JPH065425Y2 - 電気めっき用分割型不溶性電極 - Google Patents
電気めっき用分割型不溶性電極Info
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- JPH065425Y2 JPH065425Y2 JP1988044534U JP4453488U JPH065425Y2 JP H065425 Y2 JPH065425 Y2 JP H065425Y2 JP 1988044534 U JP1988044534 U JP 1988044534U JP 4453488 U JP4453488 U JP 4453488U JP H065425 Y2 JPH065425 Y2 JP H065425Y2
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- steel strip
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- platinum layer
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Description
【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は電気めっき装置に使用される分割型不溶性電極
の改良に関する。
の改良に関する。
[従来技術] 亜鉛系、ニッケル系等の合金電気めっき鋼板の製造に際
しては、めっき浴中のめっき金属イオン濃度をめっき層
の合金組成に合わせてバランスさせる必要がある。この
ため、めっき浴中のめっき金属イオンの供給は外部から
行い、めっき槽内に備える電極としては不溶性電極が使
用されることが多い。この不溶性電極として、電極をめ
っきする鋼帯の幅方向に複数の短片に分割し、鋼帯の幅
に併せて適宜の数の電極短片を配置させた分割型不溶性
電極がある。
しては、めっき浴中のめっき金属イオン濃度をめっき層
の合金組成に合わせてバランスさせる必要がある。この
ため、めっき浴中のめっき金属イオンの供給は外部から
行い、めっき槽内に備える電極としては不溶性電極が使
用されることが多い。この不溶性電極として、電極をめ
っきする鋼帯の幅方向に複数の短片に分割し、鋼帯の幅
に併せて適宜の数の電極短片を配置させた分割型不溶性
電極がある。
本出願人は、先に、この不溶性電極の改良技術に関する
出願をしている(特開昭61−124599)。この発
明は、すり疵やスパーク疵等の欠陥がないめっき鋼板を
製造することを目的とし、走行する鋼帯と不溶性電極の
導電部との直接接触を防止する技術に関するものであ
り、複数の電極短片の各々の、鋼帯に対向する表面に、
所定間隔をおいて少なくとも1対の絶縁体が設けられて
いる。
出願をしている(特開昭61−124599)。この発
明は、すり疵やスパーク疵等の欠陥がないめっき鋼板を
製造することを目的とし、走行する鋼帯と不溶性電極の
導電部との直接接触を防止する技術に関するものであ
り、複数の電極短片の各々の、鋼帯に対向する表面に、
所定間隔をおいて少なくとも1対の絶縁体が設けられて
いる。
第4図は、この従来技術による分割型不溶性電極のめっ
き槽中における配置状態を示す縦断面図、第5図はその
平面図、第6図はその右側面図、第7図は第6図の部分
拡大図である。第4図〜第6図において、1は不溶性電
極、2は電極短片、3は絶縁体、10は鋼帯、11はめ
っき液噴流ヘッダー、12はノズルである。複数の電極
短片2よりなる不溶性電極1は走行する鋼帯10の下方
に配置された状態にあり、それぞれの電極短片2には走
行する鋼帯10との対向面(以下、電解面と言う)の長
手方向に、間隔をおいて、耐食性材料よりなる絶縁体3
を備えている。第7図において、芯材4の外面は耐食性
材料5で覆われ、電解面の最長層はさらに電解面陽極材
13で覆われ、この電解面陽極材13の上に絶縁体3が
取り付けられている。
き槽中における配置状態を示す縦断面図、第5図はその
平面図、第6図はその右側面図、第7図は第6図の部分
拡大図である。第4図〜第6図において、1は不溶性電
極、2は電極短片、3は絶縁体、10は鋼帯、11はめ
