JPH0654732B2 - 樹脂結合型希土類磁石の製造方法 - Google Patents

樹脂結合型希土類磁石の製造方法

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JPH0654732B2
JPH0654732B2 JP1285015A JP28501589A JPH0654732B2 JP H0654732 B2 JPH0654732 B2 JP H0654732B2 JP 1285015 A JP1285015 A JP 1285015A JP 28501589 A JP28501589 A JP 28501589A JP H0654732 B2 JPH0654732 B2 JP H0654732B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、樹脂結合型希土類磁石の射出成形法による磁
石の製造方法に関するものである。
[従来の技術] 射出成形で磁石を製造しようという試みは古くから行な
われており、フェライト磁石の分野ではずでに工業的に
定着している。
しかし、希土類磁石を射出成形で製造する試みは、ごく
最近始まったばかりである。それ故、未だに多くの問題
をかかえている。
それらの問題のうちの一つは、スプルとランナーあるい
は、良品にならなかった不合格磁石の再利用のことであ
る。
第2図は射出成形された物の全体を示す模式図である。
第2図において、1が磁石で2がランナー、3がスプル
そして4はゲートである。
射出成形で磁石を製造すれば、必ずスプル3とランナー
2は同時に成形される。その場合の成形体全体に占める
スプル3とランナー2の体積比は、希土類磁石の場合、
半分以上であるのが殆んどである。特に小型の磁石であ
る場合は80〜90%以上になってしまう。
従って、原料費が高価な希土類磁石の場合、スプルとラ
ンナーの再利用は必要不可欠のことである。
また、射出成形では、成形開始直後のショットが安定せ
ず、通常10ショット程度、多い時には数十ショットの
磁石の不良品が出る。
これらは射出成形がうまくゆかなかった為出来る不良品
で、充填不足とか寸法がバラついている為不良品となっ
たものである。
また成形途中でも条件のバラツキによって、このような
不良品は生ずる。
これらの為、射出成形による磁石の不良品率は2〜10
%程度になる。
これらの不良品磁石の再生処理も必要不可欠である。
しかし、従来希土類磁石の射出成形による製造には、R
Co型(Rは希土類元素を示す)の磁石粉が使用され
ており、スプルとランナーあるいは磁石の再生は非常に
困難であり、とりわけ高性能が要求される場合には不可
能であった。
何故ならば、RCo粉末は非常に化学的に活性であ
り、空気中の酸素と反応して中の希土類元素が参加して
しまう。
磁石の射出成形には、ポリアミドが一般的な樹脂として
用いられるので、射出温度も270〜300℃と高い。
そのため、酸化も激しく条件によっては燃焼することす
らある。このため磁気性能は再生するごとに低下する。
第3図は、SmCo磁石粉末60容積%とポリアミド
より作製したペレットを成形したサイクル実験結果を示
す。図に明らかなようにリサイクル回数が増すごとに磁
気性能は低下している。同時に機械的性能も低下してい
る。
最初の状態で引張り強度は300kg/cm2あったものが
リサイクル5回目には、95kg/cm2になった。これ
は、樹脂の劣化が原因ではなく、酸化のため粒子表面の
接着強度が低下したためである。
[発明の解決しようとする課題] 本発明の目的は、前記のような従来の技術に於ける欠点
を克服するためになされたもである。
即ち、希土類磁石粉末として従来のRCo型を、R
TM17型(TMは遷移金属を示す)に代えることによ
り、材料の再生利用を可能にしたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、 射出成形法による樹脂結合型希土類磁石の製造方法にお
いて、 a.RTM17型の希土類合金を溶解し、 b.原料合金を溶体化熱処理を行い、 c.次いで時効処理し、 d.粉砕処理して粒度調整し、 e.得られた磁石粉末を表面処理し、 f.次いで得られた磁石粉末とポリアミド樹脂と混練
し、 g.得られた混練物を粉砕しペレット化し、 h.次いで得られた磁石粉末を磁場射出成形し、 i.得られた磁石とスプルとランナーとをゲートカット
により分離し、 j.得られたスプルとランナーを前記g工程にリサイク
