JP4777748B2 - 水素分離体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は水素分離体に関し、更に詳しくは、高温条件下での使用や長期間使用に好適な水素分離体、及びその製造方法に関する。
従来、水蒸気改質ガス等の水素を含有するガスから水素のみを選択的に取り出すために、セラミックス多孔質基体にパラジウム等からなる水素分離層を配設した水素分離体が使用されている。水素分離体は、高温において水素のみを分離するために使用されることがある。従って、水素分離体は、高温又は昇降温が繰り返される環境において高い気密性を有することが要求される。
従来の水素分離体は、図2に示すように、多孔質基体12と、この多孔質基体12の一の表面15上に配設された水素分離層13とを備えた構造を有するものである。なお、多孔質基体12は、その一の表面15から他の表面(図示せず)まで連通する多数の細孔を有するものであり、セラミックス等の材料により構成されている。図2に示すような構造の水素分離体11を製造するに際して水素分離層13を配設する方法としては、例えば多孔質基体12の一の表面15上に、水素分離層13となるパラジウムをメッキ等する方法を挙げることができる(例えば、特許文献1〜3参照)。
但し、セラミックスからなる多孔質基体上にパラジウムを直接配設した場合、パラジウムと多孔質基体との濡れ性が良好ではないという問題がある。このため、得られた水素分離体について昇降温が繰り返され、熱サイクルが加えられると、パラジウムが多孔質基体から剥離したり、パラジウムに欠陥が発生したりして、気密性が低下する場合がある。また、パラジウムを多孔質基体に配設した後に銀等をパラジウムの表面に配設し、その後に加熱することにより、パラジウムと銀等との合金を多孔質基体に配設して水素分離層を形成する場合には、この合金からなる水素分離層が多孔質基体から更に剥離し易くなるという問題がある。
特開平3−146122号公報 特許第3213430号公報 特開昭62−273030号公報
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、熱サイクルを加えても水素分離層に剥離・亀裂等の欠陥が発生し難く、高温条件下での使用や長期間使用に好適な水素分離体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、多孔質基体と水素分離層との間に、多孔質基体と水素分離層のいずれにも高い親和性を有する電子伝導性セラミックスからなる中間層を介在させることによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す水素分離体、及びその製造方法が提供される。
[1]その一の表面から他の表面まで連通する多数の細孔を有するセラミックスを主成分としてなる多孔質基体と、前記多孔質基体に配設された水素選択透過性金属からなる水素分離層とを備えた水素分離体であって、前記水素分離層が、前記多孔質基体の前記一の表面に、電子伝導性セラミックスからなる中間層を介在させた状態で配設されてなり、前記水素選択透過性金属が、パラジウム(Pd)又はパラジウム(Pd)を含有する合金であり、前記電子伝導性セラミックスが、インジウム−スズ酸化物(In 2 3 ・Sn)、酸化亜鉛(ZnO)、及びチタン酸化物(TiO x (0<x<2))からなる群より選択される少なくとも一種である水素分離体。
]前記セラミックスが、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライト、コージェライト、及びジルコニアからなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]に記載の水素分離体。
]前記水素分離層の厚みが、1〜5μmである前記[1]又は]に記載の水素分離体。
]前記中間層の表面に、不活性雰囲気下又は真空条件下で酸化防止層が更に配設され、前記酸化防止層を介した状態で前記水素分離層が配設されてなる前記[1]〜[]のいずれかに記載の水素分離体。
]前記酸化防止層が、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、及び金(Au)からなる群より選択される少なくとも一種の金属からなる層である前記[]に記載の水素分離体。