っき液噴流ヘッダー、12はノズルである。複数の電極
短片2よりなる不溶性電極1は走行する鋼帯10の下方
に配置された状態にあり、それぞれの電極短片2には走
行する鋼帯10との対向面(以下、電解面と言う)の長
手方向に、間隔をおいて、耐食性材料よりなる絶縁体3
を備えている。第7図において、芯材4の外面は耐食性
材料5で覆われ、電解面の最長層はさらに電解面陽極材
13で覆われ、この電解面陽極材13の上に絶縁体3が
取り付けられている。
上記の構成による不溶性電極1をめっき槽内に配置して
鋼帯10に電気めっきを行うと、走行する鋼帯10のバ
タツキによる不溶性電極との接触があっても、鋼帯10
は電極短片2に備えられている絶縁体3と接触するだけ
であり、電極短片2の導電部には接触しなくなる。この
ため、めっきされた鋼帯にすり疵やスパーク疵が発生す
ることがなくなる。
鋼帯10に電気めっきを行うと、走行する鋼帯10のバ
タツキによる不溶性電極との接触があっても、鋼帯10
は電極短片2に備えられている絶縁体3と接触するだけ
であり、電極短片2の導電部には接触しなくなる。この
ため、めっきされた鋼帯にすり疵やスパーク疵が発生す
ることがなくなる。
[考案が解決しようとする課題] 上記従来技術の実施により、めっきされた鋼帯のすり疵
やスパーク疵の発生が減少し、工業上優れた効果をもた
らしたが、なお解決を要する問題が残されていた。それ
は、その後の操業実績において新たに取り上げられた問
題点であり、不溶性電極が損傷すると言う問題である。
やスパーク疵の発生が減少し、工業上優れた効果をもた
らしたが、なお解決を要する問題が残されていた。それ
は、その後の操業実績において新たに取り上げられた問
題点であり、不溶性電極が損傷すると言う問題である。
まず、従来技術において、不溶性電極を構成する電極短
片に設けられている絶縁体は、長手方向に間隔をあけて
配置されているが、その両端部には配置されていないの
で、鋼帯の形状不良あるいは走行中のバタツキなどによ
り、鋼帯が電極短片の端部に接触してスパークが発生
し、電極短片の表面を損傷していた。
片に設けられている絶縁体は、長手方向に間隔をあけて
配置されているが、その両端部には配置されていないの
で、鋼帯の形状不良あるいは走行中のバタツキなどによ
り、鋼帯が電極短片の端部に接触してスパークが発生
し、電極短片の表面を損傷していた。
また、めっき液を噴出するノズルの近傍に位置する電極
短片の縁部および幅方向の縁部においては、めっき液噴
流の流速が速いため、電極短片の最表層に形成させた電
解面陽極材が溶出、摩耗等によって消失する。このよう
に、電解面陽極材の損傷は電極短片の縁部から起こり、
一旦、縁部の電解面陽極材が損傷して消失が起こり始め
ると、その消失は中央部に向かって加速度的に進行し、
電極陽極材の前面巻替えをしなければならなくなる。そ
して、この電解陽極材の消失が始まって部分的に耐食材
が露出するようになると、電解面陽極材消失部の抵抗が
大きくなる。この結果、めっき浴電圧の上昇による消費
電力の増大、鋼帯面のめっき付着量の不均一およびめっ
き皮膜中の合金組成の不均一による品質の低下等種々大
きな問題が発生する。
短片の縁部および幅方向の縁部においては、めっき液噴
流の流速が速いため、電極短片の最表層に形成させた電
解面陽極材が溶出、摩耗等によって消失する。このよう
に、電解面陽極材の損傷は電極短片の縁部から起こり、
一旦、縁部の電解面陽極材が損傷して消失が起こり始め
ると、その消失は中央部に向かって加速度的に進行し、
電極陽極材の前面巻替えをしなければならなくなる。そ
して、この電解陽極材の消失が始まって部分的に耐食材
が露出するようになると、電解面陽極材消失部の抵抗が
大きくなる。この結果、めっき浴電圧の上昇による消費
電力の増大、鋼帯面のめっき付着量の不均一およびめっ
き皮膜中の合金組成の不均一による品質の低下等種々大
きな問題が発生する。
さらに、電極短片相互の間に発熱やスパークが起こり、
芯材を覆う耐食材が損傷されて内部の芯材が露出し、pH
の低いめっき浴が芯材を溶解して電極短片を破壊すると
言う問題もある。上記の発熱やスパークは電極短片相互
