JPH0646913B2 - 乳化性油脂組成物 - Google Patents

乳化性油脂組成物

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JPH0646913B2
JPH0646913B2 JP61007726A JP772686A JPH0646913B2 JP H0646913 B2 JPH0646913 B2 JP H0646913B2 JP 61007726 A JP61007726 A JP 61007726A JP 772686 A JP772686 A JP 772686A JP H0646913 B2 JPH0646913 B2 JP H0646913B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は油中水中油型の乳化性油脂組成物に関するもの
であり、さらに詳しくはマーガリンとして、食卓用また
は製菓製パン用に用いるに際して、乳化安定性にすぐ
れ、かつ風味、起泡性のすぐれた油中水中油型の乳化性
油脂組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
従来油中水中油型の乳化性油脂組成物として、多数報告
されている。(1)二重乳化型マーガリンを製造するに際
して乳化剤としてプロピレングリコールアルギネートを
使用する方法(特公昭35−8638)、(2)内相の配合油中
に酸化安定性の高い油脂を、外相にリノール酸を含む不
飽和度の高い脂肪酸を含有する油脂を、さらに内相油中
に食塩粉末を含ませた組成の二重乳化型エマルジョンを
製造する方法(特公昭42-3062)、(3)水相にミルクカゼ
インを重合燐酸塩で中和して得たものを乳化安定剤とし
て使用する二重乳化型マーガリンを製造する方法(特公
昭37-9261)、(4)HLB1〜4の蔗糖脂肪酸エステルを
含む油脂20〜80%に水中油型油脂組成物20〜80%を加え
混合乳化することにより油中水中油型二重乳化油脂組成
物を製造する方法(特開昭49-31708)、(5)5〜50%の
水および蔗糖脂肪酸エステル(HLB10以上)を含む水
相中に油脂の分散している水中油型エマルジョンと、50
〜95%の油脂および結合する脂肪酸中に50%以上の不飽
和脂肪酸を含む多価アルコール脂肪酸部分エステルを含
む油相とを混合乳化する油中水中油型乳化油脂組成物の
製造法(特開昭55-7094)、(6)(5)の水相にレシチンを
加えて、油中水中油型乳化油脂組成物を製造する方法
(特開昭55-7093)、(7)最内相の油脂中にショ糖高級脂
肪酸エステルの低級脂肪酸エステル化物を含有する水中
油型エマルジョンを最外相の油脂中に乳化して油中水中
油型二重乳化油脂組成物を製造する方法(特開昭58-143
829)、(8)中間水相中に乳蛋白質を全組成物に対し0.05
%(wt)以上と有機酸モノグリセリドを乳蛋白質の1%(w
t)以上含有する油中水中油型二重乳化油脂組成物(特開
昭58-216545)、(9)中間水相中に乳蛋白質と(8)と同量
のナトリウム、カルシウムを含有する油中水中油型二重
乳化油脂組成物、(10)中間水相中に乳蛋白質を(8)と同
量と、レシチンを含有する油中水中油型二重乳化油脂組
成物(特開昭59-216628)、(11)内相の水中油型乳化物
の水相中にカゼインナトリウムと水溶性レシチンを、最
外相の油脂中にソルビタン油脂酸エステルを含有してな
る油中水中油型二重乳化油脂組成物(特開昭59-21097
1)、(12)最外相の油脂にポリグリセリン脂肪酸エステ
ルを添加したO/W/O型二重乳化油脂組成物の製造法
(特開昭59-210972)らがある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、(1)は内相の乳化剤として用いるプロピ
レングリコールアルギネートの乳化安定性が劣り、安定
な二重乳化型の油脂組成物が得られない。(2)は内相に
食塩を含ませるものであり、それによって酸化安定性を
向上させる効果はあるが、内相の乳化安定性を低下させ
ると云う問題がある。(3)はミルクカゼインの重合燐酸
塩中和物を乳化安定剤に用いているが、長期間の乳化安
定性に難点がある。つまり、(1)、(2)、(3)はいずれも
長期間保存した場合に二重乳化の油/水/油の比率が変
化したり、最内相の油相と最外相の油相が融和したりし
て、そのために製品の口どけ、食感が低下する等の問題
が生じる。また(4)、(5)、(6)はいずれもpHが中性付近
