JP5405087B2 - 水素分離体及び水素分離体の製造方法 - Google Patents

水素分離体及び水素分離体の製造方法 Download PDF

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本発明は、パラジウムを主成分とした水素分離膜を有する水素分離体及び水素分離体の製造方法に関する。
水素ガスは石油化学の基本素材ガスとして大量に使用され、またクリーンなエネルギー源として期待されている。高純度の水素ガスは、天然ガス、ナフサ、石炭、又は炭化水素を原料(原料流体)とする各種の処理手段を経て製造された水素含有ガスから水素ガスを選択的に分離することにより得られる。
水素ガスを分離する一手段として、無機多孔質支持体の少なくとも一方の側に水素ガスを選択的に透過させる水素分離膜を有する水素分離体を使用する方法がある。
例えば、パラジウム膜またはパラジウム合金膜などに代表される水素選択透過性金属からなる水素分離膜が知られている。これは、水素について高い選択性を持っており、金属中に水素を溶解・拡散させるパラジウム又はパラジウムを含有する合金などが有する性質を利用している。
従来のパラジウムからなる水素分離膜は、多孔質基材上に緻密なパラジウム膜が形成されているため(例えば特許文献1)、水素の透過速度が大きくまた選択透過性に優れている反面、300℃以下では水素脆化を起こし、機械的な欠陥やピンホールを生じやすいという欠点がある。また、薄膜化により強度が劣化し、引っかきや接触によって容易に損傷を受け、膜がはがれやすくなるといった致命的な欠点も問題となっている。
特許文献2には、多孔質基材の表面に開いている細孔の内部をパラジウムで充填して閉塞した水素分離膜が開示されている。特許文献3及び4には、多孔質基材と多孔質保護層の中間にパラジウム膜(水素分離膜)を備える構成の水素分離体として、水素分離体に設けられたパラジウム膜(水素分離膜)の機械的強度を増強する技術が開示されている。
ところで、パラジウムからなる水素分離膜を無機多孔質支持体の表面に形成する方法としては、無電解めっき法(化学めっき法)、CVD法、スパッタ法等により多孔質基材の表面に緻密なパラジウム薄膜を形成することが知られている。中でも、凹凸のある多孔質基材の表面に効率良くパラジウム膜を形成できる観点から、無電解めっき法がよく採用されるが、薄い膜厚のパラジウム膜を形成するには克服すべき課題が多い。
上述の課題を克服するため、無電解めっき法に代わり、チタニア(TiO)の光触媒作用により、チタニア多孔質基材にパラジウム膜を形成する技術が提案されている(非特許文献1〜3参照)。
特開2006−239679公報 特許第3213430号公報 特開2006−95521号公報 特開2007−301514号公報 AIChE Journal、vol.46,No.5,(2000)、1075−1083 Journal of Membrane Science,282,(2006),1−6 Desalination,192,(2006),117−124
上述の特許文献1で開示された水素分離体においては、多孔質基材上に緻密なパラジウム膜が形成されているため、水素脆化を起こしやすく、薄膜とした場合に引っかきや接触によって容易に損傷を受けやすい。また、上述の特許文献2で開示された水素分離体においては、緻密な水素分離膜を得るためには、多孔質基材の表面から深さ1μm以上の細孔がパラジウムの充填により閉塞されている必要があり、十分な水素透過性能が得られにくい。また、上述の特許文献3及び4で開示された水素分離体の製造方法では、多孔質保護層を設けることでパラジウム膜(水素分離膜)の機械的強度は増強され、水素脆化によるパラジウム膜の欠陥の発生が抑制された水素分離体を得ることができる。しかしながら、特許文献3及び4で開示された水素分離体の製造方法で得られる水素分離体は、パラジウム膜上に多孔質保護層が存在するため、十分な水素透過性能が得られにくい。また、特許文献3及び4で開示された水素分離体の製造方法は、無電解めっき法よって成膜を行うことから、非常に薄いパラジウム膜を得ることは困難である。更に、水素分離体に多孔質保護層を設けるには、手間がかかり時間的・金銭的なコストの負担は免れない。
また、非特許文献1で開示された水素分離体の製造方法では、長波長の光を使用していることから、多孔質基材上に緻密なパラジウム膜を形成することが困難である。そのため、この製造方法で得られる水素分離体の水素分離膜は、水素分離膜としての十分な性能を発揮することができない。
また、非特許文献2,3で開示された水素分離体の製造方法では、チタニアを主成分とする多孔質基材の表面を非常に薄い膜厚のパラジウム膜で被覆する態様となる。しかし、この製造方法で得られる水素分離体は、パラジウム膜とチタニア多孔質体との接着の度合いも弱く、水素脆化に対する耐久性も低い。
上記の問題に鑑みて、本発明の課題は、非常に薄い膜厚であり且つ低温での使用時にも水素脆化による欠陥が生じにくい水素分離膜を備えた水素分離体及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者等は、鋭意検討した結果、チタニアの光触媒作用を用いて水素分離膜を形成するに際し、紫外線の照射強度などの好適な条件を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、以下に示す水素分離体及び水素分離体の製造方法が提供される。
[1] 全て又は一部の表面がチタニア(TiO)を主成分とするチタニア多孔質層で構成されて細孔を有する多孔質基材に水素分離膜が設けられ、前記チタニア多孔質層の表層の細孔径が0.5〜30nmであり、前記水素分離膜は、パラジウム(Pd)又はパラジウムを含む合金からなり、前記チタニア多孔質層の表面上を被覆率99%以下にて堆積する堆積部と、前記チタニア多孔質層の少なくとも前記表面から深さ0.1μmまでの前記チタニア多孔質層の前記細孔がパラジウム又はパラジウムを含む合金の充填により閉塞されている構造の充填部とにより構成されるパラジウム‐チタニア複合膜からなり、前記充填部の厚さが0.1〜0.5μmである、水素分離体。
表層の細孔径が0.5〜30nmであるとともに表面がチタニア(TiO)を主成分とするチタニア多孔質層で構成された多孔質基材の細孔内にパラジウム塩の水溶液が充填された状態で、前記チタニア多孔質層の表面での紫外線の照射光強度が0.1〜1000W/mとなるように前記チタニア多孔質層に対して紫外線を照射し、前記紫外線により惹起された前記チタニア多孔質層を構成するチタニアの光触媒作用により、前記パラジウム塩の水溶液中のパラジウム又はパラジウムと他の金属成分を析出させて、前記チタニア多孔質層の表面から深さ0.1μmまでないし前記チタニア多孔質層の表面から深さ0.5μmまでの前記細孔内に前記パラジウム又はパラジウム合金を充填することにより前記細孔を閉塞させつつ前記チタニア多孔質層の表面上を被覆率99%以下にて堆積させてパラジウム‐チタニア複合膜からなる水素分離膜を形成する工程を有する、水素分離体の製造方法。
