JP3753114B2 - 電気めっき用電極及びそれを用いた金属帯の電気めっき方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気めっき鋼板の製造など、金属帯の電気めっきに用いる電極、およびこれを用いた金属帯の電気めっき方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
連続する金属帯をめっきする方法の一つとして、電気めっき法が知られている。この方法では、例えば鋼板にニッケルめっきを施す場合、めっき液を収容しためっき槽内に、めっきを施す鋼板の表裏面と対向するように平板形状の可溶性ニッケル電極を配置し、これを陽極とする。そして、陰極となる鋼板を、前記電極間に通板することにより、鋼板にニッケルめっきが施される。
【0003】
このような電気めっき法による鋼板のめっきにおいては、鋼板の幅方向端部(エッジ部)のめっき付着量が、幅方向中央部付近のめっき付着量よりも多くなることが知られている。この現象はエッジオーバーコートと呼ばれるもので、鋼板エッジ部付近の電流密度が、幅方向中央部付近よりも大きいことに起因して発生するものである。
【0004】
従来より、エッジオーバーコート対策として、様々な検討が行われてきた。その代表的な方法として、エッジマスクと呼ばれるカバーを電極のエッジ部に取り付け、電極のエッジ部を覆ってしまう方法が知られている。このエッジマスクを用いれば、エッジ部付近の電流密度を抑制し、鋼板エッジ部のめっき付着量の増加を抑制することができる。
【0005】
一方、電極自体に対する対策も検討されている。例えば、特開平4−88194号公報には、図8に示すように、凸面状の形状を有する電極21aを鋼板Sに対向させ(図8(a))、あるいは幅方向に分割された複数の電極21bを鋼板Sに対して凸状に配置した(図8(b))、連続めっき装置が記載されている。そして、この連続めっき装置によれば、鋼板エッジ部における鋼板との対向間隔が、中央部のそれよりも大きくなっているため、鋼板に及ぼす電流密度が幅方向で均一となり、鋼板表面に均一な厚さのめっき処理を施すことができるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の引用文献の技術には、以下のような問題点がある。
【0007】
第1の問題点は、コストが非常に高いということである。
【0008】
まず、図8に示した電極21aのように、電極を凸面状に加工するのは非常に困難であり、これを行うにしても加工費用が非常に高いものになる。特に、可溶性電極の場合、電極は一定の厚さを有するため、曲げ加工により凸面形状とするのは不可能であり、したがって曲面に削らなければならないからである。一方、幅方向に分割された電極21bの場合には、各電極毎に鋼板との間隔を位置調整する必要があり、メンテナンスが難しく、ランニングコストも高くなる。
【0009】
第2の問題点は、電極を凸面状にしても、必ずしもめっき付着量が幅方向に均一にはならないことである。
【0010】
確かに、図8に示したような凸面状の電極21を用いた場合、幅方向中央部よりもエッジ部の方が電極21と鋼板Sとの間隔が広くなるため、エッジオーバーコートによるエッジ部と中央部とのめっき付着量の差は解消される方向にある。しかし、エッジオーバーコートは、そもそも鋼板の最エッジから50mm程度以内の範囲に特有の問題であり、それよりも中央側の多くの部分では、ほぼ均一なめっき付着量が得られる。したがって、図8に示したような幅方向中央部から凸面状の形状を持つ電極21を用いた場合には、エッジ部以外におけるめっき付着量分布をかえって不均一にしてしまう。
【0011】
第3の問題点は、幅方向に分割した電極を用いた場合、各電極の段差部の悪影響が現れることである。
【0012】
図8(b)に示したように、幅方向に分割した電極21bを用いた場合、特に幅方向端部付近において、各電極21bの側面(鋼板と対向しない面)がめっき液に露出している。したがって、この面からも通電が起こるため、エッジ部付近の鋼板Sと電極21bとの間隔を広げたにもかかわらず電流密度は期待通りには減少せず、また段差部に対応して電流密度が幅方向に凹凸を持った分布となる。このように、各電極の段差部における付着量制御は非常に困難なものとなる。
