JPH0652335U - ケーブル接続部 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレモールドストレスコ―ンの半導電層の立
上がり角度を小さくすることができ、もって、ストレス
コ―ンの立上がり部におけるラジアルストレスを抑え
て、接続部の電気特性を向上させることのできるケーブ
ル接続部を提供する。 【構成】 ケーブル端末の絶縁体１２外周に、予めモー
ルド成形された、ほぼ紡錘状でかつケ―ブルシ―ス端側
テ―パ面から円筒部上にかけて半導電性ゴム・プラスチ
ックからなる半導電層１３ａが形成されたプレモールド
ストレスコーン１３を嵌挿し、このプレモールドストレ
スコーン１３の半導電層側テーパ面を押圧部材１４でケ
ーブル端末側に向けて押圧してなるケーブル接続部にお
いて、前記ストレスコーン１３の半導電層１３ａの立上
がり部基部に近い外周に、半導電層１３ａを構成するゴ
ム・プラスチックより硬度の高い金属やゴム・プラスチ
ックなどの硬質材料からなる埋込部材１８を埋設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、予めモールド成形されたストレスコーンを用いたプレハブ式のケー ブル接続部に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、ＣＶケーブルなどのゴム・プラスチックケーブル用プレハブ式終端 接続部として、図２に示すように、ケーブル端部１を段剥して露出させたケーブ ル絶縁体２の外周に、予め工場などで製造しておいた紡錘状のプレモールドスト レスコ―ン３を嵌挿させ、これらをエポキシがい管４のケ―ブル端部受容孔５に 挿着してなるものが知られている。

【０００３】 かかるケ―ブル接続部においては、プレモールドストレスコーン３を、予めそ の後方にセットしておいた押圧金具６でケ―ブル端部受容孔５側、すなわちエポ キシがい管４に内設された円筒状の内部遮蔽金具７の後端面に向けて押圧するこ とにより、所定の絶縁耐力を得るようにしている。図中８は、内部遮蔽金具７と プレモールドストレスコ―ン３との間に介挿させたストッパである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、このような接続部においては、同図θで示すプレモールドストレス コ―ン３の半導電層３ａの立上がり角度をできるだけ小さくすることが望ましい 。すなわち、次式に示すように、同立上がり部におけるラジアルストレスＧは、 半導電層の立上がり角度θに相関し、θが小さいほどラジアルストレスは小さく なり、半導電層立上がり部の電気性能、ひいては接続部の電気性能を向上させる ことができる。 Ｇ＝（ε₁ ／ε₂ ）（Ｖ／Ｒ・In（Ｒ／ｒ））tan θ ここで、ｒはケーブル導体半径、Ｒはケーブル絶縁体半径、ε₁ はケーブル絶 縁体の誘電率、ε₂ はストレスコ―ンの絶縁層の誘電率、Ｖは破壊目標電圧であ る。

【０００５】 しかして、従来のケーブル接続部では、θをできるだけ小さく形成したプレモ ールドストレスコ―ン３を使用するようにしているものの、製造技術上 5〜10° が限度であった。

【０００６】 一方、近年の電力需要の増大によってケーブルの高圧化が進められており、そ れにともなって、かかる高圧化に対応し得る、電気性能のより向上したケーブル 接続部が求められてきている。

【０００７】 本考案はこのような従来の事情に対処してなされたもので、プレモールドスト レスコ―ンの半導電層の立上がり角度を小さくすることができ、もって、該部の ラジアルストレスを抑えて、接続部の電気特性を向上させることのできるケーブ ル接続部を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ケーブル端末の絶縁体外周に、予めモールド成形された、ほぼ紡錘 状でかつケ―ブルシ―ス端側テ―パ面から円筒部上にかけて半導電層が形成され たプレモールドストレスコーンを嵌挿し、このプレモールドストレスコーンを押 圧部材でケーブル端末側に向けて押圧してなるケーブル接続部において、前記プ レモールドストレスコーンの半導電層のテーパ部に、他の部分より硬度の高い硬 質部が形成されていることを特徴としている。

【０００９】

【作用】

本考案のケーブル接続部では、プレモールドストレスコーンの半導電層のテー パ部に硬質部を形成したことにより、プレモールドストレスコ―ンを押圧部材で 押圧した際、硬質部と絶縁層との間の半導電層部分が硬質部の両側に引張られる 結果、半導電層の立上がり角度が小さくなり、また、立上がり部のケーブル絶縁 体にかかる面圧も増大するため、該部の電気性能が向上する。

