JPH064747B2 - 難燃性abs樹脂組成物 - Google Patents

難燃性abs樹脂組成物

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JPH064747B2
JPH064747B2 JP13367485A JP13367485A JPH064747B2 JP H064747 B2 JPH064747 B2 JP H064747B2 JP 13367485 A JP13367485 A JP 13367485A JP 13367485 A JP13367485 A JP 13367485A JP H064747 B2 JPH064747 B2 JP H064747B2
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abs resin
flame
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retardant
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和夫 土山
尚夫 池田
友雄 塩原
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は難燃性能にすぐれた難燃性ABS樹脂組成物に
関する。
(従来の技術) 事務機器のハウジング材料分野で,近年,難燃化の要求
が高まっている。特に,出来材料に対する安全規格とし
て電気用品取締り法があり、プラスチック材料に関する
細則には燃焼性試験が定められている。米国ではUL規
格(電気機器用プラスチックの難燃化に関する規格)が
定められており,対米輸出用製品には高度に難燃化され
たハウジング材料が要求される。国内用製品において
も,米国のUL規格の影響を受け、難燃性の規制が強化
される傾向にある。このような現状から,難燃性を有す
るハウジング材料が強く求められている。
難燃性を有するハウジング材料には,例えば,ノリル
(変成PPO)がある。ノリルは機械的強度,衝撃物
性,耐熱性などにすぐれているものの高価であり,成形
時の流動性が悪い。近年,ノリルに代えてABS樹脂が
ハウジング材料として用いられている。ABS樹脂は,
物性値のトータルバランスにすぐれ,安価でありかつ成
形も容易である。しかし,ABS樹脂は燃えやすいた
め,その難燃化には難燃剤の添加が必要である。難燃剤
には,一般に,塩化ビニル系ポリマー,低分子量ハロゲ
ン化合物が用いられる。このようなハロゲン系難燃剤を
添加したABS樹脂として,例えば,特開昭54-40845号
公報には,塩素化ポリエチレン(塩素化度25〜45%),
テトラブロムビスフェノールAおよび三塩化アンチモン
を添加した組成物が開示されている。特開昭54-43255号
公報には,ABS樹脂にポリ塩化ビニルおよび三酸化ア
ンチモン,またはポリ塩化ビニルおよび五酸化アンチモ
ンを添加した組成物を開示されている。しかし,このよ
うに,ハロゲン系難燃剤により難燃化されたABS樹脂
は,その成形時において,ハロゲン化合物の熱分解によ
りハロゲン化水素ガスが発生する。ハロゲン化水素ガス
は人体に有毒である。材料の変色,炭化物の混入,スク
リューおよび成形金型の腐食などの原因ともなる。ハロ
ゲン化合物の分解を防止するために,成形温度を低くす
れば,樹脂の流動性が悪くなる。またポリ塩化ビニルを
添加したABS樹脂は,熱変形温度が著しく低下する。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の問題点を解決するものであり,その
目的とするところは,成形時において難燃剤が熱分解す
ることのない難燃性ABS樹脂組成物を提供することに
ある。本発明の他の目的は,難燃性能にすぐれた難燃性
ABS樹脂組成物を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の難燃性ABS樹脂組成物は,少なくともパラメ
チルスチレン単位を有するABS系樹脂100重量部,赤
リン5〜30重量部およびメラミン5〜30重量部を含有
し,そのことにより上記目的が達成される。
少なくともパラメチルスチレン単位を有するABS系樹
脂には,例えば,ABS樹脂の重合体鎖中における少な
くとも1つのスチレン系モノマー単位をパラメチルスチ
レンに置き換えた組成物,ABS樹脂とパラメチルスチ