]その一の表面から他の表面まで連通する多数の細孔を有するセラミックスを主成分としてなる多孔質基体と、前記多孔質基体に配設された水素選択透過性金属からなる水素分離層とを備えた水素分離体の製造方法であって、前記多孔質基体の前記一の表面に、電子伝導性セラミックスからなる中間層を配設し、配設された前記中間層の表面に、前記水素分離層を配設することを含み、前記水素選択透過性金属が、パラジウム(Pd)又はパラジウム(Pd)を含有する合金であり、前記電子伝導性セラミックスが、インジウム−スズ酸化物(In 2 3 ・Sn)、酸化亜鉛(ZnO)、及びチタン酸化物(TiO x (0<x<2))からなる群より選択される少なくとも一種である水素分離体の製造方法。
]前記セラミックスが、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライト、コージェライト、及びジルコニアからなる群より選択される少なくとも一種である前記[]に記載の水素分離体の製造方法。
]前記水素分離層の厚みが、1〜5μmである前記[又は]に記載の水素分離体の製造方法。
]前記中間層の表面に、不活性雰囲気下又は真空条件下で酸化防止層を更に配設し、前記酸化防止層を介した状態で前記水素分離層を配設する前記[]〜[]のいずれかに記載の水素分離体の製造方法。
10]前記酸化防止層が、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、及び金(Au)からなる群より選択される少なくとも一種の金属からなる層である前記]に記載の水素分離体の製造方法。
本発明の水素分離体は、熱サイクルを加えても水素分離層に剥離・亀裂等の欠陥が発生し難く、高温条件下での使用や長期間使用に好適であるといった効果を奏するものである。また、本発明の水素分離体の製造方法によれば、熱サイクルを加えても水素分離層に剥離・亀裂等の欠陥が発生し難く、高温条件下での使用や長期間使用に好適な水素分離体を容易に製造することができる。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
図1は、本発明の水素分離体の一実施形態を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の水素分離体1は、その一の表面5から他の表面(図示せず)まで連通する多数の細孔を有する多孔質基体2と、多孔質基体2に配設された水素分離層3とを備えている。この多孔質基体2は、セラミックスを主成分としてなるものである。また、水素分離層3は、水素選択透過性金属からなる層であり、一の表面5の側、又は他の表面の側から流入する水素を含む気体(被処理ガス)のうち水素だけを選択的に透過させて他の表面の側、又は一の表面5の側から流出させることが可能な層である。即ち、水素分離体1を用いて被処理ガスから水素を分離する場合には、被処理ガスを、一の表面5の側から流入させて他の表面の側から流出させてもよいし、他の表面の側から流入させて一の表面5の側から流出させてもよい。
本実施形態の水素分離体1は、水素分離層3が、多孔質基体2の一の表面5に中間層10を介在させた状態で配設されている。この中間層10は、電子伝導性セラミックスからなる層であり、他の表面の側、又は一の表面5の側からの水素の流出を妨げることがない層である。中間層10を構成する電子伝導性セラミックスの具体例としては、窒化チタン(TiN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、インジウム−スズ酸化物(In23・Sn)(以下、「ITO」ともいう)、酸化亜鉛(ZnO)、及びチタン酸化物(TiOx(0<x<2))からなる群より選択される少なくとも一種を挙げることができる。電子伝導性セラミックスは、電子伝導性を有するものであることから、水素選択透過性金属(即ち、金属成分)からなる水素分離層3と馴染み易く良好な濡れ性を示す材料である。また、電子伝導性セラミックスはセラミックスの一種であることから、セラミックスを主成分としてなる多孔質基体とも馴染み易く良好な濡れ性を示す材料でもある。従って、本実施形態の水素分離体1は、電子伝導性セラミックスからなる層を、水素分離層3と多孔質基体2との間に中間層10として介在させているため、水素分離層3と多孔質基体2との間の接着性が、両者の直接的な接触による場合よりも向上している。このため、本実施形態の水素分離体1は、熱サイクルを加えても水素分離層3に剥離・亀裂等の欠陥が発生し難く、高温条件下での使用や長期間使用に好適なものである。
水素分離体1を構成する多孔質基体2は、セラミックスを主成分としてなるものであるため、耐熱性、耐食性等に優れ、水素分離体1の機械的強度を高めることができる。セラミックスの種類としては特に限定されるものではなく、水素分離体として一般的に使用されるセラミックスのいずれでも採用することができる。例えば、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライト、コージェライト、及びジルコニアからなる群より選択される少なくとも一種を挙げることができる。なお、セラミックス以外の成分として、不可避的に含有される成分や、通常添加されるような成分を少量含有してもよい。
