JPH032522Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、例えば反物その他種々の搬送物を内
部に収納して、該搬送物をハンガーレールを介し
て所定場所に搬送することのできる吊下式搬送装
置に関するものである。

［従来の技術］ 従来のこの種の搬送装置は、搬送ライン上に架
設されるハンガーレールと、該ハンガーレール上
を自由に走行するキヤリアと、キヤリアに吊り下
げ支持されるコンテナとからな成り、且つ上記ハ
ンガーレールは、搬送ラインの高位に架設される
移送レール部と、低位に架設される停止レール部
と、該高低差のある停止レール部と移送レール部
を連結する連結レール部とを一連に有して、搬送
ライン上に全体が所定高さをもつて架設される構
成となつている。

そして、斯る搬送装置を稼動させる場合には、
搬送ラインにおける搬送物の搬入側及び搬出側
に、上記ハンガーレールの停止レール部を位置さ
せ、該搬入側と搬出側を結ぶライン上に、高位の
移送レール部を位置させる状態を得て、ハンガー
レールを架設し、該ハンガーレール上をコンテナ
を吊り下げたキヤリアが移動するようにしてい
る。そして該キヤリアを低位の停止レール部に移
動すると、キヤリアに吊り下げられているコンテ
ナの下部が、床面に接地して、キヤリアの移動を
停止し、斯る停止状態によりコンテナに対する搬
送物の搬出入が可能となる。逆にコンテナを押し
て、キヤリアを停止レール部から連結レール部を
経て高位の移送レール部に移動すると、停止レー
ル部と移送レール部の高低差により、コンテナが
持ち上げられその下部が床面から離れ、コンテナ
がキヤリアに吊り下げられた状態となり、係る吊
下状態によりコンテナをラインの搬入側又は搬出
側に移動させられるようになつている。

［考案が解決しようとする問題点］ 然し乍ら、上記従来の搬送装置にあつては、コ
ンテナがキヤリアに固定された構成となつている
ものが多く、例えば搬送物の搬出入の便宜上コン
テナのみをレールから外して他所に移動させる必
要がある場合、コンテナの移動をすることができ
ないといつた問題がある。

この考案は、上記従来の搬送装置の問題点を解
決するものであつて、レールからコンテナを自由
に切り離せ、しかもこの切り離しを自動的に行な
わせることを目的とした吊下式搬送装置を提供す
るものである。

［問題点を解決するための手段］ 而して、本考案は上記目的を達成するめに、搬
送ライン上に架設されるハンガーレールと、該ハ
ンガーレール上を自由に走行するキヤリアと、キ
ヤリアに吊り下げ支持されるコンテナとから成
り、ハンガーレールは搬送ラインの高位に架設さ
れる移送レール部と、低位に架設される停止レー
ル部と、該高低差のある停止レール部と移送レー
ル部を連結する連結レール部とを一連に有する構
成の吊下式搬送装置であつて、前記レールにあつ
ては、連結レール部上の途中でコンテナの下部が
離・着床し、そして停止レール部に移動するに従
い着床したコンテナがキヤリアに接近するような
高さをもち、上記キヤリアにあつては、先端にキ
ヤリアの掛止部に掛止しコンテナを吊り下げるフ
ツクを持ち、このフツクの内側に連なる面にテー
パー面を持つハンガーアームを回動自在に設けた
吊下部を有し、そしてハンガーアームのテーパー
面をフツクに掛止したコンテナの掛止部が摺動可
能とし、更に、ハンガーアームのテーパー面とコ
ンテナの掛止部の相対的位置関係に応じて、該ハ
ンガーアームを掛止方向及び掛止解除方向に回動
させるばね部材を設けた。

［作用］ 依つて、本考案にあつては、キヤリアがレール
の移送レール部から連結レール部を経て低位の停
止レール部に移動すると、この移動に応じてコン
テナも降下して、連結レール部の途中で着床し、
更に停止レール部に近づくに従つて相対的にコン
テナがキヤリアに接近することになる。このコン
テナのキヤリアへの接近により、キヤリアのハン
ガーアームのフツクに掛止しているコンテナの掛
止部がフツクから外れハンガーアームのテーパー
面を摺動し、この摺動する掛止部がハンガーアー
ムをテーパーに応じて掛止解除方向に回動させ、
このハンガーアームを一定以上回動させるとそれ
までハンガーアームをコンテナの掛止部に掛止す
る方向に付勢していたばね部材が一転してハンガ
ーアームを解除方向に付勢し回動させる。