【００１０】

【実施例】

次に本考案の実施例を図面を用いて説明する。

【００１１】 図１は本考案の一実施例のＣＶケ―ブル終端接続部の要部を示す縦断面図であ る。

【００１２】 図１において、ＣＶケ―ブル１１の端部を段剥して露出させたケ―ブル絶縁体 １２の外周に、予め工場内でモ―ルド成形された、ほぼ紡錘状で、かつケ―ブル シ―ス（図示なし）端側テ―パ面から円筒部上にかけて半導電性ゴム・プラスチ ックからなる半導電層１３ａが形成され、中心にケ―ブル端末挿入孔１３ｂを有 するプレモールドストレスコ―ン１３が嵌挿され、予めその後方、すなわちケ― ブルシ―ス端寄りのケーブル外周にセットしておいた、プレモールドストレスコ ―ン１３の半導電層側テ―パ面に当接する円錐状拡開面１４ａを有する押し金具 １４を備えた押圧部材により、エポキシがい管１５の内周に埋設された円筒状の 内部遮蔽金具１６の後端面に向けて押圧されて固定されている。内部遮蔽金具１ ６とプレモールドストレスコ―ン１３間には、プレモールドストレスコ―ン１３ を位置決めするためのストッパ１７が介挿されている。

【００１３】 しかして本考案においては、プレモールドストレスコ―ン１３の半導電層１３ ａの立上がり部基部に近い外周に、この半導電層１３ａを構成するゴム・プラス チックより硬度の高い金属やゴム・プラスチックなどの硬質材料からなり、内側 が円弧状に形成された埋込部材１８が、加硫接着などにより、表面を露出させ、 かつこの露出した表面が面一となるように埋設されている。

【００１４】 このように構成されたケーブル接続部では、押し金具１４でストレスコ―ン １３を押圧すると、埋込部材１８内側の半導電層部分が埋込部材１８の両側に引 張られるため、半導電層１３ａの立上がり角度θ´は、かかる埋込部材１８が埋 設されていない従来のケーブル接続部における立上がり角度θに比べて小さくな り、該部におけるラジアルストレスが緩和される。また、そのような硬質材料か らなる埋込部材１８を埋設したことによって、押し金具１４による押圧力はさほ ど大きく減衰することなく伝播するため、立上がり部分のケーブル絶縁体１２に かかる面圧も増大する。したがって、立上がり部の電気性能が改善され、ケーブ ル接続部の電気特性が向上する。

【００１５】 なお、埋込部材１８の形状や埋設位置などは、本考案において、特に上記実施 例に限定されるものではないが、半導電層１３ａの立上がり部基部にできるだけ 有効に面圧がかかるようにすることが望ましい。上記実施例では、半導電層１３ ａの立上がり部基部に近い外周に、内側が円弧状に形成された埋込部材１８が埋 設されており、半導電層１３ａの立上がり部基部に有効に面圧をかけることがで きる。

【００１６】 また、上記実施例は本考案をＣＶケ―ブルの終端接続部に適用した例であるが 、本考案はこのような実施例に限定されるものではなく、他の各種ゴム・プラス チックケ―ブルの中間接続部や終端接続部に広く適用することができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のケーブル接続部によれば、プレモールドストレ スコ―ンの半導電層の立上がり角度を小さくすることができ、また、立上がり部 のケーブル絶縁体にかかる面圧も増大させることができるので、電気特性を向上 させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例のＣＶケ―ブル終端接続部の
要部を示す縦断面図。

【図２】従来のＣＶケ―ブル終端接続部の要部を示す縦
断面図。

【符号の説明】

１１………ＣＶケ―ブル １２………ケーブル絶縁体 １３………プレモールドストレスコ―ン １３ａ………半導電層 １４………押し金具 １８………埋込部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーブル端末の絶縁体外周に、予めモー
   ルド成形された、ほぼ紡錘状でかつケ―ブルシ―ス端側
   テ―パ面から円筒部上にかけて半導電層が形成されたプ
   レモールドストレスコーンを嵌挿し、このプレモールド
   ストレスコーンを押圧部材でケーブル端末側に向けて押
   圧してなるケーブル接続部において、 前記プレモールドストレスコーンの半導電層のテーパ部
   に、他の部分より硬度の高い硬質部が形成されているこ
   とを特徴とするケーブル接続部。