JPH0678508A - ラジアル型アウターロータ方式ブラシレスモータ - Google Patents

ラジアル型アウターロータ方式ブラシレスモータ

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JPH0678508A
JPH0678508A JP22589892A JP22589892A JPH0678508A JP H0678508 A JPH0678508 A JP H0678508A JP 22589892 A JP22589892 A JP 22589892A JP 22589892 A JP22589892 A JP 22589892A JP H0678508 A JPH0678508 A JP H0678508A
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sheet
magnet
outer rotor
degrees
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Yoshihiro Kanda
吉博 神田
Itsuo Nishihara
逸夫 西原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】モータ消費電流の少ないブラシレスモータを提
案する。 【構成】アウターロータ側に取り付けられた円筒状磁石
40の極数2pと、ステータ側ヨークホルダ31に取り
付けられた界磁コイル数nとの関係が、2p:n=4:
3若しくは2p:n=10:6の整数倍に選定され、界
磁コイルはコイル導体で形成されたシート状コイル35
が使用されると共に、シート状コイル35のうち360
度の電気角に相当する界磁コイル領域の一部若しくは全
部が給電端子部37となされる。給電端子部37と対峙
するヨーク33を含むヨークホルダ31の外周面は切り
落されて切欠き端面60となされている。給電端子部3
7はアウターロータの外側に導出されるものであるか
ら、この給電端子部37を用いてシート状コイル35に
対する給電を簡単に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、振動を嫌うヘッドホ
ンタイプのテープレコーダなどに適用して好適なラジア
ル型アウターロータ方式のブラシレスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】ヘッドホンタイプのテープレコーダなど
では内部より発生する振動を極力避けるため通常はテー
プ駆動用モータとしてアキシャル型ブラシレスモータが
使用される場合が多い。
【0003】アキシャル型ブラシレスモータは回転軸と
平行にフラックス(界磁磁束)が発生するタイプのモー
タであって、図11にその一例を示す。その構成を簡単
に説明すると、11はモータハウジングであり、これに
軸受け取付部材12が固定される。回転軸13は軸受け
(オイルレスメタル)14を介して取付部材12に支承
される。
【0004】回転軸13の上端部には筒状のプーリを配
したホルダ15が取り付け固定され、このホルダ15の
一端部側にロータケース16が取り付けられ、ここに所
定の極数に着磁された円板状磁石17が載置固定され
る。
【0005】磁石17はロータマグネットとして機能
し、この磁石17と対向するように所定の間隙を隔てて
界磁コイルとしてのコイル基板19が固定される。コイ
ル基板19はコイル導体を所定のパターンに形成したも
のである。
【0006】コイル基板19は図のようにモータハウジ
ング11に固定される。18は磁気回路を構成するヨー
クであり、20は駆動ベルトである。このように構成さ
れたモータ10は装置キャビネット21の内部に設けら
れたシャーシ22に固定されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このアキシャル型ブラ
シレスモータ10の場合には小型偏平構成であるため、
ヘッドホンタイプのテープレコーダなどのように小型電
子機器に適用して好適であるが、この種ブラシレスモー
タ10ではコイル基板19の厚みが0.4mm程度と、
非常に薄い。
【0008】また、ブラシレス構成とするため界磁コイ
ルには3相のスイッチング電流(モータ駆動電流)が供
給されるが、このスイッチング電流によってコイル基板
