JPH0650094Y2 - スキッド台車の受駒位置切替装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、搬送ライン上を走行するスキッド台車を位
置決めした状態で、スキッド台車上に移動可能に設けた
ワーク受駒の位置をワークの種類に応じて外部から切替
操作するスキッド台車の受駒位置切替装置に関する。

［従来の技術］ 従来、例えば、自動車等の組立ラインにおいて、同搬送
路に沿って移動されるスキッド台車上にアンダーボデー
を位置決め固定する場合、このアンダーボデーの長さが
車種により異なることから、車種切替の際、同アンダー
ボデーを支持する受駒を移動して対処するもので、従
来、この種の装置としては第５図に示すように移動可能
に設けられたスキッド台車１の上面にレール２が敷設さ
れ、同レール２にはスライドユニット４を介してスライ
ドフレーム３が設けられ、このスライドフレーム３上に
は自動車のアンダーボデーを支持する受駒５が立設され
ている。また、スライドフレーム３の側面3aには連結ブ
ッシュ６が設けられ、また、同フレーム３の側面3b側に
は位置決め用爪７がピン８を介して枢着されるととも
に、このロック用爪７と側面3b間には図示のようにスプ
リング９が弾着され、同ロック爪７はスキッド台車１上
の所定位置に立設した位置決めブラケット10と係脱可能
に設けられ、このロック用爪７はスプリング９のピン８
に対するターンオーバ作用によりロック位置とアンロッ
ク位置に保持される。このように設けられたスキッド台
車１の搬送路側方には受駒５の位置切替作動部11が並設
されている。

12は位置切替作動部11の基台であって、同基台12上には
所定長さのレール13が敷設され、同レール12上にはスラ
イドユニット14を介してスライドフレーム15が設けら
れ、このスライドフレーム15上にはスキッド台車１上の
位置決めブラケット10と係合したロック用爪７の係合爪
7aと対向状にロック解除用シリンダ16が設けられ、この
シリンダ16と所定の間隔を隔てた位置には所定高さの台
座17が設けられ、同台座17上にはロック解除用シリンダ
16の上方へ延出する支板18が取付けられ、この支板18の
ロック解除用シリンダ16の上方となる位置には、位置決
めブラケット10と係合したロック用爪７の上端部と対向
状にロック用シリンダ19が取付けられ、このロック用シ
リンダ19より所定の距離を隔てた位置にはスライドフレ
ーム３に設けた連結ブッシュ６に嵌脱可能に連結する連
結ピン21を有する連結用シリンダ20が設けられている。
このように各シリンダ16,19,20を配設したスライドフレ
ーム15は切替用シリンダ22に連結されて同シリンダ22の
作動によりレール13に沿って往復動するように構成され
ている。

このように構成された装置において、受駒５の位置を切
替えるには （１）まず、連結用シリンダ20を伸長作動して連結ピン
21をスライドフレーム３の連結ブッシュ６に挿入連結す
る。

（２）次に、ロック解除用シリンダ16を伸長作動してロ
ッド16aの先端でロック用爪７の係合爪7aを押して位置
決めブラケット10より離脱してアンロック位置に保持し
た後、短縮作動される。

（３）しかる後、切替用シリンダ22が作動されてスライ
ドフレーム３はスライドフレーム15と一体に移動され、
受駒５は切替位置に移動される。

（４）切替位置において、ロック用シリンダ19が伸長作
動され、アンロック位置に保持されたロック用爪７の上
端部を押すとロック用爪７はピン８を中心として回動さ
れて切替位置の図示しない別の位置決めブラケット10と
係合され、ロック用シリンダ19は短縮作動される。

（５）そして、連結用シリンダ20が短縮作動されて連結
ピン21は連結ブッシュ６より離脱されて受駒５の位置切
替を完了する。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、上記従来の構成のものでは、位置決めロ
ック用爪７のロック解除をロック解除用シリンダ16で、
ロックをロック用シリンダ19で、またスライドフレーム
３との連結を連結用シリンダ20でそれぞれ独立的に行な
うものであるからサイクルタイムが多くなり、また、別
機構のため動作確認を必要とし、さらには、故障の素因
が多くなる等の問題点があった。