では良好なエマルジョンを形成しているが、pHが酸性す
なわち、pH5.5以下では内相の水中油型エマルジョンの
乳化安定性が低下して、二重乳化エマルジョンの破壊が
起り、ホイップ性及びホイップ後の食感に難点がある。
(7)はエマルジョンの安定性はpHの変化等により影響も
受けず、すぐれているが、製品のホイップ性が十分でな
く、また抱水性に難点があり、水を分離し易い。(8)、
(9)、(10)は、中間水相中に乳蛋白質と有機酸モノグリ
セリド、ナトリウム、カルシウム、レシチン等を含有す
るものであるが、いずれも酸性(pH5.5以下)になった
時の内相のO/W型エマルジョンの安定性が低下する。
また(11)、(12)も、中性付近のpH域では安定なエマルジ
ョンを形成するが、pHが酸性サイド(pH5.5以下)で
は、内相のエマルジョンの安定性が低下する。また、製
品のホイップ性およびホイップ後の食感が劣り問題があ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点を解決するために種々検討の結果、本発明を
考案するに到ったものである。すなわち、本発明は油中
水中油型の乳化性油脂組成物において、最内相の油相
(I)中にHLB7以下のポリグリセリン脂肪酸エステル
を0.1〜2重量%含み、かつ該油相と中間水相(II)と
最外相の油相(III)の比が、重量にてI:II:III=
1:0.5〜6:0.5〜7より成るところの乳化性油脂組
成物であり、さらに本発明の他の一つは、最内相の油相
(I)中に0.1〜2重量%のHLB7以下のポリグリセ
リン脂肪酸エステルを含み、かつ中間水相(II)中に、
HLB8以上のポリグリセリン脂肪酸エステルと乳蛋白
質を各々0.1〜2、1〜10重量%含む上記比より成る乳
化性油脂組成物である。
本発明にて用いるポリグリセリン脂肪酸エステル(以下
「PGAE」と称す)は精製したポリグリセリンと脂肪
酸とのエステル化反応により得られる通常食用乳化剤と
して用いられるもので、最内油相(I)にはHLB7以
下のものを使用するが、HLB4以下のものが好まし
い。ポリグリセリンはその重合度に制限はないが、通常
グリセリンの重合モル数2〜15のものが用いられる。脂
肪酸は天然より得られる動植物性油脂並びにその硬化油
脂を分解して得られる脂肪酸が用いられ、炭素数6〜2
2、好ましくは12〜20の脂肪酸で、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が
挙げられ、これらの脂肪酸の1種または2種以上を混合
して用いることができる。またHLB7以下のPGAE
として市販されている次のものも用いることができる。
商品名「サントン10−10−0」ダーキー社製 デカグリセロールデカオレエート、HLB2.0 商品名「SYグリスターTS-310」阪本薬品工業製 テ
トラグリセロールトリステアレート、 HLB4 商品名「SYグリスターTS-310」阪本薬品工業製、テ
トラグリセロールペンタステアレート HLB2 商品名「SYグリスターPS-500」阪本薬品工業製、ヘ
キサグリセロールペンタステアレート HLB4 商品名「SYグリスターHS-500」阪本薬品工業製、ヘ
キサグリセロールヘプタステアレート HLB2 商品名「SYグリスターTS-500」阪本薬品工業製、ヘ
キサグリセロールトリステアレート HLB7 商品名「サントン3−1−S」ダーキー社製、トリグ
リセロールモノステアレート HLB7 PGAEとしてHLB7を越えるものを用いた場合に
は、油相における溶解性が低く、また均一に溶解し難
く、安定したエマルジョンが得られないと云う問題が生
じる。
これらのHLB7以下のPGAEを、最内相の油相中に
含有することを必要とするが、含有しない場合には内相
の水中油型エマルジョンの安定性が悪く、すぐ分離する
傾向がある。
その添加量は、最内相の油相中に重量にて0.1〜2%を
含むのが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.5%であ
る。添加量が0.1%以下では十分な乳化安定性が得られ
ず、また添加量が2%以上になると、得られる製品の風
味が悪く、また食感が劣る等の問題が生じる。
またHLB7以下のPGAEと共に最内相には、必要に
応じてレシチン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル等の食用乳化剤を加えて用い
ることもできる。レシチンとしては大豆レシチン、卵黄
レシチンが挙げられ、その添加量は、油相(I)中に0.
