JPH0656070B2 - Ａｌｃ製建築物のサツシに面格子の下部を取り付ける方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明はＡＬＣ（軽量発泡コンクリート）製の建築物に
取り付けられたサツシに面格子の下部を取り付ける方法
に関するものである。

【従来の技術】

従来、木造やＲＣ（鉄筋コンクリート）製の建築物にお
いては窓部外側の上部と下部とに別途固定する固定材に
よりサツシ竪枠よりも長さの長い面格子をサツシとは別
に取り付けていた。 しかしながら、ＡＬＣ製の建築物に面格子をサツシと別
に取り付けようとすると、躯体であるＡＬＣが損傷し易
く施工が困難なため設置しないことが多かつた。そのた
め、ＡＬＣ建築物は外観が貧弱であると共に防犯性にお
いて劣つているという欠点があつた。

【発明が解決しようとする問題点】

そこで、本発明者らは上記欠点を解消するために、ＡＬ
Ｃ製建築物の窓部外方に面格子を取り付けるべく種々の
試行を繰り返した結果、面格子の上部はサツシの上枠に
雨仕舞良く予め取り付けてある霧除け等に固定せしめれ
ばよいが、面格子の下部をサツシの下枠に直接に取り付
ける構造とするとそのサツシの下枠と直接に取り付けら
れる面格子の下部固定部分がそのまま外部に露出してし
まつて雨仕舞が悪く、更にその露出部分をコーキング材
で処理しようとしても面格子が邪魔をしてガンによりコ
ーキング処理ができないという問題点に直面した。

【問題点を解決するための手段】

そこで本発明者等はこの問題点を解決すべく鋭意研究の
結果、ＡＬＣ製建築物に取り付けられているサツシの下
枠に面格子の下部を直接に取り付けるのではなく、サツ
シの下枠に先ず面格子取付用助材となると共に雨水をサ
ツシより排出する役目もなす水切り皿板を取り付け、こ
の水切り皿板とサツシの下枠との取付部分及び水切り皿
板とその下方に位置するＡＬＣ躯体との間をガンを用い
てコーキング材で処理した後に、面格子の下端部近傍に
正面板が固定されている断面略逆Ｌ状の面格子取付部材
の上面板と水切り皿板とをその上面が連続した平面を成
すように配置して、面格子取付部材の上面板と水切り皿
板との重ね合わせ部において上面板と水切り皿板との一
方に設けた有底のビス螺入溝を上面板と水切り皿板との
他方に設けた支持部で下方から支持し且つ該支持部から
該ビス螺入溝に下方よりビスを螺入して水切り皿板に面
格子の下部を取り付ける構造とすることにより外観が良
好で防犯性も優れ、且つ前記問題点も解決できることを
究明して本発明に係るＡＬＣ製建築物のサツシに面格子
の下部を取り付ける方法を完成したのである。 すなわち本発明は、ＡＬＣ製建築物に取り付けられたサ
ツシの下枠に水切り皿板を取り付け、この水切り皿板と
サツシの下枠との取付部分及び水切り皿板とその下方に
位置するＡＬＣ躯体との間をガンを用いてコーキング材
で処理した後に、面格子の下端部近傍に正面板が固定さ
れている断面略逆Ｌ状の面格子取付部材の上面板と水切
り皿板とをその上面が連続した平面を成すように配置し
て、面格子取付部材の上面板と水切り皿板との重ね合わ
せ部において上面板と水切り皿板との一方に設けた有底
のビス螺入溝を上面板と水切り皿板との他方に設けた支
持部で下方から支持し且つ該支持部から該ビス螺入溝に
下方よりビスを螺入して水切り皿板に面格子の下部を取
り付けることを特徴とするＡＬＣ製建築物のサツシに面
格子の下部を取り付ける方法を提供するものである。