［実施例］ 以下、本考案を図示する一実施例に基づいて詳
述する。

図面において、１は搬送物を搬送するために搬
入側ち搬出側とを結ぶ搬送ライン上に架設される
ハンガーレール、１１は該ハンガーレール１上を
自由に走行するキヤリア、２１はキヤリア１１に
吊り下げ支持されるコンテナである。

前記ハンガーレール１は、搬送ラインの高位に
架設される移送レール部２と、低位に架設される
停止レール部３と、該高低差のある停止レール部
３と移送レール部２を連結すつ傾斜状の連結レー
ル部４とを一連に有し、搬送ラインにおける搬送
物の搬入側及び搬出側に、低位の停止レール部３
を位置させ、該搬入側と搬出側を結ぶライン上
に、高位の移送レール部２を位置させる状態を得
て架設される。

そして、かかる移送レール部２、停止レール部
３、連結レール部４の高さにあつては、ハンガー
レール１にキヤリア１１を介して吊り下げ支持さ
れたコンテナ２１が、前記連結レール部４上の途
中でコンテナ２１の下部が離・着床し、そして停
止レール部３に移動するに従い着床したコンテナ
２１が停止レール部３に即ちキヤリア１１に接近
するような高さとなつている。

又、キヤリア１１は、上記ハンガーレール１上
を滑動する車輪（図示せず）を有する上部駆動部
１２と、後述するコンテナ２１の掛止部２２を掛
止支持する吊下部１３から成る。

この吊下部１３には一対のハンガーアーム１４
が軸１６を介して回動自在に設けられている。こ
のハンガーアーム１４は、その先端にコンテナ２
１の掛止部２２に掛止してコンテナ２１を吊り下
げるフツク１９をもち、このフツク１９の内側に
連なる面にテーパー面１５が形成されている。そ
して、コンテナ２１が停止レール部３に移動して
キヤリア１１に接近したとき、前記フツク１９に
掛止しているコンテナ２１の掛止部２２がテーパ
ー面１５を摺動し、このテーパー面１５の角度に
応じてハンガーアーム１４を掛止解除方向（第４
図上右方向）へ回動させるようになつている。

１７はハンガーアーム１４をコンテナ２１の掛
止部２２に対して掛止方向及び掛止解除方向に回
動させるコイル状のばね部材である。このばね部
材１７にあつては、前記ハンガーアーム１４にコ
ンテナ２１の掛止部２２を掛止させ、掛止部２２
がハンガーアーム１４を吊下部１３に軸着した軸
１６の垂直線Ｌ上に位置する状態のとき（第４図
実線の状態）、ばね部材１７の一端部１７ａを吊
下部１３上において軸１６の上部で且つ前記垂直
線Ｌ上の適位置に固定し、そして他端１７ｂをハ
ンガーアーム１４上前記垂直線Ｌよりテーパー面
１５側へ若干ずれた位置で且つコンテナ２１がキ
ヤリア１１に接近して掛止部２２が第４図上Ａ位
置からテーパー面をＢ位置迄摺動しハンガーアー
ム１４を掛止解除方向へある角度回動させたとき
前記位置が垂直線Ｌを越える位置に固定してい
る。しかしてハンガーアーム１４のテーパー面１
５とコンテナ２１の掛止部２２の相対的位置関係
で、ばね部材１７のハンガーアーム１４への取付
端部１７ｂが前記垂直線Ｌを基準にして掛止方向
側（第４図上左側）に位置したときはハンガーア
ーム１４（をばね部材１７の引張力で掛止方向に
回動させ、また前記端部１７ｂが掛止解除方向側
（第４図上右側）に位置したときはハンガーアー
ム１４を同ばね部材１７の引張力により掛止解除
方向に回動させるようになつている。

又、前後一対のハンガーアーム１４は、操作部
１８ａを有する連結軸１８で連結されており、該
前後一対のハンガーアーム１４同士を同期して回
動できる構成となつていると共に、操作部１８ａ
を把持することにより、掛止解除方向に回動して
いるハンガーアーム１４を掛止方向に強制的に回
動できる構成となつている。

コンテナ２１は、内部に反物その他の搬送物を
収納するに適した篭型を呈し、上方開口或は側部
に開閉可能に設けられた扉を介して搬送物を出入
れできる構成とするとともに、両側枠を構成する
フレーム材の上部の寸法を高くして、上記各ハン
ガーアーム１４のフツク１９に掛止する掛止部２
２を形成している。

又、コンテナ２１の下部四隅にキヤスターボツ
クス２３が設けてあり、該ボツクス２３内にキヤ
スター２４の上部に立設された鍔部２５付軸体２
６が昇降可能に支承され、且つ該軸体２６の鍔部
２５とボツクス２３の上部内面間にキヤスター２
４を軸体２６を介して常時下方向に付勢する圧縮
コイル状のばね部材２７が装着されている。

