JPH0648629A - 輪転印刷機におけるターンバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スリットされた半幅ウエブを方向変換させる
場合、ウエブが巻付かない部分からのブローエアの無駄
な排出を防止する。 【構成】 輪転印刷機のターンバーを内外筒の二重構造
とし、その外筒１１には複数複列のエアブロー穴２を設
け、同外筒１１に回動し得るように嵌入されている内筒
１２には、前記エアブロー穴２と重なり合うことが可能
な長穴１３ａ，１３ｂと丸穴１４よりなるエアブロー穴
を設けてあり、同内筒の軸方向の中心の左右の部分で
は、同長穴１３ａ及び１３ｂの位置が、逆方向に位相が
ずれており、内筒１２を回動させることにより、不必要
な外筒１１のエアブロー穴２を閉じて無駄なブローエア
の排出を防止することを可能にしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は輪転印刷機のターンバー
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３〜図５に従来の方向変換、重ね、ベ
イウィンド（ウエブ位置変更）、及び反転ターンバー装
置等の各種のターンバー装置に設けられているターンバ
ーのうち、方向変換ターンバー装置のターンバーを示
す。輪転印刷機ではウエブの方向変換をウエブの進行方
向に対し一般には左、右何れかの方向に４５°傾斜して
回転しない固定ターンバー（以下ターンバー）にウエブ
を巻付けて行なっていたので、ウエブがターンバー１の
外周面にてスリップして擦れる。従って一般には、ター
ンバー１にウエブが巻付く面に図５の如くエアブロー穴
２を設けてウエブを浮かせるようにしている。しかしウ
エブの方向変換には、例えば図３のように全幅ウエブ
（ＦＷ）を方向変換させる場合と、図４のようにターン
バー１の入口に設けられたドクラローラ３に着脱し得る
スリッタ４にて、ウエブ走行方向にて分割された半幅ウ
エブ（ＨＷ）を方向変換させる場合とがある。この場合
一般にこれらの方向変換を行なうターンバーには、全幅
ウエブ用ターンバーが使用されている。

【０００３】また全幅ターンバーと、半幅ターンバーと
を併設する方法もあるが、この場合はコスト高となる
上、併設するスペースを見出すことが困難なため、一般
には行なわれていない。またターンバーを固定とせず、
回転させても、例えばウエブ幅の中心の走行速度にター
ンバーの回転速度を合わせても、ターンバーが走行方向
に対して傾斜しているので、ターンバーがウエブの両端
と接する部分では、紙とターンバーの速度が異なり、ス
リップする。よってターンバーを回転させる方法も一般
には行なわれていない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の如くスリッ
トされた半幅ウエブを方向変換させる場合、全幅ターン
バーの軸方向の中心より左、右何れかの部分にはウエブ
が巻付かないので、この部分のエアブロー穴よりエアが
噴出自在になっていて、ブローエアは無駄に消費されて
いた。またこの無駄なブローエアのため、紙の巻き付い
ている部分のエアブロー穴におけるエア圧及び流量が低
下する。この低下を補うためには、ブロアの容量を増大
させねばならなかった。また従来のターンバーでは、エ
アブロー穴の径が固定していたので、エアブロー量を調
整するには、ターンバーにブローエアを供給するブロア
の回転数調整、或いはブローエア供給系に設けられたブ
ローエア調整弁にて流量又はエア圧を微調整する必要が
あったが、これらの何れもコスト高となる欠点があっ
た。本発明は前記従来の課題を解決するために提案され
たものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このため本発明は、輪転
印刷機のターンバーを内外筒の二重構造とし、その外筒
には複数複列のエアブロー穴を設け、同外筒に回動し得
るように嵌入されている内筒には、前記エアブロー穴と
重なり合うことが可能な長穴及び丸穴よりなるエアブロ
ー穴を設けてなるもので、これを課題解決のための手段
とするものである。また本発明は、内筒の長穴は、同内
筒の軸方向の中心の左右の部分では長穴の位置が逆方向
に位相がずれて設けられたもので、これを課題解決のた
めの手段とするものである。

【０００６】

【作用】全幅ターンバーを内外筒の二重構造とし、回転
しない外筒の外周面にエアブロー用丸穴を複数有する列
を複数列設け、回転可能に外筒に嵌入して支持されてい
る内筒に、外筒の丸穴と重なり合う長穴を円周方向に設
けることにより、紙幅サイズに応じてエアブローする穴
を開閉し、エアブロー量の無駄な消費を防止し、全幅ウ
エブではエアブローの量の調整を行なうことができる。
即ち、内筒の軸方向の中心より左右の部分では、内筒の
長穴の円周方向における方向が逆になっているので、内
筒の回動方向により外筒の左半分の穴を全開、右半分を
全閉、或いはその反対にすることができる。従って半幅
ウエブを方向変換する時、半幅ウエブの巻付かない部分
のエアブロー穴を全部閉止しし得る。よってエアブロー
の無駄な消費は起こらない。更に内筒の長穴に円周方向
で近接し、その軸方向に設けられた穴と外筒の穴との開
口の割合（全開、全閉を含む）を内筒の微少回動により
微細に変化させることが出来る。よって外筒のエアブロ
ー穴よりのエアブロー量を細かく調整することが可能と
なる。

