JPH0653264U - 自動車用シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車用シートにおいて、バケットシートフ
レームの強度及び信頼性を向上させる。 【構成】 バケットシートフレーム１のシートクッショ
ンフレーム部分１ｂを車体フロア５に固定するボルト７
の下部と、シートクッションフレーム部分１ｂの上部と
の間に、衝撃吸収部材９，１９を介設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用シートの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、スポーツカーやレースカーのシートは、図３に示すように、シートバッ クフレーム部分１ａとシートクッションフレーム部分１ｂとが合成樹脂で一体に 成形されたバケットシートフレーム１の各フレーム部分１ａ，１ｂの上に、シー トバック用弾性材（例えばウレタン）３とクッションシート用弾性材（例えばウ レタン）４とをそれぞれ取付けて構成している。

【０００３】 上記シートクッションフレーム部分１ｂは、図４に示すように、車体フロア５ に直接載置され、シートクッションフレーム部分１ｂにあけた孔１ｃに鉄製スペ ーサー６を嵌入して、ボルト７の軸部７ａを上方からスペーサー６の孔６ａ及び フロア５の孔５ａに挿通させ、フロア５の下部でナット８に螺合させることによ り、シートクッションフレーム部分１ｂをフロア５に直接固定するようになって いる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のバケットシートフレーム１では、ボルト７とフロア ５との間に、シートクッションフレーム部分１ｂを直接挟み込んでいるから、図 ３に示すように、シートバックフレーム部分１ａに衝撃負荷Ｐが作用すると、シ ートバックフレーム部分１ａに亀裂ａが発生して、強度及び信頼性が低下すると いう問題がある。

【０００５】 そこで、本考案の目的は、バケットシートフレームの強度及び信頼性が向上す る自動車用シートを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、シートバックフレーム部分とシートク ッションフレーム部分とが合成樹脂で一体に成形されたバケットシートフレーム の上記シートクッションフレーム部分が車体フロアにボルトで直接固定され、各 フレーム部分の上に、バックシート用弾性材とクッションシート用弾性材とをそ れぞれ取付けてなる自動車用シートにおいて、 上記シートクッションフレーム部分を車体フロアに直接固定するボルトの下部 と、該シートクッションフレーム部分の上部との間に衝撃吸収部材が介設されて いることを特徴としている。

【０００７】

【作用】

本考案によれば、バケットシートフレームのシートクッションフレーム部分を 車体フロアに固定するボルトの下部と、シートクッションフレーム部分の上部と の間に、衝撃吸収部材を介設することにより、この衝撃吸収部材で衝撃負荷を吸 収することができるので、シートバックフレーム部に亀裂が発生しにくくなり、 強度及び信頼性向上する。また、上記衝撃吸収部材で走行振動も吸収されるので 、着座者の疲労が軽減する。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案を図示の実施例により詳細に説明する。 なお、図３以下の従来技術と同一構成・作用の箇所は同一番号を付して詳細な 説明は省略する。

【０００９】 図１は第１実施例である。バケットシートフレーム１のシートクッションフレ ーム部分１ｂの孔１ｃに嵌入するスペーサー１６は、従来よりも長さＬが長く設 定され、ボルト７の頭部７ｂ側には、大径のフランジ部１６ｂが形成されている 。該ボルト７は、スペーサー１６が長くなった分だけ軸部７ａが長く形成されて いる。

【００１０】 上記スペーサー１６の外周には、フランジ部１６ｂの下面とシートクッション フレーム部分１ｂの上面との間に介設されるラバーやウレタン製の衝撃吸収部材 ９が嵌合されている。

【００１１】 上記バケットシートフレーム１の組み付け時には、スペーサー１６の外周に衝 撃吸収部材９を予め嵌合させると共に、シートクッションフレーム部分１ｂを車 体フロア５に直接載置し、シートクッションフレーム部分１ｂにあけた孔１ａに 衝撃吸収部材９を嵌合させたスペーサー１６を嵌入して、ボルト７の軸部７ａを 上方からスペーサー１６の孔１６ａ及びフロア５の孔５ａに挿通させ、フロア５ の下部でナット８に螺合させることにより、シートクッションフレーム部分１ｂ をフロア５に直接固定する。