２８はベアリング、２９はボツクス２３の上部
側に付勢されて軸体２６の上昇を許容するキヤツ
プ体である。

［考案の効果］ 以上の如く、本考案は、搬送ライン上に架設さ
れるハンガーレールと、該ハンガーレール上を自
由に走行するキヤリアと、キヤリアに吊り下げ支
持されるコンテナとから成り、ハンガーレールは
搬送ラインの高位に架設される移送レール部と、
低位に架設される停止レール部と、該高低差のあ
る停止レール部と移送レール部を連結する連結レ
ール部とを一連に有する構成の吊下式搬送装置で
あつて、前記レールにあつては、連結レール部上
の途中でコンテナの下部が離・着床し、そして停
止レール部に移動するに従い着床したコンテナが
キヤリアに接近するような高さをもち、上記キヤ
リアにあつては、先端にコンテナの掛止部に掛止
しコンテナを吊り下げるフツクを持ち、このフツ
クの内側に連なる面にテーパー面を持つハンガー
アームを回動自在に設けた吊下部を有し、そして
ハンガーアームのテーパー面をフツクに係止した
コンテナの掛止部が摺動可能とし、更に、ハンガ
ーアームのテーパー面とコンテナの掛止部の相対
的位置関係に応じて、該ハンガーアームを掛止方
向及び掛止解除方向に回動させるばね部材を設け
たから、キヤリアをレールの移送レール部から連
結レール部を経て低位の停止レール部に移動させ
ると、この移動に応じてキヤリアに吊り下げられ
ているコンテナも降下して連結レール部の途中で
着床し、更に停止レール部に近づくに従つて相対
的にコンテナに接近することになり、このコンテ
ナのキヤリアへの接近により、キヤリアのハンガ
ーアームのフツクに掛止しているコンテナの掛止
部がフツクから外れてハンガーアームのテーパー
面を摺動し、この摺動する掛止部がハンガーアー
ムをテーパーに応じて掛止解除方向に回動させ、
このハンガーアームが一定以上回動するとそれま
でハンガーアームをコンテナの掛止部に掛止する
方向に付勢していたばね部材が一転してハンガー
アームを解除方向に付勢して回動させることにな
り、ハンガーアームはコンテナの掛止部から離反
する。このように、この考案によれば、ハンガー
レールの高低差を利用して所定の位置で、キヤリ
アとコンテナとを自動的に且つ確実に切離すこと
ができるので、特に搬送物の搬出入の便宜上コン
テナのみをレールから外して他所に移動させる必
要がある場合の吊下式搬送装置として最適であ
り、搬送作業を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る搬送装置の実施例を示
す概略図、第２図Ａはキヤリアとコンテナの吊下
機構を示す要部正面図、同図Ｂは同要部斜視図、
第３図Ａはキヤリアがレールの停止レール部に移
動した場合のキヤスタの接地状態を示す要部断面
図、同図Ｂはレールの移送レール部に移動した場
合のキヤスターの接地状態を示す要部断面図、第
４図はハンガーアームのテーパー面とコンテナの
吊下部の位置関係を示す説明である。 １……ハンガーレール、２……移送レール部、
３……停止レール部、４……連結レール部、１１
……キヤリア、１３……吊下部、１４……ハンガ
ーアーム、１５……テーパー面、１７……ばね部
材、１９……フツク、２１……コンテナ、２２…
…掛止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 搬送ライン上に架設されるハンガーレールと、
   該ハンガーレール上を自由に走行するキヤリア
   と、キヤリアに吊り下げ支持されるコンテナとか
   ら成り、ハンガーレールは搬送ラインの高位に架
   設される移送レール部と、低位に架設される停止
   レール部と、該高低差のある停止レール部と移送
   レール部を連結する連結レール部とを一連に有す
   る構成の吊下式搬送装置であつて、前記レールに
   あつては、連結レール部上の途中でコンテナの下
   部が離・着床し、そして停止レール部に移動する
   に従い着床したコンテナがキヤリアに接近するよ
   うな高さをもち、上記キヤリアにあつては、先端
   にコンテナの掛止部に掛止しコンテナを吊り下げ
   るフツクを持ち、このフツクの内側に連なる面に
   テーパー面を持つハンガーアームを回動自在に設
   けた吊下部を有し、そしてハンガーアームのテー
   パー面をフツクに係止したコンテナの掛止部が摺
   動可能とし、更に、ハンガーアームのテーパー面
   とコンテナの掛止部の相対的位置関係に応じて、
   該ハンガーアームを掛止方向及び掛止解除方向に
   回動させるばね部材を設けたことを特徴とする吊
   下式搬送装置。