JP3207973B2 - 電気めっき方法および電気めっき用分割型不溶性電極 - Google Patents

電気めっき方法および電気めっき用分割型不溶性電極

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JP3207973B2 JP16520193A JP16520193A JP3207973B2 JP 3207973 B2 JP3207973 B2 JP 3207973B2 JP 16520193 A JP16520193 A JP 16520193A JP 16520193 A JP16520193 A JP 16520193A JP 3207973 B2 JP3207973 B2 JP 3207973B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銅箔等の金属箔の電気
めっき方法と、それに使用される分割型不溶性電極の改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線基板が多方面にかつ大量に
採用されてる。プリント配線基板には銅箔を必要とする
が、その製造には通常電解銅箔が用いられている。電解
銅箔の製造に際しては、ピンホール・異常析出物等の点
欠陥が発生せず、均一な厚みをもつようにする必要があ
る。
【0003】従来の電解銅箔の製造では、図9を参照し
て説明するならば、陰極としてTiあるいはSUS製回
転ドラムを用い、陽極として、例えば陰極ドラム7のほ
ぼ1/4円周の断面円弧状の電極10として鉛板を2枚
下方に設置し、電極10、10間から電解液を供給し、
この間隙内にめっき液を流す構造としている。この装置
に直流電流を流し陰極ドラム7に銅を析出させ、この析
出銅8を連続的に剥離し、巻取装置9により巻き取って
いる。
【0004】従来一般に用いられている陽極は、Pb、
あるいはPbとSb、Sn、Ag、In、Caその他の
二元あるいは多元合金である。このため陽極表面に生成
した酸化鉛が、電解浴中にPbイオンとして溶け込み、
電解浴中の硫酸イオンと反応して、硫酸鉛を形成し浴中
に懸濁してしまう。この硫酸鉛のスラツジは濾過器を設
置して除去することができるが、この保守作業には多大
な労力を要する。スラツジの除去が不十分であると、ス
ラッジは電解槽や配管の内壁面に堆積して液の流に悪影
響を及ぼす。さらに、陰極ドラムに硫酸鉛のスラツジが
付着すると、その箇所にピンホールもしくは異常析出物
等の点欠陥が発生する。これは前記のとおり銅箔の致命
的欠陥となる。
【0005】また鉛系電極を使用すると、電流集中や、
エロージョンにより局部的に鉛が損耗するため極間距離
が場所により異なってくる。この対策として定期的に鉛
陽極の表面を切削しているが、製造稼働率の低下もさる
ことながら、極間の距離の増大のため槽電圧の上昇すな
わち製造コストの上昇につながってしまう。そして、極
間距離の不均一により、銅箔幅方向の厚みむらが生じて
しまう。
【0006】このような硫酸塩のスラッジに起因するピ
ンホールや、異常析出物の発生を防止し、鉛の損耗によ
る極間距離の不均一化により生じる銅箔幅方向の厚みむ
らを解決するなどのため、陰極ドラムに対向する円弧板
状陽極として、Ti、Ta、Nb、Zr等の弁金属基体
表面に主として白金族の金属あるいはその酸化物を触媒
として被覆した電極を不溶性陽極として使用する旨の提
案がなされている(特公平1−56153号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法でも、局部的な陽極の損耗や、陰極側の銅の異常析出
によるショートは生じてしまう。しかし一体化した陽極
円弧板を用いているため、これらの補修は、陽極全体を
取り替えずには行なうことができず、陽極を装置に設置
するハンドリングなど、保守ないし補修作業やそのコス
ト、設備コスト等を高め、めっき設備の稼働率を下げる
要因となっている。
【0008】さらに重要なことは、一体化した陽極円弧
板を用いると、通電時に電流密度のいわゆるエッジ効果
が生じる。そして、このエッジ効果は、特にめっき液供
給口付近の陽極板端部付近に電流を集中させ、一体化し
た陽極板の一部分のみの電極触媒被覆層の消耗をひきお
こし、銅箔の幅方向の膜厚が不均一となり、膜厚むらが
生じる。また、膜厚むらは連続運転とともに増大し、や
がて実用に耐えないものとなるので、陽極の寿命も短い
ものとなっている。そして、このような現象は特に20
μm 以下と膜厚の薄い銅箔の製造において重大なものと