の不均一な接触および芯材と耐食材密着不良によって起
こる。これは電極短片の芯材を覆う耐食材が薄くして構
成されているためであり、いずれの原因による場合で
も、耐食材の損傷は電極短片間に局部的に電流が集中し
て流れることによるものである。
芯材を覆う耐食材が損傷されて内部の芯材が露出し、pH
の低いめっき浴が芯材を溶解して電極短片を破壊すると
言う問題もある。上記の発熱やスパークは電極短片相互
の不均一な接触および芯材と耐食材密着不良によって起
こる。これは電極短片の芯材を覆う耐食材が薄くして構
成されているためであり、いずれの原因による場合で
も、耐食材の損傷は電極短片間に局部的に電流が集中し
て流れることによるものである。
本考案は上記の問題点を解決し、電極短片の損傷が軽減
され、補修頻度の少ない電気めっき用分割型不溶性電極
を提供することを目的とする。
され、補修頻度の少ない電気めっき用分割型不溶性電極
を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、本考案の電気めっき用分
割型不溶性電極においては、絶縁体を電極短片の長手方
向の少なくとも両端部に備え、且つめっき液を噴出する
ノズルが配置されている側に位置させた絶縁体は電極短
片の鋼帯との対向面から突起させずに備えると共に、電
極短片の対向との対向面に白金層を形成し、その対向面
の縁部の白金層の厚さを縁部以外の面の白金層の厚さに
対し1.2〜1.5倍としている。
割型不溶性電極においては、絶縁体を電極短片の長手方
向の少なくとも両端部に備え、且つめっき液を噴出する
ノズルが配置されている側に位置させた絶縁体は電極短
片の鋼帯との対向面から突起させずに備えると共に、電
極短片の対向との対向面に白金層を形成し、その対向面
の縁部の白金層の厚さを縁部以外の面の白金層の厚さに
対し1.2〜1.5倍としている。
また、上記構成に、電極短片の両側面に耐蝕性の導電材
よるなる保護体を追加して備えている。
よるなる保護体を追加して備えている。
[作用] 絶縁体は、電極短片の長手方向の両端部、すなわち鋼帯
の走行方向の前後両端部にも備えられており、鋼帯の形
状や不良や走行中のバタツキによって鋼帯と電極短片と
が接触しても、鋼帯は絶縁体と接触するだけであるので
スパークが発生して電極短片の電解面を損傷することは
なくなる。また、両端部に備えた絶縁体のうち、めっき
液を噴出するノズルが配置されている側に位置させた絶
縁体は電極短片の電解面から突起させずに備えており、
めっき浴噴流の流れを阻害しないよう考慮している。
の走行方向の前後両端部にも備えられており、鋼帯の形
状や不良や走行中のバタツキによって鋼帯と電極短片と
が接触しても、鋼帯は絶縁体と接触するだけであるので
スパークが発生して電極短片の電解面を損傷することは
なくなる。また、両端部に備えた絶縁体のうち、めっき
液を噴出するノズルが配置されている側に位置させた絶
縁体は電極短片の電解面から突起させずに備えており、
めっき浴噴流の流れを阻害しないよう考慮している。
即ち、電極短片のめっき液ノズル側の端部は噴出直後の
高流速のめっき液が激しく当たる箇所であって、特にこ
の端部に突起物があると、めっき液の流れが著しく乱
れ、下流側のめっき液の流れにも影響を及ぼす。しか
し、噴出直後の箇所にめっき液流を乱す突起物がなけれ
ば、下流側ではその流速が低くなっているので、ある程
度の突起物があっても、めっき液の流れは乱されない。
高流速のめっき液が激しく当たる箇所であって、特にこ
の端部に突起物があると、めっき液の流れが著しく乱
れ、下流側のめっき液の流れにも影響を及ぼす。しか
し、噴出直後の箇所にめっき液流を乱す突起物がなけれ
ば、下流側ではその流速が低くなっているので、ある程
度の突起物があっても、めっき液の流れは乱されない。
電極短片の電解面に形成されている白金層は、その箇所
によって損耗の程度が異なり、特に縁部の損耗が速い。
縁部の白金層の厚さを縁部以外の白金層の厚さの1.2
〜1.5倍とする縁部と縁部以外の白金層の損失時間が
同じになり、これによって、白金層全体の寿命を長くし
ている。
によって損耗の程度が異なり、特に縁部の損耗が速い。
縁部の白金層の厚さを縁部以外の白金層の厚さの1.2