レン単独重合体とのポリマーブレンド体,ABS樹脂と
少なくともパラメチルスチレンを含有する共重合体との
ポリマーブレンド体がある。
ここでABS樹脂は,アクリロニトリル,ブタジエン,
スチレンを主成分とする共重合樹脂およびそれらのポリ
マーブレンド体でなる。ABS樹脂には,スチレン−ア
クリロニトル共重合体とアクリロニトリル−ブタジエン
共重合ゴムとのブレンド型,およびブタジエンゴムラテ
ックスまたはスチレン−ブタジエンゴムラテックスの共
存下にスチレンとアクリロニトリルをグラフト共重合し
て得られるグラフト型がある。このようなABS樹脂
は,さらに耐熱性,流動性などの改良のため,スチレン
をα−メチルスリレンに置き換えたり,共重合成分にス
チレンおよびアクリロニトリルと共重合可能なモノマ
ー,例えば,メチルメタクリレート,N−フェニルマレ
インイミドを導入してもよい。ポリカーボネートなどの
他の樹脂成分をブレンドすることも好ましい。
パラメチルスチレン単位を有するABS系樹脂は,加熱
によりパラ位のメチル基がメチルラジカルとなる。メチ
ルラジカル同士はラジカルカップリングを起こし,架橋
体を形成する。架橋体は,樹脂の燃焼時における溶融プ
ラスチックなどの滴下(ドリップ)防止に有効である。
パラメチルスチレン単位は,ABS系樹脂中において5
〜60重量%,好ましくは,10〜15重量%の範囲で含有さ
れる。5重量%を下まわると,ドリップ防止の効果が得
られない。60重量%を上まわると,ABS系樹脂の特性
に好ましくない影響を与える。
赤リンは,ABS系樹脂の燃焼時において,燃焼表面に
固層被膜を形成し,そのことより外部からの酸素の供給
を断つための難燃剤である。
一般に,リン化合物は,その燃焼時において,メタリン
酸をへてポリリン酸となる。ポリリン酸は燃焼表面に固
層被膜を形成し,そのことにより外部からの酸素の供給
が断たれる。また,メタリン酸は,ポリリン酸となる過
程で脱水作用を示す。それゆえ有機化合物の炭化が促進
される。この炭化層も酸素の遮断に効果的である。しか
も,ドリップ防止に有効である。
赤リンには,表面処理された赤リン微粒子が用いられ
る。表面処理は,特開昭51-105996号公報および特開昭5
2-125489号公報に開示されているように,赤リン微粒子
の表面を熱硬化性樹脂で被覆することによりなされる。
このような表面処理により,空気中の水分による赤リン
微粒子の変質が防止され,取り扱い上の危険も回避され
る。赤リン微粒子はABS系樹脂100重量部に対し5〜3
0重量部,好ましくは,10〜20重量部の範囲で含有され
る。5重量部を下まわると,所望の難燃性能が得られな
い。30重量部を上まわると,かえって難燃性能が低下す
るうえにABS系樹脂の特性に好ましくない影響を与え
る。
メラミンは,ABS系樹脂の燃焼温度付近にて縮合しそ
して炭化構造をとることにより,酸素の供給を断つとと
もにドリップを防止するための難燃剤である。メラミン
分子中のアミノ基が,可燃性ガスの酸化反応中における
フリーラジカルを捕捉することにより,さらに難燃化が
促進される。メラミンはABS系樹脂100重量部に対し
5〜30重量部,好ましくは,10〜20重量部の範囲で含有
される。5重量部を下まわると,所望の難燃性能が得ら
れない。30重量部を上まわると,かえって難燃性能が低
下するうえにABS系樹脂の特性に好ましくない影響を
与える。
このような難燃剤の添加により,本発明のABS系樹脂
組成物は効果的に難燃化される。ABS系樹脂以外の樹
脂に対して,同様の難燃剤を添加した組成物は,例え
ば,特公昭51-27461号公報に開示されているものの,こ
れをそのままABS系樹脂に適用しても所望の難燃性能
は得られない。本発明に示すように,一定の範囲で難燃
剤を配合することが必要である。
(実施例) 以下に本発明を実施例について述べる。
実施例1 パラメチルスチレン単位が20重量%含有されたブレンド
型のABS系樹脂100重量部,熱硬化性樹脂により表面
処理された赤リン微粒子(ノーバレッド#120,燐化
学工業社製)10重量部,粉体状メラミン10重量部を配合
し,180〜180℃で0.5時間ロール混練した。混練物を190
〜200℃で加熱プレスして,厚さ1.6mm(1/16インチ)の
シートを得た。このシートから巾12.7mmの試験片を切り
出し,米国UL-94の規格に従って難燃試験を行った。こ
の結果を下表に示す。
