JPH0651690B2 - 光学活性δラクトン化合物の製法 - Google Patents

光学活性δラクトン化合物の製法

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JPH0651690B2
JPH0651690B2 JP1250228A JP25022889A JPH0651690B2 JP H0651690 B2 JPH0651690 B2 JP H0651690B2 JP 1250228 A JP1250228 A JP 1250228A JP 25022889 A JP25022889 A JP 25022889A JP H0651690 B2 JPH0651690 B2 JP H0651690B2
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洋一 島崎
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアクチノボリンやバクトボリン等のδラクトン
系抗生物質の母核をなす式)9) (式中*は不斉炭素を表わす。) で表わされる光学活性δラクトン化合物を製造する際の
中間体の製法に関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 上記式(9)で表わされるδラクトン化合物の製造に関
しては、ラセミ体についてはR.Cordova等(Tetrahedron
Lett.,25,2945(1984)),K.M.Pietrusiewicz等(J.Or
g.Chem.,53,2837(1988))が報告しているが光学活性体
についてはK.Mori等(Tetrahedron.,41,5295(1985))が
知られているのみである。
光学純度の高い該化合物を容易に収率よく得る方法は未
だ知られていない。
(課題を解決するための手段) 本発明者は上記の点に鑑み、効率よく,ラセミ化を起す
ことなく簡単な反応経路で、収率よくδラクトン化合物
を得る目的で鋭意検討した結果、下記反応経路(II)に
従い、光学活性δラクトン化合物(6)から光学純度の
高い光学活性δラクトン化合物(9)が容易に得られる
ことを見出した。
反応経路(II) 本発明はこの反応経路(II)において得られる中間体の
製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明は 一般式(C) (Rは低級アルキル基,アルケニル基又はベンジル
基、*は不斉炭素を表わす。)で表わされる光学活性δ
ラクトン化合物(C)を製造するに際して、前記一般式
(7)のX′がフェニルチオ基である原料化合物を用い
る場合、下記(I)、(II)、(III)及び(IV)の工
程によって製造する方法、即ち、 (I)式(7−1)化合物と一般式(8) ROCO
CH=PZRで表わされるp−イリド(但し、一般式
(8)中、Zは酸素、(OR又は(C
、RはOR又はCを表わし、R
は一般式(C)のRと同じ基を表わす)を反応させて
式(B−1)化合物を製造する工程 (II)式(B−1)化合物の二重結合を還元して式(B
−2)化合物を製造する工程 (III)式(B−2)化合物のフェニルチオ基を還元し
て式(B−3)化合物を製造する工程 (IV)式(B−3)化合物のニトリル基を加水分解し、
次いでδラクトン環を形成させて式(C)化合物を製造
する工程 及び上記(I)、(II)の工程と下記(V)、(VI)の
工程によって化合物(C)を製造する方法を提供するも
のであり、 (V)式(B−2)化合物のニトリル基を加水分解し、
次いでδラクトン環を形成させて式(C−1)化合物を
製造する工程 (VI)式(C−1)化合物のフェニルチオ基を還元して
式(C)化合物を製造する工程 (C−1)化合物→(C)化合物 更に、また前記一般式(7)のX′が水素原子である原
料化合物を用いる場合、下記(I′)、(II′)及び上
記(IV)の工程によって化合物(C)を製造する方法を
提供するものである。
(I′)式(7−2)化合物と一般式(8)ROCO
CH=PZRで表わされるp−イリド(但し、一般式
(8)中、Zは酸素、(OR又は(C
