JPH0655919A - 車両のサスペンション装置のための電気制御装置 - Google Patents

車両のサスペンション装置のための電気制御装置

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JPH0655919A
JPH0655919A JP21145692A JP21145692A JPH0655919A JP H0655919 A JPH0655919 A JP H0655919A JP 21145692 A JP21145692 A JP 21145692A JP 21145692 A JP21145692 A JP 21145692A JP H0655919 A JPH0655919 A JP H0655919A
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JP
Japan
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vehicle
wheel speed
reference value
speed
suspension
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JP21145692A
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English (en)
Inventor
Takaaki Enomoto
高明 榎本
Masayuki Kawamoto
雅之 川本
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で精度よく車両のサスペンション
特性を制御する。 【構成】 車輪速センサ21,22が前輪FW1,FW
2の回転をピックアップし、マイコン24が前輪FW
1,FW2の車輪速VWL,VWRを検出するとともに、同
速度VWL,VWR の車体(ばね上)の共振周波数に対応し
た変動量を抽出し、この抽出した変動量が基準値Vref
を越えたとき電気アクチュエータ11a〜14aを制御
してサスペンション装置の減衰力をハード側に切り換え
制御する。これにより、車輪速センサ21,22の出力
に基づいてサスペンション装置の減衰力が制御可能とな
るので、車体の振動を検出するための構成が簡素化され
る。また、前記基準値Vref は車速Vの増加に従って増
加させてサスペンション装置の制御を車両の特性に合致
させるようにしたので、サスペンション装置の減衰力が
精度よく制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のサスペンション
特性を変更する電気アクチュエータを備えた車両のサス
ペンション装置のための電気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えば特開昭6
0−226313号公報に示されているように、車体
(ばね上)の変位量を検出するための圧電素子をショッ
クアブソーバのピストンロッドと車体との間に介装して
なり、圧電素子により検出された車体の変位量に基づい
て車体の振動レベルを導出し、同レベルが所定値以上に
なったときサスペンション特性をハード側に変更するよ
うにして、うねりのある路面において車両の乗り心地お
よびタイヤの接地性を良好にするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来装置
にあっては、圧電素子をサスペンション機構内に組み付
ける関係上、サスペンション装置が複雑となって部品点
数や組立工数が増加するという問題がある。本発明は上
記問題に対処するためになされたもので、その目的は、
車輪速度を用いて車体の振動レベルを検出することによ
り、簡単な構成でサスペンション特性を的確に制御する
車両のサスペンション装置のための電気制御装置を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成上の特徴は、車両のサスペンション装
置のための電気制御装置において、車輪速度を検出する
車輪速度検出手段と、前記検出された車輪速度からばね
上共振周波数に対応した車輪速度の変動量を抽出する抽
出手段と、車速の増加にしたがって増加する基準値を決
定する基準値決定手段と、前記抽出された変動量が前記
決定された基準値より大きいとき電気アクチュエータを
制御して車両のサスペンション特性をハード側に変更す
る特性変更手段とを備えたことにある。
【0005】
【作用】上記のように構成した本発明においては、車輪
速度検出手段によって走行中の車両の車輪速度が検出さ
