JPH0647933A

JPH0647933A - カラー感熱プリンタの光定着装置

Info

Publication number: JPH0647933A
Application number: JP20135492A
Authority: JP
Inventors: Kenji Negishi; 賢治根岸
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 1992-07-28
Filing date: 1992-07-28
Publication date: 1994-02-22
Anticipated expiration: 2014-06-02
Also published as: JP2899483B2

Abstract

(57)【要約】【目的】光定着装置からの紫外線の照射量を一定に保
ち、均一な光定着を行う。【構成】イエロー用光定着装置１６は、紫外線を放出
する棒状の紫外線ランプ２０と、開口部が形成されたリ
フレクター２１と、このリフレクター２１の開口部を開
閉するための絞り２２とから構成されている。絞り２２
は、２枚の絞り板２３，２４を備えており、紫外線ラン
プ２０の発光量に応じて開き度が調節される。絞り２２
の開口の調節は、紫外線ランプ２０の発光量を直接に監
視する他に、紫外線ランプ２０の発光開始時より経過し
た時間から間接的に監視する方法とがある。マゼンタ用
光定着装置１７も同じ構成をしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カラー感熱プリンタの
光定着装置に関し、更に詳しくは均一な光定着を行うこ
とができるようにした光定着装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】サーマルプリンタには、感熱プリンタと
熱転写プリンタとがあるが、これらのうち感熱プリンタ
は、感熱記録材料に直接に画像を熱記録することができ
るため、広く用いられている。最近では、例えば、特開
昭６１─２１３１６９号公報に記載されているように、
支持体上にシアン感熱発色層，マゼンタ感熱発色層，イ
エロー感熱発色層を順次層設して、フルカラーの画像を
直接に熱記録することができるようにしたカラー感熱記
録材料が提案されている。このカラー感熱記録材料は、
表面の感熱発色層から順に熱記録を行うが、次の感熱発
色層に熱記録する際に、その上にある熱記録済みの感熱
発色層が再度熱記録されないようにするため、熱記録後
に個々の感熱発色層に特有な波長域の紫外線を照射して
発色能力を失わせている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のカラー感熱プリ
ンタでは、カラー感熱記録材料がプラテンドラムに装着
され、プラテンドラムの定速回転中に熱記録と光定着と
が行われる。この光定着時のプラテンドラムの回転速度
は、紫外線ランプの発光量を考慮した上で決定されてい
るが、この紫外線ランプの発光量は、ランプの管壁の温
度によって変化する。したがって、発光開始直後は管壁
温度が低いために発光量が少なく、時間を経るにしたが
って発光量が増す。そのため、カラー感熱記録材料が光
定着装置を通過する時点によって紫外線ランプの発光量
が変わり、１枚の印画の中で定着むらが発生する恐れが
ある。

【０００４】本発明は、上記の事情を考慮してなされた
もので、紫外線の照射量を一定に保ち、均一な光定着を
行うことができるようにしたカラー感熱プリンタの光定
着装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、紫外線を発する棒状の紫外線ランプと、
カラー感熱記録材料と対向する側に開口部が形成された
リフレクターと、このリフレクターの開口部を開閉する
ための絞りとから光定着装置を構成し、絞りの開閉で光
量を最適値に保つようにしたものである。紫外線の発光
量が少ない時には絞りが全開され、発光量が多くなるに
つれて絞りが開口部を部分的に閉じ、それによって感光
材料に照射される紫外線量を一定に保つ。

【０００６】また、請求項２記載の光定着装置は、紫外
線ランプの発光量を監視し、この発光量に応じて絞りの
開口を調節するものである。

【０００７】また、請求項３記載の光定着装置は、紫外
線ランプの発光開始時より経過した時間を監視し、この
経過時間に応じて絞りの開口を調節するものである。

【０００８】

【実施例】図１において、シート状のカラー感熱記録材
料１１は、その少なくとも１ケ所がクランプ部材１２に
よってプラテンドラム１０に押さえられ固定される。熱
記録及び光定着時に、プラテンドラム１０は、パルスモ
ータ９によって一定速度で回転される。給排紙通路１３
には、搬送ローラ対１４が配置されており、この間を通
ってカラー感熱記録材料１１が搬送される。この実施例
では、１つの通路を給紙通路と排紙通路とに兼用してい
るが、これらは別個に設けてもよい。