本考案は、上記従来の問題点を解決すべくなされたもの
で、１本の作動シリンダの１動作により連結・ロック解
除及び連結解除・ロックを行なうことのできるスキッド
台車の受駒位置切替装置を提供することを目的とするも
のである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上記技術課題を解決するため搬送ライン上を
走行可能なスキッド台車を位置決めした状態で、スキッ
ド台車に移動自在に設けられたワーク受駒の位置をワー
クの種類に応じて外部から切替操作するためのスキッド
台車の受駒位置切替装置において、上記ワーク受駒をワ
ークの種類に応じた複数位置に位置固定するロック装置
を、上記受駒の移動方向に沿ってスキッド台車本体に配
設した複数の位置決め部材と、受駒に固着したブラケッ
ト及びこのブラケットに受駒の移動方向と平行な軸によ
り回動自在に枢支され、かつスプリングにより常時上記
位置決め部材と嵌合する方向に付勢されたロック片で構
成するとともに、ロック片にはカムフォロアを突設し、
一方、スキッド台車外には上記ロック装置に対応して、
上記受駒の移動方向と直交する方向へのシフト動作によ
り、上記ロック片のカムフォロアと係合してロック片を
位置決め部材から離脱させる方向に回動させるロック解
除フック及び上記ブラケットと連結し得る連結フック
と、これらロック解除フック及び連結フックを一体的に
上記受駒の移動方向に駆動する駆動装置を設置してなる
スキッド台車の受駒位置切替装置に存する。

［作用］ 本考案は、上記の構成としたことにより、ロック解除フ
ックと連結フックとを一体に往動動作することで、スラ
イドフレームのロック装置のロック片とスキッド台車の
位置決め部材とのロックを解除し、かつロック装置と駆
動装置とを連結し、ロック解除フックと連結フックとの
復動動作でロック装置と位置決め部材とをロックし、か
つロック装置と駆動装置との連結を解除するように作用
する。

［実施例］ 次に、本考案の一実施例を図面にしたがって説明する
と、図中１は従来と同様に搬送路に沿って移動可能に設
けられたスキッド台車であって、同スキッド台車１の上
面にはレール２が敷設され、このレール２上にはスライ
ドユニット４を介してスライドフレーム３が移動可能に
設けられ、このスライドフレーム３の所定位置にはアン
ダーボデーＷをセット可能に位置決め基準ピン25を有す
る受駒５が固定ブラケット5aを介して立設されている。
また、スキッド台車１の複数の所定位置には車両の種類
によるアンダボデーＷに応じて受駒５の位置を切替設定
するための位置決めブラケット26（本実施例ではアンダ
ーボデーＷがロングの場合の受駒５のスキッド台車１に
対する位置Ａとショートの位置Ｂの２か所に設定するた
めａ位置とｂ位置とに設けて例示した）が立設され、こ
のブラケット26は所定の高さを有し、その上端は２股状
に形成されて後述のロック片34の係合爪35と係合する係
合溝27が形成されている。

28はスライドフレーム３上に設けられたロック装置であ
って、受駒５より所定の距離を隔てた位置に設けられて
スキッド台車１上の位置決めブラケット26a,26bとロッ
クすることで受駒５をＡ位置とＢ位置とに切替設定する
もので、このロック装置28は連結ブラケット29とロック
片34とからなり、この連結ブラケット29は略三角形状の
対をなす支持片30a,30bが所定の間隔で一体状に形成し
た取付片31を介してスライドフレーム３に取付けられ、
この両支持片30a,30bの垂直状の前縁32の所定高さ位置
にはそれぞれ対応して所定の張出幅で連結片33が突出形
成されている。