れる。いま、車両が図7(A)に示すようなうねりのある
路面を車速V[km/h]で走行すると、同車両が前記うねり
を通過する際に車両のピッチングによって車輪の軸荷重
が変化し、タイヤの動荷重半径r(t)[m]は図7(B)の
ように変化する。この場合、車速V[km/h]はほぼ一定に
保たれるので、車輪の回転数N(t) [回/秒]は下記数1
のように表される。
【0006】
【数1】 N(t)=V/2πr(t)×1000/3600 [回/秒] 一方、車輪速度VW(t) [km/h](単位時間当りの車輪の
前進速度)は図10(A)のように変動しており、この車
輪速度VW(t)[km/h]を、前記回転数N(t)[回/秒]を用
いて表すと、同車輪速度VW(t) [km/h]は下記数2のよ
うに表される。なお、この場合におけるタイヤの動荷重
半径は一定値R[m]としている(後述するように、車輪
速度の変動量を問題にする場合には大きな誤差の原因と
ならない)。
【0007】
【数2】VW(t)=2πR×N(t)×3600/1000 =VR/r(t) [km/h] そして、前記車輪速度VW(t) [km/h]からばね上共振周
波数に対応した車輪速度VW(t) [km/h]の変動量ΔV
W(t) [km/h]が抽出手段によって抽出されて、同変動量
ΔVW(t) [km/h]は、図10(B)に示すように、車輪速
度VW(t) [km/h]から直流成分などが除去されたものと
なる。したがって、車輪速度VW(t) [km/h]の変動量Δ
W(t) [km/h]の幅ΔVW [km/h]は下記数3のように表
される。
【0008】
【数3】
【0009】そして、この変動量ΔVW(t) [km/h]の幅
ΔVW [km/h]は路面のうねりに起因した車体(ばね上)
の振動を表しており、特性変更手段は同変動量ΔV
W(t) [km/h]が基準値より大きいとき電気アクチュエー
タを制御して車両のサスペンション特性をハード側に変
更する。その結果、車体の振動が抑制されて車両の乗り
心地およびタイヤの接地性が良好となる。また、前記基
準値は基準値決定手段によって車速Vの増加にしたがっ
て増加するように設定される。これは、前記数3から明
らかなように、車輪速度VW(t) [km/h]の変動量ΔV
W(t) [km/h]の幅ΔVW[km/h]が車速Vの増加にしたが
って増加することに対応するもので、車速V [km/h] が
増加しても必要以上にサスペンション特性がハード側に
変更されることを防止する。
【0010】
【発明の効果】上記作用説明からも理解できるとおり、
本発明によれば、車輪速度を検出するのみで車体(ばね
上)の振動を検出することができるので、振動を検出す
るためのセンサをサスペンション装置内に組み込む必要
がなくなり、サスペンション装置のための電気制御装置
を簡単に構成できるようになる。また、基準値を車速に
応じて変更することにより、車速が変化してもサスペン
ション特性が的確にハード側に変更され、車両の乗り心
地およびタイヤの接地性が良好になる。
【0011】
【実施例】最初、本発明の一実施例にて利用される原理
について説明しておく。
【0012】a.原理の説明 車両が図7(A)に示すようなうねりのある路面を車速V
[km/h]で走行すると、同車両が前記うねりを通過する際
に車両のピッチングなどによって車輪の軸荷重が変化し
て、タイヤの動荷重半径r(t)[m]は図7(B)のように
変化する。この動荷重半径r(t)[m]の変化は図8に示
されており、車両によっても異なるが、例えばタイヤの
空気圧が2.0kg/cm2かつ時速80km/hで走行中に、車
両が路面のうねりを通過して車輪の軸荷重が400kgを
中心に±100kg変化すると、動荷重半径rは約0.001
m程度変化する。また、タイヤの動荷重半径rは車速V
[km/h]によっても変化することも解っており、車両によ
っても異なるが、例えば図9に示すように時速40〜1
20km/hの変化で0.286〜0.0.287mまで変化する。
【0013】一方、車輪がうねりを通過する際にも、車
速V[km/h]はほぼ一定に保たれているので、車輪の回転
数N(t) [回/秒]は前記うねりにより変動して下記数4
のように表される。
【0014】
【数4】 N(t)=V/2πr(t)×1000/3600 [回/秒] 次に、車輪速度VW(t)[km/h] (単位時間当りの車輪の
前進速度)を求める。車輪速度VW(t) [km/h]は図10
(A)のように変動しており、この車輪速度VW(t)[km/
h]を前記回転数N(t)[回/秒]を用いて表すと、同車輪
速度VW(t) [km/h]は下記数5のように表される。な
お、この場合、タイヤの動荷重半径を一定値R[m]とし