] 前記紫外線が、200〜380nmの波長の光を含む、前記[]に記載の水素分離体の製造方法。
] 前記水素分離膜の形成後、前記水素分離膜に対して300〜600℃で1〜100時間の熱処理を行う工程を有する、前記[]又は[]に記載の水素分離体の製造方法。
本発明の水素分離体は、水素分離膜の膜厚が薄く且つ低温での使用時にも水素脆化による欠陥が生じにくい効果を奏する。また、本発明の水素分離体の製造方法は、膜厚が薄く且つ低温使用時にも水素脆化による欠陥が生じにくい水素分離膜を備えた水素分離体を製造する効果を奏する。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
以下では、まず、本発明の水素分離体について説明し、続いて、本発明の水素分離体を製造する1つの具体的方法(本発明の水素分離体の製造方法)について説明する。
A.水素分離体:
A‐1.本発明の水素分離体の概要:
本発明の水素分離体は、図1〜3の断面図にて示す水素分離体1のように、全て又は一部の表面がチタニア(TiO)を主成分とするチタニア多孔質層5で構成されて細孔20を有する多孔質基材3に水素分離膜2が設けられたものである。さらに、この水素分離体1に設けられた水素分離膜2は、パラジウム11(Pd)又はパラジウムを含む合金11(以下、パラジウム合金11)からなり、図3を参照して説明すると、チタニア多孔質層5の表面上を被覆率99%以下にて堆積する堆積部8と、チタニア多孔質層5の少なくとも表面から深さ0.1μmまでのチタニア多孔質層5の細孔20がパラジウム11又はパラジウム合金11の充填により閉塞されている構造の充填部9とにより構成されるパラジウム‐チタニア複合膜4からなる。
堆積部8による多孔質基材5の被覆率(以下、被覆率)は、水素分離体1の表面のうちパラジウム‐チタニア複合膜4の形成が予定された領域を、例えば図3の断面図の上方から下方への方向のように、堆積部8からチタニア多孔質層5に向かう方向にて電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、この視野におけるチタニア多孔質層5の露出部分42とパラジウム11又はパラジウム合金11による堆積部8との面積の合計に対するパラジウム11又はパラジウム合金11による堆積部8の面積の比(百分率)として求める。
本発明の水素分離体1が備える水素分離膜2では、堆積部8に加えて充填部9も水素分離層として機能している。一般に、多孔質基材表面上に形成されているパラジウム合金膜が水素分離能を示すためには、水素以外の流体の通過の遮断が予定される多孔質基材の表面上を、パラジウム合金膜が被覆率99.999%以上にて被覆されている必要がある。本発明の水素分離体1の水素分離膜2では、堆積部8のチタニア多孔質層5表面上への被覆率99%以下であるが、パラジウム11又はパラジウム合金11が充填されてチタニア多孔質層5の最表層部の細孔20は閉塞されている。よって、本発明の水素分離体1においても、チタニア多孔質表層5の最表層部に、充填部9が構成されているために水素以外の流体の通過を遮断する面を想定した場合、この面の99.999%以上が封鎖されているため、水素以外の流体の通過を十分に遮断して水素分離能を発揮する。
なお、従来公知の方法(無電解めっき法、CVD法、スパッタ法等)においては、パラジウム11又はパラジウム合金11は、チタニア多孔質層5の表面及び細孔内にランダムに析出する。そのため、パラジウム11又はパラジウム合金11によってチタニア多孔質層5の細孔のみを選択的に閉塞させることができない。更に、パラジウム11又はパラジウム合金11による成膜が進行するに従って、膜原料がより供給されやすいチタニア多孔質層5の表面に優先的にパラジウム11又はパラジウム合金11が析出し、堆積部8を形成する。そのため、充填部9を構成しているチタニア多孔質表層5の最表層の細孔のうち水素以外の流体の通過が遮断される細孔の割合である閉塞率(A1)と、堆積部8によるチタニア多孔質層5への被覆率(B1)を比較した際には、B1の方がより大きな値となる。従って、従来既知の手法によってチタニア多孔質層5の表面上に作製したパラジウム合金膜が水素分離能を示すためには、B1が99.999%以上である必要がある。
一方、本発明の手法(詳しくは、後述の「水素分離体の製造方法」の説明を参照)によれば、照射する紫外線の強度を適当な値に調整することにより、チタニア多孔質層5を構成するチタニアの光触媒作用によって、パラジウム溶液中のパラジウム又はパラジウムと他の金属成分を析出させるため、チタニア多孔質層5の細孔20を選択的にパラジウム11又はパラジウム合金11の充填により閉塞させることができ、効率的に充填部9が形成される。つまり、充填部9を構成しているチタニア多孔質表層5の最表層の細孔のうち水素以外の流体の通過が遮断される細孔の割合である閉塞率(A2)と、堆積部8によるチタニア多孔質層5への被覆率(B2)とを比較した際には、A2の方がより大きな値となる。そのため、B2が99%以下であっても、A2が99.999%以上となるため、水素分離体1は水素以外の流体の通過を十分に遮断して水素分離能を発揮することが可能となる。
ここでいう「パラジウム‐チタニア複合膜」とは、図2及び3の断面図にて示されるパラジウム‐チタニア複合膜4のように、チタニア多孔質層5の表面7上にあるパラジウム11又はパラジウム合金11からなる堆積部8とチタニア多孔質層5の細孔20がパラジウム11又はパラジウム合金11の充填により閉塞されている構造からなる充填部9とで構成される連続した薄い層、すなわち膜構造である。
なお、例えば図4の断面図にて示されるように、チタニア多孔質層5の細孔20がパラジウム11又はパラジウム合金11の充填により閉塞されて構成される膜構造であっても、堆積部8によるチタニア多孔質層5への被覆率が99%より大きい場合には、本明細書のいう「パラジウム‐チタニア複合膜」には該当しない。
本発明の水素分離体1は、図5に示すような水素分離装置21に設置することができる。具体的には、原料入口23、水素出口24及び残原料出口25を有する反応容器22内において、原料入口23から水素出口24への気体の自由な流通を阻止する態様で水素分離体1を設置する。
パラジウム又はパラジウム合金は、水素を溶解・拡散することで、水素を選択的に透過させる性質を有する。この水素分離装置21では、原料入口23から反応容器22流入した原料流体及びその生成物の成分のうち、水素が水素分離膜2を高い選択性をもって透過し、水素分離膜2を透過した水素は水素出口24から排出される(図5)。なお、上述の水素分離装置21では、水素以外の流体は、残原料出口25から排出される。
