JP3236727B2 - 起泡性水中油型乳化物 - Google Patents

起泡性水中油型乳化物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケーキ、パン、デザー
ト等のトッピング、フィリング、あるいはサンド用など
として常温でホイップして用いるタイプの起泡性水中油
型乳化物に関する。特に本発明は、ホイップ後の造花な
どを作る際の加工性や保型性等の物性、及び食感が更に
改良された起泡性水中油型乳化物に関する。
【0002】
【従来の技術】牛乳から遠心分離して得られる生クリー
ムは、天然の乳味感、コク味感といった好ましい風味を
有し、ホイップ用、コーヒー用、あるいはアイスクリー
ム用などとして製菓、製パン分野において幅広く用いら
れているが、高価であるだけでなく、品質的にも一定で
なく、物性的にも欠点を持っている。例えば、ホイップ
用天然生クリームでは、良好なホイップ状態を保つ時間
が短く、水分離を起し易く、ホイップ後の状態変化も大
きい。このため、これらの品質上、物性上及び価格上の
問題点が比較的少ない起泡性水中油型乳化物として、従
来から油脂25〜55重量%を含有するコンパウンドク
リーム(植物性油脂及び生クリームまたは乳脂肪を含
有)及び純植物性クリーム(無脂乳固形分と純植物性油
脂からなる)が広く利用されている。
【0003】上記のような特性を持つコンパウンドクリ
ーム、あるいは純植物性クリームにおいて、更に優れた
特性を持つ高品質なクリームを得るために、従来より製
造プロセス及び原料配合について種々検討されてきてい
る。例えば、原料配合の検討については、菜種硬化油、
パーム核硬化油などを油脂成分とし、乳化剤として特定
のモノグリセリドを配合させたもの(特開平4−370
072号公報)などが提案されている他、増粘剤の配
合、乳蛋白質の改質あるいは変性等を試みたものなども
提案されている。しかしながら、これらの添加物の多用
は、クリームの基本的な特性である風味、食感を著しく
低下させる結果となり、好ましいものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ホイ
ップクリームとして必要な基本性能(ホイップ特性(起
泡性)、良好な風味、食感)を備えていると共に、特
に、ホイップ後のクリームの木目が細かく、そして所謂
「造花」などを行う際の加工性がよく、また得られた造
花物の経時的な変化(離水、組織の変化)が少なく、保
型性の良いホイップドクリームを得ることができる起泡
性水中油型乳化物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な性能を備えた高品質な起泡性水中油型乳化物を得るべ
く鋭意研究した結果、乳化物を構成する油脂成分中に特
定のジグリセリドを特定量含有させることにより、ホイ
ップ調製用のクリームとして好適な水中油型乳化物を得
ることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0006】本発明は、油脂、蛋白質、乳化剤及び水を
含み、3〜50重量%のトリグリセリドを主成分とする
油相と50〜97重量%の水相とからなる起泡性水中油
型乳化物であって、該油相中に、構成脂肪酸残基のうち
の40重量%以上がラウリン酸残基であり、上昇融点2
0℃以上のグリセリンジ脂肪酸エステルが1〜50重量
%含有されていることを特徴とする起泡性水中油型乳化
物にある。
【0007】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)グリセリンジ脂肪酸エステルの構成脂肪酸残基中
に、ラウリン酸残基が、45重量%以上(更に好ましく
は、50重量%以上、特に55重量%以上)を占めてい
る。 (2)グリセリンジ脂肪酸エステルの構成脂肪酸残基中
に、飽和脂肪酸残基が50重量%以上(更に好ましくは
70重量%以上、特に80重量%以上)を占めている。 (3)上記グリセリンジ脂肪酸エステルの上昇融点が、
20〜50℃(更に好ましくは、25℃〜45℃の範
囲、特に、30〜40℃の範囲)にある。 (4)上記グリセリンジ脂肪酸エステルが、油相中に、