34はロック片であって、連結ブラケット29の左右の支持
片30の上端部間に軸40を介して枢着され、このロック片
34の下端部側にはスキッド台車１に立設した位置決めブ
ラケット26に係合可能に係合爪35が形成され、また、上
端部側には連結ブラケット29の連結片33より若干長く延
出する作動アーム36が延出形成され、この作動アーム36
の先端側には一側方（図示では支持片30a側）へ延出す
る所定長さのピン37が取付けられるとともに、同ピン37
の先端にはカムフォロア38が枢着されている。また、こ
のロック片34の背部39の所定位置には側方（図示では支
持片30a側）へ突出する略かぎ形状のピン41が取付けら
れ、このピン41と連結ブラケット29の支持片30aの下部
側の所定位置に螺着したボルト42との間にはスプリング
43が掛着されてロック片34は軸40を中心として位置決め
ブラケット26側へ付勢されている。

45はスキッド台車１の搬送路に並設された駆動装置であ
って、その基台46上にはレール47がスキッド台車１に敷
設したレール２と平行に敷設され、同レール47上にはス
ライドユニット48を介して移動架台49が移動可能に設け
られている。この移動架台49は水平状の基板50とこの基
板50に対し左右の側板51を介して所定の角度αでロック
装置28側に向って上斜状にガイド板52が一体状に設けら
れ、このガイド板52の上面にはレール47と直交する方向
に所定長さのガイドレール53が敷設され、同レール53上
にはスライドユニット54を介して支板55が移動可能に設
けられている。このように設けられた支板55の所定位
置、すなわち連結ブラケット29の一方の支持片30aと対
応する位置にはガイドレール53と同方向に、かつ支板55
に対し垂直状に取付片56が補強板57を介して立設され、
この取付片56の両側面にはロック解除フック58と連結フ
ック62とが取付けられている。

このロック解除フック58は支板55の移動によりロック装
置28のカムフォロア38に指向して移動してカムフォロア
38を転動案内してロック片34と位置決めブラケット26と
の係合を解除するもので、その先端側は上片59と下片60
との二又状に形成されるとともに、両片59,60間には略
く字形状のカム溝61が形成され、上片59の先端59aは先
細状に形成されて支板55が前進移動した際、カムフォロ
ア38の上方位置となって同カムフォロア38を押え込み、
これと連続する傾斜カム面59bにより押え込み案内する
ように形成されている。また、取付板56の反対側面には
所定長さの板状の連結フック62が取付けられ、支板55が
前進移動した際、その先端が連結ブラケットの左右の支
持片30a,30bに形成した連結片33間に挿入連結するよう
に設けられている。このようにフック58,62を取付けた
ガイド板52の後部（傾斜下方端部）にはブラケット63を
介して作動シリンダ64が枢着され、同シリンダ64のピス
トンロッド65の先端は支板55に取付けた取付部材66に枢
着されている。また、移動架台49の一側の基台46上には
切替用シリンダ67が設けられ、そのピストンロッド68は
移動架台49の側板51に取付けられて、同移動架台49をス
キッド台車１上の位置決めブラケット26a,26bとの対応
する位置に移動可能に設けられている。

なお、図中69は基板50の下面の所定位置に取付けられた
ストッパー部材で、基台46上に位置決めブラケット26a,
26bと対応する所定位置に突出形成した突起部材70a,70b
と当接することでロック片34を位置決め部材26a,26bと
対設する位置に停止する。