1〜2重量%である。
次に中間水相中に用いる乳化剤について述べれば、ショ
糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチ
ン等を用いても安定なO/W型エマルジョンとO/W/
O型エマルジョンが得られるが、より安定なO/W型エ
マルジョンを得ると共に、かつ安定したO/W/O型エ
マルジョンを得るためには、HLB8以上のPGAEを
用いるのが好ましく、より好ましくはHLB10以上であ
る。HLB8以上のPGAEは、上記HLB7以下のP
GAEを用いたポリグリセリンと脂肪酸を反応して得ら
れる生成物が用いられるが、ポリグリセリンに対し、エ
ステル化度の低いHLB8以上のものが用いられる。ま
たHLB8以上のPGAEとして市販されている次のも
のも用いることができる。
商品名「SYグリスターMS310」阪本薬品工業製 テ
トラグリセロールモノステアレート HLB8 〃 「 〃 MO310」 〃 テトラグリセロールモノオレエート HLB8 〃 「 〃 SS500」 〃 ヘキサグリセロールセスキステアレート HLB9 商品名「SYグリスターML310」阪本薬品工業製 テ
トラグリセロールモノラウレート HLB10 〃 「 〃 MS500」 〃 ヘキサグリセロールモノステアレート HLB11 〃 「 〃 MO500」 〃 ヘキサグリセロールモノオレエート HLB11 〃 「サントン8−1−0」ダーキー社製 オクタグリセロールモノオレエート HLB13 〃 「SYグリスターMO750」阪本薬品工業製 デ
カグリセロールモノオレエート HLB13 〃 「 〃 ML-750」 〃 デカグリセロールモノラウレート HLB15 PGAEの添加量は水相中に重量にて0.1〜2%であ
り、中間水相には上記の乳化剤の外に乳蛋白質を加える
ことにより、さらに安定なO/W型エマルジョンが出来
ると共にO/W/O型エマルジョンを生成する上におい
ても、より安定なエマルジョンが得られる。
ここに用いる乳蛋白質としては、牛乳、無糖練乳、脱脂
粉乳、全脂粉乳、発酵粉乳、カゼインナトリウム、ホエ
ーパウダー等が挙げられ、これらの添加量は乳固型分換
算にて水相中に1〜10重量%であり、より好ましくは2
〜8重量%である。
次に本発明において使用する油脂としては、最内相、最
外相共に共通したものが使用でき、精製した動植物油脂
およびそれらの硬化油脂並びにそれらの分別油脂、さら
にこれらのエステル交換油が挙げられ、これらより選ば
れた少なくとも一種を用いる。動植物油脂の例として
は、ナタネ油、コーン油、大豆油、パーム油、綿実油、
ヤシ油、サフラワー油、サンフラワー油、乳脂、牛脂、
ラード等が挙げられ、硬化油としては、上記の液状植物
油並びに魚油の硬化油が挙げられる。また分別油脂とし
てはパーム油、上記硬化油を分別した固体脂又は液状油
が挙げられる。また最内相に加えるHLB7以下のPG
AE以外の乳化剤並びに最外相に加える乳化剤として
は、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸
エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリ
コール脂肪酸エステルが挙げられ、これらは、いずれも
親油性の高いものが望まれ、もしくは、HLB7以下の
PGAEと混合した場合のHLBが7以下、好ましくは
4以下になるものを用いる。また水相に加えるHLB8
以上のPGAE以外の乳化剤としては、上に挙げた最内
相及び最外相に加える乳化剤と同種類のもので、HLB
が8以上のものが挙げられ、これをHLB8以上のPG
AEと混合してHLBが8以上、好ましくはHLB11以
上になるように種類及びその量を選択する。これらの乳
化剤は、内外相共に1種又は2種以上を用いることがで
きる。また上記の乳化剤の外に、食塩、砂糖、着色料、
香料、ガム質等を適量添加して用いることができる。
次に本発明の乳化性油脂組成物の製造方法について説明
する。まず水中油型エマルジョンの製造において水相中
にHLB8以上のPGAEを含まない場合と含む場合が
あり、水相中にHLB8以上のPGAEを含まない場合
には、規定量の水を80℃以上にて加熱殺菌後60〜7
0℃に保つ。また水相にHLB8以上のPGAEを含む
場合の水中油型エマルジョンの製造は規定量の水にHL
B8以上のPGAEと乳蛋白質を加え、溶解し、80℃以
