JPH0651736B2 - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物

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JPH0651736B2
JPH0651736B2 JP28663888A JP28663888A JPH0651736B2 JP H0651736 B2 JPH0651736 B2 JP H0651736B2 JP 28663888 A JP28663888 A JP 28663888A JP 28663888 A JP28663888 A JP 28663888A JP H0651736 B2 JPH0651736 B2 JP H0651736B2
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裕 佐々木
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東亞合成化学工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 (イ) 発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明に係わる樹脂組成物は、微細な凹凸を有する材料
表面に、気泡を生じることなく塗布され、加熱等の手段
により溶剤を除去した後も低粘度な液状物であり、紫外
線あるいは電子線等の活性エネルギー線の照射により容
易に硬化させることができ、硬化後の樹脂膜が、酸処理
に対しては耐食性を示し、アルカリ処理に対しては溶解
・剥離性を有するという特性を有するため、特にシャド
ウマスクを裏止め材用樹脂組成物として有用であり、そ
の他にも、塗料、レジスト、注型材料又は成形材料等と
して利用されるものである。
〔従来の技術〕
シャドウマスクは、カラーテレビ用ブラウン管内の電子
銃から照射された電子を、決められた色の発光体に衝突
させる機能を有し、エッチングにより微細な穴が多数設
けられた金属板である。この微細な穴の形成は、金属板
の表裏両面の対応する位置に、直径が異なる半球状の凹
部をそれぞれ設け、対応する凹部の底部同志を連通させ
ることにより行われる。
シャドウマスクの製造工程の概略を説明すると、まず鉄
などからなる薄い金属板の表裏両面に感光性樹脂膜を塗
布し、その後パターンの配置したネガフィルムを金属板
に密着して感光性樹脂膜の露光部を硬化させる写真焼付
けを行い、現像処理により感光性樹脂膜の非感光部分を
除去する。次いで、過塩化鉄等の腐食液により一次エッ
チングを行い、表裏両面より互いに貫通しない直径100
〜200 μmの半球形の凹部を形成する。続いて片面のみ
に裏止め材用樹脂組成物を塗布することにより、金属板
片面上の微細な凹部を埋める膜を形成し、これに紫外線
等の光を照射することにより樹脂組成物を硬化させる。
上記のようにして片面を保護した後、再び他面上の凹部
を対象とする二次エッチングを腐食液により行、一次エ
ッチングによる片面上の凹部と他面上の凹部とを、その
底部において連通させる。二次エッチング工程における
腐食液としては、一般に、エッチング速度を高めるため
40〜70℃に加熱した過塩化鉄水溶液が用いられる。
二次エッチング終了後に、パターン形成用感光性樹脂及
び裏止め材用樹脂組成物の各硬化樹脂膜を、アルカリ処
理により除去し、シャドウマスクを得る。このときのア
ルカリ処理は、硬化樹脂膜を溶解・剥離するために行う
もので、アルカリ性液体の濃度又は温度が高い程、溶解
が起こりやすい。アルカリ性液体としては、濃度5 〜20
% のカセイソーダ或いはカセイカリ等の水溶液を、50〜
90℃に加熱したものを用いる。
上記シャドウマスクの製造方法に於て、一次エッチング
後に塗布する裏止め材用樹脂組成物は、下記の〜の
特性を満足するものでなければならない。
穴埋まり性:直径100 〜200 μmの半球形凹部を有す
る材料の表面を均一に濡らし、凹部に気泡を生ずること
なく凹部を埋める性質。
表面平滑性:裏止め材用樹脂組成物が半球形凹部を埋
める際に生ずる微小気泡体に由来する気泡が、硬化後の
樹脂表面層に残らず、硬化樹脂膜の表面が平滑である性
質。
硬化性:凹部の底まで均一に硬化する性質。
耐エッチング性:硬化させた樹脂膜が、過塩化鉄等の
腐食液による二次エッチングに対して耐エッチング性を
有し、コーティングしたパターン形成用感光性樹脂及び
金属板の凹部を保護する性質。
アルカリ溶解・剥離性:硬化させた樹脂膜がアルカリ