なる。実際、上記特公平1−56153号公報でも、1
8μm の銅箔を得る際に、膜厚むらは2%以内であると
記載されており、膜厚むらを1%以内にはできていな
い。この他、円弧状の基体には被覆形成がしにくく、製
造が困難で被覆厚さも均一化が難しいという欠点もあ
る。
【0009】本発明の主たる目的は、このような電極の
部分的消耗に対しての保守ないし補修を容易に行なうこ
とができ、しかも膜厚むらが少なく、陽極寿命の長い電
解銅箔等の金属箔を得るための電気めっき方法と、それ
に用いる分割型不溶性電極を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(14)の本発明により達成される。 (1) 陰極ドラムの回転駆動方向の所定の位置に、所
定の間隙を隔てて円弧状の陽極を対向配置し、これに通
電して前記陰極ドラムに金属を析出させ、これを剥離し
て電解金属箔を得る場合において、白金族の金属または
その酸化物で弁金属基体を被覆して形成した複数の電極
短片を、バックプレート上に、前記陰極ドラムの回転駆
動方向に対して直角方向および平行方向に複数個づつ着
脱可能に配置して前記陽極を構成しており、この電極短
片は、陰極ドラムの回転駆動方向に沿う辺が一直線状に
並ばないように、千鳥状に配置されており、その厚さが
70μm 以下であり、膜厚むら2%以下の金属箔を得る
ことを特徴とする電気めっき方法。 (2) 前記隣合った各電極短片の隣接する辺同士の間
隔が、0.5mm以下に設定されている上記(1)の電
気めっき方法。 (3) 前記金属箔が銅箔である上記(1)または
(2)の電気めっき方法。 (4) 前記陰極ドラムと前記陽極との間にめっき液を
流す上記(1)ないし(3)のいずれかの電気めっき方
法。 (5) 前記陽極と前記陰極ドラムの対向面同士が、実
質的にその全体にわたってほぼ均一に離間されて配置さ
れており、その間隔が5mm以下である上記(1)ないし
(4)のいずれかの電気めっき方法。 (6) 前記電極短片が、前記バックプレートに対し
て、該バックプレート側から導電性固定具によって固定
されている上記(1)ないし(5)のいずれかの電気め
っき方法。 (7) 前記電極短片が、正方形または長方形の平板で
ある上記(1)ないし(6)のいずれかの電気めっき方
法。 (8) 陰極ドラム上に金属を析出させて剥離して電解
金属箔を製造する際に、陰極ドラムの回転駆動方向の所
定の位置に、所定間隙を隔てて対向配置して用いる円弧
状の陽極であって、 白金族の金属またはその酸化物で弁金属基体を被覆して
形成され、バックプレート上に、前記陰極ドラムの回転
駆動方向に対して直角方向および平行方向に複数個づつ
導電性固定具により着脱可能に配置された複数の電極短
片を備えており、この電極短片は、陰極ドラムの回転駆
動方向に沿う辺が一直線に並ばないように、千鳥状に配
置されており、その厚さが70μm 以下であり、膜厚む
ら2%以下の金属箔を得ることを特徴とする電気めっき
用分割型不溶性電極。 (9) 前記隣合った各電極短片の隣接する辺同士の間
隔が、0.5mm以下に設定されている上記(8)の電
気めっき用分割型不溶性電極。 (10) 前記金属箔が銅箔である上記(8)または
(9)の電気めっき用分割型不溶性電極。 (11) 前記陰極ドラムと前記陽極との間にめっき液
を流す上記(8)ないし(10)のいずれかの電気めっ
き用分割型不溶性電極。 (12) 前記陰極ドラムの表面に対してほぼ全面にわ
たって均一に離間されて配置されており、その間隔が5
mm以下である上記上記(8)ないし(11)のいずれ
かの電気めっき用分割型不溶性電極。 (13) 前記電極短片が、前記バックプレートに対し
て、該バックプレート側から導電性固定具によって固定
されている上記(8)ないし(12)のいずれかの電気
めっき用分割型不溶性電極。 (14) 前記電極短片が、正方形または長方形の平板
である上記(8)ないし(13)のいずれかの電気めっ
き用分割型不溶性電極。
【0011】
【作用】本発明で第1の目的とする電極の部分的な消耗
に対しての保守および補修は、分割型不溶性電極の採用
によって、必要部分のみを交換すればよいので、きわめ
て容易でかつ経済的である。電極の構成の仕方は、陽極
の長さ方向(陰極の回転駆動に沿った方向すなわち回転
駆動方向)長さおよび幅方向長さよりも短い辺を有する
長方形、正方形等の4辺形あるいは三角形等の短片平板
である複数の電極短片を隙間なくバックプレート上に配
置して構成するようにしたので、電極短片の製造も陽極
の組み立ても容易であり、R型の組み立て精度も高い。
