JPH065186Y2 - リボンカセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、印字リボンが折畳み収容されたリボンカセ
ット、詳しくは印字リボンに付与される張力を該印字リ
ボンに応じて変更することが可能な張力変更機構に関す
る。

［従来技術］ 従来のリボンカセットにあっては、印字リボンが収容さ
れるケースの送入側にてリボン駆動モータに連結される
駆動ロールと該駆動ロールとにより印字リボンを挟持す
る支持ロールとを設けるとともにケースの送出側にて送
出される印字リボンに弾性変形して圧接し、該印字リボ
ンをケース内壁に押圧する板ばね等の弾性部材を設けて
構成されている。そして前記駆動ロールの回転に伴って
ケースの送出側から送入側に向って印字リボンがリボン
送りされると、ケースの送出側から送出される印字リボ
ンに対して圧接する弾性部材の弾性力に応じた所要の張
力が付与される。これによりケースの送出側と送入側と
の間にて印字リボンが緊張状態で張設される。

［考案が解決しようとする問題点］ 然し乍、上記種類のリボンカセットにあっては、収容さ
れる印字リボンの種類、例えばリボン幅或いはリボンの
素材等に応じて付与される張力が夫々異なるため、印字
リボンの種類に応じて所要の張力に対応する弾性力を有
する弾性部材に変更しなければならず、リボンカセット
を効率的に組立ることが出来なかった。

［考案の目的］ 本考案の目的は、上記した従来の欠点に鑑み、単一の弾
性部材により収容される印字リボンに応じた所要の張力
を付与することが出来、組立作業を効率的に行ない得る
リボンカセットを提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ このため本考案は、ケース（２）の送出端から送入端に
向ってリボン送りされる印字リボン（１５）が収容され
たリボンカセット（１）において、前記ケース（２）の
送出側にて印字リボン（１５）をそのケース（２）の一
部に弾性押圧するばね部材（２５）と、そのばね部材
（２５）に接触し、前記印字リボン（１５）の種類に応
じてばね部材（２５）の押圧力を変更するカム部材（２
７）と、前記ケース（２）に設けられ、前記カム部材
（２７）を操作してばね部材（２５）に対する前記カム
部材（２７）を接触位置を変更する操作部材（２９）
と、その操作部材（２９）による前記カム部材（２７）
の操作位置を保持する保持手段（２９ａ・３ｂ）とから
なることを特徴としている。

［考案の作用］ 本考案は上記のように構成されるため、操作部材により
操作されるカム部材により、印字リボンに圧接するばね
部材の弾性力を、収容された印字リボンの種類に応じて
変更すると共に保持手段によりばね部材の弾性力状態を
保持する。そしてケースの送出端から印字リボンが送出
されると、該印字リボンに対してばね部材の弾性力に応
じた最適の張力が付与される。

これにより１種類のリボンカセットを使用して複数種類
の印字リボンを、夫々の最適張力を付与して収容するこ
とができる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面に従って説明する。

第１図はリボンカセットの概略を示す分解斜視図、第２
図は上ケースを省略したリボンカセットの略体平面図で
あり、リボンカセット１のケース２は合成樹脂製の上ケ
ース３と下ケース５とから構成され、前記下ケース５の
両側にはリボン通路７ａ・９ａ及び開口７ｂ・９ｂを有
した送出用アーム７及び送入用アーム９が一体形成され
ている。前記下ケース５の送入側には駆動手段の一部で
ある駆動ローラ１１及び該駆動ローラ１１に当接する駆
動手段の一部である従動ローラ１３が夫々回転可能に支
持され、これら駆動ローラ１１と従動ローラ１３とによ
り印字リボン１５が挟持される。そして前記前記駆動ロ
ーラ１１には印字装置内部に取付けられたリボン駆動モ
ータ（何れも図示せず）が連結され、該リボン駆動モー
タの駆動に伴って反時計方向へ回転する駆動ローラ１１
により印字リボン１５がリボンカセット１内に送入され
る。尚、前記駆動ローラ１１の上部には歯車１１ａが一
体形成され、該歯車１１ａは前記従動ローラ１３の上部
に形成された歯車１３ａに噛み合されている。そして前
記駆動ローラ１１の回転に供って前記従動ローラ１３が
反対方向へ回転されることにより印字リボン１５がリボ
ン送りされる。

