JPH0447250Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は上下両端の外周に各々外側に張り出す
膨出部が形成されたマンホール用側塊に係り、特
に吊上げ反転穴が設けられたマンホール用側塊に
関するものである。

［従来技術］ 上下両端の外周に各々外側に張り出す膨出部が
エンドレス状に形成されたマンホール用側塊は、
従来より製造、使用されているものであり、この
ような側塊の運搬、あるいは敷設作業は、その重
量が重たいこともあり、きまわめて困難な作業と
なつていた。

そこで近年、このようのな側塊においては第３
図より理解されるごとく、その外周壁上に対向す
るように一対の吊上げ反転穴を形成し、この吊上
げ反転穴に吊上げ反転工具の差込棒を差し込んで
吊上げ、敷設位置まで運搬すると共に、この側塊
を略180度反転させながらあらかじめ敷設された
側塊との接続口を合わせ、順次側塊を敷設するも
のとしていた。

しかしながら、本考案の側塊のように両端外周
に各々膨出部が形成されている場合には、前記の
図面第３図に示すように吊上げ反転工具の吊上げ
部材（ワイヤーロープ）がその膨出部に当接され
てしまい、その結果、側塊を反転させることが困
難となり、側塊の敷設作業に手間取るという問題
点があつた。

すなわち、側塊において一対の吊上げ反転穴が
形成された部分は両端の膨出部より内側にへこん
だ部分であり、その部分に吊上げ反転工具の差込
棒を差し込むと、その差込棒保持具を保持してい
る吊上げ部材（ワイヤーロープ）が垂直方向に延
出しているため、その吊上げ部材が膨出部に当接
し、側塊を吊上げた状態で回転できないという結
果が生じるのである。

両端外周に膨出部がある側塊をただ単に吊上げ
るだけであるなら問題は生じないが、このような
側塊においてはその接続口は一端側と他端側とで
は例えばオス側とメス側というように異なつてお
り、その接続口を既設の側塊の接続口に合わせる
ために吊上げるばかりではなく、180度反転させ
なければならない状態がしばしばあり、そのため
反転させるときに前記膨出部が吊上げ部材（ワイ
ヤーロープ）に当接する事態が生じるのである。

［考案の目的］ 本考案は前記従来の問題点に鑑みて案出された
ものであり、両端外周に各々張り出す膨出部が形
成された側塊においてもスムーズにバランスよく
吊上げて運搬できるのみならず、その接続口を合
わせるため側塊を反転させても前記膨出部が吊上
げ反転工具の吊上げ部材に当接せず、スムーズに
反転できる吊上げ反転穴付きマンホール用側塊を
提供することを目的とする。

［考案の構成］ 本考案による吊上げ反転穴付きマンホール用側
塊は、以下のように構成されている。

図１に示されるように、側塊本体１の上下両端
の外周には各々外側に張り出す膨出部３がエンド
レス状に形成されている。

また、側塊本体１の外周には、上下の膨出部
３，３を連結する補強壁５が一対設けられてい
る。補強壁３は膨出部３の厚みと略同等の厚みを
有しており、その外周は垂直壁とされている。

さらに、補強壁５上のマンホール用側塊の略重
心位置には一対の吊上げ反転穴６，６が形成され
ている。

吊上げ反転穴６は、パイプ状の補強管２０と補
強管２０の略中間に位置し外側へ張り出すアンカ
ー部２２とを備えた吊上げ反転穴用補強部材２４
を補強壁５内へ埋設することにより形成される。

［実施例］ 以下本考案を図面に示す実施例に基づいて説明
する。

図面において符号Ｂは本考案によるマンホール
用側塊を示す。該マンホール用側塊Ｂは側塊本体
１の上下両端の外周に各々張り出す膨出部３，３
がエンドレス状に設けられている。

そして、このようなマンホール用側塊Ｂにおい
て、両端の膨出部３，３と同様の厚みを有し、か
つその外周が垂直壁とされた補強壁５，５がマン
ホール用側塊Ｂの外周面４上に各々対向するよう
にして一対設けられている。

ところで、この補強壁５の形成については、先
ず第一に前記膨出部３の厚みと略同等の厚みを有
すること、また、その補強壁５の外周が垂直壁と
して形成されていること、すなわちマンホール用
側塊Ｂの軸本体に対して平行面となるように形成
されていることが要件とされるものである。