【０００７】

【実施例】以下本発明を図面の実施例について説明する
と、図１及び図２は本発明の実施例を示し、図１は内外
筒二重構造のターンバーの正面断面図、図２は内筒の回
動により同内筒の長穴及び調整用丸穴と外筒の丸穴とが
重なり合う状態を示す。さて図１において１１は方向変
換時ウエブが巻付く円周面に、複数のエアブロー穴２を
有する列を複数列設けた外筒、１２は外筒１１に嵌入し
て回動自在に支持され、エアブロー穴２と重なり合うよ
うに円周方向に長穴１３ａ，１３ｂと丸穴１４とが設け
られている内筒である。また内筒１２の長穴１３ａ，１
３ｂの方向は、内筒１２の左半分と右半分の部分では逆
になっている。さて内筒１２を手動又は駆動装置（図示
せず）により微少回動させると、図１に示すようにエア
ブロー穴２と長穴１３ａ，１３ｂ又は穴１４とが重なり
合う。

【０００８】図２（ａ），（ｂ），（ｆ）はそれぞれ外
筒１１及び長穴１３ａ，１３ｂのみを有する内筒１２
と、長穴１３ａ，１３ｂと丸穴１４とを設けた内筒１２
の外周面におけるエアブロー穴の展開図、図２（ｃ）は
全幅ウエブを方向変換させる時のエアブロー穴２と、長
穴１３ａ及び１３ｂとの重なり合いを示し、図２（ｅ）
及び（ｄ）はそれぞれターンバー左半分と右半分の部分
にて、半幅ウエブを方向変換させる時のエアブロー穴２
と長穴１３ａ及びエアブロー穴２と長穴１３ｂとの重な
り合いを示す。また図２（ｇ）は全幅ウエブを方向変換
させる時、内筒１２が回動するに従ってエアブロー穴２
と穴１４とが重なり合う割合が変化する状態の任意の１
態様を示している。よって半幅ウエブを方向変換させる
時は、不必要なエアブロー穴２を閉じてブローエアの消
費を防ぎ、全幅ウエブを方向変換させる時は、エアブロ
ーの量を調整することができる。

【０００９】

【発明の効果】以上詳細に説明した如く本発明は、輪転
印刷機のターンバーを内外筒よりなる二重構造とし、回
動可能の内筒には長穴と丸穴とを設け、同長穴の方向を
内筒の左右部分では反対にし、回動しない外筒にはエア
ブロー用丸穴を設けることにより、内筒の回動方向によ
りターンバーの左部分のエアブロー穴を全開し、右部分
を全閉又はその反対にすることが可能である。従って半
幅ウエブの方向変換時ブローエアが無駄に消費されず経
済的である。また内筒の丸穴と外筒の丸穴との開口割合
は、内筒の微少回動により微細に調整されるので、ター
ンバーよりのブローエア量を加減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る輪転印刷機におけるター
ンバーの正面断面図である。

【図２】図１のターンバーにおける内外筒のエアブロー
穴の展開説明図である。

【図３】従来の一般の全幅ターンバーでの全幅ウエブの
方向変換状態を示す斜視図である。

【図４】図３の全幅ターンバーでの半幅ウエブの方向変
換の状態を示す斜視図である。

【図５】従来の全幅ターンバーの斜視図である。

【符号の説明】

２ エアブロー穴 １１ 外筒 １２ 内筒 １３ 長穴 １３ａ，１３ｂ 内筒の左又は右半分の長穴 １４ 丸穴（内筒の）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 輪転印刷機のターンバーを内外筒の二重
   構造とし、その外筒には複数複列のエアブロー穴を設
   け、同外筒に回動し得るように嵌入されている内筒に
   は、前記エアブロー穴と重なり合うことが可能な長穴及
   び丸穴よりなるエアブロー穴を設けたことを特徴とする
   輪転印刷機におけるターンバー。
2. 【請求項２】 請求項１記載の内筒の長穴は、同内筒の
   軸方向の中心の左右の部分では長穴の位置が逆方向に位
   相がずれて設けられていることを特徴とする輪転印刷機
   のターンバー。