JPH065219B2 - 電極形成方法 - Google Patents

電極形成方法

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JPH065219B2
JPH065219B2 JP60097495A JP9749585A JPH065219B2 JP H065219 B2 JPH065219 B2 JP H065219B2 JP 60097495 A JP60097495 A JP 60097495A JP 9749585 A JP9749585 A JP 9749585A JP H065219 B2 JPH065219 B2 JP H065219B2
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二郎 北川
修一郎 沖
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、セラミックス基体の表面に同一材質より成る
多孔質層を設けて、その上に電極を形成する方法に関す
るものであり、更に詳しくはセラミックス基体に対し
て、有効な活性化処理並びに無電解メッキ処理を施し
て、目的とする電極を有利に形成せしめる方法に係り、
時に自動車の排ガス制御に使用される酸素センサの電極
形成法に関するものである。
(従来技術) 近年、自動車のエンジン等の燃焼機関の排ガス制御ない
しは燃焼制御のために、燃焼排ガス中の酸素濃度を検出
するべく、固体電解質の如きセラミックスの表面に所定
の電極を設けて成る酸素センサが広く用いられてきてい
る。而して、このようなセラミックスに対して導電性金
属層たる電極を形成する方法としては、従来から、塩化
白金酸の熱分解による方法や、白金のスパッタリング若
しくはイオンプレーティングによる方法、あるいはメッ
キによる方法等が採用されているが、何れの方法におい
ても一長一短があり、幾つかの解決されるべき問題を有
しているのである。
たとえば、メッキ法にあっては、特開昭53−2918
9号公報などに明らかにされている如く、電極の形成さ
れるべきセラミックス基体の表面に対して、一般に塩化
白金酸溶液あるいは塩化パラジウム溶液を用いた活性化
処理を施し、次いで無電解メッキを行なうことにより、
かかる表面に所定の金属メッキ層を形成せしめ、更に必
要に応じてその上に電解メッキを行なうことにより、目
的とする電極を形成しているが、このセラミックス基体
表面に形成された電極としての金属層(メッキ層)とセ
ラミックス基体自体とは相溶性の全くない異質な材料で
あり、しかもそれらの間には大きな熱膨張率の差が存在
するところから、繰り返し、加熱・冷却を受けた場合に
おいて、かかる金属層が剥離して、電極としての耐久性
を低下せしめ、またその信頼性を低下せしめる等の問題
を内在しているのである。
一方、かかるセラミック基体の表面に電極(金属層)を
密着強度高く形成するために、特公昭45−30617
号公報や特開昭55−20488号公報等には、セラミ
ックス基体の表面に中間層としての多孔質層を一体的に
設け、そしてこの中間の多孔質層の上に電極を形成せし
める技術が明らかにされている。
(解決課題) ところで、上記したメッキ法は、スパッタリング法やイ
オンプレーティング法等の如き他の電極形成法に比し
て、比較的均一な厚さの電極を形成し得る方法として考
えられているが、本発明者らが検討したところによる
と、このメッキ法を用いて、セラミックス基体に一体的
に設けた多孔質層上に所定の電極(金属層)を形成せし
めた場合において、多孔質層の多孔構造内に電極が充分
に入り込んでおらず、そのために電極の耐久性において
劣り、且つ電極の機械的強度においても今一つ充分でな
い事実が明らかとなったのである。そして、この電極の
厚さが不均一となると、かかる電極の機能に悪影響をも
たらし、更にはその長期間の使用によって該電極の薄い
部分が消失することにより、電極機能を変化せしめるこ
ととなり、電極の剥離現象に加えて、その耐久性を低下
せしめ、ひいてはそのような電極を設けてなるセラミッ
クス基体を用いた酸素センサ等の機器の信頼性を低下せ
しめるようになるのである。
(解決手段) ここにおいて、本発明は、セラミックス基体に設けた多