【０００９】プラテンドラム１０の外周には、熱記録位
置にサーマルヘッド１５，その熱記録位置の下流側に光
定着装置１６，１７が設けられている。サーマルヘッド
１５は、周知のように多数の発熱素子をライン状に配列
したものであり、熱記録すべき色及びその発色濃度に応
じた温度に発熱される。イエロー用光定着装置１６はほ
ぼ４２０ｎｍ、マゼンタ用光定着装置１７はほぼ３６５
ｎｍ付近の紫外線を発光する。

【００１０】図２及び図３に示すように、イエロー用光
定着装置１６は、棒状の紫外線ランプ２０と、カラー感
熱記録材料１１と対向する側に開口部２１ａが形成され
た円筒状のリフレクター２１と、このリフレクター２１
の開口部２１ａを開閉するための絞り２２とから構成さ
れる。絞り２２は、リフレクター２１の開口部２１ａの
外側に２枚の絞り板２３，２４からなり、その一部には
ラック２３ａ，２４ａが形成されている。これらのラッ
ク２３ａ，２４ａは、ピニオン２５の両側から噛み合っ
ており、モータ２６によってピニオン２５が回転する
と、一対の絞り板２３，２４が互いに近接又は離れる方
向に移動し、絞り開口の大きさを調節する。絞り２２の
内側には、紫外線ランプ２０の発光量を監視するための
センサ２７が設けられ、このセンサ２７からの出力信号
がコントローラ２８に送られる。このコントローラ２８
は、紫外線ランプ２０の発光量に応じてモータ２６の回
転量及び方向を制御する。なお、マゼンタ用光定着装置
１７も同じ構成であるので、符号のみを付してある。

【００１１】図４は、紫外線ランプ２０，３０の発光経
過時間と発光量の関係を示すものである。カラー感熱記
録材料１１の光定着には、紫外線の発光量はＬ_a以上が
必要であり、発光量がＬ_aに満たない場合、すなわち発
光を開始してからＴ_a時間までの間はその発光量が不充
分である。そのため、紫外線ランプ２０，３０が発光を
開始してからカラー感熱記録材料１１が光定着装置１
６，１７に到達するまでの時間がＴ_a時間後となるよう
に、プラテンドラム１０の回転速度を設定してある。

【００１２】図５は、カラー感熱記録材料１１の一例を
示すものである。支持体３５の上にシアン感熱発色層３
６，マゼンタ感熱発色層３７，イエロー感熱発色層３
８，保護層３９が順次層設されている。これらの各感熱
発色層３６〜３８は、熱記録される順番に表面から層設
されているが、例えばマゼンタ，イエロー，シアンの順
番に熱記録する場合には、イエロー感熱発色層とマゼン
タ感熱発色層との位置が入れ換えられる。各層の間には
中間層（図示せず）が設けられている。

【００１３】シアン感熱発色層３６は、電子供与性染料
前駆体と電子受容性化合物を主成分として含有し、加熱
されたときにシアンに発色する。マゼンタ感熱発色層３
７としては、最大吸収波長が約３６５ｎｍであるジアゾ
ニウム塩化合物と、これと熱反応してマゼンタに発色す
るカプラーとを含有している。このマゼンタ感熱発色層
３７は、サーマルヘッド１５でマゼンタ画像を熱記録し
た後に、３６５ｎｍ付近の紫外線を照射すると、ジアゾ
ニウム塩化合物が光分解して発色能力が失われる。イエ
ロー感熱発色層３８は、最大吸収波長が約４２０ｎｍで
あるジアゾニウム塩化合物と、これと熱反応してイエロ
ーに発色するカプラーとを含有している。このイエロー
感熱発色層３８も、４２０ｎｍ付近の紫外線を照射する
と、光分解して発色能力が失われる。シアン感熱発色層
３６は、光定着性が与えられていないので、紫外線の照
射は省略される。