また、電極短片の形状寸法精度や、弁金属基体上に被覆
された白金族の金属またはその酸化物の膜の膜厚の均一
も高い。また、各電極短片の隣接する辺同士の間隔が
0.5mm以下に設定されるので、めっき膜の長手方向
にすじ状などの膜厚むらが生ずることが極力抑制され、
良好な結果が得られる。この膜厚むらの抑制の効果は、
電極短片を、その陰極ドラムの回転駆動方向に沿う辺が
一直線に並ばないように千鳥状に配置することによって
更に向上される。
【0012】また、第2の目的としての、特に薄い金属
箔を得る際の膜厚むらの低減は、陽極板を複数の電極片
に分割して、陽極表面の端縁長を大とし、エッジを多数
作ることで、エッジ効果を減少させ、電流分布を均一化
することによって達成される。同時に連続運転によるエ
ッジ効果の増大率も減少し、電極片寿命も増大する。そ
して、これらから陽極寿命はきわめて長いものとなる。
【0013】ところで、各種電気めっき方法において、
分割型の電極を用いることは従来知られている。例え
ば、実開平1−149465号公報では、電気めっき鋼
板を製造する際に、めっき槽内にて鋼帯を連続的に直線
的に移動させながら、これに対向して陽極を配置する場
合において、陽極を鋼帯搬送方向に平行に分割したもの
が示されている(同公報第4図、第5図参照)。しか
し、このように、回転する陰極ドラムの回転駆動方向に
平行に分割しようとすると、各分割片は等しく円弧状と
しなければならず、特に弁金属基体上に白金族の金属な
いし酸化物被覆を設けるようなときには、製造がきわめ
て困難である。また被覆厚を均一にすることも難しい。
しかも、これに加えて重要なことは、めっき基体(鋼帯
あるいは陰極ドラム)の搬送ないし回転方向と平行にの
み電極片を分割すると、電流密度の不均一が生じ、めっ
き膜の長手方向にすじ状の欠陥や、幅方向の膜厚むらが
生じてしまい実用には耐えないが、この公報ではこの点
について着眼されていない。
【0014】他方、特開平1−176100号公報、実
開平2−136058号公報では、鋼帯を連続的に直線
移動させながらめっきを行なう場合において、鋼帯方向
および搬送(長手)方向に複数分割して電極小片を多数
組み合わせて形成した分割型電極が提案されている。し
かし、これらの公報に開示された電極は、平板のもので
あり、本発明の電極のように円弧状でないので、本発明
のような円弧状電極に適用することは困難である。
【0015】さらに、特公昭49−18902号公報に
は、磁性薄膜の製造において、陰極ローラに沿って、環
状の電解槽を設け、この電解槽を仕切板によって複数個
の分離槽として、各分離槽に個別に陽極を配置した例が
開示されている。このものは、陽極を分離するという点
では本発明と一見類似しているが、陽極を分割一体化し
ていないので、分離陽極の間隙でめっき液のうず流が生
じ膜厚の不均一が生じてしまう。このため、この公報で
は分離槽としているが、かえって液組成の不均一化を招
き、装置が複雑化し、その制御も難しいものとなってい
る。
【0016】さらにまた、特開平4−346697号公
報には、電極の分割を、陰極の回転駆動方向と直角な方
向になし、長尺の電極片を上記回転駆動方向に沿って配
置したものが提案されているが、この場合、円弧状の電
極の両サイドあるいは両端などの部分的な損耗であって
も、長尺の電極片全体を交換しなければならず、保守修
繕に多くの費用が必要となる。一方、本発明の短片状の
電極構成部材は、加工も安価で容易であり、保守、修繕
も安価かつ容易なものとなる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0018】本発明の不溶性電極(アノード)は不溶性
の電極を複数個に分割した電極片の各々を、形状保持、
補強および導電のためのバックプレートへ導電性固定具
により着脱自在に取り付けている。以下、本発明の分割
不溶性電極について詳述する。
【0019】図1には本発明の分割型不溶性電極10の
実施例が示される。これらの図において不溶性のアノー
ドである電極10は、複数個の電極短片1に分割されて
おり、その電極短片1各々は、内面が円弧状のバックプ
レート5に導電性の固定具であるボルト・ナット3によ
り着脱自在に取り付けられている。電極短片1は、通常
可撓性材料で形成され、上記バックプレート5の円弧状
の内面に沿って湾曲されて取り付けられる。バックプレ
ート5は、単板であっても、種々の構造をもつものであ
ってもよい。また、その内面は、上記のように、円弧状
の一部であってもよいが、電極1の幅方向すなわち陰極