本考案は、上記のように構成されたものであるから、受
駒５の位置を例えば図示実線で示すロングのアンダボデ
ーＷを保持するＡ位置よりショートのアンダボデーＷを
保持するＢ位置に切替えるには、まずスキッド台車１を
位置決めした状態で切替用シリンダ67を作動して移動架
台49をスキッド台車１上の位置決めブラケット26aとロ
ックしたロック位置28と対応する位置に移動する。しか
る後、作動シリンダ64を伸長作動すると支板55はガイド
板52の傾斜に沿って移動され、支板55上のロック解除フ
ック58及び連結フック62はカムフォロア38及び連結片33
間に指向して移動され、まずロック解除用フック58の上
片59の先端59a下面にカムフォロア38が当接され、さら
に伸長作動されると同カムフォロア38は傾斜カム面59b
を転動案内される。これにより同カムフォロア38を取付
けた作動アーム36は軸40を中心として図示時計方向へ回
動するとともに、同作動アーム36を一体に設けたロック
片34も軸40を中心として時計方向へ回動される。このロ
ック片34の回動により同下端部の係合爪35と位置決めブ
ラケット26aの係合溝27との係合が解除され、カムフォ
ロア38がカム溝61の端部に納められた状態で連結フック
62の先端は連結ブラケット29の連結片33との間に収めら
れて移動架台49とスライドフレーム３とは連結される。
この状態で切替用シリンダ67を作動すると連結フック62
を介してスライドフレーム３を連結押送し移動架台49を
ショート位置での位置決めブラケット26bと対応する位
置へ移動する。これによりロック装置28は位置決めブラ
ケット26bと対設される。そして作動シリンダ64を短縮
作動すると連結フック62は後退されて連結片33間より離
脱するとともに、ロック解除フック58も後退され、これ
によりロック片34はスプリング43の復元力によりそのカ
ムフォロア38がカム溝61を転動しながら軸40を中心とし
て反時計方向へ回動されカムフォロア38がカム溝61より
離脱した時点で、ロック片34の係合爪35は位置決めブラ
ケット26bの係合溝27に係合されてスライドフレーム３
上の受駒５はショートのアンダボデーＷを位置決め支持
するＢ位置に保持される。

［考案の効果］ 本考案は、上記の構成としたものであるから、受駒の位
置切替に際しては１本の作動シリンダの１往復動作によ
り、スライドフレームのロック装置によるロックを解除
し、かつスライドフレームと駆動装置とを連結し、復動
動作でスライドフレームをロックし、かつスライドフレ
ームと駆動装置との連結を解除することができるもので
あるから、作動部を削減することができて受駒の切替サ
イクルタイムを短縮することができるとともに、構造が
簡単で故障率を減少することができて設備費を低減する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の一実施例を示し、第１図は位置切替装
置の正面図、第２図はロック装置の背面図、第３図は第
１図のII−II線矢視図、第４図は移動架台の平面図、第
５図は従来例である。 １…スキッド台車 ５…ワーク受駒 26…位置決めブラケット 28…ロック装置 29…連結ブラケット 33…連結片 34…ロック片 38…カムフォロア 40…軸 43…スプリング 45…駆動装置 58…ロック解除フック 62…連結フック

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送ライン上を走行可能なスキッド台車を
   位置決めした状態で、スキッド台車に移動自在に設けら
   れたワーク受駒の位置をワークの種類に応じて外部から
   切替操作するためのスキッド台車の受駒位置切替装置に
   おいて、 上記ワーク受駒をワークの種類に応じた複数位置に位置
   固定するロック装置を、上記受駒の移動方向に沿ってス
   キッド台車本体に配設した複数の位置決め部材と、受駒
   に固着したブラケット及びこのブラケットに受駒の移動
   方向と平行な軸により回動自在に枢支され、かつスプリ
   ングにより常時上記位置決め部材と嵌合する方向に付勢
   されたロック片で構成するとともに、ロック片にはカム
   フォロアを突設し、 一方、スキッド台車外には上記ロック装置に対応して、
   上記受駒の移動方向と直交する方向へのシフト動作によ
   り、上記ロック片のカムフォロアと係合してロック片を
   位置決め部材から離脱させる方向に回動させるロック解
   除フック及び上記ブラケットと連結し得る連結フック
   と、これらロック解除フック及び連結フックを一体的に
   上記受駒の移動方向に駆動する駆動装置を設置してなる
   スキッド台車の受駒位置切替装置。