ている。
【0015】
【数5】VW(t)=2πR×N(t)×3600/1000 =VR/r(t) [km/h] ここで、前記数5による計算値と実測値とを比較するた
めに、同数5を用いた計算例を示す。いま、車両が時速
70km/hで走行していて時刻T1,T2,T3にて車輪の軸が荷
重400kg,500kg,300kgを受けた場合を想定す
ると、図9および前記数5により、車輪の動荷重半径r
(T1),r(T2),r(T3)及び車輪速度VW(t) km/h は下記
表1のようになる。なお、前記数5のRは0.286m(時
速40km/hのときのタイヤの動荷重半径)に固定されて
いる。
【0016】
【表1】
【0017】上記表1から計算されるように、車輪速度
(t) [km/h]の変動量ΔVW(t)[km/h]の最大値と
最小値の差は0.245km/hとなる。一方、図11に
は、同一車両をうねりのある路面を実際に時速70km/h
で走行させて車輪速度の変動量を測定した結果を示して
あり、同実測によれば同変動量の最大値と最小値との差
は1.2km/hになる。この実測値と前記計算値とを比較
すると、計算値は実測値の2割程度の値となっている。
この場合、実際の車輪速度の変動は、前記計算値に関係
した車両のピッチングの他に、位置エネルギ、タイヤの
変形などの影響を受けるので、計算値が実測値を下回る
ものと考えられる。しかし、前記動荷重半径r(t) を用
いた車輪速度VW(t) [km/h]の変動が路面のうねりに起
因した車体の振動を表していることは理解できる。
【0018】次に、車輪速度VW(t) [km/h]の変動量
が、前記数5の右辺の車速Vの影響を受けること、およ
び図9の車速Vに応じた動荷重半径r(t)の影響をほと
んど受けないことを証明するために、車両が時速40km
/hと120km/hで走行した場合の前記と同様な計算例を
表2〜4に示す。表2は時速40km/hの場合の計算例
で、表3は時速120km/hかつ動荷重半径r(t)を図9
に示すように車速Vに依存させた場合の計算例で、表4
は時速120km/hかつ動荷重半径r(t)を車速Vとは独
立させた場合の計算例である。なお、これらの場合も、
前記数5のRは0.286m(時速40km/hのときのタイヤ
の動荷重半径)に固定されている。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】そして、前記表2の場合における車輪速度
W(t)[km/h] の変動量ΔVW(t)[km/h]は−0.07
〜+0.07[km/h] の範囲内となり、前記表3の場合
における同変動量ΔVW(t)[km/h]は−0.208〜+
0.209[km/h] の範囲内となり、前記表4の場合に
おける同変動量ΔVW (t)[km/h]は−0.209〜+
0.210[km/h]の範囲内となる。したがって、路面の
うねりに起因した車輪速度VW(t)[km/h]の変動量ΔVW
(t)[km/h]は上記数5の右辺の車速Vの影響を受ける
が、車速Vの増加にしたがってタイヤの動荷重半径が増
加(図9)する影響はほとんど受けないことが理解でき
る。ゆえに、タイヤの動荷重半径が増加する影響を無視
して上記数5の右辺の車速Vの影響のみについて検討す
ると、車輪速度VW(t)[km/h] の変動量ΔVW(t)[km/
h]の幅ΔVW[km/h]は上記数5より下記数6のように表
される。
【0023】
【数6】
【0024】そして、図8のグラフに基づくR=r(T1)
=0.2860m,r(T2)=0.2855mを上記数6に代入する
と、VW(t)=0.001751×V となる。これにより、車輪
速度VW(t)[km/h]の変動量ΔVW(t)[km/h]の幅ΔV
W[km/h]は図12のグラフに示すような関係で車速Vに
依存する。
【0025】b.実施例 次に、上述の原理による車輪速度VW(t)の変動量ΔVW
(t)を用いて車両のサスペンション特性を制御する実施
例について説明する。車体BDは、図1に示すように、
前輪FW1,FW2及び後輪RW1,RW2位置にてサ
スペンション装置11〜14により弾性的に支承されて
いる。サスペンション装置11〜14はショックアブソ
ーバ、エアチャンバなどからなるよく知られたもので、
各ショックアブソーバの減衰力は内蔵または外付けの電
気アクチュエータ11a〜14aによりソフト側または
ハード側に切り換えられるようになっている。
【0026】次に、これらのサスペンション装置11〜
14を電気的に制御する電気制御装置について説明す
る。電気制御装置は、図1,2に示すように、車輪速セ
ンサ21,22および車速センサ23を備えている。車
輪速センサ21,22は従動輪としての前輪FW1,F