また、下ケース５にはガイドピン１７が一体形成され、
該ガイドピン１７により印字リボン１５が駆動ローラ１
１と従動ローラ１３との間へ案内される。

前記下ケース５の送出側には印字リボン１５が通過可能
な間隔をおいて対向する一対の仕切壁１９が一体形成さ
れ、第１図に示す仕切壁１９の左側には収容空間２１が
設けられている。そして該収容空間２１内には送入され
た無端状の印字リボン１５が折畳み収容される。そして
該収容空間２１内に収容された印字リボン１５は仕切壁
１９間から送出用アーム７に向って導出される。前記支
持壁１９と送出用アーム７との間に位置する印字リボン
１５の通路に応じた下ケース５の後方側壁５ａには送出
される印字リボン１５を支持する支持部２３が一体形成
されている。そして前記下ケース５における送出側の前
方側壁５ｂにはばね部材を構成する板ばね２５の基端が
固定され、該板ばね２５の先端は印字リボン１５を前記
支持部２３に押圧している。前記下ケース５の右方側壁
５ｃと板ばね２５との間に応じた下ケース５の底板５ｃ
には透孔（図示せず）が形成され、該透孔には前記板ば
ね２５の第１図及び第２図に示す右側に摺接する短径部
２７ａ及び長径部２７ｂを有したカム部材２７の下軸部
（図示せず）が回転可能に支持されている。また、前記
カム部材２７には上端が異形断面形状の上軸部２７ｄが
形成され、該上軸部２７ｄは上ケース３に形成された透
孔３ａに挿通支持される。前記透孔３ａの周囲に応じた
上ケース３上面には所要の間隔をおいて放射方向へ延び
る保持手段の一部を構成する多数の突部３ｂが一体形成
されている。そして多数の突部３ｂの内、いくつかの突
部３ｂの近傍には印字リボンの種類名（図示せず）が付
記されている。また、前記透孔３ａを挿通して上ケース
３上面から突出した上軸部２７ｄには上下方向へ弾性変
形可能な操作部材としての操作片２９が回り止めされた
状態で取付けられ、該操作片２９の先端には前記突部３
ｂに係合可能な保持手段の一部を構成する爪部２９ａが
一体形成されている。そして前記突部３ｂに対する爪部
２９ａの係合により前記カム部材２７が回り止めされ
る。

次に、上記のように構成されたリボンカセット１の作用
を第３図に従って説明する。

先ず、送出用アーム７と送入用アーム９との間に張設さ
れた印字リボン１５に対して小さい張力を付与するに
は、板ばね２５の弾性変形状態を示す第３図において、
第３図に実線で示すようにカム部材２７の短径部２７ａ
と板ばね２５とが当接するように操作片２９が所要の方
向へ回動操作されると、該操作片２９の回動位置に応じ
た突部３ｂに対する爪部２９ａの係合によりカム部材２
７の回動状態、従って板ばね２５と短径部２７ａとの当
接状態が保持される。そして板ばね２５に対する短径部
２７ａの当接により板ばね２５が少なく弾性変形される
ため、支持部２３に支持された印字リボン１５は該板ば
ね２５の弾性変形量に応じた低い弾性力にて押圧され
る。この状態にてリボン駆動モータが駆動されると、反
時計方向へ回転する駆動ローラ１１と従動ローラ１３と
に挟持された印字リボン１５が送出用アーム７から送出
用アーム９に向ってリボン送りされる。このとき、前記
リボン送りに伴って前記送出用アーム７から送出される
印字リボン１５には板ばね２５の弾性力に応じた押圧力
による低いリボン送り抵抗が生じ、前記送出用アーム７
と送出用アーム９との間に張設された印字リボン１５に
対して前記リボン送り抵抗に応じた小さな張力が付与さ
れる。これにより前記送出用アーム７と送入用アーム９
との間にて印字リボン１５が前記張力による緊張状態で
張設される。