孔質層上に、無電解メッキ手法にて所望の電極を有利に
形成し得る方法を提供するものであって、その特徴とす
るところは、(a)セラミックス基体の表面に、同一材
質からなる多孔質層を、5〜70μmの厚さにおいて且
つ10点平均粗さ:Rz表示で1.5〜50μmの表面粗
さにおいて、形成する多孔質形成工程と、(b)かかる
多孔質層を設けたセラミックス基体を、白金濃度が0.02
〜5g/であり且つ温度が少なうとも60℃以上であ
る高温の塩化白金酸溶液中に浸漬して処理せしめ、次い
でそれを乾燥した後、還元液にて処理することにより、
かかる多孔質層に活性点を付与する活性化処理工程と、
(c)この活性点を有する多孔質層に対して、常法に従
って無電解メッキ処理を施し、該多孔質層上に電極とな
る金属の所定厚さのメッキ層を形成せしめる無電解メッ
キ工程とを含んでなる電極形成方法にある。
すなわち、本発明にあっては、セラミックス基体表面の
多孔質層に適用される無電解メッキ手法における活性化
処理に、高温で且つ低濃度の塩化白金酸溶液からなる活
性化液を用いると共に、そのような特定の活性化液を用
いるのに際して前記多孔質層の厚さ並びにその表面粗さ
の最適化を図ったところに特徴があり、これによって、
無電解メッキ手法にて多孔質層上に形成されるメッキ層
(電極)をより均一な厚さと為し、またその機械的付着
力をより一層増大せしめ得たものであって、ここに信頼
性や耐久性に優れた電極が形成され、特に自動車用酸素
センサの素子に適用した場合において、顕著な有用性を
発揮せしめ得たのである。
ところで、かくの如き本発明手法に従って、白金電極が
形成されるセラミックス基体としては、アルミナ,ジル
コニア,チタニア,トルア,セリア,チタン酸バリウム
等の各種のセラミックス材料から形成される公知の磁器
が用いられ、またその形状としても棒状、板状、円筒状
等の各種の形状のものが用いられることとなるが、特に
本発明にあっては、自動車用酸素センサにおける素子と
して好適に用いられるジルコニア等の固体電解質からな
る有底円筒形状の磁器が、セラミックス基体として有利
に用いられることとなる。なお、本発明に従う電極の形
成は、そのような有底円筒形状の磁器の外周面並びに内
周面に対して、それぞれ実施されることとなる。
そして、かかるセラミックス基体の表面には、該セラミ
ックス基体と同一材質からなる多孔質セラミックス層が
形成される。この多孔質層の表面粗さは、その上に形成
される電極(メッキ層)の付着強度や本発明を酸素セン
サの素子に適用した場合の耐久性に及ぼす影響が大きい
ために、限定されなくてはならない。すなわち、多孔質
層の表面が滑らかな場合には、その多孔質層と電極との
間の付着強度が低くなり、また電極の形成されたセラミ
ックス体が酸素センサの素子とされる場合にあっては、
それが高温下で使用されるために、その長期間の使用中
に多孔質層と電極の界面から剥離し、センサとしての機
能が消失する等の問題を惹起するのであり、また逆に、
多孔質層の表面が余りにも粗いと、重量的に一定量の白
金を付与して電極を形成せしめても、ミクロ的には白金
層が薄くなる、換言すれば単位面積当たりのメッキ膜厚
が薄くなるために、長期間の使用中のメッキ層(電極)
の摩耗により導通切れを生じ、センサとしての機能が消
失する問題等を惹起する。したがって、本発明にあって
は、目的とする電極の形成されるべきセラミックス基体
の表面に形成される多孔質層の粗さは、10点平均粗
さ:Rz表示(JIS−B−0601)において、1.5
〜50μmの範囲に維持されなければならない。なお、
その最適な範囲としては、5〜35μm程度である。
また、かかる多孔質層の厚さにあっても、後の無電解メ
ッキのための活性化処理工程において、高温の活性化液
中に浸漬する要件を採用していることから、自ずから制
限が存在する。すなわち、多孔質層の厚さが余りにも厚
すぎると、活性化液の浸み込み量が多くなり、コスト的
に高くなる等の問題を惹起する場合があるが、これらの
問題以上に必要なことは、酸素センサの素子に適用した
場合において、セラミックス基体と多孔質層から成る電
極支持層(固体電解質)の固有抵抗(インピーダンス)
が増大して、センサ機能に悪影響をもたらす問題を惹起