処理により容易に溶解・剥離する性質。
現在、裏止め材用樹脂組成物として、アルカリ性液体に
可溶性の膜を形成する樹脂を有機溶剤等で溶解した組成
物、または活性エネルギー線の照射により硬化が可能な
アクリルオリゴマー等を配合した無溶剤型の組成物があ
り、これを用いてスプレーその他の方法により塗布した
後、前者においては温風乾燥炉等により有機溶剤を蒸発
させることにより、樹脂塗膜を形成し、後者においては
活性エネルギー線を照射することにより硬化樹脂塗膜を
形成している。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来の裏止め材用樹脂組成物を用いて製
造されるシャドウマスクにおいては、以下に示した二種
類の欠陥が度々生じ、製造歩留を低くしている大きな原
因となっている。。
1)白ピン(貫通した穴の直径が、規格値より大きくな
り、光の透過量が多すぎる欠陥) 2)黒ピン(貫通した穴の直径が、規格値より小さくな
り、光の透過量が少なすぎる欠陥) 白ピンは、二次エッチングに於けるエッチング多価によ
り生じる欠陥であるので、その発生原因としては、前述
の要求特性の穴埋まり性、表面平滑性の不良が考えられ
る。なぜならば、裏止め材用樹脂組成物の穴埋まり性が
不足していた場合、穴の中に気泡が残存するためその部
分でエッチングが速く進行してしまい、表面平滑性が不
足した場合、表面に生じたピンホールから腐食液が侵入
し、保護されるべき部分がエッチングされてしまうから
である。
一方、黒ピンは白ピンとは逆にエッチング不足により生
じる欠陥である。しかし、この発生原因及び防止法につ
いては、知られておらず、黒ピンの発生防止はシャドウ
マスウの製造において重要な問題となっている。
本発明は、裏止め材用樹脂組成物に要求される上記の
〜の特性を満足するばかりでなく、シャドウマスクの
製造時に黒ピンを発生させることがないため、特にシャ
ドウマスクの裏止め材用樹脂組成物として優れた、活性
エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供するものである。
(ロ) 発明の構成 〔課題を解決するための手段〕 本発明者等は、上記の黒ピンの発生を防止するため鋭意
検討した結果、先に特許出願した特定の官能基を有する
化合物からなる低粘度の配合物に、一般に防錆剤と呼ば
れているものを配合した組成物が、良好な穴埋まり性と
表面平滑性を有し、かつ、黒ピンの発生量も非常に少な
いことを発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記(a),(b),(c),(d),(e) 及び(f)
からなり、(a),(b) 及び(c) からなる混合物の25℃に
おける粘度が3000cps 以下であることを特徴とする
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関するものであ
る。
(a) 分子中に、一個のカルボキシル基及び一個のアクリ
ロイル基或いはメタアクリロイル基を持つ化合物。
(b) 上記(a) 以外の、分子中に一個のアクリロイル或い
はメタアクリロイル基を持つ化合物。
(c) ポリオールポリアクリレート或いはメタアクリレー
ト、ポリエステルポリアクリレート或いメタアクリレー
ト及びエポキシアクリレート或いはメタアクリレートか
ら選ばれる、分子中に二個以上のアクリロイル基或いは
メタアクリロイル基を持つ化合物。
(d) レベリング剤。
(e) 有機溶剤または有機溶剤と水との混合物。
(f) 防錆剤。
以下に、本発明組成物を構成する各成分について説明す
る。
(a) 成分は、分子中に一個のカルボキシル基及び一個の
アクリロイル或いはメタアクリロイル基(以下(メタ)
アクリロイル基という)を持つ化合物であり、例えば、
以下のものがある。
二塩基酸又は/及びその酸無水物と末端に水酸基を有
するアクリレート或いはメタアクリレート(以下、(メ
タ)アクリレートと略称する)との反応生成物。
二塩基酸又は/及びその酸無水物としては、フタル酸、
テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイ
ン酸及びコハク酸等があり、又末端に水酸基を有する
(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート等を用いることができ、上記反応生成物のう
ち、分子末端にカルボキシル基を有するものが使用され
る。
具体的な化合物としては、(メタ)アクリロイルオキシ