ルする a〜j工程とから成ることを特徴とする樹脂結合型希土
類磁石の製造方法である。
また、前記射出成形し得られた磁石あるいはスプルとラ
ンナーを脱磁したのちリサイクルすることを特徴とする
樹脂結合型希土類磁石の製造方法であり、 さらに、磁石あるいはスプルとランナーより再生した原
料と混練あがりの原料を混合して用いることを特徴とす
る樹脂結合型希土類磁石の製造方法である。
[作用] 一般に希土類磁石のうち、RTM17型の磁性粉は、希
土類の含有量がRCo型よりも少ないので酸化性もそ
れだけ少い。
また保磁力機構が、RCo型の粒子表面での核生成に
もとづくのに比べ、RTM17では析出物による磁壁の
ピニングなので、粒子表面の酸化による磁気性能の影響
を受けにくいし、RCo型では、2〜5μmぐらいの
微粉にしないと高い保磁力は得られなかったが、R
17型では保磁力は粒度に依存しない。
従って粒子の延べ表面積は、RCo型の方が圧倒的に
多くなり、それだけ酸化しやすい。加えるにRTM17
型の磁粉の方が、磁気的性質はすぐれている。
上述した如くRCo型磁粉に比べて、特性のすぐれて
いるRTM17型磁粉が最初から使用されないのは、R
TM17磁粉の製造がたいへん難しいものであるからで
あった。
厳密な組成コントロールと鋳造結晶制御そして複雑な熱
処理を経なければ、よいRTM17型磁粉は製造できな
い。
幸いにも我々は、樹脂結合型希土類磁石の圧縮成形法に
おいて、RTM17型磁粉を採用しており、該粉末の製
造には技術力を積み重ねてあったので、射出成形法にも
該粉末をスムーズに転用することができた。
さらに、本発明においては、前述したごとく、樹脂結合
型希土類合金を溶解し、これより得られた希土類磁石粉
末を用いて、射出成形された磁石あるいはスプルとラン
ナーを粉砕してリサイクルするa〜j工程からなる製造
方法により、高性能でかつ安価な磁石の製造が初めて可
能となったものである。
以下本発明の実施例を説明する。
[実施例1] 第1図に本発明方法の工程図を示す。
まず、RTM17型の希土類合金として、例えば、Sm
(Co0.672Cu0.08Fe0.22Zr0.288.3の組成を有
する原料合金を低周波溶解炉で溶解した。
得られた原料合金を、第1図の工程に従って、射出成形
法により磁石化した。
まず熱処理であるが、溶体化処理を1170℃で4時間
行い、時効を800℃から200℃まで、等温時効と冷
却時効を組み合わせて行った。
次に試料は、粗粉砕,微粉砕そして、平均粒度10μm
の適切な粒度分布を有する様に粒度調整する。
粒度調整した磁石粉末は、次にシランカップリング剤で
表面処理をした後、体積比で磁石粉60容積%ポリアミ
ド樹脂(6ナイロン)40容積%の割合で、240〜2
70℃の範囲で混練した。
混合物は、射出成形しやすい大きさまで粉砕機で粉砕し
てペレット化された。
次に得られた粉末を磁場射出成形を行うと、第2図に示
すように、製品である磁石1、ランナー2、スプル3、
ゲート4の射出成形したものが得られ、これらにゲート
カットを施すと磁石1とスプル3とランナー2は分離さ
れる。
使用した金型は、第2図のような角ブロックの磁石を同
時に2個成形できるもので、(磁石):(スプル・ラン
ナー)の比は4:6である。
まず、射出成形に当たっては、最初2000ショット成
形して磁石とスプルとランナーを分離した。2000シ
ョット分のスプルとランナーを2等分個して、一方は脱
磁を行ってから(A群)、他方はそのまま(B群)各々
ペレットにした。
A群の方は再び射出成形して、スプルとランナーを分離
脱磁してペレット化してという操作をくり返し、全体と
してリサイクル5回までの磁石試料を得た。
B群も同様にして、脱磁なしでリサイクル5回までの磁
石試料を得た。
その結果を第4図(a),(b) および第5図に示した。
第4図は磁気性能の結果で、第4図(a) はA群、第4図
(b) はB群の結果である。第4図(a) ,第4図(b) とも
n=15の平均結果であり、これより判断すると、第4
図(a) の方が若干低いだけで殆んど両者には差がない。
しかし、個々のデータのバラつきはA群の方がすぐれて
いた。
これより、脱磁処理はバラツキを少なくしていることが
分った。いずれにせよ、第4図(a),(b) は、RTM17
の磁粉を使用したことで、リサイクルしても磁気性能は
低下しないことを示している。残留磁束密度(Br)は
むしろリサイクルすることにより上昇している。これ
は、リサイクルすると材料中の気泡が減少し密度が向上