W2の回転を磁気的にピックアップして、それらの回転
数に比例した周波数のパルス列信号を出力するものであ
る。なお、この種の車輪速センサは通常アンチロックブ
レーキシステムを採用した車両に搭載されているので、
同システムを採用した車両においては同システム内の車
輪速センサを利用できる。車速センサ23は変速機の出
力軸の回転数を検出して車速Vを検出するもので、通常
スピードメータ用として利用されるものである。各セン
サ21〜23にはマイクロコンピュータ24(以下単に
マイコン24という)が接続されている。マイコン24
はCPU、ROM、RAM、I/O、タイマなどからな
り、図3,4のフローチャートに対応したプログラムを
所定時間(例えば5ミリ秒)毎に実行して車両のサスペ
ンション特性をソフト側またはハード側に切り換え制御
する。マイコン24には駆動回路25〜28が接続され
ており、同回路25〜28はマイコン24からの制御信
号に応じて電気アクチュエータ11a〜14aを駆動す
る。
【0027】次に、上記のように構成した実施例の動作
を説明する。イグニッションスイッチが投入されると、
マイコン24は図3のステップ100〜128からなる
プログラムを所定時間毎に繰り返し実行する。このプロ
グラムにおいては、マイコンはステップ102にて車輪
速センサ21,22から入力されるパルス列信号に基づ
いて前輪FW1,FW2の各車輪速度VWL,VWRを計算
し、ステップ104にてこれらの車輪速度VWL,VWR
それぞれバンドパスフィルタ処理を施すことによって各
車輪速度VWL,VWRの変動量ΔVWL,ΔVWRを計算す
る。このバンドパスフィルタ処理は、車輪速度VWL,V
WRから車体(ばね上)の共振周波数に対応した1〜3H
zの変動量ΔVWL,ΔVWRを取り出すものであり、同変
動量ΔVWL,ΔVWRは車体(ばね上)の振動を表してい
る。次に、マイコン24はステップ106にて前記両変
動量ΔVWL,ΔVWRを加算する。この加算の結果、車体
BDの左右方向の振動による影響が打ち消されて前後方
向の振動による影響が強調され、加算値ΔVW は、車体
BDのピッチングすなわち路面のうねりをよりよく表す
信号となる。前記ステップ106の処理後、ステップ1
08にて、マイコン24は基準値決定ルーチンを実行す
る。
【0028】この基準値決定ルーチンは図4に詳細に示
されており、マイコン24はステップ200にて同ルー
チンの実行を開始して、ステップ201,202にて車
速センサ23によって検出された車速Vと所定車速V1
(20km/h程度の極低車速)および所定車速V2 (90
km/h程度の高車速)とをそれぞれ比較する。この場合、
車速Vが所定車速V1 以下であれば、マイコン24はス
テップ201にて「YES」と判定し、ステップ204
にて基準値Vref を所定値Vref1に設定する。また、車
速Vが所定車速V2 以上であれば、マイコン24はステ
ップ202にて「YES」と判定し、ステップ206に
て基準値Vref を所定値Vref2に設定する。さらに、車
速Vが所定車速V1 と所定車速V2 との間にあれば、マ
イコン24はステップ201,202にて共に「NO」
と判定してプログラムをステップ208,210に進め
る。マイコン24はステップ208にて同マイコン24
内に設けたテーブル(図5)を参照して車速Vに応じた
複数の値を読み出し、ステップ210にて同読み出した
複数の値を用いて補間演算を実行して車速Vに対応した
基準値Vref を計算する。
【0029】テーブルは、前記原理で説明した車輪速度
W(t)の変動量ΔVW(t)の車速依存性(図12)を考
慮して決定した少数の基準値Vref を離散的、例えば図
5のポイントP1,P2,P3,P4 毎に記憶している。また、極
低車速領域にて基準値Vrefを所定値Vref1に固定した
理由は、テーブル内のデータ数をなるべく少なくしよう
とするためであるとともに、車両の極低速状態では本発
明の制御対象である路面のうねりに起因した車両の振動
(あおり)がほとんど発生しないにもかかわらず、基準
値Vrefを所定値Vref1より小さくしていくと不必要に
サスペンション特性がハード状態に切り換えられてしま
うことを防止するためである。また、高車速領域にて基
準値Vref を所定値Vref2に固定した理由は、テーブル
内のデータ数をなるべく少なくしようとするためである
とともに、うねりがある路面を高速で走行する可能性は
低く基準値Vref を所定値Vref2よりも大きくしてもそ
の使用頻度が高くないためである。一方、補間演算はテ
ーブルからの読み出し値を2つ用いた直線補間でもよ
く、テーブルからの読み出し値の数をそれ以上にした