【0013】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解決し、連続する金属帯を電気めっきするに際し、電極の加工費用が大幅に増加することなく、幅方向均一なめっきを行うことができる電極を提供すること、およびそのような電極を用いた金属帯の電気めっき方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、連続する鋼板に電気めっきを施すにあたり、幅方向均一なめっき付着量を実現するための電極について、種々検討を行った結果、以下のような結論を得た。
【0015】
前述したように、電極面が平坦な平板形状の電極(フラット電極)を用いて鋼板に電気めっきを施すと、エッジオーバーコートが発生し、幅方向のめっき付着量は不均一となる。図7に、フラット電極を用いた場合の幅方向めっき付着量分布の一例を示す。本図からも明らかなように、板幅端部から約30mmの範囲でめっき付着量が増加しているものの、それよりも中央部側ではめっき付着量はほぼ均一である。
【0016】
そこで、本発明者等は、この図7に示した幅方向めっき付着量分布より、電極の形状をこの幅方向めっき付着量分布に合わせることに想到した。つまり、幅方向中央部付近は平坦な電極面とし、エッジオーバーコートが発生している領域に対向する部分だけ電極を削って、鋼板との間隔を大きくする。そして、電極加工の容易さから、その加工は、電極の幅方向両端部に傾斜面を施すものとする。
【0017】
このような電極によれば、電極の加工費が大幅に増加することもなく、また幅方向中央部付近のめっき付着量分布を乱すことなく、エッジオーバーコートを抑制することができることが判った。
【0018】
本発明者等は、このような金属帯の電気めっき用の電極についてさらに検討を加え、本発明を完成させた。このようにしてなされた本発明は、以下のような特徴を有するものである。
【0019】
(1) 金属帯の電気めっき用の電極であって、被めっき金属帯と対向する電極面の幅方向両端部に、端部側ほど電極面と被めっき金属帯との間隔が大きくなるような傾斜面を形成し、該両傾斜面間の電極面を平坦面とするとともに、前記傾斜面の幅をL(mm)、深さをD(mm)とするとき、前記傾斜面が以下を満足することを特徴とする電気めっき用電極。
ただし、H(mm)は電極の厚さである。
40≦L≦80
0.4H≦D≦0.6H
【0020】
(2)少なくとも傾斜面を除く被めっき金属帯と対向する平坦な電極面に、厚さ方向に貫通する20〜50mmの大きさの穴が長手方向及び/又は幅方向に千鳥状に複数個設けられていることを特徴とする、上記(1)に記載の電気めっき用電極。
【0024】
(3)めっき液を収容しためっき槽内に、上記(1)又は(2)に記載の電気めっき用電極を、被めっき金属帯と所定の間隔で対向するように設け、前記金属帯を前記めっき槽内に連続的に通板して電気めっきを施すことを特徴とする金属帯の電気めっき方法。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態である電気めっき用電極の断面図である。本実施形態の電極1aは、幅がW、厚さがHの矩形断面形状の片面の幅方向両側端部に、幅L(電極幅方向長さ)、深さD(電極厚さ方向長さ)の傾斜面が形成されている。また、その両傾斜面の間の電極面は平坦面である。そして、本電極を用いて金属帯の電気めっきを行う際には、この傾斜面を有する側の面が、被めっき金属帯に対向する面となる。
【0027】
ここで、電極1aの傾斜面の形状、すなわち傾斜面幅Lおよび傾斜面深さDの値は、以下のようにして決定することができる。
【0028】
