JPS644301B2 - - Google Patents

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JPS644301B2
JPS644301B2 JP57193318A JP19331882A JPS644301B2 JP S644301 B2 JPS644301 B2 JP S644301B2 JP 57193318 A JP57193318 A JP 57193318A JP 19331882 A JP19331882 A JP 19331882A JP S644301 B2 JPS644301 B2 JP S644301B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、特に液体燃料電池の燃料電極とし
てすぐれた特性を有する高活性な燃料電池用電極
の製造方法に関する。
この種の燃料電極の製造方法としては、例えば
特開昭55−88849号公報に記載されたものがある。
この方法は、貴金属電極板の表面層の原子配列を
電気化学的酸化還元等の手段によつて不安定状態
に変えて活性化し、次いで前記活性な状態にある
表面層に、上記活性な状態が失われない時間内
に、錫等の第2の金属元素を電着法等によつて微
量に付着させ、前記活性な状態を維持・凍結させ
ようとするものである。この方法では、白金等の
貴金属からなる平滑な電極板を使用していたた
め、錫等の第2の金属元素を電着法等によつて付
着させる場合、錫溶液の電極面への拡散が著しく
早く、白金等の貴金属が高活性化されている状態
で上記錫を素早く付着させて、その活性を維持・
凍結できるという特徴を有していた。
ところが、上記した製造方法では、白金等の貴
金属を電極基体と兼用させているため、構造基体
として形成されうるある程度の寸法が必要であ
り、使用量が多くなるので高価なものにつくとい
う難点があつた。そこで、低廉な電極板を得るた
めには、安価でかつ導電性が良好である多孔質の
炭素系材料を用いてこれを電極基体とし、この電
極基体に白金等の貴金属を付着させる考え方が開
発されている。そして、このような考え方をさら
に進め、多孔質の炭素系基板に白金を微量に付着
させた電極板を使用し、この電極板を高活性化す
る方法について本発明者はすでに提案を行つた。
ところが、この方法では炭素系基板が焼成体から
なる多孔質のものであるため、錫等の第2の金属
元素を付着させる工程において、多孔質炭素系基
板の細孔内部に付着した白金にまで上記第2の金
属を溶解させた溶液が到達しにくく、それゆえ電
気化学的酸化還元によつて高活性化された白金
に、上記第2の金属を素早く付着させることがで
きず、したがつて白金を十分高活性な状態に保持
することが困難である場合が生ずるという問題点
があつた。
この発明は、上記したような従来の問題点に着
目してなされたもので、電極基体として低廉な多
孔質炭素系材料の使用が可能であると同時に、高
活性な状態を十分長く維持することができる高活
性な燃料電池用電極を得る製造方法を提供するこ
とを目的としている。
この発明による高活性な燃料電池用電極の製造
方法は、多孔質の導電性基体に多数の貫通孔を形
成した後、前記導電性基体に貴金属を付着させ、
次いで前記貴金属の原子配列を不安定状態に変え
て活性化し、この活性な状態が失われない間に第
2の金属を付着して前記活性な状態を維持させる
ようにしたことを特徴としている。
この発明において使用される多孔質の導電性基
体としては、炭素または黒鉛あるいはこれらの混
合物からなる焼成品を使用するのが、製造面ある
いはコスト面等を考慮した場合に有利である。そ
して、この場合の多孔質導電性基体の気孔率とし
ては、30〜60%程度のものを使用するのがより好
ましい。これは、気孔率が小さすぎると白金等の
貴金属の付着が良好に行われなくなり、反対に気
孔率が大きすぎると基体強度が低下してくるため
である。また、多孔質導電性基体の平均細孔径は
50μ以下の程度とするのがより好ましい。これ
は、平均細孔径が大きすぎると、当該基体に多数
の貫通孔を形成することから、基体強度が低下す
るおそれがでてくることによる。また、平均細孔
径が大きすぎる場合には、細孔径が大きいために