ドラムの回転駆動方向と直角な方向に延びるストライプ
状平面を、上記回転方向に沿って複数並列配置したもの
であってもよい。このように、ストライプ状平面を用い
る場合には、なるべく、円弧に近い多角形状となるよう
に構成することが望ましい。なお、上記分割型不溶性電
極10は、従来例を説明した図9に示したように、陰極
ドラム7に対して2個対向配置してもよい。そして、こ
の場合は、2つの電極10、10の間からめっき液を供
給し、ドラム−電極間隙間にめっき液を流す。
【0020】不溶性の電極短片1としては、チタン、タ
ンタル、ニオブ、ジルコン等やそれらの合金など、耐食
性を有する弁金属の導電金属板の陰極ドラム7と対向す
る側の面にイリジウムオキサイドなど白金族および/ま
たは酸化物をコーティングしたコーティングタイプのも
のを用いている。電極短片1の陰極ドラム7に対向する
側の表面形状は、単純に平面状にする他、表面積を大に
するために、凹凸状、格子状にすることができる。電極
10は、例えば、図1および図4ないし図8に示されて
いるように、陰極ドラム7の回転駆動方向に対して直角
方向および平行方向にそれぞれ複数個(2個以上)、好
ましくは3〜10個程度、また、全体として10〜10
0個程度の長方形の電極短片1に分割されている。な
お、電極短片1の向きは、図4ないし図8に示されてい
るように、長辺側が、陰極ドラム7の回転駆動方向に対
して沿う方向に並べられていても、逆であってもよく、
それらが混合していてもよい。そして、図1、図2に示
される例では、電極短片1の各々の陰極ドラムと反対側
(バックプレート側)の面には、チタン等の耐食性を有
する導電性金属のボルト3aが溶接等によって固定され
ている。また、電極短片1の各々は、取扱いや精度の点
から、上記の図に示したような長方形や正方形の平板で
あることが望ましく、また、図1等に示したように、各
電極短片1の陰極ドラム7の回転駆動方向に沿う辺が1
直線状に連続しないように、千鳥状に配置され
【0021】なお、電極10を陰極ドラム7の回転駆動
方向に沿って細かく分割(したがって、分割線は該回転
駆動方向と直角方向となる)すれば、平板の電極短片1
を曲げることなく設置することができる。
【0022】バックプレート5は補強、形状寸法維持お
よび導電のための基板で、チタン等の耐食性を有する導
電金属板からなっている。また、バックプレート5は、
間隙内のめっき液流にうず流を生じさせず、膜厚むらを
防止する作用もあわせもつ。バックプレート5と複数の
不溶性電極短片1とは図1、図2に示されるようなボル
ト3a等の給電導体で取り付けられている。すなわち、
図1、図2ではバックプレート5には、不溶性の電極短
片1に固定したボルト3a位置に対応して、貫通孔が設
けられており、バックプレート5の陰極ドラムと反対側
の所要箇所にて、電極短片1に一体化された給電導体と
してのボルト3aが、座金65を介してナット3bで締
め付けられている。電極短片1は、電極面への影響がな
く、電流密度が均一になるので、上記のように陰極7と
は反対側に配置されたボルト・ナット3で固定すること
が望ましい。不溶性の電極短片1は、上記のようにボル
ト・ナット3で固定されているので、バックプレート5
から取り外すことができる。取りはずされた電極短片1
は、必要とする補修を施したり、新しい電極短片1と交
換する。なお、図1、図2の例では、バックプレート5
と電極短片1の間には、締め付けによる電極短片1の変
形を防ぐために絶縁性のゴム4を介挿して、電極短片1
の端面とゴム4とを、接触させている。
【0023】なお、電極短片1のバックプレート5への
固定は、例えば、図3に示したように、バックプレート
5の所定位置に、ボルト3に対応するタップ穴55を、
また電極短片の所定位置に、ボルト3の貫通を可能と
し、ボルト3の頭部を係止する孔35を設け、電極短片
1を所定位置に設置して、陰極ドラム側よりボルト3a
にて電極短片1を締め付けて固定してもよい。この場合
は、締め付け時に、電極短片1の変形のないように締め
付けトルクを管理する。
【0024】このように構成される分割型不溶性電極1
0は、上記図9に示されるように、めっき槽内にて、回
転駆動される陰極ドラム7と所定間隙長隔てて対向配置
され、バックプレート5に接続されたブスバー2から供
電され、めっきが行なわれる。陰極ドラム7上に堆積し
た銅箔8は陰極ドラム7から剥離され、巻き取りドラム
9に巻き取られる。
【0025】なお、以上では、銅箔を例にとって説明し
てきたが、本発明の効果は他の金属箔でも同様に実現す