19自体が振動する場合がある。この振動は騒音となる
から上述したような小型テープレコーダなどに搭載する
場合にはこの騒音が非常に問題となる。
【0009】次に、磁石17には所定の極数を持つよう
に着磁処理しなければならない。極数が多くなればなる
ほど極間ピッチが狭くなるため、着磁処理は極数に比例
して難しくなり、また小型化に比例して難しくなる。特
に小型化を指向し、かつ極数も多いものが必要なときに
は極間ピッチを一層狭くしなければならないため、それ
だけ着磁処理が難しくなる。
【0010】さらに、アキシャル型であるためロータケ
ース16の上面に磁石17が配置され、その上面にコイ
ル基板19が、さらにその上面に磁気回路構成用のヨー
ク18が配置される関係上、回路基板(図示せず)はブ
ラシレスモータ10の外側に配置せざるを得ない。した
がって、回路基板などをも考え併せるとブラシレスモー
タ10自体をさほど小型化できないのが現状である。
【0011】そこで、この発明はこのような従来の課題
を解決したものであって、騒音が少なく、着磁処理が容
易で小型化を達成できるものであって、しかも鉄損によ
るモータ消費電流を軽減できるラジアル型でアウターロ
ータ方式のブラシレスモータを提案するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、アウターロータ側に取り付け
られた円筒状磁石の極数2pと、この磁石と対峙するよ
うにステータ側ヨークホルダに取り付けられた界磁コイ
ル数nとの関係が、2p:n=4:3若しくは2p:n
=10:6の整数倍に選定され、界磁コイルはコイル導
体で形成されたシート状コイルが使用されると共に、上
記シート状コイルのうち360°の電気角に相当する界
磁コイル領域の一部若しくは全部が給電端子部となされ
ると共に、この給電端子部と対峙するヨークの外周面が
切り落されてなることを特徴とするものである。
【0013】
【作用】図1において、ステータ側に配されたヨークホ
ルダ31の外周面にシート状コイル35が取り付けられ
る。シート状コイル35はヨークホルダ31に貼着され
ているからシート状コイル35に形成された界磁コイル
(コイル導体部)38(図6)にスイッチング電流を供
給してもこれによってシート状コイル35が振動するよ
うなことはない。
【0014】シート状コイル35と対向するアウターロ
ータ側に磁石40が取り付けられているので、磁石40
の円周長が比較的長くなり、これによって円周方向に対
する着磁が容易になる。
【0015】円筒状磁石40の極数2pと、この磁石4
0と対峙するシート状コイル35の界磁コイル数nとの
関係が、2p:n=4:3若しくは2p:n=10:6
の整数倍例えば、20:12に選定すると、図7に示す
ようにシート状コイル35のうち360度の電気角に相
当する界磁コイル領域55(破線図示、以下この領域を
遊間部分という)を省くことができる。
【0016】遊間部分55に相当するシート状コイル3
5の一部若しくは全部、本例ではその全部が給電端子部
37となされる。給電端子部37は図9のように折り曲
げられて図1のようにアウターロータの外側に導出され
る。
【0017】遊間部分55に対応したヨークホルダ31
(ヨーク33を含む)の外周面が切削されて切欠き端面
60となされるが、この外周面の切削によってその部分
での鉄損が少なくなるからモータ消費電流が少なくな
る。これでモータ効率が向上し、発熱も少なくなる。
【0018】
【実施例】続いて、この発明に係るラジアル型アウター
ロータ方式のブラシレスモータの一例を、図面を参照し
て詳細に説明する。
【0019】図1は給電端子部をアウターロータの外側
に導出したこの発明に係るラジアル型アウターロータ方
式ブラシレスモータ30の一例を示す縦断面図である。
【0020】この発明に係るブラシレスモータ30はア
ウターロータ方式であるから、内部にステータの構成部
材が配される。そのため、図1のようにモータハウジン
グ11には軸受け取付部材12が固定され、回転軸13
はオイルレスメタルなどで構成された軸受け14を介し
て取付部材12に固定される。
【0021】取付部材12を囲暁するようにその外周に
はヨークホルダ31が配され、これがモータハウジング
11に固定される。ヨークホルダ31は図のように中空
有底筒状体として構成され、有底部がモータハウジング
11側に載置される。
【0022】ヨークホルダ31の外周面の一部には円周