したり、また燃成時に多孔質層にクラックを発生せしめ
たりする等の問題があることであり、そのために、多孔
質層の厚さは70μmを超えないようにされることとな
る。また、この多孔質層が薄い場合にあっては、多孔質
層とその上に形成されるメッキ層(電極)との間の機械
的付着力が小さくなることに加えて、多孔質層にて覆わ
れない箇所がセラミックス基体表面に生じ易くなり、更
に工業的生産に際しての品質の確保が困難になる等の問
題を発生せしめるところから、多孔質層は少なくとも5
μm以上の厚さにおいて設けられる必要がある。なお、
かかる多孔質層の厚さの最適範囲としては、15〜50
μm程度である。
なお、かくの如き多孔質層を所定のセラミックス基体の
表面に形成するには、一般に、該セラミックス基体と同
一の材質のセラミックス粉末を、必要に応じてPVA,
CMCなどの適当なバインダを加えて、スラリー化し
て、そしてこの得られたスラリーを該セラミックス基体
の表面にディッピング等の手法にて塗布せしめ、更に焼
成を行なう(一般に、この際セラミックス基体の焼成も
同時に行なわれる)ことにより、かかるセラミックス基
体の表面に一体的に所定の多孔質層を形成する手法が採
用されることとなる。また、こうして形成される多孔質
層の表面粗さや厚さは、かかるスラリー中に含有せしめ
られるセラミックス基体と同一材質のセラミックス粉末
の粒子径を種々変化せしめることにより、更にはそのよ
うなセラミックス粉末の含有量やバインダ量を種々変え
ることによって、用意に調節することが可能である。な
お、酸素センサの素子を形成する場合にあっては、固体
電解質からなる有底円筒形状のセラミックス基体の、少
なくともその有底部部分を含むように、外周面と内周面
にそれぞれ多孔質層が形成されることとなる。
次いで、このようにして得られた、表面に所定の多孔質
層を有するセラミックス基体に対しては、その無電解メ
ッキ処理の適用に先立って、かかる多孔質層に活性点を
付与するための活性化処理が施されることとなる。この
活性化処理に用いられる活性化液は塩化白金酸(H2
tCl6)の溶液(一般に水溶液)であり、そして本発
明にあっては、かかる塩化白金酸溶液を多孔質層の多孔
構造内部まで浸透させるべく、かかる塩化白金酸溶液は
高温に保持されるのである。このように、活性化液とし
ての塩化白金酸溶液を高温に保持して、その中に、多孔
質層を設けたセラミックス基体を浸漬せしめることによ
り、かかる多孔質層の多孔構造内に存在する気泡が実質
的に完全に除去され、もって該多孔質層の内部まで活性
化液が浸透するようになるのである。そして、このよう
な活性化液の浸透によって活性点が多孔質層の内部にま
で形成され、これにより、その後の無電解メッキ操作に
て析出させられる金属がそれら活性点の上に析出し、そ
して多孔構造の表面に沿って広がり、所定のメッキ層を
形成することとなるところから、かかるメッキ層の多孔
質層に対する付着強度(機械的付着力)を効果的に増大
せしめることができるのである。
そして、本発明者らが検討したところによると、前述の
如き多孔質層の性状において、活性化液としての塩化白
金酸溶液の温度が60℃以上であれば、該多孔質層内の
気泡がほぼ完全に除去され得ることが明らかとなった。
したがって、本発明にあっては、塩化白金酸溶液の温度
は少なくとも60℃以上の温度において使用されるので
あり、特に望ましくは、その沸点付近の温度(約100
℃)において用いられることとなる。尤も、この沸点
は、大気圧よりも高い圧力下において塩化白金酸溶液を
用いる場合にあっては、更に高い温度となるものであ
り、本発明はそのような状態下においても実施され得る
ものではあるが、一般的には常圧下において本発明を実
施することが望ましく、またその場合の最適温度として
は95〜100℃である。
また、このように活性化液としての塩化白金酸溶液を高
温度において用いることにより、かかる塩化白金酸溶液
中の白金濃度を低くしても、多孔質層の表面には充分多
くの活性点が形成される。そして、むしろ白金濃度が高
い場合にあっては、乾燥時において過剰に多い活性点が
生じることにより、メッキ層の厚い箇所が生じたり、ま
た活性点が多孔質層の磁器表面に接触した点にしか形成