本発明の水素分離体1に備えられた水素分離膜2は、チタニア多孔質層5の細孔20がパラジウム11又はパラジウム合金11で充填されて閉塞している構造からなる充填部9を有するパラジウム‐チタニア複合膜4からなる。図2の断面図にて示す水素分離体1のように、チタニア多孔質層5の細孔20は、単純な円筒状の貫通孔ではなく、チタニア基材粒子12の結合の隙間からなる三次元的に連続した網目状の孔である。特に、本発明の水素分離体1に備えられるパラジウム‐チタニア複合膜4は、チタニア多孔質層5の少なくとも表面7から深さ0.1μmまでの細孔20がパラジウム11又はパラジウム合金11で充填されて閉塞しているため、細孔20に充填されたパラジウム11又はパラジウム合金11とチタニア基材粒子12とがかみ合うような形で強固に固定される。そのため、本発明の水素分離体1に備えられるパラジウム‐チタニア複合膜4を構成するパラジウム11又はパラジウム合金11は、水素を溶解しても水素脆化を起こしにくい。
A‐2.本発明の水素分離体を構成する要素の説明:
以下、本発明の水素分離体を構成する各要素について詳しく説明する。まず、「多孔質基材」と「チタニア多孔質層」について説明した後、この多孔質基材の表層に形成される「水素分離膜」について説明する。
A‐2‐1.多孔質基材:
本発明の水素分離体1を構成する多孔質基材3は、微細な細孔20を有する材質からなり、チタニア多孔質層5と基盤層6から構成される(図1及び2)。この多項質基材3は、チタニア多孔質層5が配設された側の面から反対側の面まで三次元的に連続した細孔20を有する。なお、基盤層6は、チタニアを主成分とする多孔質体から構成されてもよく、この場合の多孔質基材3は、チタニア多孔質5と基盤層6とが同質のものとなる。
また、多孔質基材3の形状・大きさは、水素分離体1を設置する水素分離装置21の設計に合わせて設定することが可能であり、水素を選択的に透過する水素分離体1の機能を妨げない限りにおいてはあらゆる形状・大きさとできる。
A‐2‐1‐1.基盤層:
多孔質基材3の基盤層6は、原料流体とその生成物又は水素を内部に流通させるものであれば特に限定されないが(図2参照)、耐食性や耐熱性などに優れているため、セラミック及び/又は金属を主成分とすることが好ましい。
多孔質基材3の基盤層6を構成するセラミック成分としては、例えば、チタニア、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライト、コーディエライト、ジルコニア等が挙げられる。
多孔質基材3の基盤層6を構成する金属成分としては、例えば、ステンレス、インコネル、インコロイ、パーマロイ、コバール、インバー、スーパーインバー、ニッケル、鉄・ニッケル合金等が挙げられる。
なお、上述の多孔質基材3の基盤層6において、セラミック又は金属の主成分に対する他の成分としては、不可避的に含有される成分や、この基盤層6を形成する際に通常添加されるような成分を少量含有してもよい。
また、基盤層6は、1種類の層から成っていてよく、細孔径及び/又は構成する成分が異なる2種類以上の層から成っていてもよい。基盤層6の表面の細孔径は、チタニア多孔質層5の細孔径より大きくてよく、同じでもよい。
A‐2‐1‐2.チタニア多孔質層:
本発明の水素分離体1を構成する多孔質基材3は、その全部又は一部の表面がチタニア多孔質層5から構成される(図1及び2)。チタニア多孔質層5は、チタニア(酸化チタン、TiO)を主成分とする多孔質構造である。
本発明の水素分離体1において、チタニアとしては、光触媒機能を有する、ルチル型もしくはアナターゼ型のものを好適に用いることができる。また、光触媒機能を高めるために、チタニア中に他の元素を固溶させたものを使用してもよい。
なお、チタニア多孔質層5は、チタニア等の粒子(本明細書では、この部分を「チタニア基材粒子」12という;図2参照)で構成される部分とチタニア基材粒子12の結合の隙間が三次元的に連続している細孔20から構成される。
このチタニア多孔質層5は、主成分のチタニア以外にも、不可避的に含有される成分や、チタニア多孔質層5を形成する際に通常添加されるような成分を少量含有してもよい。
チタニア多孔質層5の厚さは、チタニア多孔質層5の細孔20をパラジウム11又はパラジウム合金が閉塞した水素分離膜2(パラジウム‐チタニア複合膜4)を形成するのに十分な厚さがあればよい。本発明の水素分離体1では、チタニア多孔質層5の厚さは、0.1〜100μmであることが好ましい。チタニア多孔質層5の厚さが0.1μm未満では、基盤層6を完全に被覆できないことがある。また、チタニア多孔質層5の厚さが100μm超では、水素のガス透過抵抗が大きくなることがある。
チタニア多孔質層5の細孔20の平均細孔径は、細孔20を閉塞するパラジウム11又はパラジウム合金11とチタニア多孔質層5との結合強度の確保及び水素の透過速度の向上の観点から、0.5〜30nmが好ましく、1〜10nmがより好ましい。チタニア多孔質層5の細孔20の平均細孔径が0.5nm未満では、パラジウム11又はパラジウム合金11でこの細孔20を閉塞して得られる水素分離膜2(パラジウム‐チタニア複合膜4)の水素の透過速度を十分に確保できない。一方、チタニア多孔質層5の細孔20の平均細孔径が30nmを超えると、水素分離膜2(パラジウム‐チタニア複合膜4)の膜強度の低下の原因となる。
A‐2‐2.水素分離膜:
本発明の水素分離体1が備える水素分離膜2は、多孔質基材3のチタニア多孔質層5の表面7上にパラジウム11又はパラジウム合金11が堆積した堆積部8と、多孔質基材3のチタニア多孔質層5の表層の細孔20がパラジウム11又はパラジウム合金11の充填によって閉塞されている構造の充填部9とからなるパラジウム‐チタニア複合膜4から構成される(図3)。
ここでいう「チタニア多孔質層5の細孔20の閉塞」とは、細孔20が物質にて封じられ、細孔20を通じてチタニア多孔質層5の一方の側から他方の側への水素を除く流体の自由な流通が遮られる状態のことをいう。
パラジウム11又はパラジウム合金11は高い選択性を持って水素を透過させる性質があるため、パラジウム11又パラジウム合金11で閉塞された細孔20は、水素は透過させ、水素以外の流体の自由な流通は遮っている。
ここでいう「水素分離膜」とは、膜構造であり、当該膜を挟んで一方の側から他方の側に水素に高い選択性をもって透過させる性質を有し、水素を除く流体の自由な流通は当該膜により遮るものをいう。
本発明の水素分離体1が備える水素分離膜2を構成するパラジウム‐チタニア複合膜4には、チタニア多孔質層5の一方の側と他方の側とを遮るように閉塞されている細孔20の全てが、パラジウム11又はパラジウム合金11で閉塞されているものも該当する(図2)。
さらに、本発明の水素分離体1が備える水素分離膜2を構成するパラジウム‐チタニア複合膜4は、チタニア多孔質層5の一方の側から他方の側を遮るように閉塞されている細孔20の一部において、チタニア多孔質層5の一方の側から他方の側へパラジウム11又はパラジウム合金11を介して水素が透過できるように、パラジウム11又はパラジウム合金11で閉塞された細孔20が一方の側から他方の側へ連続するかたちで存在し、残余の閉塞している細孔20が流体の流通を遮るような他の材質で閉塞されているものも該当する(図示せず)。