エチルモノフタレート(東亜合成化学工業株式会社製商
品名「アロニックスM-5400」等)、(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピルモノフタレート、(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルモノテトラヒドロフタレート、(メタ)
アクリロイルオキシプロピルモノテトラヒドロフタレー
ト、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノヘキサヒド
ロフタレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルモ
ノヘキサヒドロフタレート、(メタ)アクリロイルオキ
シエチルモノサクシネート(東亜合成化学工業株式会社
製商品名「アロニックスM-5500」等)、(メタ)アクリ
ロイルオキシプロピルモノサクシネート及び無水マレイ
ン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を挙
げることができる。
ラクトンと(メタ)アクリル酸との反応生成物。
ラクトンとしてε−カプロラクトン等を用いることがで
き、これとアクリル酸或いはメタアクリル酸〔以下、
(メタ)アクリル酸と略称する〕を反応させることによ
り得られる、分子末端にカルボキシル基を有する化合物
(例えば、東亜合成化学工業株式会社製商品名「アロニ
ックスM-5300」等)である。
その他の化合物。
具体的な化合物としては、(メタ)アクリル酸やそのダ
イマー(ロームアンドハース社製商品名「QM-824」等)
等の化合物がある。
上記〜に例示した化合物の1種又は2種以上を、本
発明組成物中の(a) 成分として配合することにより、硬
化物のアルカリ処理による剥離性が良好な組成物を得る
ことができるが、特に、アクリル酸ダイマー(ロームア
ンドハース社製商品名「QM-824」)及び(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルモノサクシネートは、比較的粘度が
低く(25℃における粘度が200 〜400cps)、低粘度な組
成物を得るために、好ましいものである。
上記(a) 成分の好ましい配合量は、(a) 成分,(b) 成分
及び(c) 成分の合計量を100 重量部(以下、部とあるの
は重量部とする)として、30〜70部、より好ましい配合
量は、40〜60部である。配合量が30部より少ない場合、
そのアルカリ溶解・剥離性は充分ではなくなる。また配
合量が70部より多い場合、組成物の粘度が高くなりやす
く、穴埋まり性が不充分となり、表面平滑性も不良とな
る。
(b) 成分は、分子中に一個の(メタ)アクリロイル基を
持つ、上記(a) 成分の化合物以外の化合物である。この
(b) 成分は、これを本発明の組成物に配合することによ
り、硬化塗膜に伸びや柔軟性等を付与するのに有効であ
る。
(b) 成分として好適な化合物としては、例えば、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、アクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ベンジル(メ
タ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ポリアルキレン(炭素数が2〜3)グリコールモノ
アルキル(炭素数が1〜9)エーテルのモノ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート及びフェノキシエトキシエチルアクリレート
(東亜合成化学工業株式会社製商品名「アロニックスM-
101 」)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が使
用される。
上記の化合物は、常圧において100 ℃以上の沸点を有す
るため、化合物を取扱う際の皮膚に対する刺激性が低い
という利点を有する。
(b) 成分の好ましい配合量は、(a) 成分,(b)成分及び
(c) 成分の合計量を100 部として、20〜65部である。成
分(b) が、20部より少ないと、硬化塗膜に伸びや柔軟性
等が不足し、65部より多いと、硬化樹脂膜のアルカリ溶
解・剥離性及び耐エッチング性が、共に不充分となる。
(c) 成分は、分子中に二個以上の(メタ)アクリロイル
基を持つ下記の化合物である。
ポリオールポリ(メタ)アクリレート。
