JPH065362U - 片持軸受モータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸受ホルダ及びスラスト軸受に合成樹脂を用
いることができるものでありながらノイズの発生を抑え
ることができる片持軸受モータを提供する。 【構成】 基板５に装着される側板２１とこの側板２１
を固定したステータケース２２とにより全体が電気的に
導通された中空のモータケース２０が構成され、出力軸
２５がモータケース２０から一端２５ａが突出された状
態で側板２１に固定された軸受ホルダ２３に回転可能に
支持され、出力軸２５の他端２５ｂに当接するスラスト
軸受２６がステータケース２２に固定される。この時、
軸受ホルダ２３とスラスト軸受２６の少なくとも何れか
一方は導電性樹脂から形成され、出力軸２５とモータケ
ース２０とは電気的に導通され、出力軸２５の回転に伴
って発生する静電気はモータケース２０を介して基板５
にアースされる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、モータ、特に、基板に装着される側板とこの側板を固定したステー タケースとを備え且つ全体を電気的に導通させた中空のモータケースと、前記側 板に設けられた軸受ホルダと、前記モータケースから一端が突出された状態で前 記軸受ホルダに回転可能に支持された出力軸と、前記ステータケースに固定され 且つ前記出力軸の他端が当接されたスラスト軸受とを備えた片持軸受モータに関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、図４に示すように、側板１を固定したステータケース２により全体が電 気的に導通された中空のモータケース３がビス４を介して基板５に固定されてい ると共に、側板１に固定さた軸受ホルダ６の軸受筒部６ａに軸受７，７を介して 回転可能に支持された出力軸を備えた片持軸受モータａがある。

【０００３】 出力軸８は、一端８ａがモータケース３から突出されていると共に、ステータ ケース２に固定された絶縁樹脂からなるスラスト軸受９に他端８ｂが当接した状 態で軸受ホルダ６に保持されている。また、出力軸８はステータケース２に装着 されたアーマチェア１０に巻回されたコイル１１，１１へコミテータ１２及びブ ラシ１３を介して給電することにより、ステータケース２の内周面に固定された マグネット１４との磁気作用で回転トルクを得るように構成されている。

【０００４】 軸受ホルダ６は絶縁樹脂から成形されていて、図３に示すように、予め成形さ れた金属からなる側板１を成形金型１５にセットした状態でキャビティ１６内に 樹脂原料を供給することにより側板１と一体に成形される。

【０００５】 このことにより、軸受ホルダ６を安価で、しかも、別途の組付け作業コストや 固定部品コストを必要とすることなく軸受ホルダ６の成形と同時に側板１に対す る固定を行なえるという利点を有するばかりでなく、側板１に対して出力軸８を 垂直に保持するための精密精度、即ち、側板１と軸受筒部６ａとの垂直精度を高 くすることができるという効果を有する。

【０００６】 なお、図３において、１６ａはキャビティ１６内に原料を供給するためのラン ナー、１７ａは上型、１７ｂは下型、１７ｃはベース、１８はベース１７ｃに固 定されてキャビティ１６内に望まされたセンターピンである。このセンターピン １８の直径は軸受７の外形と同径に設定されている。また、１９はセンターピン １８と同軸に側板１をセットするための位置決め部材である。

【０００７】 このように構成された片持軸受モータａにあっては、回転軸８の回転出力によ り、一端８ａに磁気テープを当接させて走行させたり、一端８ａにプーリを固定 してベルトの回動移動によりフライホイールに回転を伝達させたりする。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記の如く構成された片持軸受モータａにあっては、モータケース ３は基板５にアースされているものの、軸受ホルダ６及びスラスト軸受９が軽量 で安価な絶縁樹脂から成形されているためにモータケース３と出力軸８とは電気 的に絶縁され、出力軸８と磁気テープとの間に発生する静電気やプーリとベルト との間に発生する静電気を側板１を介して基板５にアースさせることができず、 この静電気の帯電によるノイズの発生や、コイル１１，１１への給電切換に起因 してモータケース３の内部で発生した高周波の電磁波ノイズが外部へ飛び出し易 いという問題が生じていた。

【０００９】 本考案は、上記実状に鑑み、軸受ホルダ及びスラスト軸受に合成樹脂を用いる ことができるものでありながらノイズの発生を抑えることができる片持軸受モー タを提供することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】 本考案は、その目的を達成するため、基板に装着される側板とこの側板を固定 したステータケースとを備え且つ全体を電気的に導通させた中空のモータケース と、前記側板に設けられた軸受ホルダと、前記モータケースから一端が突出され た状態で前記軸受ホルダに回転可能に支持された出力軸と、前記ステータケース に固定された且つ前記出力軸の他端が当接されたスラスト軸受とを備えた片持軸 受モータにおいて、前記軸受ホルダと前記スラスト軸受の少なくともいずれか一 方を導電性樹脂から形成したことを要旨とするものである。

【００１１】

【作用】

このような構成においては、電気的に導通された中空のモータケースが基板に 装着される側板とこの側板を固定したステータケースとにより構成され、出力軸 がモータケースから一端が突出された状態で側板に固定された軸受ホルダに回転 可能に支持され、出力軸の他端に当接するスラスト軸受がステータケースに固定 される。