また、本発明の水素分離体1において、パラジウム‐チタニア複合膜4は、チタニア多孔質層5の細孔20の厚さ方向の全域に渡ってパラジウム11又はパラジウム合金11が存在しているものでもよいし、チタニア多孔質層5の表面付近の細孔20のみにパラジウム11又はパラジウム合金11が存在しているものでもよい。
ここでいう「パラジウム合金」とは、パラジウムを含有する合金のことをいう。水素分離膜2の水素脆化の防止と水素分離の効率の向上の観点から、本発明の水素分離体1は、パラジウム合金11がチタニア多孔質層5の細孔20を閉塞しているパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2を備えることが好ましい。
チタニア多孔質層5の細孔20をパラジウム合金11が閉塞しているパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2の場合、パラジウム合金11中のパラジウム以外の金属の含有量は、5〜50重量%であることが好ましい。また、このパラジウム合金11の成分となる「パラジウム以外の金属」としては、パラジウムの水素脆化防止の観点から、銀(Ag)又は銅(Cu)が好ましい。
チタニア多孔質層5の細孔20を閉塞するパラジウ合金11が、パラジウムと銀との合金(以下、Pd‐Ag合金)である場合、パラジウムと銀との質量比(Pd:Ag)が、90:10〜70:30であることが好ましい。
図3の断面図にて示す水素分離体1を参照して説明すると、本発明の水素分離体1では、パラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2の充填部9の厚さ44は、0.1〜0.5μmが好ましく、0.1〜0.3μmがより好ましく、0.1〜0.2μmが特に好ましい。
また、低温での水素脆化の影響を抑制するためには、パラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2の堆積部8によるチタニア多孔質層5への被覆率は、0%以上99%以下が好ましく、0%以上90%以下がより好ましく、0%以上50%以下がさらに好ましく、0%以上10%以下が特に好ましい。
水素分離膜2の機械的強度を確保する観点からは、パラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2の膜厚45は、チタニア多孔質層5の平均細孔径が大きいときには水素分離膜2の膜厚45を厚くし、チタニア多孔質層5の平均細孔径が小さいときには水素分離膜2の膜厚45を薄くするというように、パラジウム11又はパラジウム合金11の充填によって閉塞されるチタニア多孔質層5の細孔20の平均細孔径の大きさに対応させるとよい。なお、パラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2の膜厚45は、図3の断面図にて模式的に示した像のように表される膜断面の電子顕微鏡観察によって得られる、堆積部8の厚さ43と充填部9の厚さ44との和とする。
水素分離膜2の良好な水素透過速度と良好な機械的強度の確保を両立させる観点からは、本発明の水素分離体1は、パラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2の充填部9の厚さ44が0.1〜0.5μm、かつ、パラジウム11又はパラジウム合金11の充填によって閉塞されるチタニア多孔質層5の細孔20の平均細孔径が1〜10nmであるのが最も好ましい。
以上で述べた、本発明の水素分離体1が備えるパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2は、膜厚が薄く、選択性の非常に高い水素の分離を可能にし、さらに水素脆化に起因したピンホールの発生や膜剥がれなどの欠陥が起こりにくい、非常に優れた性能を発揮する(具体的には後述の実施例を参照)。
ここまでに述べた本発明の水素分離体は、以下の製造方法(本発明の水素分離体の製造方法)によって得ることができる。
B.水素分離体の製造方法:
B‐1.本発明の水素分離体の製造方法の概要:
本発明の水素分離体の製造方法は、図6に示される状態から図7に示される状態への変遷にてあらわすように、表面がチタニア(TiO)を主成分とするチタニア多孔質層5で構成された多孔質基材3の細孔20内にパラジウム溶液32が充填された状態で、チタニア多孔質層5の表面での紫外線31の照射光強度が0.1〜1000W/mとなるようにチタニア多孔質層5に対して紫外線31を照射し、紫外線31により惹起されたチタニア多孔質層5を構成するチタニアの光触媒作用により、パラジウム溶液32中のパラジウム又はパラジウムと他の金属成分を析出させて、細孔20をパラジウム11又はパラジウム合金11の充填により閉塞させることでパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2を形成する工程を有する。
本発明の水素分離体の製造方法では、例えば無電解めっき法におけるめっき槽などのような大掛かりな設備、あるいはめっき液の組成や温度の管理など厳密な条件の管理を要することなく、パラジウム11又はパラジウム合金11の充填によりチタニア多孔質層5の細孔20が閉塞した態様のパラジウム‐チタニア複合膜4からなる非常に薄い膜厚の水素分離膜2を安定的に形成することができる。
本発明の水素分離体の製造方法では、図6にて示す状態から図7にて示す状態への推移から理解できるように、紫外線31の照射によってチタニア多孔質層5のチタニア基材粒子12の主成分であるチタニアに光触媒作用が惹起され、以下の反応経路を経てパラジウム溶液32中のパラジウム又はパラジウムと他の金属成分が析出することで、細孔20内にパラジウム11又はパラジウム合金11が充填されて、細孔20が閉塞する。
以下に、パラジウム溶液32として塩化パラジウム水溶液を用いた場合を例にして説明する。まず、チタニアに紫外線を照射すると、電子(e)と正孔(h)が生じる。
TiO+hν→TiO(e+h
正孔(h)を生じたチタニアは、水と以下の反応をする。
4TiO(e+h)+2HO→4TiO(e)+4H+O
一方で、電子(e)を発生しているチタニアは、以下のように塩化パラジウムと反応してパラジウムを析出させる。
2TiO(e)+PdCl(Pd2++2Cl)→2TiO+Pd+2Cl
なお、パラジウム合金11の充填により細孔20を閉塞するために、パラジウムと「他の金属」を析出させる場合、「他の金属」についても、上述と同様な還元反応を経る。例えば、細孔20を閉塞するために充填するパラジウム合金11としてPd‐Ag合金を用いる場合、パラジウムと銀を含有するパラジウム溶液32を使用することができる。