【００１２】 上記構成であれば、シートバックフレーム部分１ａに衝撃負荷Ｐ（図３参照） が作用すると、シートクッションフレーム部分１ｂには、後方の負荷支点からシ ートクッションフレーム部分１ｂを上揺動させようとする衝撃負荷Ｑ（図３参照 ）が作用する。

【００１３】 この場合、上記従来では、ボルト７とフロア５との間にシートクッションフレ ーム部分１ｂを直接挟み込んでいたから、シートクッションフレーム部分１ｂが 上揺動しないので、衝撃負荷Ｐがシートバックフレーム部分１ａに全て作用し、 この衝撃負荷Ｐにより亀裂ａが発生していた。

【００１４】 しかし、本案では、ボルト７の頭部７ｂ側のスペーサー１６のフランジ部１６ ｂの下面とシートクッションフレーム部分１ｂの上面との間に衝撃吸収部材９を 介設しているから、該衝撃吸収部材９の弾性力でシートクッションフレーム部材 １ｂが上揺動して、衝撃負荷Ｑを吸収する。

【００１５】 これにより、シートバックフレーム部分１ａの衝撃負荷Ｐが衝撃吸収部材９で 吸収されるから、シートバックフレーム部分１ａに亀裂が発生しにくくなる。ま た、衝撃吸収部材９で走行振動も吸収されるので、着座者の疲労も軽減する。

【００１６】 図２は第２実施例である。上記スペーサー１６にはフランジ部１６ｂが形成さ れていない。そして、上記ラバーやウレタン製の衝撃吸収部材９に代えて、上記 スペーサー１６の外周に嵌合する孔１９ａを有するばね性のブラケット１９を設 け、該ブラケット１９を、ボルト７の頭部７ｂの下面とシートクッションフレー ム部分１ｂの上面との間に介設する。この構成であっても、衝撃吸収部材１９の 弾性力でシートバックフレーム部分１ａの衝撃負荷Ｐを吸収することができ、第 １実施例と同様の効果を奏することができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上の説明より明らかなように、本考案の自動車用シートは、バケットシート フレームのシートクッションフレーム部分を車体フロアに固定するボルトの下部 と、シートクッションフレーム部分の上部との間に、衝撃吸収部材を介設したも のである。したがって、この衝撃吸収部材で衝撃負荷を吸収することができるの で、シートバックフレーム部分に亀裂が発生しにくくなり、強度及び信頼性向上 するようになる。また、上記衝撃吸収部材で走行振動も吸収されるので、着座者 の疲労も軽減するようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の第１実施例の衝撃吸収構造の断面図

【図２】 第２実施例の衝撃吸収構造の断面図

【図３】 従来の自動車用シートの分解斜視図

【図４】 従来の衝撃吸収構造の断面図

【符号の説明】

１…バケットシートフレーム、１ａ…シートバックフレ
ーム部分、１ｂ…シートクッションフレーム部分、３…
シートバック用弾性材、４…シートクッション用弾性
材、５…車体フロア、７…ボルト、７ａ…軸部、７ｂ…
頭部、８…ナット、９，１９…衝撃吸収部材、１６…ス
ペーサー、１６ｂ…フランジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートバックフレーム部分とシートクッ
   ションフレーム部分とが合成樹脂で一体に成形されたバ
   ケットシートフレームの上記シートクッションフレーム
   部分が車体フロアにボルトで直接固定され、各フレーム
   部分の上に、バックシート用弾性材とクッションシート
   用弾性材とをそれぞれ取付けてなる自動車用シートにお
   いて、 上記シートクッションフレーム部分を車体フロアに直接
   固定するボルトの下部と、該シートクッションフレーム
   部分の上部との間に衝撃吸収部材が介設されていること
   を特徴とする自動車用シート。