されないところから、塩化白金酸の還元によって形成さ
れる余分なメタリック白金が剥離して、無駄となった
り、還元液中に脱落、分散する等の問題を惹起すること
となる。一方、塩化白金酸溶液の白金濃度が余りにも低
い場合にあっては、多孔質層に活性点が均一に形成され
ないために、後の無電解メッキ工程においてメッキむら
が生じ、均一な厚さのメッキ層を形成することが困難で
ある問題を惹起する。けだし、活性化液に浸漬後、高温
で乾燥する時、活性化液は凝集するようになるが、その
活性化液が薄い場合(濃度が低い)活性化液が存在しな
い部分、換言すれば活性点が形成されない部分が生じ、
これによってメッキ時にメッキされない箇所が生じるよ
うになるからである。以上の理由から、本発明にあって
は、塩化白金酸溶液中の白金濃度は、0.02〜5g/と
されるものであり、また好適には0.05〜3g/の白金
濃度とされ、更に最適には0.1〜0.8g/の白金濃度に
おいて、用いられることとなる。そして、このような薄
い白金濃度の塩化白金酸溶液中において、上記の如く、
高温度下で、多孔質層を設けたセラミックス基体が、一
般に1〜60分間程度、浸漬処理されるのである。
このように、本発明にあっては、多孔質層を設けたセラ
ミックス基体に対して、白金濃度の低い高温の塩化白金
酸溶液を用いて浸漬処理を施すことにより、かかる多孔
質層に均一な活性点を形成せしめ得るところに、重要な
利点があり、これによって後の無電解メッキ工程にて形
成されるメッキ層の膜厚をより均一と為すことができる
のである。
また、かくの如き高温の塩化白金酸溶液中への浸漬処理
操作の作用は、酸素センサの素子を形成すべくセラミッ
クス基体を有底円筒形状にした場合において、特別の利
点を提供する。すなわち、かかる有底円筒形状のセラミ
ックス基体を、その開口部が上方となるようにセットし
て、活性化液中に浸漬しても、常温では、表面張力のた
めに該セラミックス基体の内孔内には活性化液が侵入し
難いところから、かかるセラミックス基体の内周面に設
けた多孔質層が活性化液に接触され得ず、そのために活
性点を形成することができない問題があるのである。し
かしながら、本発明に従って、活性化液(塩化白金酸溶
液)を高温にすると、好ましくは沸騰させると、セラミ
ックス基体の内孔内の空気が膨張し、かつ表面張力が小
さくなるために、かかる内孔内から空気が効果的に排
出、除去され、以てセラミックス基体の内孔内に活性化
液が侵入して、その内周面の多孔質層に接触するように
なるのである。それ故に、かかるセラミックス基体の有
底円筒形状の内外面を同時に活性化せしめることができ
るのである。
そして、このように塩化白金酸溶液中に、浸漬処理され
たセラミックス基体は、次いで乾燥せしめられた後、所
定の還元液に処理され、これによって多孔質層上に存在
する塩化白金酸が還元されて、メタリックな白金からな
る活性点が該多孔質層上に形成せしめられるのである。
なお、かかる塩化白金酸の還元に用いられる還元液とし
ては、例えばヒドラジン,蟻酸,ホルマリン,水素化硼
素ナトリウム,グリセリン等の公知の還元剤を含む溶液
(一般的には水溶液)である。
更に、このようにして多孔質層上に活性点が形成された
セラミックス基体には、常法に従って無電解メッキ処理
が施され、これによってかかる多孔質層上に所定厚さの
金属メッキ層が目的とする電極として形成されることと
なる。通常の無電解メッキ処理手法を採用しても、セラ
ミックス基体に設けた多孔質層上には均一な活性点が形
成されているところから、かかる多孔質層上に形成され
るメッキ層の膜厚が、効果的により均一化されることと
なるのであり、しかもかかる活性点は多孔質層の内部ま
で存在するため、メッキ金属が多孔質層内部の活性点の
上に析出して、メッキ層を形成するようになるところか
ら、メッキ層の機械的付着力も増大せしめられ得るので
ある。なお、かかるメッキ層を構成する金属としては、
一般に白金が好適に用いられることとなるが、他の適当
な金属であっても何等差支えない。また、この無電解メ
ッキによるメッキ層は、一般に0.1〜1.5μm程度、好適
には0.2〜1.2μm程度の厚さにおいて形成されるもので
あるが、更に必要に応じて、かかる無電解メッキ層の上