多孔質基体2は、三次元状に連続した多数の微細な細孔を有するものである。この細孔の孔径は、0.003〜2μmであることが好ましく、0.1〜1μmであることが更に好ましい。孔径が0.003μm未満であると、ガスが通過するときの抵抗が大きくなることがある。一方、孔径が2μm超であると、水素分離体1を製造するに際して水素分離層3を配設するときに、水素選択透過性金属により細孔を閉塞し難くなり、気密性が低下することがある。
また、多孔質基体2の細孔は、その孔径が揃っていることが好ましい。このことにより、水素分離層3を配設するときに、水素選択透過性金属によって閉塞されない細孔が生じて気密性が低下してしまう問題を回避できる。
水素分離層3を構成する水素選択透過性金属は、水素を選択的に透過させることができるものであれば特に限定されるものではない。具体的にはパラジウム(Pd)又はパラジウム(Pd)を含有する合金が好ましい。パラジウム(Pd)は水素だけを選択的に効率よく透過させることができるために好ましい。パラジウム(Pd)を含有する合金としては、パラジウム(Pd)と銀(Ag)との合金やパラジウム(Pd)と銅(Cu)との合金が好ましい。パラジウム(Pd)と銀(Ag)や銅(Cu)とを合金化することにより、パラジウム(Pd)の水素脆化が防止され、高温時における水素の分離効率が向上する。
水素分離層3の厚みは、1〜5μmであることが好ましい。水素分離層3の厚みが1μm未満であると、水素分離層3に欠陥が生じ易くなることがあり、5μm超であると、水素分離層3による水素の分離の分離効率が低下することがある。
また、中間層10の厚みは、0.005〜1μmであることが好ましく、0.01〜0.5μmであることが更に好ましい。中間層10の厚みが0.005μm未満であると、水素分離層3と多孔質基体2との間の接着性を向上させる効果が低下することがあり、1μm超であると、多孔質基体2の細孔を塞ぐことがある。なお、中間層10は、多孔質基体2の細孔を塞がないように留意しつつ、多孔質基体2の一の表面5を覆うことが好ましい。このことにより、水素分離層3を透過した水素が、多孔質基体2の細孔を通過して、多孔質基体2の他の表面の側から流出することが容易となる。
次に、本発明の水素分離体の製造方法の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図3は、多孔質基体に中間層を配設した状態の一例を模式的に示す断面図である。本実施形態の水素分離体の製造方法では、図3に示すように、先ず、セラミックスを主成分としてなる多孔質基体2の一の表面5に、電子伝導性セラミックスからなる中間層10を配設する。次いで、この配設された中間層10の表面に、水素選択透過性金属からなる水素分離層をメッキ処理することにより配設すれば、図1に示すような水素分離体1を得ることができる。
多孔質基体2の一の表面5に、電子伝導性セラミックス(例えば、窒化チタン(TiN))からなる中間層10を配設する方法は特に限定されるものではないが、スパッタリング、化学気相堆積(CVD)、又はイオンプレーティング等の方法により多孔質基体2の一の表面5に中間層10を形成・配設することが好ましい。これらの方法によれば、中間層10を、一の表面5の全体に所望とする厚みで均一に配設することができる。
なお、中間層10が酸化されることによって変質する可能性のある場合には、中間層10を配設した後、中間層10の表面に、更に酸化防止層を配設し、配設されたこの酸化防止層を介した状態で水素分離層3を配設することが望ましい。この酸化防止層を構成する金属としては、酸化されにくい貴金属が好ましい。具体的には、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、及び金(Au)からなる群より選択される少なくとも一種の金属が好ましい。
中間層10の表面に水素分離層3をメッキ処理することにより配設するには、例えば、化学メッキを採用することが好ましい。化学メッキにより中間層10の表面にパラジウム(Pd)を配設するには、先ず、その一の表面5に中間層10を配設した多孔質基体2を、活性化金属を含有する溶液に浸漬させることにより、中間層10の表面に活性化金属を含有する溶液を付着させた後、水洗する。活性化金属としては、2価のパラジウムを含有する化合物を好適に用いることができる。活性化金属を中間層10の表面に付着させる方法としては、例えば、水素選択透過性金属としてパラジウム(Pd)を用いる場合、多孔質基体2を塩化パラジウムの塩酸水溶液と塩化錫の塩酸水溶液に交互に浸漬させることが好ましい。