、RはOR又はCを表わし、R
は一般式(C)のRと同じ基を表わす)を反応させて
式(B−4)化合物を製造する工程 (II′)式(B−4)化合物の二重結合を還元して式
(B−3)化合物を製造する工程 (IV)式(B−3)化合物のニトリル基を加水分解し、
次いでδラクトン環を形成させて式(C)化合物を製造
する工程 但し、上記各一般式において、R及び*は一般式
(C)のR及び*と同じ意味を表わし、Sphはフェ
ニルチオ基を表わす。
一般式(C)で表わされる化合物(C)のRとして
は、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチ
ル,t−ブチル,ペンチル基等炭素数1〜5のアルキル
基、アリル,2−メチルアリル,2−ブテニル,3−ブ
テニル,2−ペンテニル基等炭素数3〜5のアルケニル
基又はベンジル基を挙げることができる。
本発明の化合物(C)は化合物(6)から化合物(B)
を経て合成され、化合物(6)は、反応経路(I)に従
って、グリシジルエーテル(2)から合成される。
すなわち、光学活性なα,β不飽和δラクトン化合物
(6)は、既に本発明者らにより開示された方法(有機
合成化学協会誌45巻,1157頁(1987))によりグリシジル
エーテル(2)から、反応経路(I)に示すようにして
製造することができる。
反応経路(I) 反応経路(I)においてRは容易に脱離可能な保護基
を表わし、具体的にはベンジル,p−メトキシベンジ
ル,p−クロルベンジル基等のアラルキル基、メトキシ
メチル,t−ブトキシメチル,1−エトキシエチル,1
−イソプロポキシエチル基等のアルキルオキシアルキル
基、アリル,メタリル基等のアルケニル基又はテトラヒ
ドロフラニル,テトラヒドロピラニル基等の環内に異項
原子を含むシクロアルキル基を表わす。またRはn−
ブチル,イソブチル,t−ブチル,メチルなどの低級ア
ルキル基を表わす。*は不斉炭素を表わす。
前記反応経路(II)において、Xは水酸基、フェニルチ
オ基若しくは−ORを、Yは水素原子若しくは−CO
を表わす。X′とR及びRは上記と同一のも
のを表わす。
以下詳細反応経路(IIa),(IIb)に従って、この化
合物(6)より出発して化合物(B)より本発明の化合
物(C)を合成する方法を詳細に説明する。
詳細反応経路(IIa) 詳細反応経路(IIb) a)δラクトン化合物Aの合成 光学活性α,β不飽和δラクトン化合物(6)に不活性
溶媒、例えばテトラヒドロフラン,エチレングリコール
ジメチルエーテル,トルエン,ジメチルホルムアミドな
どの溶媒中シアノ酢酸エステル(式CH(CN)CO
中のRは前記と同一のものを表わす。)のアニ
オンを1,4−付加させて化合物(A−1)(X=O
,Y=CO)を合成し、これから工程1)エ
ステルの加水分解と脱炭酸,工程2)保護基の脱離,工
程3)生じた水酸基のフェニルチオ基への変換を行い、
化合物(A−4)(X=SC,Y=Hを合成す
る。
1)エステルの加水分解と脱炭酸,2)保護基の脱離,
3)生じた水酸基のフェニルチオ基への変換の工程の順
序は1)→2)→3)でも2)→1)→3)でも、→
2)→3)→1)でも良い。1),2),3)の工程は
各々それ自体公知の方法によって行うことができる。
工程1)はアルカリあるいは酸触媒を用い、含水溶媒中
で加熱還流して行う。アルカリとしては炭酸ナトリウ
ム,炭酸カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム
などを用いることができる。酸としては硫酸,塩酸,臭
化水素酸,リン酸などの鉱酸あるいは塩化マグネシウ
ム,塩化亜鉛,硫酸銅などのルイス酸を用いることがで
きる。溶媒としては極性溶媒,例えばメタノール,エタ
ノール,イソプロピルアルコール,アセトニトリル,ア
セトン,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド
などが使用できる。
工程2)の保護基の脱離は選択させるRにより適宜種
々の方法を使いわけることができる。例えばRがベン
ジル,アリル基のときはパラジウム触媒を用いて水素化
分解あるいは異性化分解の手法が、メトキシメチルや1