【００１２】 このとき、軸受ホルダとスラスト軸受の少なくとも何れか一方は導電性樹脂か ら形成されているので、出力軸とモータケースとは電気的に導通され、出力軸の 回転に伴って発生する静電気は側板を介して基板にアースさせることができ、こ の静電気の帯電によるノイズの発生を防止することができる。

【００１３】

【実施例】

次に、本考案の片持軸受モータの実施例を図面に基づいて説明する。

【００１４】 図１は、片持軸受モータの要部の縦断面図である。この図１において、Ａはビ ス４を介して基板５に固定された側板２１と、この側板２１を固定したステータ ケース２２とにより電気的に導通されたモータケース２０を備えた片持軸受モー タである。

【００１５】 側板２１には、軸受筒部２３ａに軸受２４，２４を介して出力軸２５を回転可 能に支持した軸受ホルダ２３が設けられている。

【００１６】 軸受ホルダ２３は、導電性樹脂により形成されていて、軸受ホルダを図示外の 成形金型で形成する際に、金型に側板２１を保持させた状態で軸受ホルダ２３を 成形することにより側板２１と一体に成形したものである。

【００１７】 出力軸２５は、一端２５ａがモータケース２０から突出されていると共に、ス テータケース２２に固定された導電性樹脂（例えば、カーボンフィラー入りＰＰ Ｓ）からなるスラスト軸受２６に他端２５ｂが当接した状態で軸受ホルダ２３に 保持されている。また、出力軸２５はステータケース２２に装着されたアーマチ ェア２７に巻回されたコイル２７ａ，２７ａへコミテータ２８及びブラシ２９を 介して給電することにより、ステータケース２２の内周面に固定されたマグネッ トＭとの磁気作用で回転トルクを得るように構成されている。

【００１８】 このように構成された片持軸受モータＡにあっては、回転軸２５の回転出力に より、一端２５ａに磁気テープを当接させてこの磁気テープを走行させたり、一 端２５ａにプーリを固定してベルトの回動移動によりフライホイールに回転を伝 達させたりする。

【００１９】 このとき、出力軸２５と磁気テープとの間に発生した静電気やプーリとベルト との間に発生した静電気、或いは、モータケース２０の内部で発生した高周波の 電磁波ノイズは、軸受ホルダ２３及びスラスト軸受２６からモータケース２０を 経て基板５にアースさせることができ、静電気の帯電によるノイズの発生を抑え ることができる。

【００２０】 ところで、スラスト軸受２６は、上記実施例に限定されるものではなく、例え ば、図２に示すように、スラスト軸受２６’を出力軸２５と当接する中心部分２ ６ａのみを導電性樹脂により構成し、その外周部分２６ｂは絶縁性樹脂により構 成し、精度・美観・コスト等の都合に応じて成形することができる。なお、図２ （Ａ），（Ｂ）において、上記実施例と同一の構成には同一の符号を付してその 説明を省略する。

【００２１】 また、出力軸２５を一対の軸受２４，２４を介して軸受ホルダ２３に支持した 構成のものを開示したが、この軸受２４，２４の設置数等は特に限定されるもの ではなく、少なくとも一つ以上の軸受を設ける場合にはその少なくとも一つが導 電性であるものを使用する。

【００２２】 さらに、上記実施例では片持軸受モータＡにコア付き、スロット付き、ブラシ 付きの片持軸受モータを開示したが、コアレス、スロットレス、ブラシレスの片 持軸受モータでも良い。

【００２３】 しかも、上記実施例では、軸受ホルダ２３及びスラスト軸受２６の両方に導電 性樹脂を素材として用いたが何れか一方でも良い。このように、本考案を逸脱し ない範囲でなされるもの全てに適用することができることは勿論である。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の片持軸受モータにあっては、前記軸受ホルダと 前記スラスト軸受の少なくとも何れか一方を導電性樹脂から形成したことにより 、軸受ホルダ及びスラスト軸受に合成樹脂を用いることができるものでありなが らノイズの発生を抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の片持軸受モータを示す要部の縦断面図
である。

【図２】本考案の片持軸受モータの他の実施例を示し、
（Ａ）はその要部の縦断面図、（Ｂ）はスラスト軸受の
平面図である。

【図３】軸受ホルダを形成する金型の縦断面図である。

【図４】従来の片持軸受モータを示す要部の縦断面図で
ある。

【符号の説明】

５ 基板 ２０ モータケース ２１ 側板 ２２ ステータケース ２３ 軸受ホルダ ２５ 出力軸 ２５ａ 一端 ２５ｂ 他端 ２６ スラスト軸受

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基板に装着される側板とこの側板を固定
   したステータケースとを備え且つ全体を電気的に導通さ
   せた中空のモータケースと、前記側板に設けられた軸受
   ホルダと、前記モータケースから一端が突出された状態
   で前記軸受ホルダに回転可能に支持された出力軸と、前
   記ステータケースに固定され且つ前記出力軸の他端が当
   接されたスラスト軸受とを備えた片持軸受モータにおい
   て、 前記軸受ホルダと前記スラスト軸受の少なくともいずれ
   か一方を導電性樹脂から形成したことを特徴とする片持
   軸受モータ。