JPH064752B2 - ポリエステル樹脂 - Google Patents

ポリエステル樹脂

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JPH064752B2
JPH064752B2 JP62116267A JP11626787A JPH064752B2 JP H064752 B2 JPH064752 B2 JP H064752B2 JP 62116267 A JP62116267 A JP 62116267A JP 11626787 A JP11626787 A JP 11626787A JP H064752 B2 JPH064752 B2 JP H064752B2
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polyester resin
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zinc
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佳貫 前田
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Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は艶消剤を含有するポリエステル樹脂に係り、特
に、その工程性、耐光性並びに熱安定性に優れたポリエ
ステル樹脂に関するものである。
(従来の技術) ポリエステル樹脂は、今日、エンジニアリングプラスチ
ック、フィルム、繊維等に極めて広範囲で用いられてい
る。その中の用途の一部として艶消剤を多く含有させ
た、いわゆるフルダルのポリエステル樹脂があり、その
艶消剤としては、隠蔽力、白色度等から酸化チタンが主
として用いられてきた。しかしながら酸化チタンは硬度
が高く接触する工程を損傷させるため特に工程性を要求
される繊維用途に於てはせいぜい3重量%が添加の限度
があり、その上、工程性をかなり犠牲にせざるを得ない
ものであった。また酸化チタンはそのチタンの活性のた
めに、ポリエステル樹脂の耐候性光性を劣化させるとい
う問題点がある。他の艶消剤としては、鉛白や亜鉛華も
あるが、これらは隠蔽力が弱い上に、化学的にもやや安
定性を欠いているため、用い難いものである。
一方硫化亜鉛または硫化亜鉛と硫酸バリウムとの混合焼
成物は、硬度は低く、かつ隠蔽力や白度に優れるが、微
粒子として添加した場合には比表面積が増大し、添加量
も多くなるためか、また本来触媒作用を失っている硫化
亜鉛が触媒としての作用を示すためか、あるいはまた活
性なZnを微量であるが含有するためか、原因は明確では
ないが、工程性は良くなっても熱安定性、耐光性に劣る
ものとなってしまうのである。
(発明が解決しようとする問題点) 従って本発明は、優れた艶消効果を示し、かつ工程性、
耐光性、熱安定性に優れたポリエステル樹脂を開発し、
提供せんとするものである。
(問題点を解決するための手段) 即ち、本発明は、硫化亜鉛を艶消剤として用いる場合に
つき研究し、その微粒子の粒径、含有量を特定の範囲と
すると共に、特に、含有する亜鉛原子1モルに対し燐化
合物を、燐原子0.001モル以上、0.05モル以下、コバル
ト化合物を、コバルト原子が0.0005モル%以上、0.01モ
ル以下となるようにポリエステル樹脂中に含有させるこ
とによって、要求される前述の諸特性を併せ満足させる
ことができることを見出だし、本発明に至ったものであ
る。
本発明で用いる硫化亜鉛は、そのモース硬度が3.5〜4
とやわらかく、かつ固体潤滑剤として作用するためか、
工程性が良好である。またその隠蔽力は酸化チタンに近
い優秀なものである。その添加量は、艶消効果を期待す
るためには樹脂に対し1.0重量%以上が必要である
が、40.0重量%を超えて添加すると艶消効果には優れる
が、工程性が劣ってしまう。またその平均粒径は2.0μ
以下が好ましく用いられている。2.0μを超えるとやは
り製品々質や工程性が劣るからである。また粒径があま
り小さくなりすぎると二次凝集を生じ易く、樹脂中への
分散性が低下するため、せいぜい0.05μ以上のものを用
いるのが好ましい。尚、ここでいう平均粒径とは、BE