−エトキシエチルの場合は鉱酸や有機酸,ルイス酸を用
いて含水溶媒中で加水分解する手法が使用できる。水酸
基をフェニルチオ基に変換する工程3)はトリフェニル
ホスフィン,トリ−n−ブチルホスフィン,1,2−ビス
(ジフェニルホスフォ)エタンなどの三級ホスフィンの
存在下ジフェニルスルフィドと原料のアルコールをピリ
ジン,トリエチルアミンなどを溶媒として反応させるこ
とにより達成できる。
また化合物(A−1)(X=OR,Y=CO
を工程2)→3)→1)の経路で反応させると化合物
(A−5)(X=OH,Y=CO)(A−6)
(X=SC,Y=CO)を経て化合物(A
−4)(X=SC,Y=H)に導くこともでき
る。
化合物(A−1)(X=OR,Y=CO)から
化合物(A−4)(X=SC,Y=H)への変換
の具体例を以下に示すが、製法はこの具体例に限られる
ものではない。
化合物(A−1)(X=OBn,Bnはベンジル基を示
す。Y=CO)を塩化マグネシウムとジメチ
ルアセトアミド中で加熱し、加水分解・脱炭酸し、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで分離,精製し、化合
物(A−2)(X=OBn,Y=H)のトランス体,シ
ス体を各々得ることができる。このものをパラジウム触
媒を用い、水素化分解し、化合物(A−3)(X=O
H,Y=H)とし、トリ−n−ブチルホスフィン,ジフ
ェニルスルフィドとピリジン中で反応させて化合物(A
−4)(X=SC,Y=H)を得る。
b)ヘミアセタール化合物(7)の合成 化合物(A−4)(X=SC,Y=H)をジイソ
ブチルアルミニウムハイドライドなどの水素化アルミニ
ウム試剤で還元するとヘミアセタール(7−1)が得ら
れる。反応はテトラヒドロフラン,エチレングリコール
ジメチルエーテル,ジオキサンなどの不活性溶媒中、0
〜−80°の低温で行う。化合物(7−2)(X′=H)
は化合物(7−1)(X′=−SC)をラネーニ
ッケルを用いて還元することにより得られる。
本発明は、このようにして得られた新規化合物光学活性
ヘミアセタール化合物(7)を原料とし、従来品と何ら
遜色のない光学純度を有する、δラクトン系抗生物質の
母核をなす式(9)の化合物を製造するための中間体の
製法を提供するものである。以下その製法を詳細に説明
する。
C)カルボン酸エステル化合物Bの合成 化合物(7−1)を一般式ROCOCH=PZR
(8)で表わされるp−イリド(式(8)でZは酸
素,(ORまたは(Cを、RはOR
またはCを、Rは前記と同一のものを表わ
す。)と反応させて化合物(B−1)(D−E;CH=
CH,X′=SC)を得る。化合物(B−1)か
ら化合物(C−2)(X′=H)へは工程4)二重結合
の還元,工程5)フェニルチオ基の還元,工程6)ニト
リルの加水分解,工程7)δラクトン環への閉環の4つ
の工程を行うことにより達成できる。尚、化合物(7−
2)(X′=H)を原料とした場合は工程5)は必要な
い。
この場合、前記反応経路(IIb)において、化合物(B
−1)の代りに(B−1)のフェニルチオ基が水素原子
に置き換わった、即ち、前記一般式(B)のX′=Hの
化合物(B−4)が得られる。
この4つの工程は工程7)のまえに工程6)を行う事を
除き、各々独立しており、どの順序で行ってもよい。ま
た4),5)の工程、6),7)の工程を同時に行うこ
ともできる。各々の工程はそれ自体公知の方法により行
うことができる。すなわち、工程4)二重結合の還元は
亜鉛−酢酸あるいはパラジウム,白金,ラネーニッケル
等による接触水素化により行うことができ、工程5)の
フェニルチオ基の還元はラネーニッケルによる接触還元
で達成できる。工程6)のニトリルの加水分解は塩酸,
硫酸,臭化水素酸などの鉱酸を用いるか水酸化ナトリウ
ム,水酸化カリウムなどの塩基を用いて含水溶媒中で加
熱すれば達成できる。また工程7)のδラクトン環への
閉鎖はニトリルの加水分解で生じたカルボン酸を酸処理
すれば達成できる。これらの各工程を適宜選択すれば望
ましい生成物を選択的に得ることができる。
例えば化合物(B−1)(D−E;CH=CH,X′=
SC)を亜鉛−酢酸で還元すると化合物(B−