には電気メッキ手法により更なるメッキ層を重ねて形成
せしめ、全体としてのメッキ層の厚さを厚くして、電極
を構成せしめ、以てセラミックス基体のそれぞれの用途
に適用され得るようにしても、何等差支えない。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明は、セラミック
ス基体の電極が設けられるべき表面に、所定の厚さ並び
に表面粗さを有する特定の多孔質層を形成せしめる一
方、かかる多孔質層上に無電解メッキ手法にてメッキ層
を形成せしめるに先立って、塩化白金酸溶液を高温で且
つ低濃度で用いた浸漬処理手法によって、かかる多孔質
層上に活性点を有利に且つ均一に形成せしめるようにし
たものであって、これにより、電極としてのメッキ層の
厚さをより均一化せしめ、またかかるメッキ層の付着強
度を効果的に高め得たのであり、そしてその耐久性を高
め得たところに、本発明の大きな工業的意義が存するも
のである。なかでも、本発明は、酸素センサの素子にお
ける電極形成に有利に適用されるものであり、それによ
って、信頼性のある、且つ耐久性に優れた素子を製造し
得ることとなったことは、本発明の大きな利点の一つで
ある。
(実施例) 以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に明
らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例
の記載によって何等の制約をも受けるものでないこと
は、言うまでもないところである。
まず、安定化剤としてY23を6モル%含み、残部がジ
ルコニアからなるセラミックス粉末を用いて、外径:9
mm,内径:4mm,長さ:32mmの有底円筒形状の、酸素
センサ用セラミックス基体を成形した。一方、かかるセ
ラミックス基体を構成するセラミックス粉末と同一の材
質からなるセラミックス粉末を用いて、その粒子径、粉
末量、バインダ(PVA)量等を種々変えて、各種の泥
漿を調製した。次いで、この調製された各種の泥漿中
に、前記セラミックス基体をディッピングして、該基体
を内外面にそれぞれの泥漿を塗布せしめ、その後焼成を
行なうことにより、下記第1表に示される如き各種の厚
さ及び表面粗さ(Rz)の多孔質層を一体的に設けた酸
素センサ用セラミックス基体(燃焼体)を得た。
次いで、かかる多孔質層を設けたセラミックス基体を、
第1表に示される如く白金濃度を0.01〜10g/の範
囲内で種々変化せしめた、98〜100℃に加熱した塩
化白金酸水溶液中に浸漬せしめて、約15分間処理を行
なった後、125℃の温度で乾燥せしめ、その後水素化
硼素ナトリウム水溶液からなる還元液に15分間浸漬し
て、活性化処理を行なった。また、比較例として、白金
濃度が10g/である常温の塩化白金酸溶液を用い
て、セラミックス基体を浸漬処理する実験(No.12)
を行なった。なお、これら塩化白金酸溶液によるセラミ
ックス基体の浸漬処理において、その溶液温度が高い
(98〜100℃)場合には、有底円筒形状のセラミッ
クス基体の内孔内の空気が容易に排出、除去されて、塩
化白金酸溶液が侵入したが、常温下の塩化白金酸溶液を
用いた場合にあっては、セラミックス基体の開口部が上
方に位置するようにセラミックス基体を該溶液中にセッ
トしても、その内孔内の空気は直ちに除去されないこと
が確認された。
そして、このようにして活性化処理した多孔質層を有す
るセラミックス基体を、市販の白金無電解メッキ液を用
いて、白金濃度0.3g/、温度30℃、7時間の条件
下において通常の無電解メッキを行ない、かかる多孔質
層上に白金メッキ層を形成せしめ、更にその後、900
℃の温度で1時間、大気中において熱処理を行った。
かくして得られた白金メッキ層からなる電極が付与され
たセラミックス基体について、その白金メッキ層の厚さ
を測定し、その結果を下記第1表に示した。なお、白金
メッキ層の厚さの測定は、有底円筒形状を為すセラミッ
クス基体の有底部から10mm離れた位置における外周面
上に形成されたメッキ層の厚さについて、その円周上の
等距離にある4点の位置において、螢光X線法にて測定
することにより、行なわれた。
かかる第1表の結果から明らかなように、塩化白金酸溶