本発明の水素分離体の製造方法では、照射する紫外線31の波長及び強さを調節することで、パラジウム11又はパラジウム合金11の充填により閉塞されるチタニア多孔質層5の細孔20の深さを自在に調節できる(詳しくは後述)。
なお、本発明の水素分離体の製造方法において、その材料となる多孔質基材3(基盤層6及びチタニア多孔質層5)、パラジウム11又はパラジウム合金11は、水素分離体1に関して先に述べたものと同様である。
以下、本発明の水素分離体の製造方法に関連する事項、特に上述の水素分離体に関する記述では述べられなかった事項について、本発明の水素分離体の製造方法の時系列に沿って詳しく説明する。
B‐1.チタニア多孔質層:
本発明の水素分離体の製造方法において、図1の断面図にて示される水素分離体1から理解されるように、チタニア多孔質から構成されない基盤層6を用いる場合、基盤層6の全部又は一部の表面にチタニア多孔質層5を形成する必要がある。
多孔質基材3の基盤層6の表面にチタニア多孔質層5を形成する方法は、従来公知の手法を用いればよい。例えば、チタンアルコキシドや塩化チタン等を原料として用いたゾル‐ゲル法によって調製したチタニアゾル溶液を基盤層6の表面に塗布し、300〜1000℃にて焼成することで得ることができる。なお、チタニアゾル溶液には、必要に応じて、安定化剤などを添加してもよい。
本発明の水素分離体の製造方法では、チタニア多孔質層5の平均細孔径が0.5〜30nmとなるようにする。平均細孔径が0.5〜30nmのチタニア多孔質層5を得るには、例えばチタニアゾルの粒子径、成膜回数、焼成温度等を調整すればよい。なお、チタニア多孔質層5の平均細孔径は、ナノパームポロメトリー法やガス透過法により算出することができる。
本発明の水素分離体の製造方法では、図6及び7の模式図にて示されるように、チタニア多孔質層5でのチタニアの光触媒作用をパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2の形成に利用しているため、多孔質基材3におけるチタニア多孔質層5を形成する部分を限定することで、これに伴って水素分離膜2が形成される場所を限定させることができる。
B‐2.パラジウム溶液:
本発明の水素分離体の製造方法では、図6及び7の模式図にて示されるように、パラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2の主成分の1つであるパラジウム11又はパラジウム合金11の原料が、パラジウム溶液32から供給される。
B‐2‐1.パラジウムのみを析出させる場合:
本発明の水素分離体の製造方法において、パラジウムのみをチタニアの光触媒作用で析出させる場合、パラジウム溶液32は、例えば、塩化パラジウム(PdCl)、硝酸パラジウム(Pd(NO)、酢酸パラジウム(Pd(OAc))等の水溶性のパラジウム塩を水等の溶媒に溶解させて得ることができる。
本発明の水素分離体の製造方法では、パラジウム溶液32におけるパラジウムの濃度は、0.001〜0.1mol/Lであることが好ましい。
また、チタニアの光触媒作用の効率を向上させることができるため、本発明の水素分離体の製造方法では、パラジウム溶液32には、犠牲試薬を含有させることが好ましい。犠牲試薬とは、自身が酸化あるいは還元されることによって他の物質を還元あるいは酸化する物質のことであり、メタノール等のアルコール類、酢酸,クエン酸,エチレンジアミン4酢酸(EDTA)等の有機酸類及びその塩、トリエタノールアミン等のアミン類等を好適に用いることができる。
本発明の水素分離体の製造方法では、パラジウム溶液32の組成は、図6の模式図にて示される状態となるように、パラジウム溶液32をチタニア多孔質層5の細孔20内に充填するに際し、多孔質基材3をパラジウム溶液32に浸漬する場合、あるいは、チタニア多孔質層5の表面にパラジウム溶液32を塗布する場合、それぞれ合わせて適切な組成を設定できる。
さらに、上述のパラジウム溶液32は、チタニア多孔質層5の形態、照射する紫外線31の強度・波長などに応じて、他の試薬を適宜添加することができる。
B‐2‐1.パラジウム合金を析出させる場合:
本発明の水素分離体の製造方法において、チタニア多孔質層5の細孔を閉塞するために充填するパラジウム合金11は、パラジウムと他の金属を析出させた後に生成させる。そのため、パラジウム合金11を析出させる場合、パラジウム溶液32は、パラジウムと「他の金属」が溶解したものを用いる。なお、本明細書においては、パラジウム溶液32からパラジウムと他の金属を析出させた後に、熱処理によってパラジウム合金11を生成させる場合も、「パラジウム合金11を析出させる」と表記する。以下では、「他の金属」を銀(Ag)とするいわゆるパラジウムと銀の合金(以下、Pd‐Ag合金)を析出させる場合を例に挙げて、パラジウム合金11を析出させる手法を説明する。
パラジウム合金11を析出させる手法では、パラジウム溶液32は、例えば、硝酸パラジウム(Pd(NO)と硝酸銀(AgNO)等のようなお互いに沈殿を生じないような組み合わせの水溶性のパラジウム塩と銀塩を水に溶解させて得ることができる。細孔20内に析出したパラジウムと銀は、その後の適当な加熱処理によってパラジウム合金とすることができる。
B‐3.チタニア多孔質層の細孔へのパラジウム溶液の充填:
本発明の水素分離体の製造方法では、上述のように調製したパラジウム溶液32をチタニア多孔質層5の細孔20内に充填する。このパラジウム溶液32の充填には、多孔質基材3をパラジウム(Pd)のイオンが溶解したパラジウム溶液32に浸漬する手法、又は、チタニア多孔質層5の表面にパラジウム溶液32を塗布する手法のいずれを採用してもよい。
B‐3‐1.パラジウム溶液に多孔質基材を浸漬する手法:
本発明の水素分離体の製造方法では、図6の模式図にて示される状態となるように、パラジウム溶液32に多孔質基材3を浸漬する場合、少なくともパラジウム溶液32を充填するチタニア多孔質層5の細孔20がパラジウム溶液32に浸漬されるようにすればよい。例えば、パラジウム溶液32を入れた浴槽を用意し、ここに多孔質基材3を浸漬する。更に、チタニア多孔質層5の細孔20へパラジウム溶液32が完全に浸透するように、多孔質基材3がパラジウム溶液32に浸漬された状態で真空脱気操作を行うことが好ましい。
なお、本発明の水素分離体の製造方法では、パラジウム溶液32を入れた浴槽に多孔質基材3を収容した状態で紫外線31を照射する手法、あるいは多孔質基材3を浴槽から出した状態で紫外線31を照射する手法のいずれを採用してもよい。
B‐3‐2.パラジウム溶液をチタニア多孔質層の表面に塗布する方法:
パラジウム溶液32をチタニア多孔質層5の表面に塗布する場合、チタニア多孔質層5の表面に対して適当量のパラジウム溶液32をスプレーなどで吹き付けるあるいは刷毛などで塗りつければよい。上述のいずれの手法を採用する場合でも、パラジウム溶液32をチタニア多孔質層5の表面に塗布する際には、チタニア多孔質層5の細孔20内にパラジウム溶液3を充填するだけの液量、さらには紫外線31の照射時までに水分が十分保たれる液量となるように留意する。