2)(D−E;CHCH,X′=SC)が得
られ、化合物(B−1)(D−E;CHCHX′=
SC)をラネーニッケルで還元するとフェニルチ
オ基の還元と二重結合の還元が同時におこり、化合物
(B−3)(D−E;CHCH,X′=H)が得ら
れる。
d)δラクトン化合物Cの合成 上記化合物(B−3)のニトリル基を水酸化ナトリウム
存在下、エタノール中加熱還流して加水分解し、生じた
カルボン酸を塩酸で処理してδラクトン化合物(C−
2)(X′=H,R=H)とし、低級アルコールと酸
触媒存在下で反応させるか、ジアゾメタンと反応させエ
ステル化して化合物(C−2)(X′=H)とする。工
程5)のフェニルチオ基の還元は化合物(B)から
(C)への変換の際行う代りに化合物(C)から(9)
への変換の際に行っても良い。この場合は化合物(B)
から(C)への工程4)を亜鉛−酢酸もしくはパラジウ
ムや白金による水素化で行い、工程6),7)を前述の
方法で行って化合物(C−1)(X′=SC)を
得、これをラネーニッケルで水素化し、化合物(C−
2)(X′=H)としたのち最後の分子内縮環反応を行
う。
ここで得られたδラクトン化合物(A),ヘミアセター
ル化合物(7),カルボン酸エステル化合物(B)はい
ずれも文献未記載の新規化合物であり、これより得られ
たδラクトン化合物(C)は次に述べる光学純度の高い
δラクトン化合物(9)を製造する上で重要な中間体で
ある。
本発明の化合物Cは前記反応経路(II)に従って、光学
活性δラクトン化合物(9)とすることができる。以下
順に説明する。
e)δラクトン化合物(9)の合成 化合物(C−2)(X′=H)の分子内縮環反応は不活
性溶媒、例えばテトラヒドロフランやエチレングリコー
ルジメチルエーテル,t−ブタノール,ジメチルホルム
アミドなどを用い、カリウム−t−ブトキシド,水素化
ナトリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなどの
塩基と反応させて公知の目的物質,光学活性δラクトン
化合物(9)を光学純度よく高収率で得る事ができる。
(発明の効果) 本発明の光学活性化合物はδラクトン系抗生物質の母核
をなす化合物を製造する際の中間体として重要な化合物
であって、この化合物を用いることにより光学純度の高
いδラクトン化合物(9)を効率よく製造することがで
きる。
(実施例) 以下具体例を実施例にもとづき、述べる。
実施例1 1)化合物(A−1)の合成 (Bnはベンジル基,Etはエチル基を表わす。以下同
じ。) アルゴン気流下、シアノ酢酸エチルエステル1.24g(11
mM)を鉱油でけんだくした60w/w%の水素化ナトリウ
ム440mg(11mM)のテトラヒドロフラン15mlけんだく液
中に氷冷下で加え10分間室温で攪拌した。次にS体の
α,β不飽和δラクトン(6)2.0g(9.17mM)のテトラ
ヒドロフラン溶液5mを氷冷下でゆっくり加え、同温
で1時間攪拌した。反応液をジエチルエーテル50mで
希釈し、10%塩酸を加え中和し、分液し、有機層を飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧
下溶媒を留去すると、1,4−付加体(A−1)が黄色油
状物質として3.5g得られた。 HNMR(CDC) δ:1.32(3H,t,J=7.1Hz) 2.0(2H,m) 2.60(2H,m) 2.90(1H,m) 3.60(3H,m) 4.30(2H,q,J=7.1Hz) 4.56(2H,s) 4.60(1H,m) 7.33(5H,s) IR(neat) 2940,2250,1740,740,700cm-1 MS m/e 332(M+1),91(100%) 2)化合物(A−2)の合成 アルゴン気流下、上記1,4−付加体(A−1)3.5gを水
10滴,塩化マグネシウム6水塩1.86g(9.17mM)とジメ
チルアセトアミド30m中で170℃、12時間加熱還流
し、室温にもどしたのち、水とジエチルエーテルを加
え、抽出分離し、水層は塩酸で酸性にしたのち酢酸エチ
ルで抽出した。有機層をあわせて無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、減圧下溶媒を留去し、残渣をベンゼン50m
