JPH0649553Y2 - マスク移載装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、ブラウン管搬送設備において、シャドーマ
スク（以下単に「マスク」という。）洗滌ライン等にお
いて、マスクをコンベヤのハンガーに自動的に掛け、ま
たハンガーから自動的に取りはずすための装置に関す
る。

従来技術及びその問題点 従来、マスクのコンベヤのハンガーへの掛け外し作業は
すべて人手によって行っているのが実情であり、これは
マスクの垂直掛け外しの自動化が困難であると考えられ
ていたことによる。

このように人手によってマスク掛け及びマスク取外し作
業を行っているため、作業の安全性（マスクは落として
曲げたりへこましたりすると製品価値がなくなる。）及
び省力化の見地から問題を生じていた。

問題点を解決するための手段及び作用 この考案は、水平走行用シリンダと、昇降用シリンダ
と、該昇降用シリンダに回動自在に止められた台板と、
該台板を水平状態からほぼ垂直状態に回動させる旋回シ
リンダと、前記台板上に固定された複数のマスク受台
と、前記台板上に固定され該台板が垂直状態にあるとき
マスクを斜めの状態で下側から支承する支承手段と、前
記台板が垂直状態にあるとき前記マスクの倒伏を阻止す
るマスクロック手段とを有してなるマスク移載装置を提
案するものである。

なお、この場合「シリンダ」という語は、これと均等な
駆動手段を含むことは当然である。

自動移載機によって上方からマスクが水平な状態で本装
置のマスク受台上に載荷されると、マスク内のロック手
段が前進してマスクフレーム内側に挿入される。その後
マスクをロック状態でほぼ垂直方向に傾けると共に装置
全体をハンガー方向に走行させ、マスク内面のロック手
段を解放させて昇降用シリンダによって下降することに
よりマスクをコンベヤのハンガーに掛け、またこの手順
を逆にすることによりハンガーからマスクを取りはず
す。

実施例 本考案のマスク移載装置10は、第１図に示すように、マ
スクを立てるときの倒伏防止用爪をそなえたロック手段
11、（図示しない）上方移載機からマスクが載荷される
ときマスクを載せるためのマスク受台12、マスクを立て
るときのマスク滑り止めピン（支承手段）13、マスクを
立てるための旋回シリンダ14、マスクをハンガーに掛け
るときまたはマスクをハンガーより取外すときに必要と
される昇降用シリンダ15、移載機よりの受取り点からハ
ンガーまでマスクを移行させるための水平走行用シリン
ダ16、台板17から構成されている。

第２図はマスクのフレームＦが受台12に載っている状態
を上方から見たもので、ロック手段11と滑り止めピン13
の位置関係も示している。

次にコンベヤのハンガーにマスクを掛ける作業の手順に
ついて説明する。

第６図に示すように、図示しない自動移載機により上方
からマスクＭが受台12に載荷されてくる。

次に、第７図に示すように、ロック手段11がシリンダに
より前進し、マスクフレームＦの内側に挿入される。

次に、第８図に示すように、マスクをロック状態でほぼ
垂直方向に傾けるとともに、本装置全体がハンガーＨの
方向にシリンダ16により走行する。なお、本装置が前進
してもハンガーＨとは干渉しない構造となっている。

マスクＭがハンガーＨと接した時点では位置関係は第９
図及び第10図に示すとおりになっている。なお、本装置
はこの位置で一時停止する。

次に、第11図及び第12図に示すように、マスク内面のロ
ック手段11が解放するとともに装置下方に設置されてい
る昇降用シリンダ15により下降し、マスク掛けが完了す
る。

次に、本装置全体が再度前進し、ロック手段11がマスク
内部より抜ける。この状態で第13図に示されている。

最後に、第14図に示すようにトロリーコンベヤＣが起動
し、マスクＭが搬送され、本装置との干渉域外に達した
時点で本装置を原位置まで戻す。

第３図は、以上のようにハンガーＨに掛けられたマスク
Ｍの搬送状態を示し、第４図、第５図はマスクの吊り下
げ状態を示している。なお、第５図中のＭ′はサイズの
小さいマスクである。