活性化金属を中間層10の表面に付着させた後に、多孔質基体2の中間層10の側を、水素選択透過性金属(例えば、パラジウム(Pd))と還元剤とを含有するメッキ溶液に浸漬させる。これにより、活性化金属を核として、パラジウム(Pd)が析出し、パラジウム(Pd)からなる水素分離層3が形成される。還元剤としては、ヒドラジン、ジメチルアミンボラン、ホスフィン酸ナトリウム、ホスホン酸ナトリウム等を挙げることができる。
また、中間層10の表面に水素分離層3をメッキ処理することにより配設するには、例えば、中間層10や酸化防止層を電極とした電気メッキ処理を行えばよい。
水素分離層3を構成する水素選択透過性金属として、パラジウム(Pd)と銀(Ag)との合金を用いる場合には、パラジウム(Pd)からなる層を中間層10の表面に化学メッキすることにより配設した後、このパラジウム(Pd)からなる層の表面に銀(Ag)を更にメッキする。次いで、加熱することにより、パラジウム(Pd)と銀(Ag)とを相互拡散させれば、パラジウム(Pd)と銀(Ag)との合金を水素選択透過性金属として用いた水素分離層3を形成することができる。なお、パラジウム(Pd)からなる層の表面に銀(Ag)をメッキするに際しては、化学メッキをすることや、パラジウム(Pd)からなる層を電極とし、電気メッキすることが好ましい。この際、用いるパラジウム(Pd)と銀(Ag)との質量比(Pd:Ag)が、90:10〜70:30であることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1)
多孔質基体として、外径30mm、厚さ3mm、表面の平均細孔径が0.2μmである円盤形状のα−アルミナ多孔質板を用意した。このα−アルミナ多孔質板の表面に、スパッタリング法によって窒化チタン(TiN)からなる厚み100nmの中間層とパラジウム(Pd)からなる厚み100nmの酸化防止層を成膜した。中間層を成膜したα−アルミナ多孔質板を純水で洗浄した後、活性化処理を行った。活性化処理は、α−アルミナ多孔質板を2価のパラジウム(Pd)イオンを含有する溶液中に浸漬した後、還元処理を行うことによって実施した。活性化処理を行ったα−アルミナ多孔質板を、パラジウム(Pd)塩、錯化剤、及び還元剤を含有する溶液中に浸漬することによって、中間層の表面に対してパラジウム(Pd)の無電解メッキを行うことにより、水素分離層を形成して水素分離体(参考例1)を得た。なお、形成されたパラジウム(Pd)からなる水素分離層の厚みは2μmであった。
得られた水素分離体について、アルゴン(Ar)ガス中700℃にて1時間の熱処理を行った(以下、「700℃熱処理」という)。次いで、(1)窒素(N2)ガス圧100kPaにて室温から500℃まで昇温し、(2)水素(H2)ガス圧100kPa、500℃にて1時間の熱処理を行い、(3)窒素(N2)ガス圧100kPaにて室温まで降温するという(1)〜(3)までの操作を1サイクルとする、50サイクルの熱処理を行った(以下、「500℃−50回熱処理」という)。
パラジウム(Pd)からなる水素分離層のヘリウム(He)ガス漏洩量を、700℃熱処理前、700℃熱処理後、及び500℃−50回熱処理後に測定した。ヘリウム(He)ガス漏洩量の測定は、α−アルミナ多孔質基板の水素分離層の側に800kPaの圧力でヘリウム(He)ガスを導入し、α−アルミナ多孔質基板の他の表面の側に漏洩するヘリウム(He)ガス量を測定することによって行った。ヘリウム(He)ガス漏洩量の変化を表1に示す。
参考例2)
α−アルミナ多孔質板の表面に、窒化チタン(TiN)に代えて、窒化ジルコニウム(ZrN)からなる厚み100nmの中間層をスパッタリング法によって成膜したこと以外は、前述の参考例1と同様にして水素分離体(参考例2)を得た。得られた水素分離体について、参考例1の場合と同様の熱処理を行い、ヘリウム(He)ガス漏洩量を測定した。ヘリウム(He)ガス漏洩量の変化を表1に示す。
(実施例
α−アルミナ多孔質板の表面に、窒化チタン(TiN)に代えて、インジウム−スズ酸化物(ITO)からなる厚み100nmの中間層をスパッタリング法によって成膜し、酸化防止層を成膜せず、水素分離層を直接形成したこと以外は、前述の参考例1と同様にして水素分離体(実施例)を得た。得られた水素分離体について、参考例1の場合と同様の熱処理を行い、ヘリウム(He)ガス漏洩量を測定した。ヘリウム(He)ガス漏洩量の変化を表1に示す。
(比較例1)
α−アルミナ多孔質板の表面に、窒化チタン(TiN)からなる中間層とパラジウム(Pd)からなる酸化防止層を成膜せず、水素分離層を直接形成したこと以外は、前述の参考例1と同様にして水素分離体(比較例1)を得た。得られた水素分離体について、参考例1の場合と同様の熱処理を行い、ヘリウム(He)ガス漏洩量を測定した。ヘリウム(He)ガス漏洩量の変化を表1に示す。
