JPH0656083U - 吊上埋設具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート製品の現場工期を大幅に短縮で
きる様にする。 【構成】 本体２、フランジ３、本体掛部４、蓋体５、
蓋体掛部６とで構成し、とりわけ蓋体５を本体２の一側
内部に挿入して蓋体掛部６を本体掛部４に掛合させる様
にし、蓋体５を本体２にワンタッチで装着でき、吊穴Ｄ
のモルタル埋め戻し作業を不要にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば排水用側溝等のコンクリート製品の製造時に埋設されて吊上 時に吊穴として用いられる吊上埋設具の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の吊上埋設具としては、例えば図５や図６に示したものが知られ ている。 前者の吊上埋設具５０は、筒状の本体５１と、これの外部中程に設けられて抜 止めの為のフランジ５２と、これに設けられて廻止めの為の多数の貫孔５３（又 は切起し片にしたものや貫孔と切起し片を組合わせたものもある）とから成り、 鉄等の金属に依り作製されている。 後者の吊上埋設具６０は、筒状の本体６１と、これの外部に設けられて抜止め 並びに廻止めの為の螺旋状の切溝６２とから成り、塩化ビニール等の合成樹脂に 依り作製されている。 而して、この様なものは、排水用側溝等のコンクリート製品を製造するに際し て、生コンクリートを流し込む前に、型枠間に挟まれて配置される。そして、製 造されたコンクリート製品を施工時に吊上げる場合には、内部が吊穴になって吊 上棒等が挿入される。 ところが、この様なものは、コンクリート製品の施工後には、吊穴を生コンク リート（モルタル）に依り埋め戻して閉塞せねばならなかったので、コンクリー ト製品の現場工期が長くなる難点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、叙上の問題点に鑑み、これを解消する為に創案されたもので、その 目的とする処は、コンクリート製品の現場工期を大幅に短縮できる様にした吊上 埋設具を提供するにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の吊上埋設具は、基本的には、筒状の本体と、本体の外部に設けられた フランジと、本体の一側内部に設けられた本体掛部と、本体の一側内部に挿入さ れてここを閉塞する蓋体と、蓋体に設けられて本体掛部に掛合する蓋体掛部と、 から構成した事に特徴が存する。

【０００５】

【作用】

本体は、コンクリート製品を製造する際に、型枠間に挟まれて配置される。こ の様にされた型枠間には、生コンクリートが流し込まれて固められる。その後、 型枠が取り除かれて本体が埋設されたコンクリート製品に為される。コンクリー ト製品に埋設された本体は、内部が吊穴になると共に、フランジに依り抜止め並 びに廻止めされている。 コンクリート製品の施工時にこれを吊上げる場合には、本体内に吊上棒等が挿 入される。 コンクリート製品の施工後には、蓋体が本体の一側内部に挿入されてここが閉 塞される。この時、蓋体掛部が本体掛部に掛合されるので、挿入状態が維持され る。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を、図面に基づいて説明する。 図１は、本考案の実施例に係る吊上埋設具を示す縦断面図。図２は、図１の吊 上埋設具の本体を排水用側溝の型枠間に配置した状態を示す縦断面図。図３は、 図１の吊上埋設具を用いた排水用側溝の右半分だけ示す要部縦断面図。図４は、 排水用側溝に埋設された吊上埋設具の本体に蓋体を装着した状態を示す縦断面図 である。 吊上埋設具１は、本体２、フランジ３、本体掛部４、蓋体５、蓋体掛部６とか らその主要部が構成されて居り、この例では、コンクリート製品である排水用側 溝Ａに適用している。 排水用側溝Ａは、左右の側壁Ｂと底壁Ｃとに依り略Ｕ型を呈して各側壁Ｂの中 程には吊穴Ｄが形成されて居り、内外の型枠Ｅ間に生コンクリートを流し込む事 に依り製造される。 本体２は、筒状のもので、この例では、円筒状を呈して合成樹脂に依り作製さ れて居り、内部が吊穴Ｄになり、雌螺子７と薄膜８が設けられている。 雌螺子７は、この例では、本体２の右側内周に設けられて居り、一方の型枠Ｅ を貫通させたボルトＦが螺合される。 薄膜８は、この例では、本体２の左側端を閉塞すべく一体的に設けられて居り 、本体２との境目部分が薄肉にされて容易に破れる様にしてある。 フランジ３は、本体２の外部に設けられたもので、この例では、本体２の左寄 り外周に一体的に設けられて略円錐状を呈する抜止フランジ９と、本体２の右側 外周に一体的に設けられて目印を兼ねた板状を呈する廻止フランジ１０とから成 っている。 本体掛部４は、本体２の一側内部に設けられたもので、この例では、本体２の 左寄り内周で抜止フランジ９の内側に設けられて居り、略円錐状を呈する掛凹部 にしてある。 蓋体５は、本体２の一側内部に挿入されてここを閉塞するもので、この例では 、本体２の左側内部に挿入される円板状を呈して居り、合成樹脂に依り作製され ている。 蓋体掛部６は、蓋体５に設けられて本体掛部４に掛合するもので、この例では 、蓋体５の右側に弾性縮径可能に一体的に設けられて居り、本体掛部４に離脱不 能に掛合される二つの掛凸部にしてある。 次に、この様な構成に基づいて作用を説明する。 本体２は、排水用側溝Ａを製造する際に、内外の型枠Ｅ間に挟まれて配置され ると共に、外側の型枠Ｅを貫通させたボルトＦを雌螺子７に螺合させる事に依り 当該型枠Ｅに固定される。この時、フランジ３の廻止フランジ１０に依り本体２ の上下を確認して配置する。本体２は、ボルトＦに依り外側の型枠Ｅに固定され ているので、ずれる事がない。この様にされた型枠Ｅ間には、生コンクリートが 流し込まれて固められる。この時、本体２の一側がボルトＦに依り閉塞されてい ると共に、他側が薄膜８に依り閉塞されているので、生コンクリートが本体２内 に侵入する事がない。その後、型枠Ｅ並びにボルトＦが取り除かれて本体２が埋 設された排水用側溝Ａに為される。排水用側溝Ａに埋設された本体２は、内部が 吊穴Ｄになると共に、フランジ３の抜止フランジ９に依り抜止めされていると共 に、廻止フランジ１０に依り廻止めされている。 排水用側溝Ａの施工時にこれを吊上げる場合には、図３の二点鎖線で示す如く 、各本体２内に吊上棒Ｇ等が挿入された後にこれの内側にワイヤＨが掛けられた り（所謂内掛け）、図３の三点鎖線で示す如くこれの外側にワイヤＨが掛けられ たり（所謂外掛け）してクレーン等（図示せず）に依り吊上げられる。外掛けは 、排水用側溝Ａを反転させる場合に用いられる。この時、本体２内には生コンク リートが侵入して付着していないので、吊上棒Ｇ等の挿入が容易に行なえる。 排水用側溝Ａの施工後には、蓋体５が本体２の一側内部に挿入されて薄膜８に 代えてここが閉塞される。この時、蓋体掛部６が本体掛部４に掛合されるので、 挿入状態が維持されて抜ける事がない。蓋体５を本体２の一側内部に挿入して蓋 体掛部６を本体掛部４に掛合させる様にしたので、蓋体５を本体２にワンタッチ で装着でき、吊穴Ｄのモルタル埋め戻し作業が不要になって現場工期が大幅に短 縮される。蓋体５に依り本体２の一側を閉塞する様にしたので、従来のモルタル 埋め戻しに比べて見栄えが良い。 薄膜８は、吊上棒Ｇ等や蓋体５の挿入時に容易に破られるので、吊上棒Ｇ等や 蓋体５の挿入が妨げられる事がない。