白金等の貴金属の付着面積が減少し、電極として
の効率が低下するおそれが出てくる。一方、平均
細孔径が小さすぎる場合には、白金等の貴金属を
細孔深部まで浸透させることができなくなるの
で、貴金属の付着面積が減少する。しかし、この
発明では多孔質導電性基体に貫通孔を形成するた
め、平均細孔径が多少小さくとも貴金属の付着面
積を広くすることができる。したがつて、平均細
孔径は基体強度の面から考えて50μ以下とするこ
とがより望ましい。
上記多孔質導電性基体に形成する貫通孔の大き
さとしては0.1〜1.5mmφ、量としては基体1cm2
たり10〜30個程度とするのがより望ましい。これ
は、貫通孔の直径が小さすぎるとその加工が困難
となり、大きすぎると貴金属の付着面積が減少す
ると共に基体強度が低下するためである。また、
貫通孔の量が少なすぎると貫通孔を形成する効果
が小さくなり、多すぎると基体強度が低下するの
で好ましくない。
貫通孔を形成したあとの導電性基体に付着させ
る貴金属としては、白金を用いるのが最も一般的
であるが、その他の貴金属(合金)を使用するこ
とも可能である。そして、貴金属を付着させるに
際しては、貫通孔を形成した導電性基体の前記貫
通孔の片面側をシール材等により閉塞し、貴金属
を含む溶液例えば塩化白金酸の水溶液が導電性基
体の細孔深部にまで容易に到達するようになすこ
とがより望ましい。
また、上記貴金属の原子配列を不安定状態に変
えて活性化する手段としては、スパツタリング
法、電気化学的陽分極活性化法、化学的酸化還元
法などを用いることができる。そして、前記貴金
属の活性な状態が失われない間に付着させる第2
の金属としては錫等の重金属を使用することが望
ましい。この場合、活性化処理によつて貴金属原
子が飛び出した後の空間に第2の金属原子が付着
することによつて、貴金属が活性な状態に維持さ
れる。
以下、この発明の実施例について説明する。
第1図に示すように、カーボンブラツクを主成
分として焼成した多孔質の導電性基体1(気孔
率;30〜60%、平均細孔径;約10μ、寸法;10×
10×5mm)を用意し、この導電性基体1にドリル
を用いて直径1mm程度の貫通孔2を16個形成し
た。そして、貫通孔2を形成する段階で生じた切
削粉を超音波洗浄器によつて十分除去し、続いて
乾燥器を使用して80〜100℃で1時間保持して十
分に脱水し、次いで第2図に示すように導電性基
体1の片側に耐薬品性のシールテープ3を接着し
た。また、貫通孔2のうちの一つに耐食性の優れ
たTiあるいはTaよりなる集電用リード線4を挿
込んだ。なお、前記シールテープ3の貼り付け
は、次の工程である貴金属の微量付着に有効であ
るが、詳細は後述する。
次いで、第2図の状態にある多孔質導電性基体
1を5〜15重量%の塩化白金酸水溶液(80℃)中
に約1時間浸漬して、当該導電性基体1の細孔深
部にまで塩化白金水溶液を浸透させた。続いて前
記導電性基体1を約80℃の大気中で1時間乾燥し
た後、25℃の100%包水ヒドラジンを用いて還元
し、導電性基体1に白金を担持させた。この白金
のコーテイング過程において、前記した如くシー
ルテープ3を貼り付けることにより、塩化白金酸
の溶液を導電性基体1の細孔内に浸漬した後乾燥
する工程で、細孔内に存在する空気が一方向に膨
張して拡散し、これによつて塩化白金酸が導電性
基体1の表面層近傍に移動して析出するので、白
金コーテイングの際のコーテイング深さを制御で
きるという利点をもたらす。
このようにして、微量に白金を担持させた導電
性基体1(以下、白金担持電極と呼ぶ)に対し、
次に述べる工程により活性化した。まず、白金担
持電極1のシールテープ3を取り外して第3図に
示す状態とし、あらかじめ形成しておいた貫通孔
2を貫通孔として機能させるようにした。次い
で、この白金担持電極1を錫イオンが溶解した電
解液中に浸漬し、白金担持電極1の細孔深部にま
で上記電解液を拡散させた。このとき使用した電
解液は、塩化第2錫(SnCl4)と硫酸(2N―
H2SO4)よりなり、錫イオン濃度が0.56g/lの
ものである。また、このときの拡散温度および拡
散時間は、それぞれ40℃および1時間であつた。
次いで、この白金担持電極1に対して以下に述べ
る活性化操作を施し、担持されている白金の活性