にとかし、12時間加熱還流した。次に反応液を減圧下溶
媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、エーテル:ヘキサン(100:1v/v)流出
し、3R,5Sのδラクトン化合物(A−2)を無色油状物
質として1.47g((6)より62%)得た。更にエーテル
で溶出して3S,5Sのδラクトン化合物(A−2)185mg
((6)より7.8%)を得た。3R,5Sのδラクトン化合物
(A−2)のデータは次の通り。 HNMR(CDC) δ:1.7〜2.9(7H,m) 3.65 (2H,d,J=4.4Hz) 4.58 (2H,s) 4.6 (1H,m) 7.33 (5H,s) IR(neat) 2940,2250,1740,742,700cm-1 MS m/e 259(M),91(100%) 3)化合物(A−3)の合成 上記3R,5S体のδラクトン化合物(A−2)1.38g(5.3
3mM)を酢酸エチル40mにとかし、水酸化パラジウム1
80mg,濃塩酸1滴を加え水素ガス雰囲気下室温で3時間
攪拌した。反応液をセライトろ過し、減圧下溶媒を留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、酢酸エチル留分より化合物(A−3)を無色油状物
質として866.7mg得た。収率96% HNMR(CDC) δ:1.65〜3.1(8H,m) 3.78 (2H,m) 4.57 (1H,sextet,J=4.4Hz) IR(neat) 3330,2250,1735cm-1 MS m/e 170(M+1),138(100%) 4)化合物(A−4)の合成 (phはフェニル基を、Buはブチル基を表わす。以下
同じ。) アルゴン気流下、上記化合物(A−3)50mg(0.296m
M),ジフェニルジスルフィド193mg(0.888mM),トリ
−n−ブチルフォスフィン0.22m(0.888mM)をピリ
ジン2mに加え、室温で12時間攪拌する。反応液を酢
酸エチル30mで希釈し、10%塩酸で洗浄し、次いで飽
和硫酸銅水溶液,飽和重曹水,飽和食塩水の順に洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、エーテル留分より、フェニルスルフィド(A−4)
71mg(92%)を得た。 HNMR(CDC) δ:1.85〜2.75(7H,m) 2.94 (1H,dd,J=14.5,9.0Hz) 3.30 (1H,dd,J=14.5,5.8Hz) 4.45 (1H,tt,J=0.9,5.8Hz) 7.30 (5H,m) IR(neat) 2930,2250,1740,740,695cm-1 MS m/e 261(M),123(100%) 5)化合物(7−1)の合成 アルゴン気流下、上記フェニルスルフィド(A−4)98
4mg(3.77mM)のテトラヒドロフラン溶液25に−30℃
攪拌下ジイソブチルアルミニウムハイドライドの2Mト
ルエン溶液2m(4mM)をゆっくり加え、−30℃で10
分間攪拌した。反応液に10%NaOH水溶液を少量加
え、室温で2時間攪拌し、セライトろ過した後、減圧下
溶媒を留去し、ヘミアセタール(7−1)986mgを得
た。 HNMR(CDC) δ:1.5〜1.9(4H,m) 2.2〜2.5(2H,m) 2.7(1H,m) 2.9〜3.6(2H,m) 3.7〜4.4(1H,m) 5.0〜5.4(1H,m) 7.2〜7.45(5H,m) IR(neat) 3400,2910,2250,745,695cm-1 MS m/e 263(M),124(100%) 6)化合物(B−1)の合成 アルゴン気流下、上記ヘミアセタール(7−1)986mg
(3.75mM)の塩化メチレン溶液20mにトリフェニルフ
ォスフィンのエトキシカルボニルメチルイリド3.9g(1
1.25mM)を加え、室温で15時間攪拌する。反応液を減圧
下溶媒留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、エーテル:ヘキサン(3:1v/v)留分
より5−シアノメチル−7−ヒドロキシ−8−フェニル