次に、送出用アーム７と送入用アーム９との間に張設さ
れた印字リボン１５に対して大きな張力を付与する場合
について説明すると、第３図に一点鎖線で示すようにカ
ム部材２７の長径部２７ｂと板ばね２５とが当接するよ
うに操作片２９が第３図に示す時計方向へ回動操作され
ると、該操作片２９の回動位置に応じた突部３ｂと爪部
２９ａとの係合によりカム部材２７の回動状態、従って
板ばね２５と長径部２７ｂとの当接状態が保持される。
これにより板ばね２５は長径部２７ｂとの当接により、
第３図に一点鎖線で示すように大きく弾性変形され、前
記支持部２３に支持された印字リボン１５が前記板ばね
２５の弾性変形量に応じた高い弾性力にて押圧される。
この状態にてリボン駆動モータが駆動されると、反時計
方向へ回転する駆動ローラ１１と従動ローラ１３とに挟
持された印字リボン１５が送出用アーム７から送入用ア
ーム９に向ってリボン送りされた後、収容空間２１内に
収容される。このとき、前記リボン送りに伴って前記送
出用アーム７から送出される印字リボン１５には板ばね
２５の弾性力に応じた押圧力による大きなリボン送り抵
抗が生じ、前記送出用アーム７と送入用アーム９との間
に張設された印字リボン１５に対して前記リボン送り抵
抗に応じた大きな張力が付与される。これにより前記送
出用アーム７と送入用アーム９との間にて印字リボン１
５が前記張力に応じた緊張状態で張設される。尚、前記
複数の突部３ｂの内、いくつかの突部３ｂの近傍には印
字リボン１５の種類名が付記されており、ケース２内に
収容された印字リボン１５の種類名に応じた突部３ｂに
爪部２９ａが係合するように操作変２９を回動操作すれ
ば、収容された印字リボン１５に対してその種類に応じ
た所要の張力を付与することが出来る。

このように本実施例は、板ばね２５に当接するカム部材
２７により該板ばね２５の弾性力を変更して印字リボン
１５に作用する張力を変更することが可能である。これ
により板ばね２５を取換えることなく、収容される印字
リボン１５の種々な種類に応じた所要の張力を付与する
ことが出来、リボンカセット１を効率的に組立ることが
可能である。

［考案の効果］ このため本考案は、単一の弾性部材により収容される印
字リボンに応じた所要の張力を付与することが出来、組
立作業を効率的に行ない得るリボンカセットを提供する
ことが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図はリボンカセットの概略を示す分解斜視図、第２
図は上ケースを省略したリボンカセットの略体平面図、
第３図は作用を示す説明図である。 図中１はリボンカセット、２はケース、３はケースの一
部を構成する上ケース、３ｂは保持手段の一部を構成す
る突部、５はケースの一部を構成する下ケース、１５は
印字リボン、２５はばね部材としての板ばね、２７はカ
ム部材、２９は操作部材としての操作片、２９ａは保持
手段の一部を構成する爪部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケース（２）の送出端から送入端に向って
   リボン送りされる印字リボン（１５）が収容されたリボ
   ンカセット（１）において、 前記ケース（２）の送出側にて印字リボン（１５）をそ
   のケース（２）の一部に弾性押圧するばね部材（２５）
   と、 そのばね部材（２５）に接触し、前記印字リボン（１
   ５）の種類に応じてばね部材（２５）の押圧力を変更す
   るカム部材（２７）と、 前記ケース（２）に設けられ、前記カム部材（２７）を
   操作してばね部材（２５）に対する前記カム部材（２
   ７）の接触位置を変更する操作部材（２９）と、 その操作部材（２９）による前記カム部材（２７）の操
   作位置を保持する保持手段（２９ａ・３ｂ）と、 を備えたことを特徴とするリボンカセット。