〜1.5倍とする縁部と縁部以外の白金層の損失時間が
同じになり、これによって、白金層全体の寿命を長くし
ている。
めっき槽内に配置された際の電極短片相互の接触不十分
や芯材と耐食性材との密着不良に起因する耐食材の損傷
は、耐食材が薄く構成されているためである。この解決
策としては、厚い耐食材で芯材を覆えばよいことになる
が、耐食材には高価な材料が使用されており、経済的見
地からは可能の限り薄くすることが要求される。そこ
で、電極短片の側面を覆う耐食材の外側に耐食材料より
なる保護体を備え、側面だけの耐食材の厚さを厚くすれ
ば、電極短片相互の接触がよくなる。また、若し電極短
片相互の接触の不十分が生じたとしても、電極短片側面
の損傷は保護体の部分だけであり、側面の耐食材の損傷
は回避される。
や芯材と耐食性材との密着不良に起因する耐食材の損傷
は、耐食材が薄く構成されているためである。この解決
策としては、厚い耐食材で芯材を覆えばよいことになる
が、耐食材には高価な材料が使用されており、経済的見
地からは可能の限り薄くすることが要求される。そこ
で、電極短片の側面を覆う耐食材の外側に耐食材料より
なる保護体を備え、側面だけの耐食材の厚さを厚くすれ
ば、電極短片相互の接触がよくなる。また、若し電極短
片相互の接触の不十分が生じたとしても、電極短片側面
の損傷は保護体の部分だけであり、側面の耐食材の損傷
は回避される。
[考案の実施例] 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本考案の不溶性電極を構成する電極短片の一実
施例を示す斜視図、第2図は第1図におけるA−A断面
の拡大図、第3図はその平面図である。これらの図面に
示した電極短片はめっき槽中においては第4図および第
5図に示したのと同様に配置して使用される。したがっ
て、電極短片のめっき槽中の配置については説明を省略
する。
施例を示す斜視図、第2図は第1図におけるA−A断面
の拡大図、第3図はその平面図である。これらの図面に
示した電極短片はめっき槽中においては第4図および第
5図に示したのと同様に配置して使用される。したがっ
て、電極短片のめっき槽中の配置については説明を省略
する。
第1図〜第3図において、電極短片の構成は、鋼で形成
された芯材4の外面は導電性を有する耐食性材5、例え
ば、チタン等で被覆され、電解面は、さらにチタン等の
耐食性材料よりなる2層目の耐食材5aで覆い、この2
層目の耐食材の表面には白金箔がシーム溶接され、白金
層6を構成している。この白金層6は2層目の耐食材5
aの表面に一様の厚さに被覆されているのではなく、第
2図および第3図に示すごとく、電極短片の縁部だけに
2層目の白金層6aが形成されて増厚されている。
された芯材4の外面は導電性を有する耐食性材5、例え
ば、チタン等で被覆され、電解面は、さらにチタン等の
耐食性材料よりなる2層目の耐食材5aで覆い、この2
層目の耐食材の表面には白金箔がシーム溶接され、白金
層6を構成している。この白金層6は2層目の耐食材5
aの表面に一様の厚さに被覆されているのではなく、第
2図および第3図に示すごとく、電極短片の縁部だけに
2層目の白金層6aが形成されて増厚されている。
前記の耐食材5、2層目の耐食材5aおよび白金層6の
厚さは特に限定されるものではないが、耐食材5は1mm
程度、2層目の耐食材5aは0.5mm程度、白金層6は
6〜12μ程度とするのがよい。しかし、2層目の白金
層6aの厚さは白金層6の厚さに応じて変えなければな
らない。この厚さは、白金層6と2層目の白金層6aの
厚さの合計が白金層6の厚さの1.2〜1.5倍程度に
なるようにした場合、縁部と他の面の白金層の消失状態
が同程度になる。
厚さは特に限定されるものではないが、耐食材5は1mm
程度、2層目の耐食材5aは0.5mm程度、白金層6は
6〜12μ程度とするのがよい。しかし、2層目の白金
層6aの厚さは白金層6の厚さに応じて変えなければな
らない。この厚さは、白金層6と2層目の白金層6aの
厚さの合計が白金層6の厚さの1.2〜1.5倍程度に
なるようにした場合、縁部と他の面の白金層の消失状態
が同程度になる。
鋼帯と対向する電解面となる白金層6,6aの上には、
