JPH065392U - 交流可変速装置の制御電源回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 交流電源の出力電力を直流電力に変換する順
変換部１と、該順変換部１の出力電力を交流電力に変換
する逆変換部２とを有した交流可変速装置の制御電源回
路において、直流電圧検出回路を不要とし、且つ主回路
を主電源から切り離しても制御電源回路に電力を供給し
続けることができるようにする。 【構成】 交流電源電圧を整流回路６により整流した電
圧によって駆動され、制御回路、操作パネルへ電力を供
給する第１の制御電源回路１１と、順変換部１と逆変換
部２を結ぶ直流中間回路の電圧により駆動され、ベース
ドライブ回路５へ電力を供給するとともに主回路直流電
圧検出機能を有した第２の制御電源回路１２を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はインバータ、サーボドライバ等の可変速制御装置の制御電源回路に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

一般にインバータ、サーボドライバ等の交流可変速装置の制御電源は、比較的 部品点数が少なく安価なＲＣＣ（リンギングチョークコンバータ）方式が採用さ れることが多い。このＲＣＣ方式は入力電圧として直流電圧を必要とするが、そ の入力方式には次のものがある。 （１）図２のように主回路の３相（あるいは単相）交流入力電圧を整流した直流 電圧を入力電圧とする方式。 （２）図３のように主回路の中間直流電圧を入力電圧とする方式（特公昭５９− ３６５１４号、登録第１３７５９４９号）。

【０００３】 図２において、１はインバータの順変換部、２は逆変換部、３は直流中間回路 のコンデンサ、４はＲＣＣ方式の制御電源回路、５は逆変換部２のトランジスタ に駆動信号を与えるベースドライブ回路である。図２の回路では、主電源の交流 入力電圧を整流回路６によって整流して制御電源回路４の電源とし、ベースドラ イブ回路５へ電力を供給している。また、装置を過電圧から保護したり制御する ためにインバータの直流中間回路に直流電圧検出回路７が設けられている。

【０００４】 図３において図２と同一部分は同一符号を以て示している。図３の回路では、 主回路中間直流電圧を入力電圧とし、直流電圧検出機能を有した制御電源回路８ の電力をベースドライブ回路５へ供給している。

【０００５】 尚直流電圧検出機能を有した制御電源回路８は例えば図４のように構成される 。図４において１０は巻線Ｎ_P，Ｎ_B，Ｎ_S1，Ｎ_S2，Ｎ_S3を備えたコンバータトラ ンス、Ｒ_Gは起動抵抗、Ｔｒ₁はスイッチングトランジスタ、Ｒ_Bはベース抵抗、 Ｃ₁〜Ｃ₅はコンデンサ、Ｄ_Zはツェナーダイオード、Ｄ₂〜Ｄ₆はダイオードであ る。出力巻線Ｎ_S3にはダイオードＤ₇および抵抗Ｒが直列に接続されている。抵 抗ＲとコモンラインＣＯＭの間にはコンデンサＣ₆が接続されている。図示Ｘ部 分に示すダイオードＤ₇，抵抗ＲおよびコンデンサＣ₆で電圧検出回路を構成して いる。

【０００６】 図４の回路において直流入力電圧Ｖ_INの印加によりベース電流ｉｇが流れると スイッチングトランジスタＴｒ₁はターンオンし、その後各巻線Ｎ_P，Ｎ_B，Ｎ_S1 ，Ｎ_S2，Ｎ_S3に電力が誘起してトランジスタＴｒ₁はオン、オフ制御が繰り返さ れる。出力巻線Ｎ_S1に誘起する電力はダイオードＤ₄、コンデンサＣ₃により整流 され制御電源の出力電圧Ｖ_Oが得られる。

【０００７】 前記出力巻線Ｎ_S3には主回路直流電圧に比例した大きさの電圧が発生し、この 電圧をダイオードＤ₇で整流し、抵抗ＲとコンデンサＣ₆のフィルタに通すことに より、直流電圧検出Ｖｄが直流値として得られる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

前記図２の回路は図３の回路に比較して、整流回路６および直流電圧検出回路 ７が必要となる点で不利である。これに対して図３の回路は直接に直流電圧を入 力するので、整流回路が不要である。また制御電源回路８のコンバータトランス によって直流電圧検出が可能であるため、直流電圧検出回路も不要となり、部品 点数を少なく構成できる。

【０００９】 しかしながら用途によっては主回路を電源（Ｒ．Ｓ．Ｔ）から切り離したい場 合があり、その場合図２の回路ではａ−ａ点で切り離せば可能であるが、図３の 回路では制御電源回路８に電力が供給されなくなってしまうので、不可能である 。