するためである。
その結果としてリサイクル初期には、最大エネルギー積
[(BH)max ]も上昇している。
しかし、保磁力iHc はわずかづつリサイクルするごとに
減少しているので、最大エネルギー積(BH)max も途
中から少しづつ低下している。
第5図は、得た磁石の機械的特性としての引張強度及び
伸びの変化を示している。伸びの低下が大きいが、値と
してはリサイクル5回でも充分使用可能な値である。引
張強度はあまり低下していない。
なお、機械的特性は、A,B群の間で差は認められなか
ったので、第5図は両者のn=15づつの平均である。
従って、本発明により磁気性能ばかりでなく機械的特性
も保証できるようになったことが示された。
[実施例2] 実施例1で最初に製造した2000ショットの磁石を原
料として、再生実験を試みた。
脱磁は、射出後型内で行った。結果は、第4図(a) と±
2%以内で一致していた。
機械的特性も第5図と殆ど変らなかった。
[実施例3] 磁石原料のRTM17型の希土類合金の他の例として、
Sm0.92Pr0.08(CO0.614Cu0.07Fe0.3Zr
0.0167.8の組成物を用い、溶体化処理を1150℃×
24時間にして、実施例1で示した方法で、最初100
ショットの射出成形を行った。
次に原材料に100ショットより得たスプルとランナー
および不良磁石の再生材料を作り、それより100ショ
ットの成形を行った。
この操作を繰り返し210回まで行い、磁気性能,機械
特性を調べた結果を第6図に示す。
本実施例は、実際製造にそくしたものであり、これによ
っても両特性の再生化による変化がないことが示され
た。
[発明の効果] このように本発明の樹脂結合型希土類磁石の製造方法に
より、磁場射出成形法で、高性能でかつ安価な磁石の製
造が初めて可能になった。
本発明法により製造される磁石は、ステップモータ,D
Cサーボモータ,小型リレー,アクチュエーター,スピ
ーカ,ブザー等と組み込まれ、メカトロニクスの民生,
産業分野に多大な文献をするものと期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明法による樹脂結合型磁石の製造方法を
示す工程説明図、第2図は、射出成型された物を示す模
式図、第3図は、従来法で得たリサイクル回数と磁気性
能との関係グラフ、第4図(a) 図及び第4図(b) 図は、
スプルとランナーを脱磁した後又は脱磁しないでペレッ
トにした場合の夫々本発明によるスプルとランナーのリ
サイクル回数と機械特性(引張強度)との関係グラフ、
第5図は、本発明法によるスプルとランナーのリサイク
ル回数と磁気性能の関係グラフ、第6図は、再生試料と
原材料を混合してリサイクルした時の回数と磁気性能の
関係を示すグラフである。 図において、1:製品である磁石、2:ランナー、3:
スプル、4:ゲート。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】射出成形法による樹脂結合型希土類磁石の
    製造方法において、 a.RTM17型の希土類合金を溶解し、 b.原料合金を溶体化熱処理を行い、 c.次いで時効処理し、 d.粉砕処理して粒度調整し、 e.得られた磁石粉末を表面処理し、 f.次いで得られた磁石粉末とポリアミド樹脂と混練
    し、 g.得られた混練物を粉砕してペレット化し、 h.次いで得られた磁石粉末を磁場射出成形し、 i.得られた磁石とスプルとランナーとをゲートカット
    により分離し、 j.得られたスプルとランナーを前記g工程にリサイク
    ルする a〜j工程からなることを特徴とする樹脂結合型希土類
    磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】前記射出成形し得られた磁石あるいはスプ
    ルとランナーを脱磁したのちリサイクルすることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の樹脂結合型希土類磁
    石の製造方法。
  3. 【請求項3】磁石あるいはスプルとランナーより再生し
    た原料と混練あがりの原料を混合して用いることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項または第2項記載の樹脂結
    合型希土類磁石の製造方法。
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