チオオクタ−2−エノイックアシッドエチルエステル
(B−1)を1.03g(82%)無色油状物質として得た。 HNMR(CDC) δ:1.29 (3H,t,J=7.1Hz) 1.60 (2H,m) 2.0〜2.7(5H,m) 2.68 (1H,dd,J=13.9,8.8Hz) 3.15 (1H,dd,J=13.9,3.7Hz) 3.70 (1H,m) 4.90 (2H,q,J=7.1Hz) 5.90 (1H,d,J=15.6Hz) 6.80 (1H,dt,J=15.6,7.1Hz) IR(neat) 3450,2910,2250,1910,1650,740,690cm-1 MS m/e 333(M),124(100%) 7)化合物(B−3)の合成 (Meはメチル基を表わす。以下同じ。) 上記化合物(B−1)87mg(0.26mM)のエタノール1m
溶液にラネーニッケル0.6mMのエタノール溶液0.6m
を加え、90℃で20分加熱還流した後、反応液をセライト
ろ過し、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し、エーテル:ヘキサン(7:
1v/v)留分より化合物(B−3)37.2mg(63%)を
無色油状物質として得た。 HNMR(CDC) δ:1.23 (3H,d,J=6.3Hz) 1.26 (3H,t,J=7.1Hz) 1.4〜1.8 (7H,m) 1.95 (1H,m) 2.33 (2H,t,J=6.6Hz) 2.48 (2H,d,J=5.4Hz) 3.90 (1H,m) 4.14 (2H,q,J=7.1Hz) IR(neat) 3400,2250,1725cm-1 MS m/e 228(M+1),164(100%) 8)化合物(C−2)の合成 アルゴン気流下、上記化合物(B−3)250mg(1.1mM)
を30%水酸化カリウム水溶液1m,エタノール8m
にとかし、12時間加熱還流した。反応液にエーテル30m
,水20mを加え、抽出分離し、水層に濃塩酸を加え
酸性とし、塩化メチレンで抽出した。有機層をあわせて
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し
た。残渣を塩化エチレンでとかし、ジアゾメタンのエー
テル溶液を加えてメチルエステルとした。これを減圧下
溶媒留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、エーテル:ヘキサン(1:1v/v)留分よ
り(C−2)192.1mg(82%)を無色結晶として得た。
mp 72.5〜73℃ HNMR(CDC) δ:1.38 (3H,d,J=6.3Hz) 1.1〜2.9 (11H,m) 3.68 (3H,s) 4.4 (1H,m) IR(CHCl3) 2900,1720cm-1 MS m/e 215(M+1),74(100%) 合成例 化合物(9)の合成 アルゴン気流下、化合物(C−2)178mg(0.83mM)の
テトラヒドロフラン溶液2mをカリウム−t−ブトキ
シド289.5mg(2.68mM)のテトラヒドロフランけんだく
液8mに室温で加え、更に同温度で10分間攪拌した。
反応液に水20m,エーテル30mを加え、抽出分離し
た。水層を濃塩酸で酸性とし、塩化メチレンで抽出し、
有機層をあわせて無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、
減圧下で溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、エーテル:ヘキサン(1:5v/
v)留分より化合物(9)106mg(70%)を無色針状晶
として得た。
mp 121〜122℃ (Iit.mp120〜121℃,F.H.Stodola,et al.Biochem.J.,9
3,92(1964)) [α]27 D+18.1°(c=1.03,エタノール) (Iit.[α]D+18.2°(c=1.15,エタノール,K.Mori,
et al.Tetrahedron,41,5295(1985))

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(I)、(II)、(III)及び(IV)