まず、予め、電極面に傾斜面を有しない矩形断面形状のフラット電極により、金属帯の電気めっきを行い、幅方向のめっき付着量分布を調べて、エッジオーバーコートが発生する領域を求める。その際、被めっき金属帯の板幅が一定ならばそれを用いればよいが、種々の板幅の金属帯の電気めっきを行う製造ラインの場合には、代表的な板幅や電極の幅とほぼ同じ板幅の金属帯を用いる。そして、エッジオーバーコートが発生し始める幅方向位置を特定し、この位置と対向する電極側の位置を、傾斜面の端部とする。例えば、前述した図7に示した例では、エッジオーバーコート発生領域をエッジから30mmまでとすると、このときの板幅が例えば980mmであれば、傾斜面の端部は幅方向中心から460mmの位置となる。あとは、電極の幅Wに応じて傾斜面幅Lを定めればよく、例えば電極の幅Wが1000mmであれば、傾斜面幅Lは40mmとなる。なお、傾斜面深さDの値は、電極の厚さHの1/2程度とすればよい。
【0029】
なお、以上の説明では、エッジオーバーコート発生領域の開始点と電極の傾斜面端部位置を、対向する全く同じ位置としたが、本発明はこれに限定されるものではない。金属帯は幅方向に蛇行する場合があるので、これを考慮してもよく、例えば、上記の例において金属帯が20mm蛇行した時にも対応できるように、傾斜面幅Lを20mm長くして60mmとすることもできる。あるいは、付着量分布の許容量を考慮して、許容限界程度のエッジオーバーコートが発生している位置をエッジオーバーコートの開始点と定めて、傾斜面幅Lを決定してもよい。このように、予め求めたエッジオーバーコート発生領域に基づいて、ある設計思想の下で傾斜面端部位置を決定することができる。
【0030】
また、電極1aの傾斜面の形状、すなわち幅L(mm)および深さD(mm)の値は、前記の方法によらず、以下の式を満足するように定める。
【0031】
40≦L≦80
0.4H≦D≦0.6H
ただし、H(mm)は電極の厚さである。
【0032】
上式を満足する範囲に傾斜面の幅Lと深さDを定めた電極1aにより電気めっきを行えば、幅方向にほぼ均一なめっき付着量が得られる。傾斜面幅Lが40mm未満では、エッジオーバーコートが十分に解消されず、一方80mmを超えると、逆にエッジ付近のめっき付着量が不足する。また、傾斜面の深さDが0.4H未満ではエッジオーバーコートが十分に解消されず、一方0.6Hを超えると電極1aの幅方向端部付近が強度不足となり、電極が湾曲してしまうおそれがある。
【0033】
次に、図2は、本発明の他の実施形態である電気めっき用電極の平面図である。本実施形態の電極1bは、傾斜面を有する図1に示した実施形態の電極1aにおいて、その少なくとも傾斜面を除く被めっき金属帯と対向する平坦な電極面に、厚さ方向に貫通する穴2が複数個設けられている。この穴2は、本電極1bをめっき液中に設置して電気めっきを施す際に、めっき液を流通させるために設けられるものである。
【0034】
なお、穴2の形状は、本図に示すように円形に限られるものではないが、本実施形態では、加工の容易さから円形の穴としている。
【0035】
ここで、電極1bに設けられた穴2の大きさは、20〜50mm程度が望ましい。つまり、本図のように円形の穴であれば、直径20〜50mmの穴である。20mmよりも小さいと、めっき液がこの穴を通じて流れる量が少ないため、電極1bと金属帯Sとの間で圧力の増減が生じた際にそれを解消することができず、穴2を設けた効果を十分に発揮することができない。また、50mmよりも大きいと、穴2に対応する位置での金属帯のめっき付着量に影響が生じ、均一なめっき付着量が得られない。
【0036】
また、このような大きさの穴2を、電極1bの少なくとも平坦な電極面(傾斜面以外の面)に、長手方向及び/又は幅方向に千鳥配置となるように設けることが望ましい。このような配置とすることで、金属帯のめっき付着量を均一とし、また電極1bの強度も均一とすることができる。
【0037】
次に、以上説明した本発明の電極を用いた金属帯の電気めっき方法について説明する。
【0038】
図3は、本発明の実施に供する金属帯の電気めっき装置の一例を示す構成図である。
【0039】
図3に示す金属帯の電気めっき装置は、めっき液12を収容しためっき槽11と、めっき槽11内に設置された電極1と、金属帯Sを巻き掛けてめっき槽11へ連続的に供給するためのロール(めっき液中ロール13及びめっき浴外ロール14)とを備えている。
【0040】