方向に沿って凹部32が一周するように形成され、ここ
に円板状で薄板状のヨーク33が積層されて収納され
る。この例では8枚積層されている。ヨーク33を薄板
状にして積層合体したのはうず電流損を少なくするため
である。
【0023】積層状態で収納されたヨーク33を覆うよ
うにしてヨークホルダ31の外周面には界磁コイルとし
て機能する所定幅のシート状コイル35が貼着固定され
る。シート状コイル35はヨークホルダ31の外周面に
貼着できるようにフレキシブルなコイル基板39(図
6)が使用される。コイル基板39の厚みは、一例とし
て0.2〜1.0mm程度である。このシート状コイル
35の給電端子部37はステータ側より折り曲げられア
ウターロータの外側に導出された状態でモータハウジン
グ11に固定される。
【0024】給電端子部37として使用されるシート状
コイル35の遊間部分55(図7参照)は電気角にして
360度の領域(u,v,w相の1単位分に相当)であ
り、ここはロータを回転駆動する領域としては機能しな
いから、図1および図10に示すようにヨークホルダ3
1およびここに収容されたヨーク33のうち遊間部分5
5と対峙する部分が切削されて切欠き端面60となされ
る。切欠き端面60とすることによるメリットは後述す
るようにこの部分での鉄損を少なくできることである。
【0025】シート状コイル35と対峙するようにアウ
ターロータの構成部材が配置される。そのため、回転軸
13の先端部に取り付け固定されたホルダ15には筒状
のケース41が取り付けられ、その内面にリング状をな
す所定幅の磁石40が取り付け固定される。磁石40は
シート状コイル35と僅かな間隙をもって対峙するよう
に夫々の相対的位置関係が選定される。
【0026】ホルダ15はプーリとしても機能し、この
プーリ部を介して駆動ベルト20によりモータの回転力
が被駆動部に伝達される。上述したシート状コイル35
と磁石40との関係については後述する。
【0027】上述したようにヨークホルダ31として図
のように中空でしかも有底筒状体を使用した場合にはス
テータ内には図に示すような内部空間50ができる。こ
の内部空間50にブラシレスモータ30を駆動するに必
要な回路部品をマウントした回路基板23などが収納固
定される。図では回路基板23を1枚だけ収納した例で
あるが、複数枚の回路基板を収納できる他、その他の回
路部品や部材を収納することもできる。
【0028】これ以外の内部空間50の利用法として
は、例えば高精度モータのときの精密軸受け機構の装着
がある。つまり、軸精度の高いものが要求されるブラシ
レスモータ30であるときには内部空間50を利用して
これら回路基板23などに代えて精密軸受け機構をヨー
クホルダ内に配置すればよい。これによって、モータ自
体を大きくすることなく高精度のモータを構成できる。
【0029】この発明に係るブラシレスモータ30の極
数2pと界磁コイル数nとの関係は、2p:n=4:3
若しくは2p:n=10:6の整数倍に選定される。
【0030】前者(2p:n=4:3)の構成を採用し
た本発明の前提となるモータ原理を展開図を示す図2を
用いて、以下に説明する。
【0031】図2(a)に示されるリング状の磁石40
は、360度の全周にわたるように均等に4極配される
ので、極ピッチが90度(360度÷4=90度)とな
る位置関係で配される。この各磁極の幅を同図で示すよ
うにl(エル)とした場合、これに対向して設けられる
シート状コイル35のコイル幅(隣合う前後のコイル辺
のピッチ)もこの例では同図(b)に示すように略lに
選定される。これは効率の良い、いわゆる全節巻に相当
する。
【0032】したがって、u,v,wの3相のコイルが
それぞれ隣合うコイルと30度((360度−90度×
3)÷3=30度)の位相差をもって配列することとな
るので、このそれぞれ隣合うコイルのスペースを有効に
利用することができる。
【0033】コイルスペース利用例としては例えば回転
トルクを稼ぐために、同一面でのコイル巻数を増やした
りするためのスペースとして利用できるし、また同じ目
的で詳細は後述するがシート状コイル35の表面および
裏面にもコイルを配するとともに表裏を電気的に接続す
るためのスルーホールを設けるスペースとしても利用で
きる。スルホール構成ではシート状コイル35の上下方
向の寸法を低く設定できる。