【実施例】

以下、図面に示す実施例に基づいて本発明に係るＡＬＣ
製建築物のサツシに面格子の下部を取り付ける方法につ
いて詳細に説明する。 第１図は本発明方法により面格子を取り付けた状態の１
実施例の断面説明図、第２図は本発明方法により面格子
を取り付けた状態の実施例の断面説明図である。 図面中、１はＡＬＣ躯体、２はこのＡＬＣ躯体１に取り
付けられたサツシ上枠である。３はこのサツシ上枠２の
室外側に沿つた形状の固定部3aと、この固定部3aより室
外側に突出せしめられている平板状の霧除け部3bと、こ
の霧除け部3bの中間で下側に設けられている面格子取付
部3cとが少なくとも一体に成形されている霧除けであ
り、霧除け部3bの先端には略Ｌ型の断面形状を有して下
方に垂下せしめられている水切り部3dを設けられてい
る。このような構成より成る霧除け３において、固定部
3aはサツシ上枠２の室外側上面に沿つた形状の第１固定
部と、サツシ上枠２の室外側上側面に沿つた形状の第２
固定部との２つの固定部から成ることが好ましく、この
第２固定部は水切り部3dが存在する場合には固定作業を
行うドライバーが水切り部3dの下部と当接しないように
図示した如く傾斜面を成していることが好ましい。この
霧除け３は必ずしも設けられている必要はなく、図２に
示す如く後述する面格子の上部に固定された面格子取付
部材がサツシ上枠２に固定されていても良い。４はＡＬ
Ｃ躯体１とサツシ上枠２との取付部分及び必要に応じて
サツシ上枠２と霧除け３との取付部分をガンを用いて充
填されているコーキング材、５はＡＬＣ躯体１に取り付
けられているサツシ下枠、６はサツシ下枠５に取り付け
られている水切り皿板、７は水切り皿板６とサツシ下枠
５との取付部分及び水切り皿板６とその下方に位置する
ＡＬＣ躯体１との間をガンを用いて充填されたコーキン
グ材、８は上部がサツシ上枠２に霧除け３又は面格子取
付部材を介して取り付けられ、下側部近傍が水切り皿板
６に後述する面格子取付部材９を介して取り付けられて
いる面格子であり、この面格子取付部材９は面格子８の
下端部近傍に固定されている正面板9aと、その上面が水
切り皿板６と連続した平面を成す上面板9bとが断面略逆
Ｌ状を成していて、上面板9bと水切り皿板６とはその重
ね合わせ部において下方よりビス10を螺入して固定され
る。この面格子取付部材９の上面板9bと水切り皿板６と
の重ね合わせ部の固定方法としては、第２図に示す如く
水切り皿板６の先端に面格子取付部材９の上面板9bの先
端に設けた有底のビス螺入溝の下面を支持する支持部6a
を設けておいてこの支持部6aに面格子取付部材９の上面
板9bの先端に設けた有底のビス螺入溝の下面を下方から
支持させた後にビス10を下方より上面板9bの先端に設け
たビス螺入溝に螺入して両者を固定するか、第１図に示
す如く面格子取付部材９の上面板9bの先端に水切り皿板
６の先端に設けた有底のビス螺入溝の下面を支持する支
持部を設けておいてこの支持部に水切り皿板６の先端に
設けた有底のビス螺入溝の下面を支持させた後にビス10
を下方より水切り皿板６の先端に設けたビス螺入溝に螺
入して両者を固定するかのいずれかの方法を採用すれば
良い。

【作用】

このような構成部材を用いて本発明に係るＡＬＣ製建築
物のサツシに面格子の下部を取り付ける方法を実施する
には、先ずサツシ枠をＡＬＣ製建築物のＡＬＣ躯体１の
窓台に建て込み、次いでサツシ上枠２の上部に第１図に
示す如く霧除け３を当接させて固定部3aをネジ等により
取り付けるか、第２図に示す如く上側の面格子取付部材
を当接させて固定部をネジ等により取り付けると共に、
サツシ下枠５の下部に水切り皿板６を取り付ける。しか
る後にＡＬＣ躯体１とサツシ上枠２との取付部分及び必
要に応じてサツシ上枠２と霧除け３との取付部分をガン
を用いてコーキング材４を充填してコーキング処理する
と共に、水切り皿板６とサツシ下枠５との取付部分及び
水切り皿板６とその下方に位置するＡＬＣ躯体１との間
をガンを用いてコーキング材７を充填してコーキング処
理して雨仕舞を完全にする。しかる後に面格子８の上部
を霧除け３又は上側の面格子取付部材に固定すると共
に、面格子８の下端部近傍に断面略逆Ｌ状の面格子取付
部材９の正面板9aを固定し且つこの面格子取付部材９の
上面板9bと水切り皿板６とをその上面が連続した平面を
成すように配置し、面格子取付部材９の上面板9bと水切
り皿板６との重ね合わせ部において上面板9bと水切り皿
板６との一方に設けた有底のビス螺入溝を上面板9bと水
切り皿板６との他方に設けた支持部で下方から支持し且
つ該支持部から該ビス螺入溝に下方よりビス10を螺入す
れば、ＡＬＣ製建築物のサツシへの面格子の取付けが完
了するのである。 また既設のＡＬＣ製建築物に本発明方法を実施するに
は、既設のサツシ下枠５の室外側下部に埋め込まれてい
るコーキング材を取り除いた後にそのサツシ下枠５に水
切り皿板６を取り付け、この水切り皿板６とサツシ下枠
５との取付部分及び水切り皿板６とその下方に位置する
ＡＬＣ躯体１との間をガンを用いてコーキング材７で処
理した後に、水切り皿板６に面格子８の下部を取り付け
ると共にＡＬＣ躯体１にコーキング材４により既に雨仕
舞良く取り付けられているサツシ上枠２に取り付けられ
た霧除け３又はサツシ上枠２に新たに取り付けた面格子
取付部材に面格子の上部を取り付ければよいのである。

