JPH0649606B2 - セメント組成物 - Google Patents

セメント組成物

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JPH0649606B2
JPH0649606B2 JP20872489A JP20872489A JPH0649606B2 JP H0649606 B2 JPH0649606 B2 JP H0649606B2 JP 20872489 A JP20872489 A JP 20872489A JP 20872489 A JP20872489 A JP 20872489A JP H0649606 B2 JPH0649606 B2 JP H0649606B2
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、セメント組成物に関し、さらに詳しくは、ガ
ラス繊維補強セメント成形板(以下GRCという)用の
セメント材料として特に適したセメント組成物に関す
る。
なお、本願明細書において、“部”および“%”とある
のは、すべて、“重量部”および“重量%”を意味す
る。
従来技術とその問題点 GRCは、セメント材料、ガラス繊維、珪砂、水などを
原料として、プレミックス法或いはダイレクトミックス
法により製造されている。
このようなGRCの製造に際して、従来セメント材料と
しては、普通ポルトランドセメント、ケイ酸石灰・アウ
ィン・スラグ3成分系低アルカリ性セメントなどが使用
されている。これらのセメント材料を使用するGRCに
は、下記の様な利害得失がある。
普通ポルトランドセメントを使用する場合には、低価格
である、蒸気養生を必要としない、鋼製型枠、埋め込み
金具などの発錆を生じないなどの利点があるが、ガラス
繊維を劣化させる、乾燥収縮が大きい(10〜15×1
-4程度)などの大きな欠点もある。
普通ポメトランドセメントの欠点を解消するために使用
されているケイ酸石灰・アウィン・スラグ3成分系低ア
ルカリ性セメントの場合には、ガラス繊維の劣化がほと
んどない、乾燥収縮が小さいなどの利点があるものの、
高価格である、蒸気養生が必要である(すなわち、蒸気
養生を行なわなければ、強度不足のために、翌日脱型が
出来ない)、SO分が多く、また蒸気養生を行なうの
で、鋼製型枠、埋め込み金具などを発錆させ易いなどの
欠点がある。
問題点を解決するための手段 本発明者は、上記の如き従来技術の問題点に鑑みて種々
研究を重ねた結果、特定の組成を有する新しいセメント
組成物が、普通ポルトランドセメントを使用する公知の
GRCとケイ酸石灰・アウィン・スラグ3成分系低アル
カリ性セメントを使用する公知のGRCの利点とを兼ね
備えたGRC製造用のセメント材料として優れた特性を
備えていることを見出した。
すなわち、本発明は、下記のセメント組成物を提供する
ものである: 「1)ポルトランドセメント 100部 2)高炉スラグ粉末 20〜50部 3)フライアッシュおよび/または シリカフューム 10〜25部 4)無水石膏および/または 二水石膏 5〜20部 5)ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物お
よび/または メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物 0.5〜
3部 からなり、水和反応により生成する Ca(OH)量が1%以下であることを特徴とするセ
メント組成物。」 本発明において使用するポルトランドセメントとして
は、普通−、早強−、中庸熱−、耐硫酸塩−などの各種
のポルトランドセメントが例示される。これらのポルト
ランドセメントは、単独で使用しても良く、或いは2種
以上を併用しても良い。
高炉スラグ粉末としては、ブレーン表面積3000cm2/g以
上のものを使用することが好ましい。この値が3000cm2/
g未満の高炉スラグ粉末を使用する場合には、その活性
が低下して、GRCの性能を低下させるおそれがある。
本発明組成物中の高炉スラグ粉末の配合量は、ポルトラ
ンドセメント100部に対し、20〜50部とする。高