【0034】このような磁石40とシート状コイル35
の相対的な位置関係において、磁石40が図面中矢印方
向に移動した場合、シート状コイル35の各コイルu,
v,wにそれぞれ発生する起電力は図2(c)に示すよ
うになる。
【0035】図2(d)に示すスイッチング電流をシー
ト状コイル35の各コイルu,v,wにそれぞれ供給す
れば、モータの円滑な回転が得られる。
【0036】後者(2p:n=10:6)の構成を採用
した本発明の前提となるモータ原理を図3に示す展開図
を用いて以下に説明する。
【0037】図3(a)に示されるリング状の磁石40
は、360度の全周にわたるように均等に10極配され
るので、極ピッチは36度(360度÷10=36度)
なる位置関係で配される。
【0038】この各磁極の幅をl′ とした場合、これ
に対向して設けられるシート状コイル35のコイル幅
(隣合う前後のコイル辺のピッチ)も、この例では図3
(b)に示すように略l′ に選定される。これは上述
と同じく効率の良い、いわゆる全節巻に相当する。
【0039】したがって、u,v,wの3相のコイルが
それぞれ隣合うコイルと24度((360度−36度×
6)÷6=24度)の位相差をもって配列することとな
るので、上述した2p:n=4:3の構成と同様に、こ
のそれぞれ隣合うコイルのスペースを有効に利用するこ
とができる。
【0040】このような磁石40とシート状コイル35
の相対的な位置関係において、磁石40が図面中矢印方
向に移動した場合、シート状コイル35の各コイルu,
v,wにそれぞれ発生する起電力は図3(c)に示すよ
うになる。図3(d)に示すスイッチング電流をシート
状コイル35の各コイルu,v,wにそれぞれ供給すれ
ば、モーターの円滑な回転が得られる。
【0041】図4はこの発明の説明に供する図であって
上述した例のうち、(2p:n=4:3)を採用したと
きのモータの横断図面の一例であり、図では2p=1
6,n=12に選定したときの構成を示す。図5は、図
4に示す磁石40とシート状コイル35の位置関係を模
式的な展開図として示したものである。
【0042】リング状の磁石40は、360度の全周に
わたるように均等に16極配されるので、極ピッチが2
2.5度(360度÷16=22.5度)となる位置関
係で配される。これに対向して設けられるシート状コイ
ル35のコイル幅(コイル辺とコイル辺のピッチ)も2
2.5度の略同ピッチで配されるので、それぞれ隣合う
コイルと7.5度((360度−22.5度×12)÷
12=7.5度)の角度からなるスペース(位相差)を
もって配列することとなる。
【0043】図6は図4および図5で示されるシート状
コイル35の具体例を示す展開図であり、極数2pと相
数nとの関係を、2p:n=4:3の整数倍である1
6:12に選定した場合の一実施例を示す。
【0044】シート状コイル35はコイル基板39の表
面(A面)および裏面(B面)に公知のエッチング処理
技術などの手段により形成されたコイル導体部38つま
り界磁コイルによって、ラジアル方向(回転軸13に対
して)の回転磁界を発生させこの回転磁界でロータを回
転させる。
【0045】コイル基板39に形成された界磁コイルは
図のようにパターン化されたコイル導体部38として構
成されており、単位コイル導体部が12個分形成され、
u相,v相およびw相の3相となるように結線されて3
相のコイル導体部38に対して3相のスイッチング電流
(モータ駆動電流)が供給される。
【0046】コイル基板39には上述したようにスイッ
チング電流供給端子として機能する給電端子部37が設
けられ、図1のようにステータ側より折り曲げられてモ
ータハウジング11に固定され、アウターロータ構成部
材に影響を与えることなくシート状コイル35に給電を
行えるようになっている。
【0047】シート状コイル35はヨークホルダ33の
外周面に強固に貼着されるので、このシート状コイル3
5が非常に薄くてもこれに供給されるスイッチング電流
によって振動を起こすようなことは全くない。
【0048】シート状コイル35のB面は、説明の都合
上、A面側から透視した状態で図示されている。シート
状コイル35はA面とB面とを重ね合わせた状態で形成
されA面およびB面はスルーホールを介して表裏面が電
気的に接続される。表裏一対のコイルで各コイルを構成
したのは回転トルクを稼ぐためである。
【0049】上述のようにシート状コイル35に形成さ