2,3次曲線補間などでもよい。さらに、例えば図6
(A)〜(C)のような曲線により表される関数を用いた補
間でもよい。
【0030】次に、マイコン24はステップ110にて
前記加算値ΔVW と基準値Vref とを比較する。いま、
車両が平坦路を走行していれば、加算値ΔVW は小さな
値であって基準値Vref 未満であるので、マイコン24
はステップ110にて「NO」と判定してプログラムを
ステップ118へ進める。ステップ118においては、
マイコン24はサスペンション特性がハード側であるこ
とを表すフラグFが”1”であるか否かを判定する。こ
の場合、フラグFは図示しない初期設定ルーチンにて”
0”に設定されているので、マイコン24はステップ1
18にて「NO」と判定してプログラムをステップ12
6へ進める。ステップ126においては、マイコン24
は駆動回路25〜28にソフトを表す制御信号を出力す
る。これにより、駆動回路25〜28は電気アクチュエ
ータ11a〜14aを駆動制御してサスペンション装置
11〜14の減衰力をソフト側に制御する。そして、車
両が平坦路を走行している限り、マイコン24はステッ
プ102〜110,118,126の処理を繰り返し実
行して、サスペンション装置11〜14の減衰力をソフ
ト側に維持する。
【0031】一方、車両がうねりのある路面を走行する
と、上述した原理の説明のように、ステップ102〜1
04の処理によって計算した加算値ΔVW が大きくな
る。したがって、同加算値ΔVW が基準値Vref 以上に
なって、マイコン24はステップ110にて「YES」
と判定してプログラムをステップ112〜116に進め
る。マイコン24は、ステップ112にてカウント値C
を「0」に初期設定し、かつステップ114にてフラグ
Fを”1”に設定した後、ステップ116にてハードを
表す制御信号を駆動回路25〜28に出力する。これに
より、駆動回路25〜28は電気アクチュエータ11a
〜14aを駆動制御してサスペンション装置11〜14
の減衰力をハード側に切り換える。そして、車両がうね
りのある路面を走行している限り、マイコン24はステ
ップ102〜116の処理を繰り返し実行して、サスペ
ンション装置11〜14の減衰力をハード側に維持す
る。
【0032】一方、走行路面の前記うねりがなくなる
と、加算値ΔVW が基準値Vref 未満になって、マイコ
ン24はステップ110にて「NO」と判定してプログ
ラムをステップ118に進める。この場合、前記ステッ
プ114の処理によってフラグFは”1”に設定されて
いるので、マイコン24はステップ118にて「YE
S」と判定してプログラムをステップ120,122に
進める。マイコン24は、ステップ120にてカウント
値Cに「1」を加算し、ステップ122にて同加算結果
Cが所定値T0 以上であるか否かを判定する。加算値Δ
W が基準値Vref未満になってからあまり時間が経過
していなければ、カウント値Cは所定値T0未満である
ので、ステップ122における「NO」との判定の基
に、マイコン24はステップ102〜110,118〜
122,116の処理を実行して、サスペンション装置
11〜14の減衰力をハード側に維持する。
【0033】ステップ120の処理によってカウント値
Cが所定値T0 に達すると、マイコン24はステップ1
22にて「YES」と判定して、プログラムをステップ
124,126に進める。マイコン24はステップ12
4にてフラグFを”0”に変更した後、ステップ126
にて前述のようにサスペンション装置11〜14の減衰
力をソフト側に切り換える。以降、車両が平坦路を走行
している限り、最初に説明した場合と同様にして、マイ
コン24はサスペンション装置11〜14の減衰力をソ
フト側に維持する。
【0034】上記作動説明からも理解できるように、上
記実施例によれば、車輪速度VWL,VWRを検出するのみ
で車体(ばね上)の振動を検出することができ、同振動
の検出によりサスペンション装置11〜14のサスペン
ション特性を制御できるので、同装置11〜14を制御
するための電気制御装置を簡単に構成できる。また、サ
スペンション特性をソフト側またはハード側に切り換え
るための基準値Vrefを車速Vの増加にしたがって増加
させるようにしたので、車速Vが変化してもサスペンシ
ョン特性を常に的確に制御でき、車両の乗り心地および
タイヤの接地性が良好になる。さらに、上記実施例にお
いては、極低車速および高車速領域にて基準値Vref と
して固定された所定値Vref1,Vref2を利用するととも
に、低中車速領域にてテーブルの参照および補間演算に
よって基準値Vref を計算するようにしたので、テーブ
ル内に記憶するデータ数を少なくすることができる。特