多価アルコールと(メタ)アクリル酸との反応生成物で
あり、多価アルコールとしては、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のポリグリコール、ト
リメチロールプロパン及びペンタエリスリトール等を用
いることができる。具体的な化合物としては、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート等を挙げることができ
る。
また、多価アルコールにエチレンオキシド、プロピレン
オキシド等のアルキレンオキサイドを付加させた化合物
と(メタ)アクリル酸との反応生成物、及びリン酸等に
酸の末端水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応さ
せて得られるリン酸アクリレート等の二官能性、三官能
性の化合物等も用いることができる。
ポリエステルポリ(メタ)アクリレート。
ポリエステル型の多価アルコールと(メタ)アクリル酸
との反応生成物例えば、アジピン酸、フタル酸等の二塩
基酸及びその無水物とジエチレングリコール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコ
ールと(メタ)アクリル酸との反応によって得られた多
官能の化合物を用いることができる。
エポキシ(メタ)アクリレート。
分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
のエポキシ基と(メタ)アクリル酸とを反応させて得ら
れる化合物であり、例えば、ビスフェノールAのジグリ
シジルエーテルや、フェノールノボラック樹脂、クレゾ
ールノボラック樹脂とエピクロルヒドリンとを反応させ
て得られるエポキシ樹脂等の多価フェノールのポリグリ
シジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応によって
得られる多官能の化合物が挙げられる。上記化合物の1
種又は2種以上を本発明の組成物中に添加することによ
り、組成物の硬化性及び硬化樹脂膜の耐エッチング性を
高めることができる。なお、上記の化合物は、常圧にお
いて100 ℃以上の沸点を有し、化合物を取扱う際の皮膚
に対する刺激性が低いという利点がある。
(c) 成分の好ましい配合量は、(a) 成分,(b)成分及び
(c) 成分の合計量を100 部として1 〜30部、より好まし
い配合量は3 〜15部である。配合量が1 部より少ない
と、組成物の硬化性が低下し、さらに硬化樹脂膜の耐エ
ッチング性も低下する。又、30部より多いと、硬化膜の
アルカリ溶解・剥離性が不十分となる恐れがある。
(d) 成分は、レベリング剤である。
この成分は、組成物の穴埋まり性及び硬化樹脂膜の表面
平滑性を調整することを可能とするもので、一般的な界
面活性剤を用いることにより、充分目的が達成される。
具体的なレベリング剤としては、例えばノニオン系のフ
ッ素化アルキルエステルであるフロラードFC-430(住友
スリーエム株式会社製)、メガファックF-177 (大日本
インキ株式会社製)等や、シリコーン系の界面活性剤で
あるL-7001、L-7002日本ユニカー株式会社製)等が挙げ
られる。
(d) 成分の配合量は、(a) 成分,(b)成分及び(c) 成分の
合計量を100 部として、0.01〜5 部とするのが好まし
い。0.01部未満では、穴埋まり性及び表面平滑性等の特
性の付与が困難であり、5 部を越えると逆に硬化樹脂膜
がヒビ割れたり(ハジキと略称する)、膨れたりする等
の表面不良が生じ易くなる。成分(d) のより好ましい使
用量は、0.02〜1 部である。
(e) 成分は、有機溶剤または有機溶剤と水との混合物で
ある。
この成分は、組成物の粘度をさらに低下させて塗工操作
を容易にするとともに、塗工時の膜厚を乾燥によって薄
くするため希釈剤として添加するものである。有機溶剤
は、乾燥性を向上させることを目的として配合されるも
のであり、好ましい溶剤として水との混合性が良好なア
ルコール系、セロソルブ系、ケトン系、エステル系の有
機溶剤が挙げられる。
(e) 成分の配合量は、(a) 成分,(b)成分及び(c) 成分の
合計量を100 部として、 100部〜450 部とするのが好ま
しい。また、(e)成分として水を併用するときの水と有
機溶剤の重量比は、水/有機溶剤が3/1以下とするの
が好ましい。
(f) 成分は、防錆剤である。
この成分は、鉄系金属材料の防錆剤として一般的に使用
されているものであり、硬化樹脂塗膜の二次エッチング