液中の白金濃度が余りにも低かったり(No.1)、高か
ったり(No.11)すると、メッキむらが生じ、均一な
厚さのメッキ層が得られないのであり、これに対して、
本発明に従う0.02〜5g/の白金濃度の塩化白金酸溶
液を用いた場合においては、より均一な厚さの白金メッ
キ層が形成されることとなるのである。なお、常温の塩
化白金酸溶液を用いてセラミックス基体を処理した場合
にあっても、メッキむらが生じることが認められる。
また、このようにしてセラミックス基体の多孔質層上に
形成された白金メッキ層について、その付着強度と多孔
質層の表面粗さ(Rz)との関係を調べた結果が、第1
図に示されている。なお、このメッキ層の付着強度は、
該メッキ層上に一定面積でハンダ付けを行ない、そのハ
ンダ付け部分のピール強度を測定することにより評価さ
れたものである。更に、上記で得られた白金メッキ層を
内外面に形成して成るセラミックス基体を用い、そのメ
ッキ層の上にスピネル層を所定厚さにコーティングし
て、350℃のモデルガスにより電気測定した結果のイ
ンピーダンスが、多孔質層の厚さとの関係において、第
2図に示されており、また、動力計にて850時間の耐
久試験を行なった後のリッチ起電力が、多孔質層の表面
粗さ(Rz)との関係において第3図に示されている。
これら第2図および第3図の結果から明らかなように、
セラミックス基体に形成される多孔質層の厚さが厚くな
り過ぎると、インピーダンスが高くなるところから、そ
の厚さは70μm程度が限度であることが認められ、ま
た表面粗さ(Rz)についても、それが余りにも粗過ぎ
たり、あるいは平滑になり過ぎたりすると、耐久性が良
くないことが認められるのである。
なお、第4図には、本発明に従って形成された多孔質層
を有するブロックを用い、これを各種の水温の水中に一
定時間浸漬したときにおける多孔質層の気孔率が示され
ているが、このグラフから明らかなように、水温が60
℃以上であれば、気孔率は100℃の水中に浸漬した場
合とほぼ同一であり、それ故、多孔質層はほぼ完全に脱
泡されていることが理解される。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図はそれぞれ実施例において求められた
グラフであり、第1図は多孔質層の表面粗さとメッキ層
の付着強度との関係を示し、また第2図は多孔質層の厚
さとインピーダンスの関係を示し、更に第3図は表面粗
さと耐久試験後のリッチ起電力の関係を示し、そして第
4図は水中浸漬温度と多孔質層の気孔率との関係を示し
ている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス基体の表面に、同一材質から
    なる多孔質層を、5〜70μmの厚さにおいて且つ10
    点平均粗さ:Rz表示で1.5〜50μmの表面粗さにお
    いて、形成する多孔質層形成工程と、 かかる多孔質層を設けたセラミックス基体を、白金濃度
    が0.02〜5g/であり且つ温度が少なくとも60℃以
    上である高温の塩化白金酸溶液中に浸漬して処理せし
    め、次いでそれを乾燥した後、還元液にて処理すること
    により、かかる多孔質層に活性点を付与する活性化処理
    工程と、 この活性点を有する多孔質層に対して、常法に従って無
    電解メッキ処理を施し、該多孔質層上に電極となる金属
    の所定厚さのメッキ層を形成せしめる無電解メッキ工程
    とを、 含むことを特徴とする電極形成方法。
  2. 【請求項2】前記セラミックス基体が、固体電解質にて
    構成されている特許請求の範囲第1項記載の電極形成方
    法。
  3. 【請求項3】前記セラミックス基体が有底円筒形状を為
    すものであり、且つその外周面及び内周面に対して同時
    に電極形成操作が施される特許請求の範囲第2項記載の
    電極形成方法。
JP60097495A 1985-05-07 1985-05-07 電極形成方法 Expired - Lifetime JPH065219B2 (ja)

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