炉スラグ粉末は、その潜在水硬性による水和反応によ
り、セメントから生成する水酸化カルシウムを減少させ
る効果を主に発揮するものである。しかるに、この量が
20部未満の場合には、所望の効果が十分に発揮されな
い。一方、高炉スラグ粉末の量が50部を上回る場合に
は、強度発現が遅くなり、翌日脱型が出来なくなる。
フライアッシュおよび/またはシリカフュームは、ポゾ
ラン反応により、やはりセメントから生成する水酸化カ
ルシウムを減少させる効果を発揮する。フライアッシュ
としては、ブレーン表面積3000cm2/g以上のものを使用
することが好ましく、また、シリカフュームとしては、
通常ブレーン表面積100000cm2/g以上(より好ましくは2
00000cm2/g程度)のものを使用する。ポゾラン物質とし
ては、その他にも、けい酸白土、火山灰、けい藻土、焼
成粘土、焼成頁岩などが存在するが、これらは、短期強
度発現などの本発明の目的にに合致しないので、使用し
難い。フライアッシュおよび/またはシリカフュームの
配合量は、ポルトランドセメント100部に対し、10
〜25部とする。この量が10部未満の場合には、上記
の効果が十分に達成されないのに対し、25部を上回る
場合には、強度発現が遅くなり、翌日脱型が不可能とな
る。
本発明のセメント組成物で使用する無水石膏および/ま
たは二水石膏は、フライアッシュおよび/またはシリカ
フュームの反応性を高めるとともに、上記のセメントお
よび高炉スラグから供給されるアルミナ分、カルシウム
分、シリカ分などと反応してエトリンガイトを生成させ
ることにより、水酸化カルシウムの量を減少させ、さら
に製品の乾燥収縮を抑制する。無水石膏としては、通常
ブレーン表面積2000cm2/g以上(より好ましくは3000cm2
/g程度)のものを使用し、また、二水石膏としては、通
常ブレーン表面積2000cm2/g以上(より好ましくは3000c
m2/g程度)のものを使用する。無水石膏および/または
二水石膏の配合量は、ポルトランドセメント100部に
対し、5〜20部とする。この量が5部未満の場合に
は、所望の効果が十分に発揮されない。これに対し、2
0部を超える場合には、養生条件(吸水の有無、気温な
ど)によっては、エトリンガイトの異常生成による膨張
ひびわれ、GRC製品の反りなどを生ずることがある。
なお、半水石膏は、セメントの偽凝結を誘発して、作業
性を低下させるので、本発明では、使用し得ない。
本発明において使用するナフタレンスルホン酸ホルムア
ルデヒド高縮合物および/またはメラミンスルホン酸ホ
ルムアルデヒド高縮合物は、いわゆる高性能減水剤とし
ての効果を発揮して、混練物の調製に際し、セメント組
成物に加えるべき水の量を減少させる。高性能減水剤と
してのこれらの材料は、市販品をそのまま使用すること
ができる。これら高性能減水剤の配合量は、ポルトラン
ドセメント100部に対し、0.5〜3部とする。この
量が、0.5部未満の場合には、所望の減水効果が十分
に発揮されない。これに対し、3部を超える場合には、
混練物の粘度を高めたり、硬化を遅延させたり、GRC
製品の強度を低下させたりする。
本発明によるセメント組成物においては、水和反応にお
いて生成するCa(OH)の量は1%以下に抑制され
る。この量が1%を超える場合には、高炉スラグ粉末或
いはフライアッシュおよび/またはシリカフュームとの
反応により消費されないCa(OH)が残存して、G
RC中のガラス繊維の劣化を防止することが困難とな
る。
本発明によるセメント組成物には、必要に応じ、公知の
各種の添加剤を配合することが出来る。
例えば、製品の乾燥による収縮を低減するために、カル
シウムサルホアルミネート系、生石灰系などの膨張剤を
配合しても良く、或いは低級アルコールアルキレンオキ
シド付加物などの収縮低減剤を配合しても良い。
また、夏期などにおいて混練物からの水分蒸発を抑制す
る必要がある場合には、保水剤を添加しても良い。
さらに、遅延剤として、クエン酸などを使用しても良
い。
さらにまた、製品の透水性、耐薬品性、耐磨耗性などを
改善するためには、ポリマーをディスパージョンの形態