における黒ピンの発生を防止するうえで極めて有効な成
分である。
具体的な化合物としては、例えば、無機塩類、有機塩類
及び多価金属の水溶性錯塩類等がある。これらの化合物
について以下に説明する。
無機塩類 無機塩類としては、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、ポ
リリン酸塩、クロム酸塩、重クロム酸塩、亜硝酸塩、ケ
イ酸塩、モリブデン酸塩等があり、金属成分としては特
に制限はないが、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属及
び銅、カドミウム等の遷移金属は好ましいものである。
有機塩類 有機塩類としては、例えば、ナフテン酸、トール酸及び
ラノリン酸等の、炭素数10〜30の金属石鹸として使
用される高級脂肪族(飽和及び不飽和脂肪酸いずれでも
よい)、安息香酸及びフエノールカルボン酸等の有機酸
の金属塩があり、金属成分としては、無機塩類と同様の
もので良い。
多価金属の水溶性錯塩類 水溶性錯塩類は次式で表し得る。
M(Z)x An 上式においてMは多価金属であり、An は腐食防止アニ
オンであり、Zは揮発性錯化剤であり、xはM1モル当
りのZのモル数である。
以下、水溶性錯塩類の構成成分及びその合成方法につい
て説明する。
i)多価金属 多価金属としては2価以上の陽電価をとり得るものなら
ばいずれでも良く、例えば亜鉛、カドミウム、マンガン
及びジルコニウム等は望ましい金属である。水溶性錯塩
を合成するためには、例えば金属、酸化物、水酸化物、
アルコラートの他、上記無機塩類又は有機塩類における
酸成分との塩等の、多価金属を含有する各種化合物を使
用できる。
ii)揮発性錯化剤 揮発性錯化剤は、揮発性を有する錯化剤であり、例えば
アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等
の揮発性を有するアミンを使用できる。
iii)腐食防止アニオン 腐食防止アニオンは、水溶性錯塩類においてカチオン成
分である多価金属の陽電価を中和するもので、上記無機
塩類又は有機塩類における酸成分におけるアニオンであ
る。好ましい腐食防止アニオンとしては、炭酸、モリブ
デン酸、安息香酸及びp−ヒドロキシ安息香酸における
アニオンがある。水溶性錯塩を合成するためには、腐食
防止アニオンとプロトンからなる酸を用いればよい。
iv)水溶性錯塩類の合成方法 多価金属を含有する化合物、水及び揮発性錯化剤を任意
の順序で添加、撹拌することにより、溶液又はスラリー
状の混合物を調製した後、多価金属の陽電価と当量分に
相当する量の腐食防止アニオンを含有する酸を添加、撹
拌することにより、均一な溶液状の水溶性錯塩が得られ
る。なお、多価金属を含有する化合物とともに添加する
水及び揮発性錯化剤の量は、使用する化合物により異な
るが、水については合成操作が容易になる様適宜調整す
ればよく、揮発性錯化剤の添加量については、多価金属
に対するモル比を表すxが1〜8となるように制御する
ことが好ましい。
上記の防錆剤はいずれも、黒ピンの発生防止に極めて有
効であるが、これらの中でも添加量を少なくしても顕著
な効果が得られ易いことから、有機塩類及び水溶性錯塩
類が好ましい。また、エッチング工程において水洗を行
う場合には、硬化樹脂塗膜の耐水性を低下させないこと
から、水溶性錯塩類が好ましい。
(f)成分の好ましい配合量は、(a)成分,(b)成分及び(c)
成分の合計量を100 部として固形分換算で 0.1〜5部、
より好ましくは0.3 〜3部である。配合量が0.1 部より
少ないと、得られるシャドウマスクに黒ピンが発生し易
くなる。又、5部より多いと、配合物の硬化性が低下す
る、あるいは、耐エッチング性が不足となる等の欠陥が
生じる。
(g) その他の成分。
上記(a)〜(f)の成分の他に、本発明の樹脂組成物の硬化
を紫外線等の照射により行う場合は、組成物に、一般的
に使用されている増感剤、例えば、ベンゾフェノン及び
その誘導体、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテ
ル、ベンジルメチルケタール及び1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製イルガキュ
ア184 )等を配合することができる。
増感剤の配合量は、(a)成分,(b) 成分及び(c) 成分の
合計量を100 部として、1 〜10部とするのが好ましい。
1 部未満では光重合の開始を促進する効果が不十分にな