を飛躍的に増大させた。すなわち、前記電解液に
浸漬した白金担持電極1の電位を可逆水素電極の
電位に対して次のように変化させた。まず、約5
〜10秒間上記電位を1.7〜1.8Vに保持し、上記担
持された白金の表面を酸化状態とし、次いで
1V/secの走査速度で電位を−0.08Vまで降下さ
せて上記表面の酸化物を還元除去し、これによつ
て白金を高活性な不安定状態とした。続いて、こ
の不安定状態が失なわれない間にすみやかに上記
電位を−0.08Vに保つことによつて所定量の錫イ
オンを電着させた。
次に、以上の工程を経て得られた電極を、メタ
ノール燃料電池の燃料電極として使用するべく、
前記電極のメタノールに対する電気化学的酸化活
性および錫付着速度と錫電着時間との関連を調べ
たところ、それぞれ第4図および第5図に示す結
果が得られた。第4図および第5図において、曲
線Aは本発明の実施例の場合を示し、曲線Bは第
2図に示す状態のまま、すなわちシールテープ3
を取り外さないまま活性化および錫付着を行つた
場合を示し、曲線Cは多孔質導電性基体(炭素基
体)1に対して貫通孔を形成しなかつた場合をそ
れぞれ示している。また、第4図に示すメタノー
ルに対する電気化学的酸化活性の評価は、電解
液;2N―H2SO4、メタノール濃度;1.3mol/l、
温度25℃、評価電位;0.4V(vs rhe;reversible
hydrogen electrode)の条件で行つた。なお、
ここでいう活性は、単位白金表面積あたりのメタ
ノール酸化電流値で求めたものである。また、第
5図に示す付着錫の表面被覆率は、錫の付着の有
無によつて求められる水素原子吸着面積の割合で
あり、付着錫上には水素原子が吸着しないという
原理に基いて測定したものである。
第5図に示す結果から明らかなように、貫通孔
2を形成した白金担持電極1への錫イオンの電着
速度は、貫通孔を形成しない場合に比較して約10
倍程度も増大しており、したがつて、白金を不安
定状態とした後により早く錫を付着させることが
できるため、白金の不安定状態をいち早く維持凍
結することが可能であり、第4図に示すように電
極の活性を従来の3〜4倍にも向上させることが
できるようになつた。
このような活性の向上は、次のような根拠に基
づくものと考えられる。すなわち、白金担持電極
の白金を活性化した後の錫イオンの電着段階で
は、多量の水素ガスが電極内から発生する。この
とき、貫通孔を形成しておかない場合には、電極
の細孔内は瞬時にして水素ガスで覆われることと
なり、錫イオンを含む電解液の細孔内への拡剤を
阻止し、錫の付着速度を大幅に減少させる。これ
に対して貫通孔を形成しておいた場合には、水素
ガスの排出性が良好であることから、錫イオンの
拡散距離を大幅に短縮するので、活性化された白
金が存在している時間内に素早く錫等の第2金属
を付着させることを容易にし、白金を高活性の状
態に維持する。
したがつて、この発明により製造された高活性
電極を液体燃料電池の燃料電極として使用した場
合には、電極自体に貫通孔が形成されているた
め、反応生成された炭酸ガスの排出が良好とな
り、電極内のガスだまりによる有効表面積の低下
という不具合を解消することができ、これによつ
て燃料電極の作動耐久性が一段と向上するという
利点をもたらす。また、高活性な電極であるため
貴金属の使用量が少なくて済み、低廉であるとい
う利点をもたらす。
第6図は多孔質導電性基体1の平均細孔径によ
つて、白金のコーテイング面積がどのように変化
するかを調べた結果を示すグラフであつて、この
場合には、多孔質導電性基体1に直径1mmの貫通
孔2を10個/cm2の割合で形成し、その後前記した
と同様に塩化白金酸水溶液中に浸漬し、次いで
100%包水ヒドラジンで還元して白金を担持させ
た後、白金のコーテイング面積を調べた結果を示
すものである。
第6図に示すように、導電性基体1の平均細孔
径が約10μ以下の場合に、貫通孔2を形成する効
果が現われており、貫通孔2を形成することによ
つて、平均細孔径が10μ以下の場合であつても白
金のコーテイング面積を広くとることができる。
第7図a,bはこれを図解して示すもので、導電
性基体1の平均細孔径が10μ以下の場合であつて
も、貫通孔2を形成しておくことによつて、良好