本発明の水素分離体の製造方法において、パラジウム溶液32をチタニア多孔質層5の表面に塗布する手法では、パラジウム溶液32を塗布する箇所を限定することで、パラジウム11又はパラジウム合金11を局所的に析出するように調節することができる。
B‐4.紫外線の照射:
本発明の水素分離体の製造方法では、図6の模式図にて示されるように、上述の手法を経てパラジウム溶液32が細孔20内に充填されているチタニア多孔質層5に対して紫外線31を照射する。この紫外線31の照射によって、チタニア多孔質層5のチタニア基材粒子12の主成分であるチタニアでは、上述の反応を担う光触媒作用が惹起される。このチタニアの光触媒作用によって、図6にて示される状態から図7にて示される状態への変遷から理解されるように、チタニア多孔質層5の細孔20内では、パラジウム溶液32中のパラジウム又はパラジウムと他の金属とが析出することで、パラジウム11又はパラジウム合金11が細孔20内に充填されて、細孔20が閉塞する。これにより、チタニア多孔質層5に、パラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2が形成される。
特に、本発明の水素分離体の製造方法では、細孔20内にパラジウム溶液32が充填されたチタニア多孔質層5に照射する紫外線31の強度は、チタニア多孔質層5の表面において、通常0.1〜1000W/mであり、0.1〜500W/mであることがより好ましく、0.1〜200W/mであることが特に好ましい。照射する紫外線31の強度を変化させることにより、パラジウム11又はパラジウム合金11の析出する速度が変化し、充填部9の厚さ44や堆積部8の被覆率を変化させることができる。0.1〜1000W/mの強度で紫外線31を照射することで、パラジウム11又はパラジウム合金11の析出する速度が適切となり、細孔20の深部からチタニア多孔質層5の表面に向かって徐々にパラジウム11又はパラジウム合金11が析出する。その結果、パラジウム11又はパラジウム合金11がチタニア多孔質層5の表層の細孔20を閉塞する形となり、パラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2が形成される。
一方、細孔20内にパラジウム溶液32が充填されたチタニア多孔質層5に照射する紫外線31の強度が1000W/mを超える場合、紫外線31に最もさらされるチタニア多孔質層5の表面上で急速にパラジウム11又はパラジウム合金11が析出し、細孔20内には紫外線が到達できなくなる。そのため、照射する紫外線31の強度が1000W/mを超える場合、図8の模式図にて示されるように、非常に薄いパラジウム膜41又はパラジウム合金膜41がチタニア多孔質層5の表面に形成された後、直ちにチタニアの光触媒作用が減退する。図8の模式図にて示されるようなパラジウム膜41又はパラジウム合金膜41は、剥がれやすく、さらに水素脆化によってピンホールの発生や膜が剥離する頻度が非常に高いため、水素分離膜2として使用するには好ましくない。
本発明の水素分離体の製造方法では、紫外線31の照射は、所望の波長及び強度の紫外線31を標的に照射することが可能な紫外線ランプを使用すればよい。
本発明の水素分離体の製造方法では、紫外線31の照射時間は、1〜100時間あれば十分である。チタニアの光触媒作用は、析出したパラジウム11又はパラジウム合金11によりチタニア基材粒子12に紫外線が直接照射されなくなると、自然に停止する(図6〜8参照)。
なお、本発明の水素分離体の製造方法では、細孔20内にパラジウム溶液32が充填されたチタニア多孔質層5に照射する紫外線31は、200〜380nmの波長を含むものとする。
また、細孔20内にパラジウム溶液32が充填されたチタニア多孔質層5に照射する紫外線31の強度や波長を、時間によって2段階以上に変化させてもよい。例えば、強度が弱い紫外線31を照射することにより、まず細孔20の深部にパラジウム11又はパラジウム合金11を十分に析出させる。次いで、より強い強度の紫外線31を照射することで、さらに残余の表層側の細孔20をパラジウム11又はパラジウム合金11により充填する。このような2段階の紫外線31の照射により、チタニア多孔質層5の細孔20が深部までパラジウム11又はパラジウム合金11が充填されて閉塞されることで、水素脆化などに対しして優れた耐久性のあるパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2を形成することができる。具体的には、チタニア多孔質層5の表面において、まず0.1〜100W/mの強度で紫外線31を照射した後に、1〜1000W/mの強度で紫外線31を照射することで、パラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2を形成することができる。
B‐5.水素分離膜の熱処理:
本発明の水素分離体の製造方法では、上述の手法によってパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2を形成した後、このパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2を300〜600℃で1〜100時間熱処理を行うことが好ましい。
この熱処理については、真空中、空気中、不活性ガス中等で行うことができる。熱処理により、パラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2を構成するパラジウム11又はパラジウム合金11は、結晶化が進み、より緻密化する。また、本発明の水素分離体の製造方法で、パラジウムと他の金属の析出後にパラジウム合金11の充填により細孔20を閉塞する場合においては、このような熱処理を行う工程により、合金化を行うことができる。
B‐6.本発明の水素分離体の製造方法の作用・効果:
以上に述べた本発明の水素分離体の製造方法によって、図1〜3の断面図にて示される水素分離体1のように、全て又は一部の表面がチタニア(TiO)を主成分とするチタニア多孔質層5で構成されて細孔を有する多孔質基材3に水素分離膜2が設けられた水素分離体1であり、この水素分離膜2が、パラジウム(Pd)又はパラジウムを含む合金からなり、前記チタニア多孔質層の表面上を被覆率99%以下にて堆積する堆積部と、前記チタニア多孔質層の少なくとも前記表面から深さ0.1μmまでの前記チタニア多孔質層の前記細孔がパラジウム又はパラジウムを含む合金の充填により閉塞されている構造の充填部とにより構成されるパラジウム‐チタニア複合膜からなるものを得ることができる。この製造方法で得られる水素分離体1は、先に「水素分離体」の説明で詳しく述べた、膜厚が薄く且つ低温使用時にも水素脆化による欠陥が生じにくいパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2を有する。
