JPH0654605U - 塵芥収集車の掃除口 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧着アームやロックレバーの側方への突出量
を少なくすると共に、掃除口蓋の開閉操作を行い易くし
た塵芥収集車の掃除口を提供する。 【構成】 荷箱１前部の側板３と床板４との間に、正面
から見て斜めに掃除口２が開口している。図中、１４は
側板３と床板４との双方に溶接された鋼板製のブラケッ
トであり、掃除口２はその中央に形成されている。掃除
口２は、鋼板プレス成型品の掃除口蓋６により閉鎖さ
れ、汚水や塵芥の漏洩が防止される。掃除口蓋６は、ブ
ラケット１４の表面に均一な押圧力で押付けられるよう
に、圧着アーム７にピン１９を介して揺動自在に取付け
られている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、塵芥収集車の掃除口に係り、特に強制排出型塵芥収集車の荷箱前部 に設けられて、塵芥排出板や荷箱内壁の清掃時に容易に開放できる掃除口に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

塵芥収集車はシャーシフレーム上に荷箱と積込装置を内装したテールゲートと を搭載しており、テールゲートの後端開口部から投入した塵芥を荷箱内に収容し ながら市街地等を走行する。

【０００３】 塵芥収集車には、荷箱をダンプさせて塵芥を排出するものの他、荷箱内に前後 方向に移動自在な塵芥排出板を内蔵した、いわゆる強制排出型のものが知られて いる。この種の強制排出型塵芥収集車の場合、荷箱内の塵芥を塵芥排出板により 排出させた後に、塵芥排出板の前面（キャブ側）に回り込んだ塵芥や荷箱内の汚 水の排出を行う必要がある。従来、荷箱を床面が水平になるように車体に搭載し たもの（特公昭６３−５３０８１号公報を参照）にあっては、荷箱の前部下面に 汚水を貯溜するための汚水タンクを設けて、汚水の貯溜および排出を行っていた 。また、荷箱を床板が後下がりになるように車体に搭載したもの（実開昭５７− １４７８０２号公報を参照）にあっては、テールゲートの下部に汚水槽を設けて 、汚水の貯溜および排出を行っていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述した塵芥収集車には、以下に述べるような不具合があった。 例えば、特公昭６３−５３０８１号公報に記載されたものでは、塵芥収集中に 汚水タンクが汚水で一杯になった状態では、走行中に急ブレーキをかけた際等に 汚水タンクから汚水が飛び出し、これがキャブに掛かって汚損する。また、塵芥 排出板の前面に回り込んだ塵芥の排出作業が汚水の排出と同時に行えず、清掃に 手間が掛かる欠点もあった。

【０００５】 一方、実開昭５７−１４７８０２号公報に記載されたものでは、一般に、図７ ，図８（図７中のＡ矢視図）に示したように、荷箱１前部の側板下端に掃除口２ が設けられており、荷箱１の床板３や側板４の内面や塵芥排出板５の前面に洗浄 水を吹き付けて塵芥を洗い流し、掃除口２から排出する。ところが、掃除口２を 塞ぐための掃除口蓋６の他、掃除口蓋６を掃除口２に付勢する圧着アーム７やロ ックレバー８が荷箱１から側方に突出するため、走行中に誤ってロックレバー８ が障害物に引っ掛かった場合、掃除口２が開いて塵芥や汚水を撒き散らす虞があ った。また、スライドドア９が設けられた車両では、開放されたスライドドア９ と圧着アーム７やロックレバー８との隙間Ｓが少ないため、干渉して互いを損傷 する虞があった。そして、このような事態を避けるために、ロックレバー８を荷 箱１に近接させて配置した場合、掃除口蓋６を開閉する作業がやり難くなる欠点 があった。

【０００６】 そこで、本考案の目的は、上記従来技術が有する問題点を解消し、圧着アーム やロックレバーの側方への突出量を少なくすると共に、掃除口蓋の開閉操作を行 い易くした塵芥収集車の掃除口を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の塵芥収集車の掃除口は、その床面が後下 がりになるようにして車体に搭載された荷箱と、この荷箱内に前後に移動自在に 収納された塵芥排出板と、前記荷箱の後方開口部に連結され内部に積込装置を装 着したテールゲートとを備えた塵芥収集車において、前記荷箱の前部床板と側板 との間に配設され、正面から見て斜めに開口した掃除口と、この掃除口を閉鎖す る掃除口蓋と、一端が前記掃除口の一方の側縁に枢着されると共に他端がロック 機構により前記掃除口の他方の側縁に固定されて前記掃除口に前記掃除口蓋を圧 着する圧着アームとを備えたことを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、掃除口が荷箱の前部床板と側板との間に斜めに開口している ため、圧着アームやロックレバーの側方への張出しが抑えられる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案による塵芥収集車の掃除口の一実施例について添付の図面を参照 して説明する。