電極1は、例えばニッケル,スズ,亜鉛等の可溶性陽極部材であり、図1又は図2に示した形状を有している。そして、金属帯Sを挟んでその表裏面と対向するように設けられ、めっき液12に浸漬されている。なお、電極1の傾斜面は、金属帯Sのエッジ部と対向するようになっている。図4は、このように設けられた電極1と金属帯Sとが対向している状態を示す平面図である。
【0041】
めっき液11としては、一般的に用いられるものを使用すればよく、例えばニッケルめっきの場合には、塩化ニッケル,硫酸ニッケル,あるいはこれらの混合液などが使用される。
【0042】
なお、図3には図示していないが、電極1と金属帯Sとの間に所定の電圧を印加するための電源装置等が備えられている。
【0043】
次に、このように構成された金属帯のめっき装置の動作について説明する。
【0044】
金属帯Sは、めっき浴外ロール14を通過した後、めっき液12に引き込まれ、電極1間を通過する。そして、めっき浴内ロール13により方向転換され、再び電極1間を通過した後、めっき浴12から引き上げられる。なお、図3には、めっき槽11を一つしか図示していないが、複数のめっき槽11を備えてもよく、その場合には、前記工程が、めっき槽11の設置数だけ繰り返される。
【0045】
前記の工程において、電極1と金属帯Sとの間には、所定の電圧が印加されている。したがって、例えば電極1が可溶性ニッケル電極の場合であれば、金属帯Sが電極1間を通過することにより、金属帯Sの表面にニッケルめっきが施されることになる。
【0046】
ここで、本発明の電極1は、幅方向両端部に傾斜面を有するため、金属帯Sのエッジ部と電極1との間隔が中央部付近よりも大きく、エッジ部付近の電流密度は中央部付近とほぼ同等となる。したがって、エッジオーバーコートは発生せず、幅方向にほぼ均一なめっき付着量が得られる。
【0047】
また、電極1が、図2に示したような金属帯Sと対向する平坦な電極面に穴2を有している場合には、この穴を通してめっき液11が流通することができる。図5は、本発明の穴2を有する電極1bと金属帯Sとがめっき液中で対向している状態を示す説明図である。
【0048】
一般に、金属帯Sが電極1間を高速で通過すると、金属帯Sと電極1間には負圧が生じ、めっき液11に強い流動が発生する。すると、金属帯Sの表裏面に作用する圧力が不均衡となり、金属帯Sが板面方向に振れる所謂バタツキと呼ばれる現象が生じて金属帯Sと電極1との間隔が変動し、場合によっては電極1と接触してしまう場合もある。
【0049】
これに対し、電極1の金属帯Sと対向する平坦な電極面に穴2を有している場合には、図5に示したように、電極1と金属帯Sとの間が負圧となっている部分に、穴2を通してめっき液が供給される。これにより、電極1間の圧力の不均衡は解消され、安定した通板が可能となる。
【0050】
また、図5に示す金属帯が下向きに進行するパス(図3で示した左側のパス)のめっき浴内ロール13の上方では、金属帯Sに随伴されて下向きに流れるめっき液流れが、めっき浴内ロール13に遮られて行き場をなくすため、この部分での圧力が高くなる。そして、この影響により、その直上の電極1と金属帯Sとの間の圧力も高くなり、電極間距離が開いたり、金属帯Sに反りが発生する場合がある。このような場合にあっては、穴2を通ってめっき液が流れ出ることにより、電極1と金属帯Sとの間で上昇した圧力を低下させることができる。
【0051】
なお、穴2の大きさが20〜50mmで、且つ千鳥状に配置されていると、この穴を通って十分な量のめっき液が流れるとともに、めっき付着量へ悪影響を及ぼすこともなく、均一なめっき付着量が得られる。
【0052】
このように、本実施形態の電極を用いれば、電極の加工費用が大幅に増加することなく、金属帯に対して幅方向均一に電気めっきを行うことができる。また電気めっき操業時の安定通板も可能となる。
【0053】
【実施例】
次に、図3に示す金属帯の電気めっき装置により、ニッケルめっき鋼板の製造を行った具体例について説明する。
【0054】