上にて加熱殺菌後60〜70℃に保つ。規定量のHLB7以
下のPGAEを溶解し、60〜70℃に加熱した油相(I)
を2つ調製し、それら各々を別々に上で得られた水相を
攪拌しながら加え、以下同じ条件下で乳化し、さらにホ
モジナイザーに通して均質化する。均質化の条件は、圧
力50〜200kg/cm2で、エマルジョンの径が平均3μ以下
になるまで均質化を行う。均質化後エマルジョンを速や
かに40〜50℃に冷却する。
次に油脂に乳化剤その他の添加剤を加えて調製した油相
(III)を55〜65℃に保持し、これに上で得た水中油型
乳化剤を少しずつ加えながら混合乳化する。均一に乳化
後、ボテーター、コンビネーター、コンプレクター、パ
ーフェクター等を用いて、急冷混練し、油中水中油型乳
化油脂組成物を得る。他は上記油相(I)及び(III)
を同様に調製し、上記の条件にて乳化を行い、油中水中
油型乳化油脂組成物を得る。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を説明する。
測定例1 最内相の油相(I)として、魚硬化油(MP36℃)20kgに
SYグリスターPS-310(以下これをPS-310と記す)を魚
硬化油に対し重量にて0.08〜2.2%(計5点)と、レシ
チン0.1重量%を加え溶解したものを調製する。中間の
水相(II)として水17kgに対し脱脂粉乳5.6重量%とS
YグリスターMS-500(以下これをMS-500と記す)0.3重
量%を加え溶解したものを調製する。この組成の油相
(I)と水相(II)の比が重量にて(I):(II)=
1:0.4〜7(計5点)の組成の水中油型エマルジョン
を次のように調製する。60〜65℃に保った水相(II)を
攪拌しながら、それに60〜65℃の油相(I)を加え乳化
させる。均一に乳化後100kg/cm2にて均質機に通す。
以上の様にして得られたエマルジョンにつき、粘度、乳
化性、風味を測定し、油相(I)中に必要とするポリグ
リセリン脂肪酸エステルと、油相(I)と水相(II)の
比率をチェックした。その結果を表−1に示す。
表−1の結果、油相(I):水相(II)の比が、1:0.
7〜5の範囲で、かつ油相(I)中のPGAEの量が0.
1〜2.0%の範囲のものが、エマルジョンの粘度が低
く、乳化性の安定なかつ風味のすぐれたものが得られ
た。
測定例2 次に、次の組成の最内油相(I)を中間水相(II)と最
外油相(III)を別々に調製する。
上記の組成の油相(I)、水相(II)、油相(III)を
重量比にて(I):(II):(III)=1:0.4〜7:
0.4〜8の比率にて変化した場合(12点)につき、次の
ように油中水中油型乳化油脂組成物を調製し、エマルジ
ョン粒径、ホイップ性、風味、汚染テストより判定し
た。
iv)乳化油脂組成物の調製:90℃に加熱して殺菌した水
相(II)を65℃に保持し、これに65℃に加熱した油相
(I)を加え、10分間攪拌乳化後均質機(100kg/cm2
に通す。この時のエマルジョンの大きさは3μ以下とす
る。次にこの乳化液を速やかに45℃に冷却したのち、60
℃の油相(III)に滴加しながら混合乳化する。全量を
加え均一に乳化したのちボテーターで急冷混練して油中
水中油型乳化油脂組成物を得た。
v)エマルジョン粒径:400倍の偏光顕微鏡によりエマ
ルジョンの粒径より次の基準により判断した。
◎:粒径 1〜3μが60%以上占める。
○:〃 2〜5μ 〃 △:〃 4〜7μ 〃 ×:〃 6〜8μ以上が60%以上占める。
vi)ホイップ性:試料4とシロップ6の割合(重量比)
で混合し、ホイッパーにて15分間ホイップし、その直後
の比重(20℃)を測定し、次の基準により判断した。
◎:0.48未満 ○:0.48〜0.52未満 △:0.52〜0.55未満 ×:0.55〜0.61 vii)風味:測定例1のiii)と同じ基準により判定し
た。
viii)汚染テスト:シャーレーに試料を採り、その中心
に汚染源を一定量添加し、25℃の恒温槽中に5日間静置
して、カビの繁殖状況を肉眼で観察し、その状況を次の
基準により判定した。汚染源には食塩、防黴剤、ミルク
を添加していないマーガリンを25℃に10日間保管し、発
生したカビ(青カビが中心)を用いた。
◎:全く増殖が認められない。
○:汚染源の周囲5mm程度に増殖が認められる。
: 〃 10mm 〃 〃 △: 〃 15mm 〃 〃 ×: 〃 20mm以上に 〃 以上得られた乳化性油脂組成物につき、途中で得られる