次に、マスクの取外し作業の手順について説明する。

トロリーコンベヤＣが停止すると、本装置が起動し、第
11図に示すようにロック手段11がマスク内面に挿入され
る。

次に、本装置上マスク受台12とマスクＭが接した時点で
本装置が一時停止し、ロック手段11の爪がマスクをロッ
クするとともに、装置下方に設置の昇降シリンダ15によ
り上昇し、ハンガーＨのフックよりマスクＭを持ち上げ
る。この場合、マスク持ち上げはマスク滑り止めピン13
によってなされる。そして、この状態は第９図及び第10
図に示すものと同様である。

次いで、マスクＭを持ち上げ状態のまま本装置をマスク
脱荷点まで水平走行用シリンダ16により走行させる。こ
の場合の図は第８図に示すものと同一であるが走行方向
を示す矢印は反対になる。

次に、マスクＭを旋回シリンダ14により垂直状態から水
平状態に戻し、ロック手段11の爪を後退させ、ロックを
解放する。この場合の状態は第６図と第７図を逆の順序
で見たものになる。

最後に自動移載機により本装置上のマスクが脱荷される
と再び本装置を原位置まで復帰させる。

なお、本考案による装置は、第15図に示すようにブラウ
ン管の種類の異なるものでも、マスク滑り止めピン13
（大マスク用）と13′（小マスク用）の取り付け位置の
変更により対処することによりハンガーとの掛け外し機
能を果たすことができる。また滑り止め機能はピン形状
に限らず、シャドーマスクにかからなければ面で受けて
もよい。

そして、マスクのロック手段11は、第15図に示すよう
に、一対のロック爪11a,11a′をシリンダ11′によって
作動させるもののみならず、第16図に示すように示すよ
うにシリンダ11″によって円板11dを回動させ、これに
取りつけたアーム11eの先端のローラ11fをガイド11gに
よって案内しフレームの各辺を内側からロックするよう
にしてもよい。この場合、マスクの大きさが変わると、
昇降用シリンダ15のストロークを変えて対応する。

さらに、滑り止めピン13のみではマスクＭを垂直方向に
傾けたときマスクの位置ずれが生じる可能性があるた
め、これに対処するにはロック爪部11aを第17図及び第1
8図に示すようにブロック11a″を有するようにし、その
表面もマスクずれ止めとしての機能を果すようにする。

考案の効果 本考案は以上のように構成されているから、次の如き効
果を有する。

作業者を単純作業から解放することができ、作業安全の
確保及び省力化を図ることができる。

機械化により一定サイクルにマスク掛け及びマスク取外
し作業を行うことができる。

作業者の汗等による錆の発生をなくし、品質の向上を図
ることができる。

管の種類が異なるマスクでも同一機構で機能を果たすこ
とができる。

常にマスクの内面の定位置で装置が接するため附属部品
の損傷を防止することができる。

そして、人手による場合とは異なりハンガー走行高さを
限定する必要がない。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンベヤの進行方向からみた装置全体の正面
図、第２図はマスク保持機構の平面図、第３図はマスク
の搬送状態を示す正面図、第４図はマスクの吊り下げ状
態を示す断面図、第５図はその正面図、第６図はマスク
が本装置上に載荷される状態を示す要部断面図、第７図
はロック手段によりマスクフレームを固定する状態を示
す断面図、第８図はマスクがほぼ垂直状態に傾けられハ
ンガー方向に向かう状態を示す一部断面図、第９図、第
10図はマスクがハンガーと接した時点での状態を示す断
面図及び正面図、第11図、第12図はマスク内面のロック
が解放しマスク掛けが完了する状態の断面図及び正面
図、第13図は装置が再度前進しロック手段がマスク内面
より抜ける状態を示す一部断面図、第14図はコンベヤの
ハンガーが干渉域外に達した状態の正面図、第15図はマ
スクロック手段と滑り止めピンの平面図、第16図はマス
クロック手段の他の実施例を示す平面図、第17図及び第
18図はロック爪部の夫々正面図と側面図である。 11……マスクロック手段 12……マスク受け台 14……旋回シリンダ 15……昇降用シリンダ 16……水平走行用シリンダ 17……台板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水平走行用シリンダと、昇降用シリンダ
   と、該昇降用シリンダに回動自在に止められた台板と、
   該台板を水平状態からほぼ垂直状態に回動させる旋回シ
   リンダと、前記台板上に固定された複数のマスク受台
   と、前記台板上に固定され該台板が垂直状態にあるとき
   マスクを斜めの状態で下側から支承する支承手段と、前
   記台板が垂直状態にあるとき前記マスクの倒伏を阻止す
   るマスクロック手段と、を有してなるマスク移載装置。