【００１４】図６は、各感熱発色層３６〜３８の特性を
示すものである。横軸の熱エネルギーは、サーマルヘッ
ド１５の発熱素子が発生する熱エネルギーを表してお
り、イエロー感熱発色層３８の熱エネルギーが最も低
く、シアン感熱発色層３６の熱エネルギーが最も高い。

【００１５】次に、本実施例の作用を説明する。給紙時
には、搬送ローラ対１４は、カセット（図示せず）から
供給されたカラー感熱記録材料１１をプラテンドラム１
０に向けて搬送する。カラー感熱記録材料１１がクラン
プ位置にセットされると、クランプ部材１２がカラー感
熱記録材料１１の先端をプラテンドラム１０に押しつけ
て固定する。この後、プラテンドラム１０と搬送ローラ
対１４とが回転して、カラー感熱記録材料１１がプラテ
ンドラム１０の外周に巻き付けられる。

【００１６】給紙が始まると同時に、イエロー用光定着
装置１６の紫外線ランプ２０が発光を開始する。この紫
外線ランプ２０の発光量は、光センサ２７で検出され、
得られた発光量データがコントローラ２８に送られる。
コントローラ２８は、発光量データに応じてモータ２６
の回転方向及び回転量を決定し、モータ制御信号をモー
タ２６に送る。このモータ２６に連動してピニオン２５
が回転するから、一対の絞り板２３，２４が移動し、発
光量に応じた絞り開口に調節される。通常は、紫外線ラ
ンプ２０の発光直後はランプ管壁温度が低いために、絞
り２２が全開となり、発光量が増すに従い絞られてゆ
く。

【００１７】プラテンドラム１０が回転して、カラー感
熱記録材料１１の記録エリアの先端がサーマルヘッド１
５に達すると、このサーマルヘッド１５によってイエロ
ー画像が１ラインずつ熱記録される。このイエロー画像
の熱記録では、サーマルヘッド１５の各発熱素子は、図
６に示す発色特性を考慮した温度に発熱される。このイ
エロー画像が熱記録された部分は、イエロー用光定着装
置１６に達し、ここで光定着が行われ、発色に寄与しな
かったジアゾニウム塩化合物が分解して発色能力が消失
される。このイエロー用光定着装置１６は、ほぼ４２０
ｎｍの紫外線を照射し、その光量は絞り２２によって常
に一定となるように調整されている。カラー感熱記録材
料１１の終端がイエロー用光定着装置１６を通過する
と、イエロー用紫外線ランプ２０は発光を停止する。

【００１８】プラテンドラム１０が１回転して、記録エ
リアが再びサーマルヘッド１５の位置に達すると、マゼ
ンタ画像がマゼンタ感熱発色層３７に１ラインずつ熱記
録される。同時に、マゼンタ用光定着装置１７の紫外線
ランプ３０が発光を開始し、その発光量がリフレクタ３
１の内側に設けたセンサ（図示せず）で監視される。こ
のセンサからの発光量データは、コントローラ２８に送
られ、モータ（図示せず）によって絞り板３２，３３に
よる開口量が調節される。なお、イエロー用のモータ２
６を利用し、これで絞り板３２，３３を移動させてもよ
い。このマゼンタ用光定着装置１７は、ほぼ３６５ｎｍ
の紫外線を照射し、マゼンタ画像を記録したカラー感熱
記録材料１１の全面において、マゼンタ感熱発色層３７
を光定着する。カラー感熱記録材料１１の終端がマゼン
タ用光定着装置１７を通過すると、その紫外線ランプ３
０は発光を停止する。

