JPH0140131Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 産業上の利用分野 本考案は自動車などの移動用車両における点火
コードの端部構造に関する。

従来の技術 自動車などの点火コードとして用いられる雑音
防止用高圧抵抗電線の端末は、通常、絶縁被覆の
端から露出した抵抗芯線を絶縁被覆の外側へ折り
返して、その上から筒状の金属端子を加締め圧着
し、更にその外側にプラグキヤツプを挿着する構
造となつている。このような端部構造は、たとえ
ば第５図に示すように、金属端子３を圧着した高
圧抵抗電線１の外側面とプラグキヤツプ２の電線
挿通孔の内側面との間が接着剤４によつて接着封
止されて構成されている。

一方、このような雑音防止用高圧抵抗電線を自
動車に装着するに当つては、エンジンルームが狭
くなつて来ているため各種の機器の間を屈曲させ
て配索しなければならない場合が増加してきてい
る。そして、屈曲させ易くするために径の細い高
圧抵抗電線を用い、また強く屈曲するに当つては
保護チユーブなどを被せることによつて周囲の機
器との接触による摩耗障害の防止などが計られて
いる。

解決しようとする問題点 かかる現状において、雑音防止用高圧抵抗電線
を強く屈曲させて使用すると、芯線が折れ曲ると
共に保護被覆層が大きな引張りあるいは圧縮歪を
受けた状態で高温環境に曝されることになり、劣
化が促進されて電線の寿命が短くなるという問題
がある。

また、プラグキヤツプと高圧抵抗電線の間の接
着部にも応力が集中して剥離が生じ、この間隙か
らリーク現象などが発生してエンジン不調を引き
起したり、あるいはプラグキヤツプの脱落などの
事故に至ることがあつた。

そこで、本考案は、径が細くて無理なく屈曲で
き、しかもプラグキヤツプ部分の信頼性が高い雑
音防止用高圧抵抗電線を提供しようとするもので
ある。

〔考案の構成〕

問題点を解決するための手段 前述のような本考案の目的は、端部外周面に末
端方向に向つて径が順次大となるような被覆層を
形成した高圧抵抗電線と、該電線の末端部に圧着
接続された端子と、該端子を覆うように該電線の
端部に挿着されたプラグキヤツプとからなり、該
電線の径の順次変化する部分が該プラグキヤツプ
より露出するように構成した雑音防止用高圧抵抗
電線の端部構造によつて達成される。

実施例 本考案の雑音防止用高圧抵抗電線の端部構造の
例を、図によつて説明する。

第１図において、１は高圧抵抗電線であり、径
が細くて屈曲し易いものである。高圧抵抗電線１
の端部の外周面には外径が１段と大きいゴム被覆
層５が形成されているが、ゴム被覆層５部分の径
は従来の高圧抵抗電線の径と等しくしてある。２
はプラグキヤツプ、３は高圧抵抗電線１と接続さ
れ、ゴム被覆層５の上から圧着固定された金属端
子である。ここで、プラグキヤツプ２とゴム被覆
層５とは、接着剤４によつて接合されている。

このゴム被覆層５は、たとえばEPDMやシリ
コーンゴムなどで圧縮成形されたもので、その端
部５ａがプラグキヤツプ２の後端面よりたとえば
10mm程度離れた位置に来るように形成されるのが
好ましい。

このように形成された雑音防止用高圧抵抗電線
の端部は、屈曲させるときにはプラグキヤツプ２
の部分はあまり曲らず、ゴム被覆層５の部分で少
し曲り、ゴム被覆層５の部分を離れると自由に曲
る。

また、第２図はゴム被覆層６が、たとえば径が
４段階に順に変化するよう形成された例である。
この例の雑音防止用高圧抵抗電線では、プラグキ
ヤツプ２から離れるに従つて高圧抵抗電線１は順
次屈曲が容易となる。

さらに、第３図はゴム被覆層７の径が第２図の
例よりも多段階に変化するように形成された例
で、一層滑らかに屈曲させることができる。

一方、第４図は、ゴム被覆層８が所定の角度を
持つように曲げて成形されたものであり、斜の角
度がついたプラグキヤツプ２′と組合せた例であ
る。この場合には、高圧抵抗電線１はゴム被覆層
８が成形されるときに角度がつけられており、プ
ラグキヤツプ２′の挿着に無理がなく、組立が容
易である利点も加わる。

作 用 以上説明したように、高圧抵抗電線の端部に、
末端に向つて径が大となるように被覆層を形成
し、その径の変化する部分がプラグキヤツプより
露出するように組立ててあるので、径の細い高圧
抵抗電線を用いても端子の圧着取付およびプラグ
キヤツプ挿着が従来通りに容易かつ確実であり、
しかも屈曲し易くてプラグキヤツプ近傍に曲りが
集中することがなく、そして配線し易い雑音防止
用高圧抵抗電線が得られる。

〔考案の効果〕

本考案の雑音防止用高圧抵抗電線の端部構造
は、配索性が良好であつて屈曲させても応力が端
部に集中することがなく、プラグキヤツプと高圧
抵抗電線との接合部の故障が起り難いものであ
り、またストレスクラツキング等の劣化も軽減さ
れ、長寿命化する利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は、本考案の雑音防止用高圧抵抗電
線の端部構造の夫々別な実施例の断面図、第５図
は従来技術による端部構造の例の断面図である。 １……高圧抵抗電線、２，２′……プラグキヤ
ツプ、３……端子、４……接着剤、５，６，７，
８……ゴム被覆層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 端部外周面に末端方向に向つて径が順次大とな
   るような被覆層を形成した高圧抵抗電線と、該電
   線の末端部に圧着接続された端子と、該端子を覆
   うように該電線の端部に挿着されたプラグキヤツ
   プとからなり、該電線の径の順次変化する部分が
   該プラグキヤツプより露出するように構成したこ
   とを特徴とする雑音防止用高圧抵抗電線の端部構
   造。