【００１０】 本考案は上記の点に鑑みてなされたものでその目的は、直流電圧検出回路を不 要とし、且つ主回路を主電源から切り離しても制御電源回路に電力を供給し続け ることができる交流可変速装置の制御電源回路を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案は、交流電源の出力電力を直流電力に変換する順変換部と、該順変換部 の出力電力を交流電力に変換する逆変換部とを有した交流可変速装置の制御電源 回路において、前記交流電源の交流電圧を整流した電圧により駆動され、制御回 路、操作パネルへ電力を供給する第１の制御電源回路と、前記順変換部と逆変換 部を結ぶ直流中間回路の電圧により駆動され、逆変換部のベースドライブ回路へ 電力を供給するとともに主回路直流電圧検出機能を有した第２の制御電源回路と を備えたことを特徴としている。

【００１２】

【作用】

交流可変速装置の主回路を交流電源から切り離した場合、第１の制御電源回路 から制御回路や操作パネルへ電力が供給されつづける。第２の制御電源回路は主 回路直流電圧検出機能を有しているので、直流電圧検出回路を別途設ける必要は ない。

【００１３】

【実施例】

以下、図面を参照しながら本考案の一実施例を説明する。図１において図２と 同一部分は同一符号を以て示している。図１において図２と異なる点は、整流回 路６の出力側に第１の制御電源回路１１を接続し、直流電圧検出機能を有し、イ ンバータの中間直流電圧を入力とする第２の制御電源回路１２を設け、該制御電 源回路１２の出力電圧をベースドライブ回路５に供給し、前記直流電圧検出回路 ７を除去したことにある。１３ｒ，１３ｓ，１３ｔは主電源から主回路を切り離 すための開閉スイッチである。尚前記制御電源回路１１、１２は例えば図４のＲ ＣＣ方式の回路を用いる。

【００１４】 図１の回路構成により、開閉スイッチ１３ｒ，１３ｓ，１３ｔを開いて主回路 を主電源から切り離しても、第１の制御電源回路１１への入力直流電圧は供給さ れ、制御回路や操作パネル（図示省略）を表示するための電力を供給し続けるこ とが可能となる。またベースドライブ回路５へ電力を供給する第２の制御電源回 路１２は直流電圧検出機能を有しているので、直流電圧検出回路を別途設ける必 要はない。

【００１５】 また前記制御電源回路１１、１２のそれぞれの電源回路に用いるトランスは従 来方式のトランスに比べてピン数が少なくコアが小さいものを使うことができる ので、制御電源部の占有空間は単純に２倍とはならない。さらに逆変換部２に電 圧が印加されている間、ベースドライブ回路５へ電力を供給する第２の制御電源 回路１２は動作しているので、この間逆変換部２のトランジスタに逆バイアスを 印加し、オフ状態を維持することが容易に可能である。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、制御回路へ５Ｖ，＋１５Ｖ，−１５Ｖ等の電圧 を供給する第１の制御電源回路の入力として、主電源を整流した直流電圧を用い 、ベースドライブ回路へ電圧を供給する第２の制御電源回路の入力として、主回 路中間直流電圧を用い、該第２の制御電源回路に直流電圧検出機能を持たせたの で、次のような優れた効果が得られる。

【００１７】 （１）主回路を主電源から切り離しても制御回路や操作パネルへは電力を供給し 続ける制御電源構成とすることができる。 （２）装置の保護や制御に必要不可欠な直流電圧検出回路が不要となる。このた め装置全体の小形化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す回路図。

【図２】従来の制御電源の構成の一例を示す回路図。

【図３】従来の制御電源の構成の他の例を示す回路図。

【図４】従来の制御電源回路の一例を示す回路図。

【符号の説明】

１…順変換部 ２…逆変換部 ３…コンデンサ ５…ベースドライブ回路 ６…整流回路 １１…第１の制御電源回路 １２…第２の制御電源回路 Ｘ…電圧検出回路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 交流電源の出力電力を直流電力に変換す
   る順変換部と、該順変換部の出力電力を交流電力に変換
   する逆変換部とを有した交流可変速装置の制御電源回路
   において、 前記交流電源の交流電圧を整流した電圧により駆動さ
   れ、制御回路、操作パネルへ電力を供給する第１の制御
   電源回路と、 前記順変換部と逆変換部を結ぶ直流中間回路の電圧によ
   り駆動され、逆変換部のベースドライブ回路へ電力を供
   給するとともに主回路直流電圧検出機能を有した第２の
   制御電源回路とを備えたことを特徴とする交流可変速装
   置の制御電源回路。