T法による比表面積より換算した等価球径である。
本発明においては、上記のような硫化亜鉛に対して、燐
化合物を、含有する亜鉛原子1モルに対し、0.001モル
以上、0.05モル以下、燐原子として含有させることが必
須である。この燐原子の添加量が0.001モル以下である
と、耐熱性等の諸性能が低下するのを防ぐことができな
くなってしまう。また0.05モルを超えると逆に樹脂のゲ
ル化、耐熱水性等の低下をきたすので好ましくない。
本発明に用いられるポリエステル樹脂には、例えばポリ
エチレンテレフタレート系、ポリブチレンテレフタレー
ト系、ポリエチレン−2,6−ナフタレート系などがあげ
られる。本発明に用いられるポリエステル樹脂には、通
常用いられる改質剤、例えば抗酸化剤等や、ポリアルキ
レングリコール等、また顔料等を併用することは無論可
能である。
本発明に用いられるポリエステル樹脂の中で、特にポリ
エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂に対して、
本発明の効果がより大きく発現する事を本発明者は見出
した。また、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステ
ル樹脂に対しても顕著である。この理由については明確
ではないが、その分子骨格に起因するのではないかと推
定される。
本発明では、硫化亜鉛の微粒子並びに硫化亜鉛を含有す
る微粒子が用いられるが、その中で特に硫化亜鉛と硫酸
バリウムの混合焼結体が好ましい事が明らかとなった。
この混合焼結体は8面体状の格子を形成しており、ここ
でも硫化亜鉛が固体潤滑剤的な働きをしていると考えら
れ、また、硫酸バリウムもそのモース硬度が2.5〜3.5と
軟かいこともあって好結果を生むと考えられる。
さらに本発明者は、ポリエステル樹脂中の硫化亜鉛また
は硫化亜鉛含有微粒子が太陽光に長期にわたり暴露され
ることやや黒ずみ、これを防止するためにコバルト化合
物が有効である事を見出した。その添加量としては亜鉛
原子1モルに対してコバルト原子0.0005モル以上がその
効果を発現させるために最小量として必要であり、また
コバルト原子による過度の青味を防止するためには0.01
モル以下とすることが必要である。また一方、特殊な用
途を除いてポリエステル樹脂に対して、過度の青味や工
程確保のためにコバルト原子として200ppm以下とす
る事が好ましい。
本発明に用いられるコバルト化合物としては、例えば酢
酸コバルト、ギ酸コバルトなどをあげることができる
が、用途に応じて任意に選択する事が可能である。
本発明に用いられる艶消剤や燐化合物、さらにはコバル
ト化合物は、同時にまたは前もって混合してまたは別々
に添加する事も可能であり、その添加時期はポリエステ
ル樹脂の合成原料中に添加しておく事も、合成経路の途
中で添加する事も、樹脂の成形時に添加する事も、それ
ぞれ可能である。しかし燐化合物と艶消剤は同時か、燐
化合物が前もって添加される様にすることがより好まし
い。
本発明によるポリエステル樹脂を、繊維用やフィルム用
に用いようとする場合に於いては、艶消剤(微粒子)の
より高度な分散が要求される。この様な際には、用いる
該艶消剤を樹脂原料中の液体成分、例えばエチレングリ
コール、テトラメチレングリコール等に前もって、振動
ボールミルや媒体攪拌ミル等を用いて高度に分散してお
くことが好ましい。また超音波等の利用も有効である。
以下においては、工程性、耐光性等において、その高い
比表面積が故に影響の現れ易い繊維状物を中心に、実施
例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれにより
何ら制限されるものではない。
(実施例) 実施例1 エチレングリコール(以下EGと略称する)に平均粒径
1.0μmの硫酸バリウム/硫化亜鉛=7/3(重量比)の混
合焼結体硫化亜鉛を振動ミルを用いてあらかじめ分散し
た。これをテレフタル酸(以下TAと略称する)および
EGとに混合して、EG/TAモル比1.5、混合焼結合
体の含有量が出来上がりポリマーに対して5重量%にな
るようにスラリー調整した。このスラリーに燐原子が亜
鉛原子に対して0.01モルになるように燐酸トリ−n−ブ
