JPS6333911Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンクリートブロツク用吊具、さら
に詳しくは、擁壁工事等において大型コンクリー
トブロツクを所定の法勾配に合せて吊下げて運搬
するために使用される吊具の改良に関するもので
ある。

近年、擁壁工事の省力化を図るため、第１図に
示すような土留めブロツクＷ（寸法1250×800m、
重量約411Kg）を用いて施工するように計画され
ているが、擁壁工事は第２図〜に示すよう
に、現場打ちされたブロツク基礎Ｂ上に３トン吊
りのクレーンＭにてブロツクＷを法勾配に合せて
吊上げて法面に合致させ（第２図参照）、次い
でパイプサポートＳにて施工面より支え（第２図
参照）、鋼製型枠Ｆを設置した後（第２図参
照）、コンクリート層Ｃを裏打ちし（第２図参
照）、裏込め材Ｌを入れて転圧後型枠Ｆを抜き取
り（第２図参照）、再転圧した後パイプサポー
トＳを取外し（第２図参照）、その上に２段目
のブロツクＷを積上げて施工している。

したがつて、クレーンＭにてブロツクＷを法勾
配に合せて吊上げる作業を確実、かつ、迅速に行
うことが工事を施工する上で肝要となつている。

また、上記ブロツク積みは周知のように１段
毎、ブロツク長を横方向に半分ずつ幅寄せして這
積式に積み上げる工法が慣行されているため、こ
の場合、２段目、４段目…の偶数段目のブロツク
には必ず両端に半ブロツクが必要となる。

本考案は、全ブロツクおよび半ブロツクの双方
を必要な法（のり）勾配に合せて吊上げられる土
留めブロツク用吊具を提供せんとするものであ
る。

以下、本考案の具体例を添付図面に基いて説明
する。

第３図は本考案に係る吊具の分解斜視図で、長
尺の吊りアーム２の先端に両翼に延びる吊具本体
１を連結し、吊りアーム２の後端または中間部の
吊下げ孔２１，２１…を介して吊上げれば重心の
偏向により、吊具本体１に把持される土留めブロ
ツクＷに所定の吊下げ勾配が与えられるようにな
る。

詳しくは、吊具本体１は、土留めブロツクＷの
背面に突出する２本の突条部の各上部に嵌合可能
なる如く、２条の前後支持枠１２，１２′左右両
側から下方に一対の対向する翼板１３，１３が突
出して両翼に各把持部１１，１１を作出してい
る。

上記各把持部１１，１１の対向する翼板１３，
１３，１３，１３には、ロツクピン１４がピン孔
１３ａ，１３ａ…を介してインサートされるよう
にしてある。

また、両把持部１１，１１間は土留めブロツク
Ｗの２本の突条部が形成する溝に沿うように彎曲
したパイプガイド１５が架設してある。

上記吊具本体１に対し、吊りアーム２の先端を
連結するが、本考案では連結位置を適宜中央部か
ら各把持部１１が設けられている両側部へ移動調
節可能に掛合せしめるため、上記吊具本体１の前
方支持枠１２に対し吊りアーム２の連結ブラケツ
ト２２をボルト手段（図示せず）によつて取外し
可能に連結すると共に、後方支持枠１２′に対し
ては当該支持枠１２′を挟持可能な〓状連結ブラ
ケツト２をもつて挟持し取外し可能に連結するよ
うにしてある。

上記構成の吊具にあつては、全ブロツクを吊り
上げるときは、第４図に示すように、吊具本体１
の中央部に吊りアーム２の先端を連結固定し、両
側の把持部１１，１１を土留めブロツクＷの各突
条部上部に嵌め込み、ロツクピン１４を挿通して
抜止めし、吊上げるようにすることができる。

他方、半ブロツクを吊上げるときは、第５図に
示すように、吊具本体１の片側に寄つて吊りアー
ム２の先端を連結固定し、その直下の把持部１１
を半ブロツクの突条部上部に嵌め込み、ロツクピ
ン１４を挿通して抜止めし、吊上げるようにする
ことができる。

以上の説明で明らかなように、本考案によれ
ば、吊具本体１がコンクリートブロツクの２本の
突条部上部に嵌合する把持部１１，１１を有し、
かつ、その吊具本体１に対し吊りアーム２の連結
位置を中央部から両翼に移動可能としたので、一
台の吊具で全ブロツクおよび半ブロツクも確実か
つ簡易迅速に吊上げることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案吊具で吊上げる大型の土留めブ
ロツクの斜視図、第２図は擁壁工事の工程を示す
説明図、第３図は本考案に係る吊具の分解斜視
図、第４図は全ブロツク吊下げ作業の説明図、第
５図は半ブロツク吊下げ作業の説明図である。 １…吊具本体、２…吊りアーム、１１…把持
部、１４…ロツクピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 長尺の吊りアーム２の先端に吊具本体１を設
   け、吊りアーム２の後端部より中間部に至る領域
   に所要間隔をもつて開設された吊上孔２１，２１
   …の吊り上げ位置選択に応じて吊具本体２に把持
   する土留めブロツクＷに所定の吊下げ勾配を与え
   る吊具において、 対象とする土留めブロツクＷは、その背面に垂下
   方向に沿つて突出する１本または２本の突条部を
   有し、かつ、同突条部には突条形成方向に対し直
   交方向に貫通孔を有しており、 前記吊具本体１は土留めブロツクの各上部に嵌合
   する一対の把持部１１，１１を当該吊具両側の翼
   板１３，１３および１３，１３の間に備えると共
   に、これら翼板１３には同軸にピン孔１３ａを設
   け、これらの翼板の外側からロツクピン１４を前
   記ピン孔１３ａを通して突条部の貫通孔へインサ
   ート可能にする一方、吊りアーム２作用端部には
   吊具本体１の前方支持枠１２の上面に連結可能な
   連結ブラケツト２２、および同吊具本体１の後方
   支持枠１２′を挟持可能な〓状の連結ブラケツト
   ２３を設け、 前記吊りアーム２の連結ブラケツト２２は吊具本
   体１の前方支持枠１２の上面に、かつ、〓状連結
   ブラケツト２３は吊具本体１の後方支持枠１２′
   の上面に脱着可能に各々連繋できるように構成し
   たことを特徴とするコンクリートブロツク用吊
   具。