テフロン、ポリプロピレン樹脂、耐熱性塩化ビニール樹
脂等の耐酸性合成樹脂材で形成された絶縁体3を備えて
いる。この絶縁体3は適宜の間隔に配置されているが、
電極短片の長手方向の両端にも保護体3a,3bを配置
させ、且つめっき液を噴出するノズルが配置されている
側に位置する保護体3aは電解面と同じか、または電解
面より若干低くした状態で配置されている。
テフロン、ポリプロピレン樹脂、耐熱性塩化ビニール樹
脂等の耐酸性合成樹脂材で形成された絶縁体3を備えて
いる。この絶縁体3は適宜の間隔に配置されているが、
電極短片の長手方向の両端にも保護体3a,3bを配置
させ、且つめっき液を噴出するノズルが配置されている
側に位置する保護体3aは電解面と同じか、または電解
面より若干低くした状態で配置されている。
電極短片の両側面には耐食性を有する導電性材料よりな
る板状の保護体7を備えている。保護体7は第2図に示
すように、幅方向の端部はなだらかに傾斜して側面の耐
食材5に接しており、電極短片をめっき槽中に配置した
際のめっき浴噴流の流れを乱さないよう考慮している。
この保護体7は耐食材5に皿ネジ8で固着されており、
保護体7だけを交換することができるようになってい
る。若し、電極短片の側面に損傷が発生がある状態にな
った場合、損傷は保護体7に発生する。このために保護
体7は脱着可能の構造とした。この保護体7の大きさ
は、必ずしも電極短片の側面全面に亙る面積を有する必
要はない。保護体7の厚さは2〜4mm程度であるのがよ
い。保護体7の厚さが2mm未満では、電極短片の側面を
平滑に形成させ、あるいは芯材4との密着をよくするこ
とは困難であり、また、保護体7が4.0mmを超える
と、損傷が発生した場合の取り替え頻度は少なくて済む
が、電極短片をめっき槽に配置した場合、電極短片相互
のあき寸法が大きくなると共に、めっき浴噴流の流れを
乱し、めっき状態に悪影響を及ぼすので好ましくない。
る板状の保護体7を備えている。保護体7は第2図に示
すように、幅方向の端部はなだらかに傾斜して側面の耐
食材5に接しており、電極短片をめっき槽中に配置した
際のめっき浴噴流の流れを乱さないよう考慮している。
この保護体7は耐食材5に皿ネジ8で固着されており、
保護体7だけを交換することができるようになってい
る。若し、電極短片の側面に損傷が発生がある状態にな
った場合、損傷は保護体7に発生する。このために保護
体7は脱着可能の構造とした。この保護体7の大きさ
は、必ずしも電極短片の側面全面に亙る面積を有する必
要はない。保護体7の厚さは2〜4mm程度であるのがよ
い。保護体7の厚さが2mm未満では、電極短片の側面を
平滑に形成させ、あるいは芯材4との密着をよくするこ
とは困難であり、また、保護体7が4.0mmを超える
と、損傷が発生した場合の取り替え頻度は少なくて済む
が、電極短片をめっき槽に配置した場合、電極短片相互
のあき寸法が大きくなると共に、めっき浴噴流の流れを
乱し、めっき状態に悪影響を及ぼすので好ましくない。
(実施例) 第1図〜第3図で説明した構成による電極短片よりなる
不溶性電極を使用し、第1表のめっき条件により、鋼帯
に亜鉛ニッケル合金電気めっきを行う操業を行った。な
お、使用した電極短片の要部の材質および寸法は、絶縁
体の材質はテフロン、白金層の厚さは12μで縁部はさ
らに3μを張って15μ、保護体の材質はチタンで2mm
とした。
不溶性電極を使用し、第1表のめっき条件により、鋼帯
に亜鉛ニッケル合金電気めっきを行う操業を行った。な
お、使用した電極短片の要部の材質および寸法は、絶縁
体の材質はテフロン、白金層の厚さは12μで縁部はさ
らに3μを張って15μ、保護体の材質はチタンで2mm
とした。
この際の操業実績における不溶性電極の損傷状況および
補修頻度を従来技術の不溶性電極を使用した場合と比較
すると第2表から明らかなように次のごとくであった。
補修頻度を従来技術の不溶性電極を使用した場合と比較
すると第2表から明らかなように次のごとくであった。
絶縁体の配置改良によるによる効果 鋼帯入側の電極短片の端部における白金層は従来3ケ月
程度で消失していたが、本考案の実施により約6ケ月程
度まで消失しなくなった。