チルを、コバルト原子が亜鉛原子に対して0.005モルに
なるように酢酸コバルトを添加し、内温250℃のエス
テル化槽に連続的に添加して3時間で反応を完了した。
この反応物にSb2O3を400ppm添加して重合槽に移送
し、290℃に加熱しつつ徐々に減圧し1mmHg以下
で3時間反応させて、[η]=0.66のポリエステルテレ
フタレート(以下PETと略称する)を得た。このPE
Tを水中にストランド状に押し出し、切断し、ペレット
化した。押し出し後のペレットの[η]の低下は3.5%
であった。
このペレットを常法により紡糸延伸して75デニール/
36フィライメントの延伸糸を得た。繊維化工程性は良
好であった。通常のセミダルと称されている糸(酸化チ
タン0.5%含有)に比べ延伸糸の最大切断伸度が2割程
度高くなっているのが認められた。この延伸糸を6ケ月
間太陽光に暴露したが、白度は殆ど低下せず、糸強度の
低下もなく良好な耐光性を示した。
実施例2 艶消剤として硫化亜鉛(平均粒径1.2μ)を出来上がり
ポリマーに対して20重量%添加し、燐化合物として亜
燐酸を用いる以外は実施例1と同様にして[η]=0.65
のPETを得た。このPETを実施例1と同様にしてス
トランド状に水中に押し出しペレット化した。ペレット
の[η]の低下は3.3%であった。このペレットを実施
例1と同様にして紡糸延伸を行ない得られた延伸糸を常
法により紡糸延伸して75デニール/36フィラメント
の延伸糸を得た。繊維化工程性は良好であった。
また、この延伸糸を6ケ月間太陽光に暴露したが、白度
は殆ど低下せず、糸強度の低下もなく良好な耐光性を示
した。
比較例1 燐化合物を添加しない以外は実施例1と同様にして
[η]=0.69のPETを得、ペレット化したが、押し出
し開始40分で[η]が大きく低下し安定にストランド
状に押し出すことができなかった。このときの[η]=
0.42であった。
比較例2 燐化合物の配合量を亜鉛原子に対して0.005モルとなる
ようにした以外は実施例1と同様にして[η]=0.66の
PETを得、ペレット化したが、[η]の低下は75%
で熱安定性に劣っていた。
比較例3 燐化合物の配合量を亜鉛原子に対して0.08モルとなるよ
うにした以外は実施例1と同様にして[η]=0.69のP
ETを得、ペレット化したが、重合時間が短く、ゲル化
の徴候を示した。押し出し中の[η]の低下は4%と少
なかったが、粘度測定溶液としたところ完全に溶解せ
ず、ゲル部分の存在が認められた。
比較例4 コバルト化合物を添加しない以外は実施例1と同様にし
てPETを得、ペレット化した。次いでこのペレットを
用いて紡糸延伸を行ない、得られた延伸糸を太陽光に暴
露したが、1ケ月で白度が低下し、糸強度の低下も見ら
れた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が2.0μ以下であって、硫化亜
    鉛及び/又は硫化亜鉛を10重量%以上含有する微粒子
    を、1.0重量%以上、40.0重量%以下の範囲、燐化合物
    を亜鉛原子1モルに対し燐原子が0.001モル以上、0.05
    モル以下の範囲、コバルト化合物を亜鉛原子1モルに対
    しコバルト原子が0.0005モル以上、0.01モル以下の範囲
    で含有することを特徴とするポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】微粒子が、硫酸バリウムとの混合焼結体と
    なった硫化亜鉛からなる微粒子である特許請求の範囲第
    1項記載のポリエステル樹脂。
  3. 【請求項3】ポリエステルの構成単位の75%以上が、
    エチレンテレフタレート残基である特許請求の範囲第1
    項または第2項記載のポリエステル樹脂。
  4. 【請求項4】ポリエステルの構成単位の75%以上が、
    ブチレンテレフタレート残基である特許請求の範囲第1
    項または第2項記載のポリエステル樹脂。
JP62116267A 1987-05-12 1987-05-12 ポリエステル樹脂 Expired - Lifetime JPH064752B2 (ja)

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