【００１９】プラテンドラム１０が更に１回転すると、
カラー感熱記録材料１１がサーマルヘッド１５に対面
し、このサーマルヘッド１５によってシアン画像が１ラ
インずつ熱記録される。このシアン感熱発色層３６は感
熱発色するのに必要な熱エネルギーがほぼ８０ｍＪ／ｍ
ｍ²以上であるため、通常の保管状態では発色すること
はない。また、このシアン感熱発色層３６は光定着性が
与えられていないので、光定着装置１６，１７がＯＦＦ
状態となっている。

【００２０】イエロー画像，マゼンタ画像，シアン画像
の熱記録が終了した後に、プラテンドラム１０と搬送ロ
ーラ対１４とが逆転する。このプラテンドラム１０の逆
転により、カラー感熱記録材料１１の後端が分離爪１８
によって給排紙通路１３に案内され、搬送ローラ対１４
にニップされる。この後、プラテンドラム１０が停止
し、カラー感熱記録材料１１のクランプ部材１２による
固定が解除される。

【００２１】クランプ解除後は、搬送ローラ対１４の回
転により、カラー感熱記録材料１１の排紙が開始され
る。これにより、熱記録済みカラー感熱記録材料１１は
給排紙通路１３を経てトレイ（図示せず）に排出され
る。

【００２２】次に、図７及び図８を参照して別の実施例
を説明する。上記実施例では、絞り板の形状は加工の簡
易性から平板としたが、この実施例の絞り板４０，４１
は、リフレクター２１の形状に合わせて円弧状になって
いる。また、これらの絞り板４０，４１はリフレクター
２１の内側に設けられている。この実施例によれば、光
定着装置４２全体の形状がコンパクトにまとまり、カラ
ー感熱プリンタに組み込む時にも、従来と同じスペース
ですむ。なお、図２に示す実施例と同じ部材には、同じ
符号を付してある。

【００２３】また、上記実施例では、紫外線ランプの発
光量を監視して絞りの開口を調節しているが、紫外線ラ
ンプの発光量はランプ管壁の温度に応じて増大するか
ら、発光開始時より経過した時間を監視し、この経過時
間に応じて絞りの開口を調節してもよい。

【００２４】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、光定着
装置から放出される光量を絞りによって調節するから、
均一な光定着が可能となり、連続印画及び１枚の印画の
中での定着むらをなくすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光定着装置を設けたカラー感熱プリン
タを示す概略図である。

【図２】本発明の光定着装置の斜視図である。

【図３】図１に示す光定着装置の断面図である。

【図４】紫外線ランプの発光経過時間と発光量の関係を
示すグラフである。

【図５】カラー感熱記録材料の層構造を示す説明図であ
る。

【図６】カラー感熱記録材料の発色特性を示すグラフで
ある。

【図７】別の光定着装置の実施例を示す斜視図である。

【図８】図７に示した光定着装置の断面図である。

【符号の説明】

１０プラテンドラム１１カラー感熱記録材料１５サーマルヘッド１６イエロー用光定着装置１７マゼンタ用光定着装置２０，３０紫外線ランプ２１，３１リフレクター２３，２４，３２，３３絞り板２７センサ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】支持体上に複数の感熱発色層を層設した
カラー感熱記録材料を用い、この感熱記録材料とサーマ
ルヘッドとを相対的に移動させながら、各感熱発色層に
対して熱記録するとともに、この熱記録された部分に各
感熱発色層に特有な波長域の紫外線を照射して光定着を
行うカラー感熱プリンタにおいて、棒状の紫外線ランプと、カラー感熱記録材料と対向する
側に開口部が形成されたリフレクターと、このリフレク
ターの開口部を開閉するための絞りとを設け、絞りの開
閉で光量を調節できるようにしたことを特徴とする光定
着装置。
【請求項２】前記紫外線ランプの発光量を監視し、こ
の発光量に応じて前記絞りの開口を調節することを特徴
とする請求項１記載の光定着装置。
【請求項３】前記紫外線ランプの発光開始時より経過
した時間を監視し、この経過時間に応じて前記絞りの開
口を調節することを特徴とする請求項１記載の光定着装
置。