    の工程によって製造されることを特徴とする下記一般式
    (C)で表わされる光学活性δラクトン化合物の製法。 但し、下記一般式(C)、(7−1)、(B−1)、
    (B−2)及び(B−3)において、Rは低級アルキ
    ル基,アルケニル基又はベンジル基、Sphはフェニル
    チオ基、*は不斉炭素を表わす。 (I)式(7−1)化合物と一般式(8)ROCOC
    H=PZRで表わされるp−イリド(但し、一般式
    (8)中、Zは酸素、(OR又は(C
    、RはOR又はCを表わし、R
    は一般式(C)のRと同じ基を表わす)を反応させて
    式(B−1)化合物を製造する工程 (II)式(B−1)化合物の二重結合を還元して式(B
    −2)化合物を製造する工程 (III)式(B−2)化合物のフェニルチオ基を還元し
    て式(B−3)化合物を製造する工程 (IV)式(B−3)化合物のニトリル基を加水分解し、
    次いでδラクトン環を形成させて式(C)化合物を製造
    する工程
  2. 【請求項2】下記(I)、(II)、(III)及び(IV)
    の工程によって製造されることを特徴とする下記一般式
    (C)で表わされる光学活性δラクトン化合物の製法。 但し、下記一般式(7−1)、(B−1)、(B−
    2)、(C)及び(C−1)において、Rは低級アル
    キル基,アルケニル基又はベンジル基、Sphはフェニ
    ルチオ基、*は不斉炭素を表わす。 (I)式(7−1)化合物と一般式(8) ROCO
    CH=PZRで表わされるp−イリド(但し、一般式
    (8)中、Zは酸素、(OR又は(C
    、RはOR又はCを表わし、R
    は一般式(C)のRと同じ基を表わす)を反応させて
    式(B−1)化合物を製造する工程 (II)式(B−1)化合物の二重結合を還元して式(B
    −2)化合物を製造する工程 (V)式(B−2)化合物のニトリル基を加水分解し、
    次いでδラクトン環を形成させて式(C−1)化合物を
    製造する工程 (VI)式(C−1)化合物のフェニルチオ基を還元して
    式(C)化合物を製造する工程 (C−1)化合物→(C)化合物
  3. 【請求項3】下記(I′)、(II′)及び(IV)の工程
    によって製造されることを特徴とする下記一般式(C)
    で表わされる光学活性δラクトン化合物の製法。 但し、下記一般式(C)、(B−3)及び(B−4)に
    おいて、Rは低級アルキル基,アルケニル基又はベン
    ジル基、*は不斉炭素を表わす。 (I′)式(7−2)化合物と一般式(8)ROCO
    CH=PZRで表わされるp−イリド(但し、一般式
    (8)中、Zは酸素、(OR又は(C
    、RはOR又はCを表わし、R
    は一般式(C)のRと同じ基を表わす)を反応させて
    式(B−4)化合物を製造する工程 (II′)式(B−4)化合物の二重結合を還元して式
    (B−3)化合物を製造する工程 (IV)式(B−3)化合物のニトリル基を加水分解し、
    次いでδラクトン環を形成させて式(C)化合物を製造
    する工程 (B−3)化合物→(C)化合物
  4. 【請求項4】一般式(C)において、Rがメチル,エ
    チル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチル,
    ペンチル基からなる低級アルキル基,アリル,2−メチ
    ルアリル,2−ブテニル,3−ブテニル,2−ペンテニ
    ル基からなるアルケニル基及びベンジル基の中から選ば
    れることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    光学活性δラクトン化合物の製法。
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Tetrahedron44(11)(1988)P.3271−3280

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