実施例2 メラミンを20重量部としたこと以外は実施例1と同様に
して試験片を作成し,同様の燃焼試験を行なった。この
結果を下表に示す。
実施例3 赤リン微粒子を15重量部としたこと以外は実施例1と同
様にして試験片を作成し,同様の燃焼試験を行なった。
この結果を下表に示す。
比較例1 赤リン微粒子を15重量部とし,メラミンを用いなかった
こと以外は実施例1と同様にして試験片を作成し,同様
の燃焼試験を行なった。この結果を下表に示す。
比較例2 メラミンを20重量部とし,赤リンを用いなかったこと以
外は実施例1と同様にして試験片を作成し,同様の燃焼
試験を行なった。この結果を下表に示す。
比較例3 メラミンを20重量部とし,ABS系樹脂にパラメチルス
チレンを含有させなかったこと以外は実施例1と同様に
して試験片を作成し,同様の燃焼試験を行なった。この
結果を下表に示す。
比較例4 赤リン微粒子を15重量部とし,ABS系樹脂にパラメチ
ルスチレンを含有させなかったこと以外は実施例1と同
様にして試験片を作成し,同様の燃焼試験を行なった。
この結果を下表に示す。
表から明らかなように,パラメチルスチレン単位を20重
量%の割合で含有するABS系樹脂100重量部に対し,
赤リン微粒子10〜15重量部およびメラミン10〜20重量部
を配合することにより,UL-94規格V-0〜V-1というすぐ
れた難燃性能が得られた。本発明者による別の実験デー
タをも考慮すると,本発明の組成物は,少なくともパラ
メチルスチレン単位を含有するABS系樹脂100重量部
に対し,赤リン微粒子が5〜30重量部およびメラミンが
5〜30重量部の範囲にあれば,所望のすぐれた難燃性能
を有しうることが明らかとなった。
比較例1〜4に示すように,これらの添加剤のいずれか
1つが欠けても,UL-94規格notVといった著しく低い難
燃性能しか得られない。また,パラメチルスチレン単位
を含有しないABS系樹脂を用いた場合,難燃性能が劣
るだけでなく,ドリップを起こしやすい。
(発明の効果) 本発明の難燃性ABS樹脂組成物は,このように,ハロ
ゲン化合物以外の難燃剤を用いているため,その成形時
において難燃剤が熱分解することはない。その結果,有
毒ガスの発生,材料の変色,炭化物の混入,スクリュー
および成形金属などの腐食が起こらない。それゆえ,本
発明の組成物は難燃材料として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5:3477)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともパラメチルスチレン単位を有す
    るABS系樹脂100重量部,赤リン5〜30重量部および
    メラミン5〜30重量部を含有する難燃性ABS樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】前記ABS系樹脂が、ABS樹脂の重合体
    鎖中における少なくとも1つのスチレン系モノマー単位
    をパラメチルスチレンに置き換えた特許請求の範囲第1
    項に記載の難燃性ABS樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記ABS系樹脂が,ABS樹脂とパラメ
    チルスチレン単独重合体とのポリマーブレンド体である
    特許請求の範囲第1項に記載の難燃性ABS樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】前記ABS系樹脂が,ABS樹脂と少なく
    ともパラメチルスチレンを含有する共重合体とのポリマ
    ーブレンド体である特許請求の範囲第1項に記載の難燃
    性ABS樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記ABS系樹脂中にパラメチルスチレン
    単位が5〜60重量%の範囲で含有された特許請求の範囲
    第1項に記載の難燃性ABS樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記赤リンが,熱硬化性樹脂で表面処理さ
    れた赤リン微粒子である特許請求の範囲第1項に記載の
    難燃性ABS樹脂組成物。
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