なコーテイング厚さtをもつ白金コーテイング層
5を広い面積(シール面S側を除く。)で得るこ
とができる。したがつて、このような電極を液体
燃料電池の燃料電極として用いた場合には、単位
表面積あたりの出力電流値をさらに向上させるこ
とができるという利点をもたらす。
これに対して、従来の貫通孔を形成しない場合
には、導電性基体1の平均細孔径が10μ以下であ
るときに白金のコーテイング面積を大きくするこ
とができなかつた。したがつて、この発明によつ
て、より緻密で強度のすぐれた導電性導体の使用
が可能となつた。
一方、導電性基体1の平均細孔径が10μ以上で
ある場合には、貫通孔2の有無にかかわらず白金
のコーテイング面積は小かくなり、貫通孔2を形
成した場合には基体容積の減少によつて、貫通孔
を形成しない場合よりも白金のコーテイング面積
は小さなものとなるが貫通孔の直径を小さくして
面積を小さくすることにより充分効果を得ること
ができる。
以上説明してきたように、この発明によれば、
多孔質の導電性基体に多数の貫通孔を形成した
後、前記導電性基体に貴金属を付着させ、次いで
前記貴金属の原子配列を不安定状態に変えて活性
化し、この活性な状態が失われない間に第2の金
属を付着して前記活性な状態を維持させるように
したから、貴金属を活性化したのち第2の金属を
付着する際に、上記貫通孔の形成によつて、前記
第2の金属を含む電解液の基体細孔内への拡散が
容易となり、前記活性化により不安定となつた貴
金属が存在している時間内に素早く第2の金属を
付着することができ、これによつて単位電極あた
りの活性を従来に比べてかなり向上させることが
可能であり、高価な貴金属の使用量を大幅に低減
することができるというすぐれた効果を有し、高
活性でしかも低廉であり、特に燃料電池用の燃料
電極としてすぐれた電極を得ることができるとい
う著しい効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例において使用した
多孔質導電性基体の貫通孔形成後の斜面説明図、
第2図は第1図の多孔質導電性基体の片面側にシ
ールテープを接着して貫通孔の一端を閉塞した状
態を示す断面説明図、第3図は白金を担持させた
のちシールテープを取り外した状態の多孔質導電
性基体を示す断面説明図、第4図は白金表面積あ
たりの活性と錫電着時間との関連を調べた結果を
示すグラフ、第5図は付着錫の表面被覆率と錫電
着時間との関連を調べた結果を示すグラフ、第6
図は白金のコーテイング面積と導電性基体の平均
細孔径との関連を調べた結果を示すグラフ、第7
図a,bは貫通孔を形成した導電性基体に白金コ
ーテイング層が形成された様子を模型式に示す
各々部分平面図および縦断面図である。 1……多孔質導電性基体、2……貫通孔、3…
…シールテープ、4……リード線、5……白金コ
ーテイング層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 多孔質の導電性基体に多数の貫通孔を形成し
    た後、前記導電性基体に貴金属を付着させ、次い
    で前記貴金属の原子配列を不安定状態に変えて活
    性化し、この活性な状態が失われない間に第2の
    金属を付着して前記活性な状態を維持させること
    を特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
JP57193318A 1982-11-05 1982-11-05 燃料電池用電極の製造方法 Granted JPS5983352A (ja)

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EP83104322A EP0108188B1 (en) 1982-11-05 1983-05-02 Method of producing electrode for liquid fuel cell
DE8383104322T DE3379307D1 (en) 1982-11-05 1983-05-02 Method of producing electrode for liquid fuel cell
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