程度で消失していたが、本考案の実施により約6ケ月程
度まで消失しなくなった。
縁部に形成させた2層目の白金層の効果電極短片の幅
方向の縁部の白金層は従来2〜3ケ月程度で消失し始め
ていたが、本考案では約6ケ月程度までは消失しなくな
った。
方向の縁部の白金層は従来2〜3ケ月程度で消失し始め
ていたが、本考案では約6ケ月程度までは消失しなくな
った。
保護体の効果 電極短片の側面の耐食材層は従来1〜2回/年程度で損
傷して鋼の芯材が露出したため、この補修を行っていた
が、本考案においてはスパークの発生が殆どなくなり、
スパークの発生が殆どなくなり、スパークに起因する耐
食材層の補修は実質的になくなった。
傷して鋼の芯材が露出したため、この補修を行っていた
が、本考案においてはスパークの発生が殆どなくなり、
スパークの発生が殆どなくなり、スパークに起因する耐
食材層の補修は実質的になくなった。
[考案の効果] 本考案の電気めっき用分割型不溶性電極は、以上の説明
のように構成されているので、不溶性電極を構成する電
極短片の損傷が軽減され、補修頻度を著しく少なくなっ
て補修費が大幅に低減すると共に、電力消費も低減さ
れ、めっき品質も向上する。
のように構成されているので、不溶性電極を構成する電
極短片の損傷が軽減され、補修頻度を著しく少なくなっ
て補修費が大幅に低減すると共に、電力消費も低減さ
れ、めっき品質も向上する。
具体的に説明すれば、絶縁体が電極短片の長手方向の対
向する両端部にもそれぞれ備えられ、且つめっき液を噴
出するノズルが配置されている側に位置させた絶縁体は
電解面から突起させずに備えているので、鋼帯が長手方
向端部の白金層に接触しなくなって、白金層の寿命が大
幅に延び、白金層巻き替えのための電極短片の補修頻度
が著しく減少する。
向する両端部にもそれぞれ備えられ、且つめっき液を噴
出するノズルが配置されている側に位置させた絶縁体は
電解面から突起させずに備えているので、鋼帯が長手方
向端部の白金層に接触しなくなって、白金層の寿命が大
幅に延び、白金層巻き替えのための電極短片の補修頻度
が著しく減少する。
また、電極短片の電解面の白金層には電解面の縁部に2
層目の白金層を形成させているので、電解面全面の白金
層は一様の消失して行く状態となり、白金層の寿命が大
幅に延び、白金層巻き替えのための電極短片の補修頻度
が著しく減少する。
層目の白金層を形成させているので、電解面全面の白金
層は一様の消失して行く状態となり、白金層の寿命が大
幅に延び、白金層巻き替えのための電極短片の補修頻度
が著しく減少する。
さらに、電極短片の両側面に耐食性の導電材よりなる保
護体を備えているので、電極短片間のスパークの発生が
殆どなくなり、スパークに起因する耐食材層の補修のた
めの電極短片の補修は実質的になくなる。
護体を備えているので、電極短片間のスパークの発生が
殆どなくなり、スパークに起因する耐食材層の補修のた
めの電極短片の補修は実質的になくなる。
そして、絶縁体が電極短片の長手方向の両端部にもそれ
ぞれ備えられ、且つ前記鋼帯の入側端部に位置させた絶
縁体は電解面から突起させずに備え、さらに電極短片の
電解面の白金層には電解面の縁部に2層目の白金層を形
成させると共に、電極短片の両側面に耐食性の導電材よ
りなる保護体を備えことにより、上記の効果が総合して
発揮され、補修頻度が格段と少なく、極めて長寿命の電
極となる。
ぞれ備えられ、且つ前記鋼帯の入側端部に位置させた絶
縁体は電解面から突起させずに備え、さらに電極短片の
電解面の白金層には電解面の縁部に2層目の白金層を形
成させると共に、電極短片の両側面に耐食性の導電材よ
りなる保護体を備えことにより、上記の効果が総合して
発揮され、補修頻度が格段と少なく、極めて長寿命の電
極となる。
第1図は本考案の不溶性電極を構成する電極短片の一実
施例を示す斜視図、第2図は第1図におけるA−A断面
の拡大図、第3図は第1図の平面図、第4図、第5図お
よび第6図は従来技術による分割型不溶性電極のめっき
槽中における配置状態を示す図であり、第4図は縦断面
図、第5図は平面図、第6図は右側面図、第7図は第6
図の部分拡大図である。 1……不溶性電極、2……電極短片、 3,3a,3b……絶縁体、4……芯材、 5,5a……耐食材、6……2層目の白金層、 7……保護体、10……鋼帯。