で併用することが出来る。この様なポリマーのディスパ
ージョンとしては、スチレン−ブタジエン合成ゴム(S
BR)系ディスパージョン、ポリアクリル酸エステル
(PAE)系ディスパージョン、エチレン−酢酸ビニル
(EVA)系ディスパージョンなどが例示される。
発明の効果 本発明によれば、下記の様な顕著な効果が達成される。
(1)ポラゾン物質(フライアッシュ、シリカフューム
など)、潜在水硬性物質(高炉スラグ粉末など)など
が、セメントの水和反応により生成する水酸化カルシウ
ムの量を減少させることは、公知である。しかしなが
ら、従来GRC中のガラス繊維に悪影響を及ぼさない程
度まで水酸化カルシウム量を減少させるためには、セメ
ント100部に対し、フライアッシュならば200部以
上、シリカフュームならば40部以上、高炉スラグ粉末
ならば200部以上を使用する必要があるとされてい
た。そして、そこれらの成分をこの様に多量にセメント
に添加して使用する場合には、セメントの強度発現が著
しく遅れ、翌日脱型が不可能となるので、GRC製造用
セメントとしては、全く不適である。
しかるに、本発明によれば、高炉スラグ粉末、フライア
ッシュおよび/またはシリカフューム、無水石膏および
/または二水石膏、および高性能減水剤を組合わせて使
用することにより、高炉スラグ粉末並びにフライアッシ
ュおよび/またはシリカフュームの使用量を大幅に低減
することに成功した。
その結果、セメントから生成する水酸化カルシウムを全
て消費しつつ、しかも翌日脱型を行い得る程度の初期強
度を発現するセメント組成物が得られるにいたった。
(2)また、本発明セメント組成物によれば、水/セメ
ント比=50%以下という少ない水使用量で、ポゾラン
活性および潜在水硬性が発揮される。
(3)水酸化カルシウムの生成が著しく抑制されるの
で、GRCにおけるガラス繊維の劣化が防止される。
(4)GRCの乾燥収縮が小さい。
(5)製品の蒸気養生を必要としない。
(6)GRCの製造に際して使用する鋼製型枠、製品中
の埋め込み金具などを発錆させることはない。
実施例 以下に実施例および比較例を示し、本発明の特徴とする
ところをより一層明確にする。
実施例 第1表に示す様に、セメント組成物に骨材および水を配
合して、混練物を調製した。第1表において、混練物N
o.1〜8は、比較例品であり、No.9〜14は、本
発明品である。
なお、使用した高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフ
ュームおよび無水石膏のブレーン表面積は、下記の通り
である。
*高炉スラグ…約3000cm2/g *フライアッシュ…約3000cm2/g *シリカフューム…約200000cm2/g *無水石膏…約3000cm2/g 膨張材としては、カルシウムサルホアルミネート系(商
標“デンカCSA”、電気化学工業(株)製)を使用し
た。
高性能減水剤としては、ナフタリンスルホン酸ホルマリ
ン高縮合物塩(商標“マイティ150RX”、花王
(株)製)を使用した。
収縮低減剤としては、低級アルコールアルキレンオキシ
ド付加物(商標“テトラガードAS20”、三洋化成三
洋化成(株)製)を使用した。
次いで、得られた混練物を使用して、(I)可使時間、
(II)硬化時間、(III)24時間強度および(IV)C
a(OH)2生成量を下記の要領で測定した。
(I)…JASS 15M−103によるフロー値試験
法により、初期値150mmに対して130mm以上のフロ
ー値が確保できるまでの時間を測定した。評価基準値
は、60分以上である。
(II)…JIS R 5201の「セメントの物理試験
方法」の凝結試験における終結時間を測定した。評価基
準値は、10時間以上である。
(III)…JIS R 5201の「セメントの物理試
験方法」により測定した。評価基準値は、曲げ強度=3
0kgf/cm2以上、圧縮強度=150kgf/cm2以上である。
(IV)…示差熱分析により測定した。評価基準値は、1
月後1.0%以下、3月後0%である。
結果は、第2表に示す通りである。
第2表に示す結果を総合的に判断すると、本発明による
セメント組成物を使用する場合には、混練物の可使時間