電極1は、幅1000mm、厚さ40mmのニッケル製可溶性電極であり、図1に示すような傾斜面を幅方向両側端部に有し、図2に示すような直径30mmの穴2を平坦な電極面の長手方向及び板幅方向に千鳥状に有するものを用いた。また、金属帯Sとしては、板厚0.2mm、板幅980mmの冷延鋼板を用いた。なお、本実施例におけるニッケルめっき付着量の目標値は5mg/m2と10mg/m2の2通りとし、そのようなめっき付着量となるように電流を制御した。また、めっき液としては、塩化ニッケルと硫酸ニッケルの混合液を用いた。
【0055】
電極1の傾斜面の形状は、深さDを20mmとし、幅Lは20,60,100mmの3通りのものを用意した。ここで、傾斜面幅Lが60mmのものは、実施の形態で図7を用いて説明した、予めフラット電極を用いて鋼板に電気めっきを施し、そこで得られたエッジオーバーコート発生領域の位置に基づいて傾斜面幅Lを決定したものである。
【0056】
このような電極を用いて鋼板に電気めっきを施し、得られたニッケルめっき鋼板の幅方向めっき付着量分布を図6に示す。なお、図6には、フラット電極を用いた場合の結果についても同時に示している。
【0057】
本図から明らかなように、フラット電極の場合にはエッジオーバーコートが発生したが、傾斜面を有する本発明の電極を用いた場合には、エッジオーバーコートが抑制され、めっき付着量の幅方向分布は改善された。特に、傾斜面幅Lが60mmの場合には、幅方向にほぼ均一なめっき付着量が得られた。
【0058】
なお、平坦な電極面に設けられた穴2の効果により、ライン速度を450mpmの高速とした場合においても、鋼板Sが振動して電極1と接触する等のトラブルが発生することなく、安定した通板を行うことができた。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、加工費用が大幅に増加することなく、幅方向均一な電気めっきが可能な電気めっき用電極を得ることができる。また、本発明の電極を用いて金属帯の電気めっきを行うことにより、幅方向均一な電気めっき金属帯を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電気めっき用電極の断面図
【図2】本発明の他の実施形態である電気めっき用電極の平面図
【図3】本発明の実施に供する電気めっき装置の一例を示す構成図
【図4】本発明の電極と金属帯とが対向している状態を示す平面図
【図5】本発明の穴を有する電極と金属帯とがめっき浴中で対向している状態を示す説明図
【図6】本発明の実施例における幅方向めっき付着量分布図であり、(a)はNiめっき付着量の目標値が5mg/m2の場合、(b)は10mg/m2の場合
【図7】フラット電極を用いた場合の幅方向めっき付着量分布の一例を示すグラフ
【図8】従来の連続めっき装置における電極の一例を示す平面図
【符号の説明】
1 電極(傾斜面あり)
1a 電極(穴なし)
1b 電極(穴あり)
2 穴
11 めっき槽
12 めっき液
13 めっき浴中ロール
14 めっき浴外ロール
L 電極の傾斜面幅
D 電極の傾斜面深さ
H 電極厚さ
W 電極幅
S 金属帯(鋼板)
Claims (3)
- 金属帯の電気めっき用の電極であって、被めっき金属帯と対向する電極面の幅方向両端部に、端部側ほど電極面と被めっき金属帯との間隔が大きくなるような傾斜面を形成し、該両傾斜面間の電極面を平坦面とするとともに、前記傾斜面の幅をL(mm)、深さをD(mm)とするとき、前記傾斜面が以下を満足することを特徴とする電気めっき用電極。
ただし、H(mm)は電極の厚さである。
40≦L≦80
0.4H≦D≦0.6H - 少なくとも傾斜面を除く被めっき金属帯と対向する平坦な電極面に、厚さ方向に貫通する20〜50mmの大きさの穴が長手方向及び/又は幅方向に千鳥状に複数個設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の電気めっき用電極。
- めっき液を収容しためっき槽内に、請求項1又は2に記載の電気めっき用電極を、被めっき金属帯と所定の間隔で対向するように設け、前記金属帯を前記めっき槽内に連続的に通板して電気めっきを施すことを特徴とする金属帯の電気めっき方法。
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