り、10部を越えると硬化樹脂膜の形成に必要な成分が相
対的にを減少して、硬化樹脂膜に要求される特性が低下
してくることがある。増感剤のより好ましい配合量は、
2 〜8 部である。
本発明の組成物における(a)成分,(b)成分及び(c) 成分
からなる3成分混合物の25℃における粘度は3000cps以
下であって、より好ましい粘度は1000cps 以下であり、
この混合物の粘度は上記(a)〜(c) の各種成分の種類と
配合割合を適宜選択して使用することにより、容易に調
整することができる。25℃における上記3成分混合物の
粘度が3000cpsを越えた場合、半球形凹部を有する材料
の表面を均一に濡らして穴を埋める事が困難になる。
エッチング速度を高めるために腐食液の温度を高くする
と、白ピンが発生することがあるが、これは二次エッチ
ングをする際、硬化樹脂塗膜が軟化するために、腐食液
が硬化樹脂塗膜と金属板凹部の底部との僅かな隙間から
浸入し易くなり、金属板凹部の底部において過剰なエッ
チングが生じるためと考えられる。そこで、本発明の組
成物は、二次エッチングに使用する腐食液の温度で硬化
樹脂塗膜が軟化しないようにするため、硬化樹脂塗膜の
ガラス転移温度を二次エッチングに使用する腐食液の温
度より高くすることが望ましい。組成物のガラス転移温
度は、上記(a) 〜(c) の各種成分の種類と配合割合を適
宜選択して使用することにより、容易に調整することが
できる。
本発明の樹脂組成物を得るには、通常の混合手段により
各成分を均一に混合すればよく、各種成分を混合する順
序、混合装置等に特別の限定はない。なお、室温におい
て固体の成分を混合する場合は、その成分が融解する温
度まで加熱して混合を行うこともできる。
本発明の樹脂組成物を塗布する方法としては、スプレ
ー、フローコート及びディップコート等通常の塗布方法
いずれも用いることができ、その後希釈剤を乾燥等によ
り除去し、樹脂塗膜を形成する。樹脂塗膜を室温以上の
温度に加熱することは、組成物の粘度低下により穴埋ま
り性を高めることができるので、装置等の制限がなけれ
ば、好ましい操作である。本発明組成物の活性エネルギ
ー線照射による硬化及び硬化物のアルカリ処理は、常法
に従って行えば良い。
〔実施例及び比較例〕 次に実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的
に説明する。
なお、組成物及びその硬化物における各種特性の評価は
以下の方法により行った。
<粘度> 25℃における組成物の粘度を、E型粘度計(東京理科製
VISCONIC EMD 型)を用いて測定した。
<穴埋まり性> 一次エッチングを行ったシャドウマスウに本発明の樹脂
組成物を塗布したときの穴埋まり状態を目視により判定
した。
○ 全く気泡が無い。
△ 一部の穴に気泡が有る。
× 全面に気泡が有る。
<表面平滑性> シャドウマスク上に塗布した樹脂組成物を、紫外線の照
射により硬化させた後、硬化物の表面状態、及び膜厚の
均一性を目視にて判定した。
○ 膜厚均一、欠陥無し。
△ 一部、膜厚ムラ及び表面欠陥有り。
× ハジキ或いは凹凸が多数発生した。
<耐エッチング性> 硬化樹脂膜を形成させたシャドウマスクを、濃度40%の
FeCl3 水溶液に60℃で30分間浸漬した後、硬化樹脂膜の
表面状態を目視にて判定した。
○ 全く変化無し。
△ 着色有り。
× 膨らみ或いは剥がれ等が発生した。
<アルカリ溶解・剥離性> 硬化樹脂膜を形成させたシャドウマスクを、濃度20%の
NaOH水溶液に80℃で1分間浸漬した後、硬化樹脂膜の溶
解・剥離性を目視にて判定した。
◎ 完全に溶解・剥離した。
○ 完全には溶解しないが、剥離した。
× 剥離しなかった。
<黒ピンの発生> 本発明の樹脂組成物を用いて、常法に従いシャドウマス
クを製造し、黒ピンの発生を目視にて判定した。
○ 発生無し × 発生有 実施例1 酸化亜鉛5g、水10g、28%アンモニア水25gか
らなるスラリーを作り、これを撹拌しながらp−ヒドロ
キシ安息香酸8gを少しずつ添加し透明な均一溶液とし
た。これを防錆剤Aとする。
(a) 成分としてアクリロイルオキシエチルモノフタレー
ト(東亜合成化学工業株式会社製商品名「アロニックス
M-5400」)を50部、(b) 成分としてアクリロイルモルフ
ォリン(株式会社興人製「ACMO」)を35部及び(c)
成分としてトリメチロールプロパントリアクリレート
(東亜合成化学工業株式会社製商品名「アロニックスM-
309 」)を15部からなる混合物100 部に対し、これを60
