JPH0637272B2 - コンクリート製ｕ字溝の敷設方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はＵ字溝敷設位置に位置決めロープを張り、外側
に張り出す張出部を有するコンクリート製Ｕ字溝を吊上
げ反転治具により吊上げて、前記位置決めロープに沿っ
て順次敷設するコンクリート製Ｕ字溝の敷設方法に関す
るものである。

［従来技術］ コンクリート製Ｕ字溝Ａを敷設するには、第１図から理
解されるように、先ず丁張１、１を施工場所に設置し、
その後床掘、床ならしを行う。

ついで所定の高さと幅を示した位置決めロープ２、２を
張り、この位置決めロープ２、２に合わせてＵ字溝Ａ…
を所定位置に敷設するものである。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、一般に大量のＵ字溝Ａ・・・は当初、逆Ｕ字
状に、すなわち倒置状態に寝かせて載置されており、そ
のひとつひとつを吊上げ反転治具Ｂを用いて表向きの状
態に、すなわちＵ字状になるよう１８０度反転させ、起
こしてから敷設位置に移動する必要がある。

ところが、第２図に示すように、吊上げ反転治具Ｂは、
側壁３、３の外側から吊上げ反転穴４、４に差込棒７、
７を差し込むことによりＵ字溝Ａを吊り上げ移動するよ
うに構成してあるため、そのまま吊り上げた状態からＵ
字溝Ａを敷設位置に降下させると、前記吊上げ反転治具
Ｂの吊上げ部材６が前記位置決めロープ２、２に接触し
てしまうため、その都度位置決めロープ２、２を取り外
さなければならないとの課題があった。

特に、Ｕ字溝Ａが側壁３、３に外側に張り出す張出部
５、５を有するタイプのものでは、さらに面倒な作業と
なる。

このため、施工作業が煩雑になるほか、作業時間に長時
間を要し、また位置決めロープ２、２の設定位置が狂っ
てしまうなど多くの問題があった。

本発明は以上の課題を解決するために創案されたもの
で、吊上げ反転治具を用いて逆Ｕ字状、すなわち倒置状
態に載置されているＵ字溝を吊上げて、表向きの状態
に、すなわちＵ字状になるよう１８０度反転させた後、
Ｕ字溝を敷設位置に降下させる際、いちいち位置決めロ
ープを取り外す必要がなく、敷設作業を容易かつ迅速に
行うことが出来るコンクリート製Ｕ字溝の敷設方法を提
供することを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、 Ｕ字溝敷設位置に位置決めロープ２を張り、吊上げ反転
治具Ｂによりコンクリート製Ｕ字溝Ａを吊上げて、前記
位置決めロープ２に沿って順次敷設するコンクリート製
Ｕ字溝の敷設方法であって、 前記コンクリート製Ｕ字溝Ａは、外側に張り出す張出部
５が側壁３に形成され、側壁３の略重心位置には前記側
壁３を貫通する吊上げ反転穴４が穿設されてあり、 前記吊上げ反転治具Ｂは、 クレーンにより吊上げられる横架材１０と、 横架材１０に間隔調整自在に取り付けられた一対の吊上
げ部材６と、 一対の吊上げ部材６の下端に各々取り付けられ、吊上げ
部材６の長手方向を中心軸として回転しうる差込治具８
と、 差込治具８に取り付けられ、前記コンクリート製Ｕ字溝
Ａの吊上げ反転穴４に挿入される差込棒７と、 からなり、 前記Ｕ字溝Ａの外側から吊上げ反転穴４に前記吊上げ反
転治具Ｂの差込棒７を挿入し、Ｕ字溝Ａを吊上げて反転
することにより逆Ｕ字状の倒置状態からＵ字状に起こし
ていったん仮設置し、 次いで、前記差込棒７を吊上げ反転穴４から抜き取って
Ｕ字溝Ａの内側から前記吊上げ反転穴４に挿入し、Ｕ字
溝Ａを吊上げて、Ｕ字溝側壁３の張出部５を前記位置決
めロープ２に沿って、当接させながら順次敷設するよう
に構成されている。

［実施例］ 以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。

第３図は本発明に使用される吊上げ反転治具と、該吊上
げ反転治具により吊上げられるＵ字溝を示すものであ
る。

吊上げ反転治具Ｂは、吊り部材９と横架材１０と連結部
材１１、１１と吊上げ部材６、６と差込治具８、８とか
ら構成されている。

吊り部材９は連結部材１１、１１の上端に連結されてお
り、クレーン等の吊場機のフックに係止される。

２つの連結部材１１、１１のうち一方側の連結部材１１
には透孔１２が穿設されており、該透孔１２を横架材１
０の一端側に所定間隔をおいて穿設された複数の取付穴
１３…と連通させ、止めピンにより連結部材１１を横架
材１０にスライド自在に固定しうるように構成されてい
る。

また他方側の連結部材１１には雌ねじ部が形成されてお
り、前記横架材１０の他端に形成された雄ねじ部１４に
螺挿してスライド自在とされている。

そして、前記一対の連結部材１１、１１にはチェーン状
の吊上げ部材６、６が垂下して連結されている。

この吊上げ部材６、６の下端には回転継手１５、１５を
介して差込治具８、８が連結されており、差込治具８、
８は吊上げ部材６、６の長手方向を中心軸として回転自
在とされている。