れるu,v,wの3相のコイルがそれぞれ隣合うコイル
と7.5度の位相差をもって配列されているので、この
スペースに上述したスルーホールを配した場合、シート
状コイル35の上下方向の寸法を低く設定することがで
きから全体としてモータ自体の小型化を図れる。
【0050】図1に示すように、磁石40は所定の幅と
厚みをもつ板状磁石をリング状にしたものであるからそ
の着磁方向は円周方向である。そのため、アキシャル型
のブラシレスモータに使用される磁石に比べ磁石の着磁
が簡単になる。
【0051】これは、アキシャル型では磁石の着磁領域
が半径方向に向かう扇状領域となるので、極数が多くな
るにつれ、また小型化するにつれ、磁石の内径部分での
着磁ピッチが非常に狭くなる関係で着磁処理が非常に面
倒になる。
【0052】ラジアル型ではアウターロータの半径部分
(アキシャル型の外径部分に相当する)に位置する磁石
40の円周方向に対してその単位長方形領域を均等に着
磁すればよいので、極数が増えてもあるいはより小型化
する場合でも着磁間隔があまり狭くならない。その結
果、着磁処理がアキシャル型の磁石に比べて簡単になる
からである。
【0053】図7はこの発明の説明に供するもので、極
数2pと相数nとの関係が、2p:n=4:3の整数倍
である20:15に選定され、かつ、破線で示すように
界磁コイル領域55における各u,v,w相の1単位を
削除したときのブラシレスモータ30の磁石40とシー
ト状コイル35の位置関係を展開図として示したもので
ある。
【0054】この場合破線で示す各u,v,w相の各1
単位分を削除しても残在する部分において極数2pと相
数nとの関係が、2p:n=4:3を満足しているた
め、モータとして充分機能する。このときリング状の磁
石40は、360度の全周にわたるように均等に20極
配されるので、極ピッチが18度(360度÷20=1
8度)となる位置関係で配される。
【0055】これに対向して設けられるシート状コイル
35のコイル幅(コイル辺とコイル辺のピッチ)も18
度の略同ピッチで配されるので、それぞれ隣合うコイル
と6度((360度−18度×15)÷15=6度)の
角度からなるスペースをもって配列することとなり、削
除した界磁コイル領域(遊間部分55に相当)の部分は
72度のスペースとなる。
【0056】図8はこの発明において使用されるシート
状コイル35の具体例を示す展開図である。図6と同様
に、シート状コイル35のB面は、説明の都合上A面側
から透視した状態を示し、シート状コイル35はA面と
B面とを重ね合わせた状態で形成されA面およびB面は
スルーホールを介して表裏面が電気的に接続されてい
る。
【0057】上述したように、各u,v,w相の1単位
が削除されてできた72度((18度+6度)×3=7
2度)分だけコイル導体部が短くなるのでこの72度に
相当する遊間部分55を利用して給電端子部37が配置
される。
【0058】図6の場合には給電端子部37はコイル基
板39の下側に突出して形成されているが、図8の場合
にはコイル基板39の一端をそのまま延長して給電端子
部37となされる。
【0059】このようにコイル基板39と給電端子部3
7とを直線状に形成し、かつ、シート状コイル35をヨ
ークホルダ31の外周面に貼着したときには、そのまま
では給電端子部37を外部(アウターロータ外)に導出
することができない。
【0060】そこで、図8および図9の破線で示すよう
に折り曲げ線r,sに沿って給電端子部37が折り曲げ
られる。コイル基板39に対して略45°の角度をもつ
折り曲げ線rによって給電端子部37は、図9(a)の
状態から同図(b)で示すようにコイル基板39に対し
て90°折り曲げられたことになるからこの折り曲げの
結果給電端子部37は回転軸12と平行になる。
【0061】折り曲げ線sに沿ってさらに直角に折り曲
げられる結果、同図(c)で示すように給電端子部37
のうち折り曲げ線sより先端部側がシャーシ11と平行
になるから、図1に示すように給電端子部37を所望の
ごとくアウターロータの外側に導出することができる。
【0062】折り曲げ線rより給電端子部37を折り曲
げたときその折り曲げ部分がヨークホルダ31の外周面
に強固に貼着固定し、さらにうず電流損を少なくするな
どの目的から、給電端子部37に相当するヨークホルダ
31の外周面がカットされて図10に示すような切欠き
端面60が形成される。