本発明の水素分離体の製造方法では、チタニアの光触媒作用を利用してパラジウムを析出させるため、パラジウム溶液32の組成、照射する紫外線31の強度・波長、と少ない要素を適正化することで、薄膜でありながら良好な強度と耐久性を備えたパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2が形成された水素分離体1を容易に得ることができる。対照となる従来公知の方法として無電解めっき法の例では、めっき液の組成・温度やめっき液の攪拌など数多くの要素をそれぞれ厳密に適正化する必要があり、さらにこれら条件を安定的に維持してめっき反応をさせるには高い技術が要求される。また、無電解めっき法では、めっき反応によるパラジウムの析出位置を厳密に制御することは困難であり、緻密な膜を得るためには膜厚を厚くする必要があった。このように、従来公知の方法においては、本発明の水素分離体の製造方法のようにパラジウム‐チタニア複合膜4からなる膜厚が薄く高品質の水素分離膜を容易に形成することはできない。
なお、以上の記述では、図面と対応させるため用語の末尾に符号を付する場合があるが、用語の末尾に符号が付されていても、図面に表した形状等に限定して本発明の技術的範囲を規定するものではなく、図面及び明細書の記述から当業者が通常想到しうる範囲内にでは本発明の技術的範囲が及ぶものとする。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
外径10mm、長さ100mmの多孔質アルミナ支持体(基盤層6)(平均細孔径0.1μm)の表面に、チテンテトライソプロポキシドを原料として用いたゾル−ゲル法によって作製したゾルを塗布し450℃で焼成することによって、まず、平均細孔径20nmとなるチタニア多孔質層5を形成した。さらにこの平均細孔径20nmとなるチタニア多孔質層5の上に平均細孔径3nmとなるチタニア多孔質層5(膜厚0.2μm)を形成することで、多孔質基材3を作製した(図1、図5中の符号1)。続いて、水を溶媒としメタノールを添加したパラジウム溶液32(塩化Pd:0.003mol/L,メタノール:30vol%)の入った浴槽にこの多孔質基材3を設置することで、多孔質基材3をパラジウム溶液32に浸漬した。パラジウム溶液32の入った浴槽に配置された状態でUVランプ(東芝社製、品番GL4−A)を用いてチタニア多孔質層5が配設されている側の多孔質基材3の周囲から紫外線31(波長254nm)を3.5時間照射し、パラジウムを析出させた。これにより、チタニア多孔質層5の表層の細孔20がパラジウムの充填により閉塞されている構造の充填部9を有するパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2を備える水素分離体1を作製した。多孔質基材3のチタニア多孔質層5の表面での紫外線31の照射光強度は200W/mであった。この水素分離体1を水素分離装置21に設置する際には、水素分離体1の両端を金属製の封止部材26で封止した(図5)。なお、この封止部材26の一方の端部に用いたものは、水素分離膜2を透過した水素を抽出できるように開口部を備えたものとした。
(実施例2)
実施例1と同様の手順で作製した水素分離体1を、さらに空気中450℃で20時間の熱処理をして、実施例2の水素分離体1を得た。
(実施例3)
水を溶媒とし、メタノールを添加した銀を含むパラジウム溶液32(硝酸Pd:0.003mol/L,硝酸Ag:0.001mol/L,メタノール:30vol%)を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、チタニア多孔質層5の細孔20がPdとAgの充填により閉塞されている構造からなる充填部9から構成されるパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2を備える水素分離体1を作製した。この水素分離体1を、さらに空気中450℃で20時間の熱処理をして、実施例3の水素分離体1を得た。
(比較例1)
チタニア多孔質層5の表面での紫外線31の照射光強度を2000W/mとした以外は、実施例1と同様にして水素分離体1の作製を行い、比較例1の水素分離体1を得た。
(比較例2)
実施例1においてパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2を形成する前の多孔質基材3(チタニア多孔質層5が形成されたのみ、図6参照)を比較例2の水素分離体1とした。
(1)電子顕微鏡による観察:
実施例1,3及び比較例1の水素分離膜1について、電子顕微鏡を用いて微構造の観察を行った。その結果、実施例1の水素分離体1では、チタニア多孔質層5の細孔20内にパラジウム11(実施例1)もしくはPd‐Ag合金(実施例3)が析出しており、パラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2がチタニア多孔質層5の表層部に形成されていた(図9は実施例1の電子顕微鏡写真)。これらのパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2は、パラジウムもしくはPd‐Ag合金とチタニアとが複合化して緻密化していた。一方で、比較例1の水素分離体1では、チタニア多孔質層5の最表層上に非常に薄く緻密なパラジウム膜が形成されていた(電子顕微鏡による観察データは示さず、図8参照)。
(2)ガス透過試験:
(2‐1)ガス透過試験の手順:
実施例1〜3、比較例1,2の水素分離体1を用いてガス透過試験を行った。ガス透過試験は以下の手順で実施した。両端を金属製の封止部材26で封止した水素分離体1をステンレス反応容器22中に保持し、反応容器22を加熱することによって、水素分離体1を窒素雰囲気中で200℃まで昇温した。その後、大気圧(0.1MPa)の純水素及び純窒素を個別に反応容器22に導入し、水素分離体1の内側を真空ポンプで減圧(10−3MPa)とした際の、水素分離膜2(比較例2ではチタニア多孔質層5のみを有する多孔質基材3)を透過したガスの流量を測定することによって透過特性(水素選択性)の評価を行った。測定結果を表1に示す。
(2‐2)ガス透過試験の結果:
実施例1〜3、比較例2の水素分離体1は、200℃でのガス透過試験において試験時のガス透過量は安定していた。一方、比較例1の水素分離体1は、200℃で純水素の透過試験を行った際に急激な水素透過量の増加が観察され、最終的に表1に示す値に落ちついた。電子顕微鏡による観察から、比較例1の水素分離体1では水素透過試験によって、パラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2の破断が起こっていることが確認された。