【０００７】 尚、本体２は、先の実施例では、外形が円形であったが、これに限らず、例え ば角形等の廻止め機能を発揮する形状でも良い。 フランジ３は、先の実施例では、抜止フランジ９と廻止フランジ１０との二つ で構成したが、これに限らず、例えば一つのもので抜止めと廻止めの両方の機能 を備えていても良い。 本体掛部４と蓋体掛部６は、先の実施例では、本体掛部４が掛凹部で蓋体掛部 ６が掛凸部であったが、これに限らず、例えば逆にしても良い。 蓋体掛部６は、先の実施例では、二つであったが、これに限らず、例えば三つ 以上でも良い。

【０００８】

【考案の効果】

以上、既述した如く、本考案に依れば、次の様な優れた効果を奏する事ができ る。 （１） 本体、フランジ、本体掛部、蓋体、蓋体掛部とで構成し、とりわけ蓋体 を本体の一側内部に挿入して蓋体掛部を本体掛部に掛合させる様にしたので、蓋 体を本体にワンタッチで装着でき、吊穴のモルタル埋め戻し作業が不要になり、 コンクリート製品の現場工期を大幅に短縮できる。 （２） 蓋体に依り本体の一側を閉塞する様にしたので、従来のモルタル埋め戻 しに比べて見栄えが良い。 （３） 合成樹脂に依り作製できるので、安価に製造できる。 （４） 本体に雌螺子と薄膜を設けた場合には、本体内に生コンクリートが侵入 して付着する事がない。この為、コンクリート製品の吊上時に本体内を吊穴とし て用いる場合には、ここに吊上棒等を容易に挿入する事ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る吊上埋設具を示す縦断面
図。

【図２】図１の吊上埋設具の本体を排水用側溝の型枠間
に配置した状態を示す縦断面図。

【図３】図１の吊上埋設具を用いた排水用側溝の右半分
だけ示す要部縦断面図。

【図４】排水用側溝に埋設された吊上埋設具の本体に蓋
体を装着した状態を示す縦断面図。

【図５】従来の吊上埋設具を示す斜視図。

【図６】従来の他の吊上埋設具を示す斜視図。

【符号の説明】

１，５０，６０…吊上埋設具、２，５１，６１…本体、
３，５２…フランジ、４…本体掛部、５…蓋体、６…蓋
体掛部、７…雌螺子、８…薄膜、９…抜止フランジ、１
０…廻止フランジ、Ａ…排水用側溝、Ｂ…側壁、Ｃ…底
壁、Ｄ…吊穴、Ｅ…型枠、Ｆ…ボルト、Ｇ…吊上棒、Ｈ
…ワイヤ、５３…貫孔、６２…切溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状の本体と、本体の外部に設けられた
   フランジと、本体の一側内部に設けられた本体掛部と、
   本体の一側内部に挿入されてここを閉塞する蓋体と、蓋
   体に設けられて本体掛部に掛合する蓋体掛部と、から構
   成した事を特徴とする吊上埋設具。