【0063】遊間部分55は界磁コイルがなく磁気回路
を構成しないから、遊間部分55と対峙する部分にはヨ
ーク33を配置する必要がない。したがって、遊間部分
55と対峙するヨークホルダ31に対して切欠き端面6
0を形成した場合には、遊間部分55での鉄損の一種で
あるうず電流損は発生しない。このうず電流損の低減に
よってモータ消費電流が低減され、モータ駆動効率も改
善される。発熱も少なくなる。
【0064】上述した磁石40の極数2pとシート状コ
イル35の相数nとの関係は一例に過ぎず、整数値は上
述した数値以外でもよいし、コイルの各相の削除は単位
毎の削除であれば充分モータとして機能させることがで
きるので、この削除によって作られる遊間部分を有効に
利用することができる。
【0065】
【発明の効果】以上のように、この発明に係るブラシレ
スモータでは、ラジアルフラックスタイプでアウターロ
ータ方式が採用されると共に、磁石の極数と界磁コイル
の相数との関係を所定の関係に設定することによってシ
ート状コイルの一部を給電端子部として使用できるよう
にしたものである。
【0066】これによれば、シート状コイルがヨークホ
ルダの外周面に貼着固定できるから、シートコイルに供
給されるモータ駆動用のスイッチング電流によって発生
する振動を効果的に抑圧できる。したがって、騒音の少
ないブラシレスモータを提供できる。
【0067】アウターロータ側に磁石が配置されるた
め、この磁石の着磁が簡単になり、多極化、小型化に適
するモータ構成を提供できる。
【0068】給電端子部の一部を折り曲げて使用するこ
とによって給電端子部を簡単にアウターロータの外側部
分に導出することができるので、その組立作業を効率よ
く、しかも給電端子部に損傷を与えることなく行える実
益を有する。そして、この発明ではヨークを含むヨーク
ホルダの一部を切り落とした切欠き端面を形成したか
ら、これによって鉄損が少なくなりそれに伴ってモータ
消費電流を抑えることができる。発熱も少なくなる。
【0069】したがって、この発明は振動を嫌うヘッド
ホンタイプの小型のテープレコーダなどに適用して極め
て好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るラジアル型アウターロータ方式
のブラシレスモータの一例を示す縦断面図である。
【図2】モータの原理を示す図である。
【図3】モータの他の原理を示す図である。
【図4】この発明の説明に供するラジアル型アウターロ
ータ方式のブラシレスモータの一例を示す横断面図であ
る。
【図5】そのときの磁石とシートコイルとの相対的位置
関係を示す図である。
【図6】この発明の説明に供するブラシレスモータに使
用されるシート状コイルの一例を示す構成図である。
【図7】この発明に係るブラシレスモータに使用される
磁石とシート状コイルとの相対的位置関係を示す図であ
る。
【図8】ブラシレスモータに使用されるシート状コイル
の具体例を示す構成図である。
【図9】シート状コイルの折曲状態の一例を示す図であ
る。
【図10】この発明に係るラジアル型アウターロータ方
式のブラシレスモータの一例を示す横断面図である。
【図11】従来のアキシャル型ブラシレスモータの一例
を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10,30 ブラシレスモータ 11 モータハウジング 13 回転軸 31 ヨークホルダ 33 ヨーク 35 シート状コイル 37 給電端子部 39 コイル基板 40 磁石 55 遊間部分

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アウターロータ側に取り付けられた円筒
    状磁石の極数2pと、この磁石と対峙するようにステー
    タ側ヨークホルダに取り付けられた界磁コイル数nとの
    関係が、2p:n=4:3若しくは2p:n=10:6
    の整数倍に選定され、 上記シート状コイルのうち360°の電気角に相当する
    界磁コイル領域の一部若しくは全部が給電端子部となさ
    れると共に、この給電端子部と対峙するヨークの外周面
    が切り落されてなることを特徴とするラジアル型アウタ
    ーロータ方式ブラシレスモータ。
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