が適切な長さとなり且つ硬化時間が短くなり、また、G
RCの初期強度が高く且つ水酸化カルシウム含有量が低
くなることが明らかである。
実施例2 第3表に示す様に、セメント組成物に骨材および水を配
合して、混練物を調製した。第3表において、混練物N
o.15〜17は、本発明品であり、No.18〜19
は、従来品である。
膨張材および収縮低減剤は、実施例1と同じものを使用
した。
遅延剤としては、クエン酸を使用した。
また、高性能減水剤としては、No.15〜17では、実
施例1と同じものを使用し、No.18〜19では、ナフ
タリンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩(商標“マイテ
ィ150”、花王(株)製)を使用した。
次いで得られた混練物を使用して、(V)ガラス繊維の
劣化状況および(VI)乾燥収縮を下記の要領で測定し
た。
(V)…28日間20℃で気中養生した後、60℃の温
水中で56日間促進養生したものを走査型電子顕微鏡に
て観察し、ガラス繊維の劣化の有無を判定した。
(VI)…JIS A 1129に従って、測定した。即
ち、供試体を打設し、20℃、相対湿度85%で24時
間養生し、脱型した。次いで、20℃、相対湿度60%
の環境に移し、コンパレータ法により基長をとり、各材
令で長さを測定した。
結果は、第4表に示す通りである。なお、第4表には、
(VII)蒸気養生の必要性の有無および(VIII)鋼製型
枠などの金属の発錆性についての結果をも併せて示す。
第4表に示す結果を総合的に判断すると、本発明による
セメント組成物を使用する場合には、GRCの製造に際
し、蒸気養生の必要がなくなり、鋼製型枠などの金属の
発錆も著しく抑制される。また、GRC中でのガラス繊
維の劣化がなく、乾燥による収縮も小さい。なお、参考
写真1は、No.15で得られたGRCの断面の走査型電
子顕微鏡観察結果(2000倍)を示すものである。
これに対し、普通ポルトランドセメントを使用する従来
品(No.18)の場合には、GRC中のガラス繊維が折
損しており、乾燥による収縮も大きかった。なお、参考
写真2は、No.18で得られたGRCの断面の走査型電
子顕微鏡観察結果(2000倍)を示すものである。
ケイ酸石灰・アウィン・スラグ3成分系低アルカリ性セ
メントを使用する従来品(No.19)の場合には、GR
Cの製造に際し、蒸気養生を行う必要があり、また鋼製
型枠などの金属の発錆も避けられない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 24:22 Z 2102−4G 24:30) A 2102−4G 14/42 Z (72)発明者 杉浦 章雄 奈良県奈良市三条町378―6 (56)参考文献 特開 昭63−236744(JP,A) 特開 昭58−181752(JP,A) 「セメント・コンクリート用混和材料」 笠井芳夫・小林正几編(技術書院)(昭61 −5−15)P.275−277

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1)ポルトランドセメント 100部 2)高炉スラグ粉末 20〜50部 3)フライアッシュおよび/または シリカフューム 10〜25部 4)無水石膏および/または 二水石膏 5〜20部 5)ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物お
    よび/または メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物 0.5〜
    3部 からなり、水和反応により生成する Ca(OH)量が1%以下であることを特徴とするセ
    メント組成物。
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「セメント・コンクリート用混和材料」笠井芳夫・小林正几編(技術書院)(昭61−5−15)P.275−277

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