℃に加熱しながら、(d) 成分としてメガファックF-177
(大日本インキ化学工業株式会社製)0.1 部、増感剤と
して1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チ
バガイギー社製イルガキュア184 )5 部を溶解混合し室
温まで冷却した後、(e) 成分として、水210 部及びイソ
プロパノール210 部さらに(f)成分として防錆剤A 3部
を混合し、紫外線硬化型樹脂組成物を得た。
実施例2 水酸化亜鉛6g、水10g、28%アンモニア水25g
からなるスラリーを作り、これを撹拌しながらサリチル
酸8gを少しずつ添加し透明な均一溶液とした。これを
防錆剤Bとする。
(f)成分として、防錆剤B3部を用いた他は実施例1 と同
様にして紫外線硬化型樹脂組成物を得た。
実施例3 (f)成分として、亜硝酸ソーダ3部を用いた他は実施例1
と同様にして紫外線硬化型樹脂組成物を得た。
実施例4 (a) 成分及び(b) 成分の配合比率を、表1に示す通りに
変えた他は実施例1 と同様にして紫外線硬化型樹脂組成
物を得た。
実施例5 (f)成分として、ナフテン酸ソーダ3部を用いた他は実施
例1 と同様にして紫外線硬化型樹脂組成物を得た。
比較例1 (c) 成分を配合せず、(b) 成分を増量した以外は実施例
3と同様にして紫外線硬化型樹脂組成物を得た。
比較例2 (e) 成分を配合しなかったこと以外は実施例3と同様に
して紫外線硬化型樹脂組成物を得た。
比較例3 (f) 成分を配合しなかったこと以外は実施例3と同様に
して紫外線硬化型樹脂組成物を得た。
上記実施例1〜3及び比較例1〜3において得た紫外線
硬化型樹脂組成物を、一次エッチングが終了したシャド
ウマスク(穴の直径:100 〜200 μm)に、エアーレス
スプレーを用いて膜厚が200 〜300 μmになるように塗
布した。120 ℃で3 分間乾燥しな樹脂塗膜に対して、80
kW/cm 集光型高圧水銀灯を用いて紫外線を照射し、樹脂
塗膜表面のタックがないことにより、樹脂が硬化したこ
とを確認した。硬化樹脂塗膜の性能を評価したところ表
1に示す結果が得られた。
(ハ) 発明の効果 本発明の組成物は、微細な凹凸を有する材料表面に気泡
を生ずることなく塗布し、希釈剤を乾燥した後、活性エ
ネルギー線の照射によって容易かつ速やかに硬化し、硬
化した後は耐エッチング性と、アルカリ溶解・剥離性を
有する硬化物を形成する低粘度の樹脂組成物であり、例
えばシャドウマスクの製造工程の一段階である、一次エ
ッチング後の裏止め材用樹脂組成物として特に有用なも
のである。本発明により提供される活性エネルギー線硬
化型樹脂組成物を用いて、シャドウマスクを製造するこ
とによって、穴埋まり性、表面平滑性、硬化性、耐エッ
チング性及びアルカリ溶解・剥離性等の特性を満足させ
ることができるばかりでなく、黒ピンの発生をも防止で
きるためシャドウマスクの製造歩留を著しく向上させる
ことができる。
本発明組成物は上記の特長を有するので、シャドウマス
ク製造時の裏止め材用樹脂組成物ばかりでなく、これ以
外の多くの分野、例えば塗料、レジスト、注型材料又は
成形材料として広く利用され得るものであり、その工業
的価値は極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 4/02 PDR 7921−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a),(b),(c),(d),(e) 及び(f)からな
    り、(a),(b) 及び(c) からなる混合物の25℃における
    粘度が3000cps 以下であることを特徴とする活性エ
    ネルギー線硬化型樹脂組成物。 (a) 分子中に、一個のカルボキシル基及び一個のアクリ
    ロイル基或いはメタアクリロイル基を持つ化合物。 (b) 上記(a) 以外の、分子中に一個のアクリロイル基或
    いはメタアクリロイル基を持つ化合物。 (c) ポリオールポリアクリレート或いはメタアクリレー
    ト、ポリエステルポリアクリレート或いメタアクリレー
    ト及びエポキシアクリレート或いはメタアクリレートか
    ら選ばれる、分子中に二個以上のアクリロイル基或いは
    メタアクリロイル基を持つ化合物。 (d) レベリング剤。 (e) 有機溶剤または有機溶剤と水との混合物。 (f) 防錆剤。
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