に、路面状態を検出して良路と悪路で異なるテーブルか
ら基準値Vref を読み出す場合、または減衰力を多段
(例えばソフト、セミソフト、ミディアム、セミハー
ド、ハード)に切り換えるために多数のテーブルを必要
とする場合に有効である。
【0035】c.変形例 次に、上記実施例をハード回路により構成した上記実施
例の変形例について説明する。この変形例に係る電気制
御装置は、図13に示すように、車輪速センサ21a,
22aおよび車速センサ23を備えている。車輪速セン
サ21a,22aは、上記実施例と同様に前輪FW1,
FW2の回転をピックアップするとともに同ピックアッ
プしたピックアップ信号に基づいて車輪速度VWL,VWR
を計算し、この計算した各輪FW1,FW2の車輪速度
WL,VWRを表す信号をそれぞれ出力する。車速センサ
23は上記実施例と同一構成である。車輪速センサ21
a,22aにはそれぞれローパスフィルタ31a,32
aおよびハイパスフィルタ31b,32bが直列に接続
されている。ローパスフィルタ31a,32aのカット
オフ周波数は約3Hzに設定されるとともに、ハイパス
フィルタ31b,32bのカットオフ周波数は約1Hz
に設定されていて、各ローパスフィルタ31a,32a
およびハイパスフィルタ31b,32bの各対によって
通過周波数帯域が約1〜3Hzに設定されたバンドパス
フィルタ31,32がそれぞれ構成されている。
【0036】バンドパスフィルタ31,32の出力は加
算器33に接続され、加算器33の出力は比較器34の
正側入力(+)に接続されている。比較器34の負側入力
(−)には、車速センサ23からの信号を入力する基準値
テーブル35aおよび補間演算回路35bが接続されて
いる。この基準値テーブル35aは、図5に示すように
車速Vの増加にしたがって増加する一つまたは複数の基
準値Vref を出力する。補間演算回路35bは基準値テ
ーブル35aから出力された複数の基準値Vref を補間
して常に一つの基準値Vref を出力する。補間演算回路
35bの出力は比較器34の出力はフリップフロップ3
6のセット入力Sに直接接続されるとともに、インバー
タ37およびタイマ38を介してフリップフロップ36
のリセット入力Rに接続されている。タイマ38は入力
信号を所定時間遅延して出力するものである。フリップ
フロップ36の非反転出力端Qは駆動回路25〜28に
それぞれ接続されている。
【0037】このように構成した変形例においては、車
輪速センサ21a,22aは各車輪速度VWL,VWRを表
す信号を出力し、バンドパスフィルタ31,32が各車
輪速度VWL,VWRを表す信号から車体BD(ばね上)の
共振周波数に対応した1〜3Hzの車輪速度VWL,VWR
の変動量ΔVWL,ΔVWR信号をそれぞれ抽出するので、
各フィルタ31,32からは上記実施例と同様な各車輪
速度VWL,VWRの変動量ΔVWL,ΔVWRが出力されるこ
とになる。そして、これらの変動量ΔVWL,ΔVWRが加
算器33にて加算され、同加算値ΔVW が比較器34に
て上記実施例と同様な基準値Vref と比較される。
【0038】したがって、車両が平坦路を走行していて
加算値ΔVW が基準値Vref 未満であれば、比較器34
はローレベル信号”0”を出力する。一方、車両がうね
りのある路面を走行して加算値ΔVW が基準値Vref 以
上であれば、比較器34はハイレベル信号”1”を出力
する。これにより、車両が平坦路を走行していて比較器
34がローレベル信号”0”を出力し続ければ、フリッ
プフロップ36はリセット状態に保たれて同フリップフ
ロップ36から各駆動回路25〜28へはローレベル信
号”0”がそれぞれ出力される。これにより、駆動回路
25〜28は電気アクチュエータ11a〜14aを制御
してサスペンション装置11〜14の減衰力をソフト側
に維持する。
【0039】一方、車両がうねりのある路面を走行して
比較器34がハイレベル信号”1”を出力すると、フリ
ップフロップ36はセット状態に切り換えられて同フリ
ップフロップ36から各駆動回路25〜28へはハイレ
ベル信号”1”がそれぞれ出力される。これにより、駆
動回路25〜28は電気アクチュエータ11a〜14a
を制御してサスペンション装置11〜14の減衰力をハ
ード側に切り換える。そして、車両がうねりのある路面
を走行し続ければ、サスペンション装置11〜14の減
衰力はハード側に維持される。また、走行路面の前記う
ねりがなくなると、比較器34はふたたびローレベル信
号”0”を出力し始める。しかし、タイマ38がフリッ
プフロップ36のリセットを所定時間だけ遅延するの
で、路面のうねりがなくなってから所定時間後にサスペ