水中油型エマルジョンと油中水中油型エマルジョンにつ
き、測定例1並びに上記v)〜viii)の方法によりチェ
ックし、その結果を表−2に示した。
以上の結果、最内油相(I)にポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを添加した時の(I):(II):(III)の比率
が1:0.7〜5:0.7〜5の時は、乳化安定性、ホイッ
プ性、風味、汚染テスト共にすぐれており、総合的に
も、すぐれた製品として得られた。
実施例1 以下の組成により乳化油脂組成物を調製した。
油相(I)を65℃に加熱攪拌して均一にしておく。水相
(II)を65℃に加熱攪拌しながら油相(I)を加え乳化
する。均一に乳化後100〜110kg/cm2の圧力下でホモジ
ナイザーに2回通し、エマルジョンの粒径を3μ以下に
する。このエマルジョンは速やかに40℃に冷却する。そ
れを60℃に加熱し溶解した油相(III)に加え、混合乳
化する。均一に乳化後ボテーターで急冷混練して、目的
の乳化油脂組成物とする。
比較例1 実施例1の最内油相(I)から、ポリグリセリン脂肪酸
エステルを除いた以外はすべて実施例1と同様の組成に
て同様に製造し、乳化性油脂組成物を得た。
比較例2 実施例1の油相(I)、水相(II)、油相(III)を用
い、その比率が(I):(II):(III)=1:0.4:
0.6として、実施例1と同様に製造し、乳化性油脂組成
物を得た。
実施例2 以下の組成の乳化性油脂組成物を実施例1に記載の方法
により調製した。
比較例3 実施例2の最内油相(I)からポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを除いた以外は、すべて実施例2と同様の組成に
て実施例1と同様に製造し乳化性油脂組成物を得た。
比較例4 実施例2の油相(I)、水相(II)、油相(III)を用
い、その比率が、(I):(II):(III)=1:7:
2として、実施例1と同様に製造し、乳化性油脂組成物
を得た。
比較例5 実施例1の最内相(I)のSYグリスターPS−310
の代りにSYグリスターMO310を同量用いた以外
は、すげて実施例1と同様の組成にて実施例1と同様に
製造し乳化性油脂組成物を得た。
以下の実施例1〜2及び比較例1〜5の乳化性油脂組成
物につき、測定例1及び2で用いた方法により粘度、乳
化性、エマルジョン粒径、ホイップ性、風味、を測定
し、測定した。その結果を表−3に示す。
測定例3 最内油相(I)として、魚硬化油(MP36℃)20kgにPS-3
10を0.06kg、レシチン0.02kgを加え、溶解して調製す
る。中間水相(II)として、水17kgに脱脂粉乳0.95kg、
MS-500 0.016〜0.44kg(0.08〜2.2%5点)を加え溶解
して調製する。
そしてこれらの油相(I)と水相(II)の比が重量にて
(I):(II)=1:0.4〜6.5の範囲の組成で5点の
水中油型エマルジョンを調製する。エマルジョンの製造
方法は測定例1と同様に行った。水相に溶解したポリグ
リセリン脂肪酸エステル(MS-500)の量と、油相と水相
の比率によるエマルジョンを調製し、測定例1と同じ方
法により粘度、乳化安定性、風味を評価し、その結果を
表−4に示した。
表−4の結果、HLB8以上のPGAEMS-500の添加量
が0.1〜1.8重量%の範囲で、かつ油相(I):水相
(II)の比が1:0.7〜5.5のものにエマルジョンの粘
度が低く、乳化性のすぐれ、かつ風味のすぐれたものが
得られた。MS-500が0.08%のものは、乳化性が十分安定
ではなく、またMS-500が2.2%になると風味が極めて悪
くなる。また油相と水相の比は1:0.4では、風味が悪
く、1:6.5では風味も良くないが、乳化安定性が著し
く低下して来る。
測定例4 次に、最内油相に測定例3と同じものを用い、中間水相
(II)として、水にMS-500を0.3%と乳蛋白質として脱
脂粉乳を0.8〜12.0%(いずれも水に対する重量%)を
加えたもの5点を調製し、これらの油相(I)と水相
(II)の比が重量にて1:0.4〜6.5の範囲の組成で5
点の水中油型エマルジョンを測定例1と同様の方法にて
調製した。測定例1に記載した方法により粘度、乳化
性、風味を評価し、その結果を表−5に示した。