また、本実施例においては図面から理解される
ように、補強壁５は両端に存する膨出部３，３を
連結するような形で形成されている。

しかして、前記補強壁５，５上にはマンホール
用側塊Ｂの略重心位置が存するものであり、この
略重心位置に一対の吊上げ反転穴６，６が形成さ
れている。

吊上げ反転穴６，６は補強壁５の表面に対して
略直交方向に延び、マンホール用側塊Ｂの側壁内
に延出して構成されている。

吊上げ反転穴６，６は、マンホール用側塊Ｂの
製作の際に、型枠内にパイプ状の補強管２０とそ
の補強管２０の略中間に位置し外側へ張り出すア
ンカー部２２とを備えた吊上げ反転穴用補強部材
２４を埋設して形成する（第４図、第５図参照）。

図示されるように、円盤状のアンカー部２２に
はコンクリートとの一体化を図るため多数の穴２
３が穿設されている。

以上において本考案の使用状態について説明す
ると、本考案による吊上げ反転穴付きマンホール
用側塊の吊上げ反転作業は、水平方向に突出する
差込棒１０，１０と、この差込棒１０，１０を保
持する差込棒保持具１１，１１と、この保持具１
１，１１に連結する吊上げ杆１２，１２と、この
一対の吊上げ杆１２，１２が連結する横架材１３
と、該横架材１３から延出し、クレーンなどに係
止される吊杆１４とからなる普通の吊上げ反転工
具Ａによつて行えるものである。

すなわち、第２図に示すように吊上げ反転工具
Ａの差込棒１０，１０を各々補強壁５上に形成さ
れた吊上げ反転穴６，６に差し込み、その状態で
吊上げる。そして所定の敷設位置まで運搬する。
その後、既設のマンホール用側塊の開口に接続す
るように吊上げられたマンホール用側塊Ｂの接続
口を合わせる作業を行う。

すなわち、例えば既設のマンホール用側塊の接
続口に合う接続口が上側に位置しているのであれ
ば吊上げた状態でマンホール用側塊を180度回転
させ、その接続口を下側に位置させる。そしてそ
の状態からマンホール用側塊を徐々に下側に降ろ
し、既に設置されたマンホール用側塊の接続口に
合わせながらマンホール用側塊Ｂを下降させ、接
続させるのである。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案によれば、比較的大
型で重量があり、両端外周に膨出部を備えたマン
ホール用側塊であつたとしても、吊上げ反転工具
の差込棒を差し込んで吊上げるのみならず、それ
を180度スムースに回転させることができ、その
ため、接続口が一端側と他端側で異なつているマ
ンホール用側塊の接続作業並びにその敷設作業も
安全かつスムーズに行える。

また、パイプ状の補強管と補強管の略中間に位
置し外側へ張り出すアンカー部とを備えた補強部
材を埋設することにより吊上げ反転穴が形成され
ているので、強度が著しく高く、安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるマンホール用側塊を示す
斜視図、第２図は本考案の使用状態説明図、第３
図は従来例の使用状態図、第４図は吊上げ反転穴
用補強部材の構成を示す斜視図、第５図は補強壁
に形成された吊上げ反転穴の構成を示す断面図、
である。 Ａ……吊上げ反転工具、Ｂ……マンホール用側
塊、３……膨出部、４……外周面、５……補強
壁、６……吊上げ反転穴、１０……差込棒、１１
……差込棒保持具、１２……吊上げ杆、１３……
横架材、１４……吊杆、２０……補強管、２２…
…アンカー部、２３……穴、２４……吊上げ反転
穴用補強部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上下両端の外周に各々外側に張り出す膨出部３
   がエンドレス状に形成されたマンホール用側塊に
   おいて、 膨出部３の厚みと略同等の厚みを有し、その外
   面が垂直壁として形成され、両端の膨出部３，３
   を連結する補強壁５を、マンホール用側塊の外周
   面４上に対向させて一対設け、 各補強壁５上のマンホール用側塊の略重心位置
   には、パイプ状の補強管２０と該補強管２０の略
   中間に位置し外側へ張り出すアンカー部２２とを
   備えた吊上げ反転穴用補強部材２４を埋設し、一
   対の吊上げ反転穴６，６を形成した、ことを特徴
   とする吊上げ反転穴付きマンホール用側塊。