Figure 0004777748
表1に示す結果から、参考例1〜2、実施例1の水素分離体は、比較例1の水素分離体に比して、700℃熱処理後、及び500℃−50回熱処理後の気密性の低下が大幅に抑制されることが判明した。また、中間層として酸化亜鉛(ZnO)やチタン酸化物(TiOx(0<x<2))を使用した場合にも、参考例1〜2、実施例1と同様の効果が認められた。
本発明の水素分離体は、水素分離層に亀裂等の欠陥が発生し難く、高温条件下での使用や長期間使用に好適であり、水蒸気改質ガス等の水素を含有するガスから水素のみを選択的に取り出す分離体として有用である。
本発明の水素分離体の一実施形態を模式的に示す断面図である。 従来の水素分離体の一実施形態を模式的に示す断面図である。 多孔質基体に中間層を配設した状態の一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1,11…水素分離体、2,12…多孔質基体、3,13…水素分離層、5,15…一の表面、10…中間層。

Claims (10)

  1. その一の表面から他の表面まで連通する多数の細孔を有するセラミックスを主成分としてなる多孔質基体と、前記多孔質基体に配設された水素選択透過性金属からなる水素分離層とを備えた水素分離体であって、
    前記水素分離層が、前記多孔質基体の前記一の表面に、電子伝導性セラミックスからなる中間層を介在させた状態で配設されてなり、
    前記水素選択透過性金属が、パラジウム(Pd)又はパラジウム(Pd)を含有する合金であり、
    前記電子伝導性セラミックスが、インジウム−スズ酸化物(In 2 3 ・Sn)、酸化亜鉛(ZnO)、及びチタン酸化物(TiO x (0<x<2))からなる群より選択される少なくとも一種である水素分離体。
  2. 前記セラミックスが、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライト、コージェライト、及びジルコニアからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1に記載の水素分離体。
  3. 前記水素分離層の厚みが、1〜5μmである請求項1又は2に記載の水素分離体。
  4. 前記中間層の表面に、不活性雰囲気下又は真空条件下で酸化防止層が更に配設され、前記酸化防止層を介した状態で前記水素分離層が配設されてなる請求項1〜のいずれか一項に記載の水素分離体。
  5. 前記酸化防止層が、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、及び金(Au)からなる群より選択される少なくとも一種の金属からなる層である請求項に記載の水素分離体。
  6. その一の表面から他の表面まで連通する多数の細孔を有するセラミックスを主成分としてなる多孔質基体と、前記多孔質基体に配設された水素選択透過性金属からなる水素分離層とを備えた水素分離体の製造方法であって、
    前記多孔質基体の前記一の表面に、電子伝導性セラミックスからなる中間層を配設し、配設された前記中間層の表面に、前記水素分離層を配設することを含み、
    前記水素選択透過性金属が、パラジウム(Pd)又はパラジウム(Pd)を含有する合金であり、
    前記電子伝導性セラミックスが、インジウム−スズ酸化物(In 2 3 ・Sn)、酸化亜鉛(ZnO)、及びチタン酸化物(TiO x (0<x<2))からなる群より選択される少なくとも一種である水素分離体の製造方法。
  7. 前記セラミックスが、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライト、コージェライト、及びジルコニアからなる群より選択される少なくとも一種である請求項に記載の水素分離体の製造方法。
  8. 前記水素分離層の厚みが、1〜5μmである請求項6又は7に記載の水素分離体の製造方法。
  9. 前記中間層の表面に、不活性雰囲気下又は真空条件下で酸化防止層を更に配設し、前記酸化防止層を介した状態で前記水素分離層を配設する請求項のいずれか一項に記載の水素分離体の製造方法。
  10. 前記酸化防止層が、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、及び金(Au)からなる群より選択される少なくとも一種の金属からなる層である請求項に記載の水素分離体の製造方法。
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