【００１０】 図１，図２は塵芥収集車の外観を示しており、この塵芥収集車のシャーシフレ ーム１０の上面であって、キャブ１１の後方には荷箱１が搭載されている。荷箱 １は、その床面が後下がりになるようにして車体に搭載されており、後部には積 込パネル等を含む積込機構（図示せず）を内蔵したテールゲート１２が取付けら れている。荷箱１の内部には、塵芥排出板５が収納されており、図示しない油圧 シリンダ等によって駆動されて前後に移動する。塵芥の排出は、図１に二点鎖線 で示したように、テールゲート１２を跳ね上げた状態で、塵芥排出板５を後退さ せることにより行われる。図中、９は前後にスライドして開閉するスライドドア であり、１３は荷箱１の前面に着脱自在に取付けられた点検蓋である。

【００１１】 図３（図１中のＢ部拡大図），図４（図３中のＣ−Ｃ断面図），図５（図４中 のＤ矢視図）に示したように、本実施例では、荷箱１前部の側板３と床板４との 間に、正面から見て斜めに（図示例では、垂直面より３０°傾斜して）矩形の掃 除口２が開口している。図中、１４は側板３と床板４との双方に溶接された鋼板 製のブラケットであり、掃除口２はその中央に形成されている。掃除口２は、鋼 板プレス成型品の掃除口蓋６により閉鎖され、汚水や塵芥の漏洩が防止される。 図中、１５はゴム製のパッキンであり、１６は床板４と掃除口２との間に掛け渡 された塞ぎ板である。

【００１２】 ブラケット１４の前端部にはヒンジ金具１７が取付けられており、このヒンジ 金具１７にピン１８を介して圧着アーム７が揺動自在に支持されている。掃除口 蓋６は、ブラケット１４の表面に均一な押圧力で押付けられるように、圧着アー ム７にピン１９を介して揺動自在に取付けられている。

【００１３】 一方、圧着アーム７の後端には、ピン２０を介してロックレバー８が取付けら れており、掃除口２と平行な平面で回動する。ロックレバー８は、端部に球形の グリップ２１が固着されたレバー部２２と、このレバー部２２と略Ｌ字形状をな すロック部２３とから形成されている。ブラケット１４の後端下部には鋼板製の ロック金具２４が取り付けられている。図中に実線で示したように、掃除口蓋６ をブラケット１４に押付けた状態で、ロックレバー８を時計回りに回動させると 、ロック部２３がロック金具２４に係合し、掃除口蓋６が閉鎖される。また、図 中に二点鎖線で示したように、ロックレバー８を反時計回りに回動させると、ロ ック部２３とロック金具２４との係合が解かれ、掃除口蓋６が開放できる。

【００１４】 本実施例では、このような構成を採ることにより、掃除口蓋６を始め、圧着ア ーム７やロックレバー８の荷箱１の側面への張出しが抑えられ、図６に示したよ うに、スライドドア９との隙間Ｓも十分確保できるようになった。また、ロック レバー８と荷箱１との隙間も大きくとれ、掃除口蓋６の開閉操作も行いやすくな った。

【００１５】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、圧着アームやロックレバー の側方への突出量が少なくなると共に、掃除口蓋の開閉操作も行い易くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による掃除口を採用した強制排出型塵芥
収集車の一実施例を示した側面図。

【図２】同平面図。

【図３】図１中のＢ部拡大図。

【図４】図３中のＣ−Ｃ断面図。

【図５】図４中のＤ矢視図。

【図６】実施例の正面図。

【図７】従来の強制排出型塵芥収集車の荷箱前部を示し
た側面図。

【図８】図７中のＡ矢視図。

【符号の説明】

１ 荷箱 ２ 掃除口 ３ 側板 ４ 床板 ５ 塵芥排出板 ６ 掃除口蓋 ７ 圧着アーム ８ ロックレバー ９ スライドドア １０ シャーシフレーム １１ キャブ １２ テールゲート １４ ブラケット １５ パッキン １６ 塞ぎ板 １７ ヒンジ ２２ レバー部 ２３ ロック部 ２４ ロック金具

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】その床面が後下がりになるようにして車体
   に搭載された荷箱と、この荷箱内に前後に移動自在に収
   納された塵芥排出板と、前記荷箱の後方開口部に連結さ
   れ内部に積込装置を装着したテールゲートとを備えた塵
   芥収集車において、前記荷箱の前部床板と側板との間に
   配設され、正面から見て斜めに開口した掃除口と、この
   掃除口を閉鎖する掃除口蓋と、一端が前記掃除口の一方
   の側縁に枢着されると共に他端がロック機構により前記
   掃除口の他方の側縁に固定されて前記掃除口に前記掃除
   口蓋を付勢する圧着アームとを備えたことを特徴とする
   塵芥収集車の掃除口。
2. 【請求項２】前記ロック機構が、レバー部とロック部と
   からなり前記圧着アームの端部に枢着されて前記掃除口
   と平行な平面内で回動するロックレバーと、前記荷箱に
   固着されて前記ロックレバーのロック部に係合するロッ
   ク金具とからなることを特徴とする請求項１記載の塵芥
   収集車の掃除口。