差込治具８、８は吊上げるべきＵ字溝Ａなどの吊上げ反
転穴４、４に挿入される差込棒７、７を有している。

Ｕ字溝Ａの側壁３、３端部には外側に張り出す張出部
５、５が形成されている。

また側壁３、３の略重心位置には吊上げ反転穴４、４が
側壁３、３の外側から内側へ貫通するように穿設されて
いる。

ここで、本発明によるＵ字溝Ａの敷設手順について説明
する。

先ず、第４図に示すように逆Ｕ字状、すなわち倒置状態
におかれたＵ字溝Ａの吊上げ反転穴４、４に、外側から
差込棒７、７を挿入し、Ｕ字溝Ａを吊上げる。

Ｕ字溝Ａを反転させるためには差込棒７、７を外側から
挿入しないと行えないからである。

次いで第５図に示すように、吊上げＵ字溝Ａを反転させ
て倒置状態からＵ字状、すなわち設置しうる状態とす
る。

その後、第６図から理解されるようにＵ字溝Ａを仮設置
し、前記差込棒７、７を抜き取って差込治具８、８を１
８０度回転させた後、再び差込棒７、７を内側から吊上
げ反転穴４、４に挿入する。

そして、その状態から再びＵ字溝Ａを吊上げ、敷設位置
近くまで降下させてから横方向に移動させる。

ついで、第７図から理解されるように、Ｕ字溝Ａ側壁３
の張出部５を位置決めロープ２、２に沿って当接させな
がら順次敷設する。

以上の敷設作業において差込治具８、吊上げ部材６はＵ
字溝Ａの内面側に位置しているので、Ｕ字溝Ａが側壁
３、３に張出部５、５を有するタイプのものでも作業時
に前記吊上げ部材６が位置決めロープ２、２に接触する
ことはなく、位置決めロープ２、２が敷設作業の邪魔に
なるおそれは全くないものとされる。

［発明の効果］ 本発明は以上の構成によりなり、本発明によるコンクリ
ート製Ｕ字溝の敷設方法であれば、Ｕ字溝が側壁に外側
に張り出す張出部を有するタイプであり、しかも施工現
場において位置決めロープが張設してあっても、その位
置決めロープを取り外すことなく、同一の吊上げ治具に
よってＵ字溝を反転、敷設することができ、施工作業が
迅速、容易に出来るという優れた効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はＵ字溝の施工状態を示す斜視図、第２図は従来
の敷設方法を示す概略図、第３図は本発明のＵ字溝の敷
設方法に使用する吊上げ反転治具の正面図、第４図〜第
７図は本発明のＵ字溝の敷設方法の施工手順を示す概略
図である。 Ａ……コンクリート製Ｕ字溝 Ｂ……吊上げ反転治具 １……丁張 ２……位置決めロープ ３……側壁 ４……吊上げ反転穴 ５……張出部 ６……吊上げ部材 ７……差込棒 ８……差込治具 ９……吊り部材 １０……横架材 １１……連結部材 １２……透孔 １３……取付孔 １４……雄ねじ部 １５……回転継手

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｕ字溝敷設位置に位置決めロープ（２）を
   張り、吊上げ反転治具（Ｂ）によりコンクリート製Ｕ字
   溝（Ａ）を吊上げて、前記位置決めロープ（２）に沿っ
   て順次敷設するコンクリート製Ｕ字溝の敷設方法であっ
   て、 前記コンクリート製Ｕ字溝（Ａ）は、外側に張り出す張
   出部（５）が側壁（３）に形成され、側壁（３）の略重
   心位置には前記側壁（３）を貫通する吊上げ反転穴
   （４）が穿設されてあり、 前記吊上げ反転治具（Ｂ）は、 クレーンにより吊上げられる横架材（１０）と、 横架材（１０）に間隔調整自在に取り付けられた一対の
   吊上げ部材（６）と、 一対の吊上げ部材（６）の下端に各々取り付けられ、吊
   上げ部材（６）の長手方向を中心軸として回転しうる差
   込治具（８）と、 差込治具（８）に取り付けられ、前記コンクリート製Ｕ
   字溝（Ａ）の吊上げ反転穴（４）に挿入される差込棒
   （７）と、 からなり、 前記Ｕ字溝（Ａ）の外側から吊上げ反転穴（４）に前記
   吊上げ反転治具（Ｂ）の差込棒（７）を挿入し、Ｕ字溝
   （Ａ）を吊上げて反転することにより逆Ｕ字状の倒置状
   態からＵ字状に起こしていったん仮設置し、 次いで、前記差込棒（７）を吊上げ反転穴（４）から抜
   き取ってＵ字溝（Ａ）の内側から前記吊上げ反転穴
   （４）に挿入し、Ｕ字溝（Ａ）を吊上げて、Ｕ字溝側壁
   （３）の張出部（５）を前記位置決めロープ（２）に沿
   って、当接させながら順次敷設することを特徴とするコ
   ンクリート製Ｕ字溝の敷設方法。