施例を示す斜視図、第2図は第1図におけるA−A断面
の拡大図、第3図は第1図の平面図、第4図、第5図お
よび第6図は従来技術による分割型不溶性電極のめっき
槽中における配置状態を示す図であり、第4図は縦断面
図、第5図は平面図、第6図は右側面図、第7図は第6
図の部分拡大図である。 1……不溶性電極、2……電極短片、 3,3a,3b……絶縁体、4……芯材、 5,5a……耐食材、6……2層目の白金層、 7……保護体、10……鋼帯。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−124599(JP,A) 特開 昭62−170498(JP,A) 実開 昭49−66917(JP,U)
Claims (2)
- 【請求項1】鋼帯を連続的に電気めっきするめっき槽内
に備えられ、前記鋼帯の幅方向に分割され、鋼帯との対
向面に絶縁体を備えた複数の電極短片よりなる不溶性電
極において、前記絶縁体が前記電極短片の長手方向の少
なくとも両端部に備えられ、且つめっき液を噴出するノ
ズルが配置されている側に位置させた絶縁体は前記電極
短片の前記鋼帯との対向面から突起させずに備えられる
と共に、前記電極短片の前記鋼帯との対向面に白金層が
形成され、その対向面の縁部の白金層の厚さを縁部以外
の面の白金層の厚さに対し1.2〜1.5倍としたこと
を特徴とする電気めっき用分割型不溶性電極。 - 【請求項2】電極短片の両側面に耐蝕性の導電材よりな
る保護体を備えたことを特徴とする請求項1記載の電気
めっき用分割型不溶性電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1988044534U JPH065425Y2 (ja) | 1988-03-31 | 1988-03-31 | 電気めっき用分割型不溶性電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1988044534U JPH065425Y2 (ja) | 1988-03-31 | 1988-03-31 | 電気めっき用分割型不溶性電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01149465U JPH01149465U (ja) | 1989-10-17 |
JPH065425Y2 true JPH065425Y2 (ja) | 1994-02-09 |
Family
ID=31270886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1988044534U Expired - Lifetime JPH065425Y2 (ja) | 1988-03-31 | 1988-03-31 | 電気めっき用分割型不溶性電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH065425Y2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4966917U (ja) * | 1972-09-29 | 1974-06-11 | ||
JPS60170498A (ja) * | 1984-02-14 | 1985-09-03 | Meidensha Electric Mfg Co Ltd | インバ−タの直流過電圧防止装置 |
JPS61124599A (ja) * | 1984-11-19 | 1986-06-12 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 電気めつき用分割型不溶性陽極 |
-
1988
- 1988-03-31 JP JP1988044534U patent/JPH065425Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01149465U (ja) | 1989-10-17 |
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