る。ただ、特に本発明の膜厚むら減少効果は、70μm
以下、特に20μm 以下の電解銅箔の作製において顕著
であり、2%以内、特に1%以内の膜厚むらを容易に実
現できる。また、このような小さな膜厚むらを例えば1
年以上にわたって維持できる。
【0026】
【発明の効果】本発明の不溶性電極10は、複数個に分
割した上記電極短片1を用いており、この分割した電極
短片1をバックプレート5に着脱自在に取り付けている
ので、陽極面の局部的な損傷の補修や、陰極ドラム7側
の銅等の金属の異常析出によるショートによる陽極の補
修を、電極短片1ごとに部分的に行なうことができるの
で、従来のようにアノード全体あるいは長尺の電極片全
体を取り替える必要がない。従って、陽極の保守、修理
が容易であり、また、陽極自体の寿命も延びる。
【0027】また、電極短片を矩形の平板状とした場合
には、形状加工が容易であり、不溶性電極とするための
触媒被覆のコーティングも容易であり、電極短片の形状
寸法や被覆厚の精度がきわめて高くなる。そして、組み
立てや取りはずし作業も容易であり、組み立ての寸法精
度もきわめて高い。これらから寸法形状や被覆厚の精度
のきわめて高い不溶性電極が実現し、得られる銅箔等の
金属箔の欠陥もきわめて少なく、膜厚や膜質もきわめて
均一となる。また、この際、円周方向に分割するときの
ような膜厚の不均一や欠陥もなく、また円周方向および
それと垂直な方向に多数分割するときのような組み立て
時の労力や組み立て精度の低下も格段と減少し、電解銅
箔等の金属箔の膜質はきわめて良好なものとなる。
【0028】そして、これらに加え、陽極内のエッジ数
を増加することにより、エッジ効果を相対的に減少さ
せ、同時にめっき液のうず流の発生を減少させ、膜厚む
らをきわめて少ないものとし、連続運転による膜厚むら
の増大を減少し、寿命を長いものとすることができる。
このような効果を確認するための実験を以下に示す。
【0029】[実験例]図9に示される構成において、
陽極ドラム7には約2m 径のTi回転円筒体を用いた。
また、アノード電極10、10としては、IrO2 を主
成分とする被覆をTi基板上に設けたものを用い、これ
を陰極ドラム7の周上に約5mmの間隙で、75°の円弧
成分長を占めるよう2個配置した。各電極10、10
は、図1に示されるように陰極ドラムの回転駆動方向に
対して直角方向および平行方向にに分割し、それぞれ2
8枚の電極短片1で構成した。各電極片10の隣接した
辺同士の離間距離は0.5mmとした。
【0030】めっき液は電極10、10間から送液し、
電極間隙を上方に流れるようにして循環した。めっき液
はCuSO4 、5H2 O 240g/l 、H2 SO4
20g/l を含み、浴温45℃、電流密度40A/m2とし、
18μm 厚の銅箔を連続製造した。
【0031】運転開始時の幅方向の膜厚むらを測定した
ところ0.8%以内であり、1年連続運転後も0.8%
以内が維持された。なお、ピンホールや異常析出物等の
膜欠陥は全くなかった。
【0032】これに対し比較のため、電極10、10を
一体化した断面円弧状のものとした他は上記と全く同一
の条件で連続運転を行ったところ、開始時は2%以内の
膜厚むらで、3ケ月後には2%をこえる以上の膜厚むら
となってしまった。これらから、本発明の効果が明らか
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分割型不溶性電極の1例を示す斜視図
である。
【図2】図1の電極における固定具部分の断面図であ
る。
【図3】固定具部分の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の分割型不溶性電極の他の例を示す展開
平面図である。
【図5】本発明の分割型不溶性電極の他の例を示す展開
平面図である。
【図6】本発明の分割型不溶性電極の他の例を示す展開
平面図である。
【図7】本発明の分割型不溶性電極の他の例を示す展開
平面図である。
【図8】本発明の分割型不溶性電極の他の例を示す展開
平面図である。
【図9】本発明における電気めっき法を説明するための
正面図である。
【符号の説明】