(2‐3)ガス透過試験の結果の評価:
実施例1と実施例2とを比較すると、実施例2の方が水素/窒素透過率比(水素選択性)が高い結果となった(実施例1:水素/窒素透過率比 5.2、実施例2:水素/窒素透過率比 29)。この結果の理由としては、紫外線照射の後に450℃で熱処理することにより、実施例2の水素分離体のパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2では膜内にわずかに存在した粒界細孔が閉塞されているため、実施例2の水素/窒素透過率比(水素選択性)の方が高い値を示したと考えられる。
比較例1の水素選択性は、水素分離体1に水素分離膜2が形成されているにもかかわらず、チタニア多孔質層5のみが多孔質基材3の表層に形成されている水素分離体1による比較例2とほぼ同程度の値を示した(比較例1:水素/窒素透過率比 3.7、比較例2:水素/窒素透過率比 3.6)。比較例2においても一応の水素選択性を示すデータが得られた原因としては、チタニア多孔質層5(細孔径3nm)によるクヌッセン的な分離挙動(クヌッセン拡散による分離挙動)が影響したと考えられる。比較例1と比較例2でほぼ同程度の水素選択性を示した結果、及び上述の急激な水素透過量の増加の事実から考察すると、ガス透過試験時の水素分離膜2の破断によって、比較例1のパラジウム膜は水素分離膜2としての正常な機能を発揮してないと考えられる。
(3)総合評価:
実施例1〜3では水素選択比が5以上の値を示した。特に紫外線31の照射によるパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2の形成後に熱処理を行った実施例2,3では、水素選択比が21〜29と良好であった。パラジウムを成分に含む水素分離膜を備えた水素分離体では、水素分離膜の水素脆化を防止するために、通常350℃以上の条件下で水素透過を実施する。実施例1〜3の水素分離体1では、通常では水素脆化が懸念されている低温域にある200℃で水素透過を実施しても安定した水素分離性能を示した。なお、比較例1の水素分離体1の水素分離膜2の破断は200℃の条件下での水素脆化に起因するものと推察される。パラジウム‐チタニア複合膜からなる水素分離膜においては、パラジウムがチタニア多孔質層の細孔中に閉塞された形で保持されるため、200℃で水素に晒された場合でも、水素の吸蔵によるパラジウムの膨張が抑制される。そのため、パラジウムの膨張・収縮によって引き起こされる水素脆化による膜の欠陥が生じににくくなると推察される。従来の水素分離膜では、多孔質基材上にパラジウム膜が存在するため、200℃で水素に晒された場合、パラジウムの膨張・収縮が容易に起こり、水素脆化によって膜に欠陥が生じる。以上から、本発明の水素分離体の製造方法により得られた水素分離体1(本発明の水素分離体1)は、薄い膜厚であり且つ低温使用時にも水素脆化による欠陥が生じにくい非常に優れたパラジウム‐チタニア複合膜4からなる水素分離膜2を備えたものであることが実際に確かめられた。
本発明は、薄い膜厚であり且つ低温使用時にも水素脆化による欠陥が生じにくい水素分離膜を備えた水素分離体及びその製造方法として利用できる。
本発明の水素分離体の断面図である。 図1中の枠Aを拡大して本発明の水素分離体の構造を模式的に示した断面図である。 本発明の水素分離体が備える水素分離膜の構造を模式的に示した断面図である。 従来公知の水素分離体が備える水素分離膜の構造を模式的に示した断面図である。 本発明の水素分離体を備えた水素分離装置の模式図である。 細孔内にパラジウム溶液を充填したチタニア多孔質層に対する紫外線の照射を模式的に表した図である。 図6において弱い強度の紫外線を照射した場合のパラジウム又はパラジウム合金の析出の様子を模式的に表した図である(実施例1〜3)。 図6において強い強度の紫外線を照射した場合のパラジウム又はパラジウム合金の析出の様子を模式的に表した図である(比較例1)。 本発明の水素分離体(実施例1)のパラジウム‐チタニア複合膜からなる水素分離膜の断面を表す電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1:水素分離体、2:水素分離膜、3:多孔質基材、4:パラジウム‐チタニア複合膜、5:チタニア多孔質層、6:基盤層、7:チタニア多孔質層の表面、8:堆積部、9:充填部、11:パラジウム(パラジウム合金)、12:チタニア基材粒子、20:細孔、21:水素分離装置、22:反応容器、23:原料入口、24:水素出口、25:残原料出口、26:封止部材、31:紫外線、32:パラジウム溶液、41:パラジウム膜(パラジウム合金膜)、42:チタニア多孔質層の露出部分、43:堆積部の厚さ、44:充填部の厚さ、45:水素分離膜の膜厚。

Claims (4)

  1. 全て又は一部の表面がチタニア(TiO)を主成分とするチタニア多孔質層で構成されて細孔を有する多孔質基材に水素分離膜が設けられ、
    前記チタニア多孔質層の表層の細孔径が0.5〜30nmであり、
    前記水素分離膜は、パラジウム(Pd)又はパラジウムを含む合金からなり、前記チタニア多孔質層の表面上を被覆率99%以下にて堆積する堆積部と、前記チタニア多孔質層の少なくとも前記表面から深さ0.1μmまでの前記チタニア多孔質層の前記細孔がパラジウム又はパラジウムを含む合金の充填により閉塞されている構造の充填部とにより構成されるパラジウム‐チタニア複合膜からなり、
    前記充填部の厚さが0.1〜0.5μmである、水素分離体。
  2. 表層の細孔径が0.5〜30nmであるとともに表面がチタニア(TiO)を主成分とするチタニア多孔質層で構成された多孔質基材の細孔内にパラジウム塩の水溶液が充填された状態で、前記チタニア多孔質層の表面での紫外線の照射光強度が0.1〜1000W/mとなるように前記チタニア多孔質層に対して紫外線を照射し、前記紫外線により惹起された前記チタニア多孔質層を構成するチタニアの光触媒作用により、前記パラジウム塩の水溶液中のパラジウム又はパラジウムと他の金属成分を析出させて、前記チタニア多孔質層の表面から深さ0.1μmまでないし前記チタニア多孔質層の表面から深さ0.5μmまでの前記細孔内に前記パラジウム又はパラジウム合金を充填することにより前記細孔を閉塞させつつ前記チタニア多孔質層の表面上を被覆率99%以下にて堆積させてパラジウム‐チタニア複合膜からなる水素分離膜を形成する工程を有する、水素分離体の製造方法。
  3. 前記紫外線が、200〜380nmの波長の光を含む、請求項に記載の水素分離体の製造方法。
  4. 前記水素分離膜の形成後、前記水素分離膜に対して300〜600℃で1〜100時間の熱処理を行う工程を有する、請求項又はに記載の水素分離体の製造方法。
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