み部と平
   行に上記フイルムシート溶着部に所定長さに亘って形成
   した切込みを有する包装用フイルムにおいて、 上記カットテープの摘み部の裏面側と、この摘み部裏面
   が対応する上記フイルムシート面側の少なくともいずれ
   か一方に非接着層を形成したことを特徴とする包装用フ
   イルム。
2. 【請求項２】 上記カットテープの摘み部と対応する上
   記フイルムシート面側で、上記カットテープと直交方向
   に所定幅範囲に亘る長さの非接着層を形成したことを特
   徴とする請求項１記載の包装用フイルム。
3. 【請求項３】 上記非接着層がカットテープ側よりフイ
   ルムシートの多い方に形成されていることを特徴とする
   請求項２記載の包装用フイルム。
4. 【請求項４】 上記カットテープの摘み部裏面側に非接
   着層を形成したことを特徴とする請求項１記載の包装用
   フイルム。
5. 【請求項５】 上記非接着層は印刷処理されていること
   を特徴とする請求項１〜４のいずれか１項記載の包装用
   フイルム。
6. 【請求項６】 上記非接着層が部分接着層からなること
   を特徴とする請求項１〜５のいずれか１項記載の包装用
   フイルム。