10 分割型不溶性電極 1 電極短片 2 ブスバー 3 ボルト・ナット 5 バックプレート 7 陰極ドラム 8 銅箔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−346697(JP,A) 特開 平4−221091(JP,A) 特開 平4−36489(JP,A) 特開 昭62−202174(JP,A) 特開 平5−214703(JP,A) 特開 平3−180485(JP,A) 特許2506573(JP,B2) 特許2963266(JP,B2) 特公 平6−60433(JP,B2) 特公 平1−48360(JP,B2) 米国特許4318794(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 1/04 C25D 17/10 C25D 17/12

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極ドラムの回転駆動方向の所定の位置
    に、所定の間隙を隔てて円弧状の陽極を対向配置し、こ
    れに通電して前記陰極ドラムに金属を析出させ、これを
    剥離して電解金属箔を得る場合において、 白金族の金属またはその酸化物で弁金属基体を被覆して
    形成した複数の電極短片を、バックプレート上に、前記
    陰極ドラムの回転駆動方向に対して直角方向および平行
    方向に複数個づつ着脱可能に配置して前記陽極を構成し
    ており、この電極短片は、陰極ドラムの回転駆動方向に
    沿う辺が一直線状に並ばないように、千鳥状に配置され
    ており、 その厚さが70μm 以下であり、膜厚むら2%以下の金
    属箔を得ることを特徴とする電気めっき方法。
  2. 【請求項2】 前記隣合った各電極短片の隣接する辺同
    士の間隔が、0.5mm以下に設定されている請求項1
    の電気めっき方法。
  3. 【請求項3】 前記金属箔が銅箔である請求項1または
    2の電気めっき方法。
  4. 【請求項4】 前記陰極ドラムと前記陽極との間にめっ
    き液を流す請求項1ないし3のいずれかの電気めっき方
    法。
  5. 【請求項5】 前記陽極と前記陰極ドラムの対向面同士
    が、実質的にその全体にわたってほぼ均一に離間されて
    配置されており、その間隔が5mm以下である請求項1な
    いし4のいずれかの電気めっき方法。
  6. 【請求項6】 前記電極短片が、前記バックプレートに
    対して、該バックプレート側から導電性固定具によって
    固定されている請求項1ないし5のいずれかの電気めっ
    き方法。
  7. 【請求項7】 前記電極短片が、正方形または長方形の
    平板である請求項1ないし6のいずれかの電気めっき方
    法。
  8. 【請求項8】 陰極ドラム上に金属を析出させて剥離し
    て電解金属箔を製造する際に、陰極ドラムの回転駆動方
    向の所定の位置に、所定間隙を隔てて対向配置して用い
    る円弧状の陽極であって、 白金族の金属またはその酸化物で弁金属基体を被覆して
    形成され、バックプレート上に、前記陰極ドラムの回転
    駆動方向に対して直角方向および平行方向に複数個づつ
    導電性固定具により着脱可能に配置された複数の電極短
    片を備えており、この電極短片は、陰極ドラムの回転駆
    動方向に沿う辺が一直線に並ばないように、千鳥状に配
    置されており、 その厚さが70μm 以下であり、膜厚むら2%以下の金
    属箔を得ることを特徴とする電気めっき用分割型不溶性
    電極。
  9. 【請求項9】 前記隣合った各電極短片の隣接する辺同
    士の間隔が、0.5mm以下に設定されている請求項8
    の電気めっき用分割型不溶性電極。
  10. 【請求項10】 前記金属箔が銅箔である請求項8また
    は9の電気めっき用分割型不溶性電極。
  11. 【請求項11】 前記陰極ドラムと前記陽極との間にめ
    っき液を流す請求項8ないし10のいずれかの電気めっ
    き用分割型不溶性電極。
  12. 【請求項12】 前記陰極ドラムの表面に対してほぼ全
    面にわたって均一に離間されて配置されており、その間
    隔が5mm以下である請求項8ないし11のいずれかの
    電気めっき用分割型不溶性電極。
  13. 【請求項13】 前記電極短片が、前記バックプレート
    に対して、該バックプレート側から導電性固定具によっ
    て固定されている請求項8ないし12のいずれかの電気
    めっき用分割型不溶性電極。
  14. 【請求項14】 前記電極短片が、正方形または長方形
    の平板である請求項8ないし13のいずれかの電気めっ
    き用分割型不溶性電極。
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