表−5の結果、乳蛋白質を1.0〜10%加えたものは全体
的に見て測定例3に比較して、粘度がやや高くなるが、
乳化性はより安定になり、風味も向上し、MS-500と乳蛋
白質の併用による効果が認められた。
測定例5 次に、最内油相(I)と中間水相(II)と最外油相(II
I)を次の組成により各々調製する。
次に(I):(II):(III)の組成比が1:0.4〜
7:0.4〜8の範囲で表−6に示すように12点の油中水
中油型エマルジョンを測定例2に記載の方法により得る
が、まず、途中で得られる水中油型エマルジョンについ
て、測定例1の方法により粘度、乳化性をチェックし、
次いで、油中水中油型乳化油脂組成物について、エマル
ジョン粒径、ホイップ性、風味、汚染テストを測定例2
の方法により測定した。その結果を表−6に示した。
表−6の結果、最内油相(I)にPS-310を加え、中間水
相(II)にMO-750と乳蛋白質を加えた時の(I):(I
I):(III)の比率は1:0.6:〜5:0.6〜6の範囲
のものが、水中油型エマルジョンとして乳化性が良く、
かつ油中水中油型エマルジョンとして、エマルジョン粒
径が小さく、ホイップテストでの結果も良く、風味も良
好であった。また汚染テストも良好であった。
実施例3 次の組成の油中水中油型乳化油脂組成物を実施例1に記
載の方法により得た。
比較例6 実施例3の最内油相より、サントン10−10−0を除いた
以外はすべて、同じ組成にて実施例3と同様に乳化性油
脂組成物を調製した。
実施例4 製造方法は実施例1に記載の方法によった。
比較例7 実施例4の中間水相よりサントン8−1−0を除いた以
外はすべて同例4と同じ組成にて実施例4と同様に乳化
性油脂組成物を調製した。
比較例8 実施例3の最内相(I)よりサントン10−10−0を
除き、中間水相(II)のSYグリスターMO750の代りに
SYグリスターPS-500を同量用いた以外はすべて実施例
3と同じ組成にて実施例1と同様に乳化性油脂組成物を
調製した。
実施例3〜4、比較例6〜8にて得られた、乳化性油脂
組成につき、製造途中の水中油型エマルジョン並びに油
中水中油型エマルジョンにつき、測定例1、2に記載の
方法により、粘度、乳化性、エマルジョン粒径、ホイッ
プ性、風味テスト、汚染テストにつきチェックし、比較
した。その結果を表−7に示す。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明の乳化性油脂組成物は、乳
化安定性、ホイップ性、風味にすぐれ、食卓用マーガリ
ンとして用いた場合には、すぐれた乳化性、風味によ
り、パン食や食品のいため焼き等の味を美味にし、より
食卓を楽しいものにしたり、製菓製パンの製造工程にお
いては、良好な乳化性、ホイップ性により、安定な製品
が得られる。また、ホイップ用乳化油脂として用いた場
合製菓用ホイップクリームとして、安定で、かつ高い起
泡性並びに安定な乳化性を持つため、均一で安定な起泡
性製品が得られ、製造工程の合理化にも寄与する効果を
有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 博明 兵庫県神戸市長田区苅藻通7丁目1番48号 ミヨシ油脂株式会社神戸工場内 審査官 加藤 孔一 (56)参考文献 特開 昭59−210972(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油中水中油型の乳化性油脂組成物において
    最内相の油相(I)と中間水相(II)と最外相の油相
    (III)の比が重量にてI:II:III=1:0.5〜6:0.
    5〜7より成り、かつ最内相の油相(I)中に、0.1〜
    2重量%のHLB7以下のポリグリセリン脂肪酸エステ
    ルを含有することを特徴とする乳化性油脂組成物。
  2. 【請求項2】最内相の油相(I)中に0.1〜2重量%の
    HLB7以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを含み、
    かつ中間水相(II)中に、HLB8以上のポリグリセリ
    ン脂肪酸エステルと乳蛋白質を各々0.1〜2、1〜10重
    量%含むところの特許請求の範囲第1項記載の乳化性油
    脂組成物。
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