【発明の効果】

以上の如き本発明に係るＡＬＣ製建築物のサツシに面格
子の下部を取り付ける方法は、損傷し易いＡＬＣ製建築
物のＡＬＣ躯体に面格子の下部を取り付けるのではなく
ＡＬＣ製建築物に取り付けられたサツシ下枠に水切り皿
板を取り付けて面格子の下端部近傍に正面板が固定され
ている断面略逆Ｌ状の面格子取付部材の上面板と水切り
皿板とをその上面が連続した平面を成すように配置し
て、面格子取付部材の上面板と水切り皿板との重ね合わ
せ部において上面板と水切り皿板との一方に設けた有底
のビス螺入溝を上面板と水切り皿板との他方に設けた支
持部で下方から支持し且つ該支持部から該ビス螺入溝に
下方よりビスを螺入することにより水切り皿板にＡＬＣ
躯体を損傷せしめることなく面格子の下部を取り付ける
ことができると共に、面格子を直接にＡＬＣ製建築物に
取り付けられたサツシ下枠に取り付けると雨仕舞のため
のコーキング処理をガンを用いて実施できなくなる欠点
を、サツシ下枠に先ず水切り皿板を取り付けてこの水切
り皿板とサツシの下枠との取付部分及び水切り皿板とそ
の下方に位置するＡＬＣ躯体との間をガンを用いてコー
キング材で処理した後に水切り皿板に面格子の下部を取
り付けることにより解決し、また防犯を大きな目的とす
る面格子において重要な面格子を取り付けるためのビス
が正面から見て完全に隠蔽され、しかも面格子取付部材
の上面板と水切り皿板とをその上面が連続した平面を成
すため意匠性を損なうこと無い方法であり、ＡＬＣ製建
築物でもサツシの室外側に簡単に面格子を取り付けるこ
とができ、室外側に面格子がないことによるＡＬＣ製建
築物の不具合を防止できると共に、既存のＡＬＣ製建築
物にも面格子雨仕舞良く取り付けることができるのであ
り、その工業的価値は非常に大きなものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法により面格子を取り付けた状態の１
実施例の断面説明図、第２図は本発明方法により面格子
を取り付けた状態の他の実施例の断面説明図である。 １……ＡＬＣ躯体 ２……サツシ上枠 ３……霧除け 3a……固定部 3b……霧除け部 3c……面格子取付部 3d……水切り部 ４……コーキング材 ５……サツシ下枠 ６……水切り皿板 6a……支持部 ７……コーキング材 ８……面格子 ９……面格子取付部材 9a……正面板 9b……上面板 10……ビス

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ＡＬＣ製建築物に取り付けられたサツシ下
   枠(5)に水切り皿板(6)を取り付け、この水切り皿板(6)
   とサツシ下枠(5)との取付部分及び水切り皿板(6)とその
   下方に位置するＡＬＣ躯体(1)との間をガンを用いてコ
   ーキング材(7)で処理した後に、面格子(8)の下端部近傍
   に正面板(9a)が固定されている断面略逆Ｌ状の面格子取
   付部材(9)の上面板(9b)と水切り皿板(6)とをその上面が
   連続した平面を成すように配置して、面格子取付部材
   (9)の上面板(9b)と水切り皿板(6)との重ね合わせ部にお
   いて上面板(9b)と水切り皿板(6)との一方に設けた有底
   のビス螺入溝を上面板(9b)と水切り皿板(6)との他方に
   設けた支持部で下方から支持し且つ該支持部から該ビス
   螺入溝に下方よりビス(10)を螺入して水切り皿板(6)に
   面格子(8)の下部を取り付けることを特徴とするＡＬＣ
   製建築物のサツシに面格子の下部を取り付ける方法。