ンション装置11〜14の減衰力はソフト側に戻され
る。その結果、この変形例においても、サスペンション
装置11〜14の減衰力は上記実施例と同様に制御され
る。
【0040】d.その他の変形例 なお、上記実施例および変形例においては、各車輪速度
WL,VWRの変動量ΔVWL,ΔVWRの加算値ΔVW と基
準値Vref とを比較することによりサスペンション装置
11〜14の減衰力の切り換えを制御するようにした
が、各変動量ΔVWL,ΔVWRと基準値Vref とをそれぞ
れ比較するとともに、少なくとも一方の変動量ΔVWL
ΔVWRが基準値Vref 以上のとき前記減衰力をハード側
に切り換えるようにしてもよい。
【0041】また、上記実施例においては、車両のサス
ペンション特性の制御としてサスペンション装置11〜
14の減衰力を制御するようにしたが、サスペンション
特性の制御としてサスペンション装置11〜14のばね
定数をソフト(小)またはハード(大)に切り換え制御
するようにしてもよい。この場合、サスペンション装置
11〜14のエアチャンバの容積を電気アクチュエータ
で切り換えるようにすればよい。
【0042】さらに、上記実施例おいては、基準値Vre
f を車速Vに応じて変更するために車速Vとしてスピー
ドメータ用の車速センサ23の出力を利用するようにし
た。しかし、この場合の車速Vは高い精度を要求される
ものでないので、前記車速Vに代えて車輪速度VWL,V
WRを利用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す車両の全体概略図で
ある。
【図2】 図1のサスペンション装置を制御するための
電気制御装置のブロック図である。
【図3】 図2のマイコンにて実行されるプログラムの
フローチャートである。
【図4】 図3の基準値決定ルーチンの詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図5】 車速Vと基準値Vref との関係を示すグラフ
である。
【図6】 (A)〜(C)は補間の態様を示すグラフであ
る。
【図7】 (A)はうねりのある路面上における車両の走
行状態を示す図であり、(B)は同うねりを通過するとき
のタイヤの状態を示す図である。
【図8】 車輪の軸荷重とタイヤの動荷重半径との関係
を示すグラフである。
【図9】 車速とタイヤの動荷重半径との関係を示すグ
ラフである。
【図10】 (A)は車輪速度を時間経過にしたがって示
すグラフであり、(B)は同車輪速度の変動量を時間経過
にしたがって示すグラフである。
【図11】 車輪速度の変動量を時間経過にしたがって
示す実測値である。
【図12】 車速が車輪速度の変動に与える影響度を示
すグラフである。
【図13】 変形例に係る電気制御装置のブロック図で
ある。
【符号の説明】
BD…車体、FW1,FW2…前輪、RW1,RW2…
後輪、11〜14…サスペンション装置、11a〜14
a…電気アクチュエータ、21,21a,22,22a
…車輪速センサ、23…車速センサ、24…マイクロコ
ンピュータ、31,32…バンドパスフィルタ、33…
加算器、34…比較器、35a…基準値テーブル、35
b…補間演算回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のサスペンション特性を変更する電
    気アクチュエータを有した車両のサスペンション装置の
    ための電気制御装置において、 車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、 前記検出された車輪速度からばね上共振周波数に対応し
    た車輪速度の変動量を抽出する抽出手段と、 車速の増加にしたがって増加する基準値を決定する基準
    値決定手段と、 前記抽出された変動量が前記決定された基準値より大き
    いとき前記電気アクチュエータを制御して車両のサスペ
    ンション特性をハード側に変更する特性変更手段とを備
    えたことを特徴とする車両のサスペンション装置のため
    の電気制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100770308B1 (ko) * 2006-01-18 2007-10-25 주식회사 만도 차량용 전자제어 현가장치에서의 모드 제어 방법
US20160318364A1 (en) * 2015-04-28 2016-11-03 Honda Motor Co., Ltd. Suspension controller

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