2〜45重量%(更に好ましくは5〜40重量%)含ま
れている。
【0008】以下に、本発明の起泡性水中油型乳化物に
ついて説明する。まず、本発明で使用するグリセリンジ
脂肪酸エステルについて詳述する。本発明で使用するグ
リセリンジ脂肪酸エステルは、構成脂肪酸残基の内の4
0重量%以上が炭素数12のラウリン酸残基であり、か
つ上昇融点が20℃以上のものである。上記ラウリン酸
残基は、構成脂肪酸残基中50重量%以上(更に好まし
くは、55重量%以上)を占めていることが好ましい。
またラウリン酸残基以外の構成脂肪酸残基としては、炭
素数8〜22の脂肪酸残基を挙げることができる。更に
グリセリンジ脂肪酸エステルの構成脂肪酸残基中には、
飽和脂肪酸残基が50重量%以上(更に好ましくは70
重量%以上、特に80重量%以上)を占めていることが
好ましい。
【0009】また本発明で使用されるグリセリンジ脂肪
酸エステルは、その上昇融点が20℃〜50℃の範囲
(更に好ましくは、25℃〜45℃の範囲、特に、30
〜40℃の範囲)にあることが好ましい。この上昇融点
が20℃以下の場合は、ホイップ後のクリームの保型性
が低下し易くなり、一方上昇融点が50℃以上の場合
は、エステルを構成する脂肪酸組成、あるいは含有量に
よって口どけ感などの食感が低下し易くなる。なお、構
成脂肪酸残基の内の40重量%以上がラウリン酸残基と
する本発明で用いるグリセリンジエステルは、単独で用
いることが好ましいが、このエステルのみを単離するこ
とは工業上容易でないために、モノグリセリド及び/又
はトリグリセリドとの混合物として用いても良い。
【0010】本発明において用いられる脂肪酸のグリセ
リンジエステルは、例えば、ラウリン酸を主成分とする
油脂(例えば、椰子油、パーム核油、あるいはこれらの
分別油、ランダム化油、硬化油、エステル交換油)から
選ばれた一種あるいは二種以上の油脂とグリセリンと
を、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の存
在下でエステル交換させるか、又はこれらの油脂由来の
ラウリン酸含有量の多い脂肪酸混合物とグリセリンとの
エステル化反応により得ることができる。反応で生成し
た過剰のモノグリセリドは分子蒸留法又はクロマトグラ
フィーなどの分離手段を利用して除去することができ
る。なお、これらの反応は上記のようなアルカリ触媒等
を用いた化学反応によって実施することができるが、
1,3−位選択的リパーゼ等の酵素を用いて温和な条件
で反応を行う方が、得られる脂肪酸のグリセリンジエス
テルの風味も良く、好ましい。
【0011】本発明に係るグリセリンジ脂肪酸エステル
は、本発明の起泡性水中油型乳化物のトリグリセリドを
主成分とする油相中に1〜50重量%(好ましくは、2
〜45重量%、更に好ましくは5〜40重量%)含まれ
るように添加される。1重量%以下の添加量では、充分
な効果が得られない。また50重量%以上の添加量で
は、乳化安定性が低下し易くなる。
【0012】本発明の起泡性水中油型乳化物には、前述
した特定のグリセリンジ脂肪酸エステルが該乳化物のト
リグリセリドを主成分とする油相中に含まれている以外
は、通常の起泡性水中油型乳化物と同様に構成すること
ができる。すなわち、本発明の起泡性水中油型乳化物
は、特定のグリセリンジ脂肪酸エステル、食用油脂、蛋
白質、乳化剤及び水を必須成分として、他に所望により
安定剤、フレーバー、エッセンス類、増粘剤、及び糖類
などが含まれる。
【0013】本発明で使用される食用油脂は、植物油
脂、乳脂あるいはこれらの分別油脂、硬化油脂、エステ
ル交換油脂等の中から一種又は二種以上を併用すること
ができる。植物油脂の例としては、大豆油、菜種油、綿
実油、コーン油、ひまわり油、オリーブ油、サフラワー
油、パーム油、パーム核油、カポック油、ヤシ油、及び
サル脂を挙げることができる。これらの油脂は、本発明
に係るグリセリンジ脂肪酸エステルとの相溶性がよく、
得られるクリームの口溶け感などの食感、風味が良好と
なるものを選択して使用することが好ましい。このよう
な観点から、使用する油脂に、ラウリン酸含有率の高い
油脂、例えば、パーム核油、及びヤシ油を含ませること
が好ましい。そしてこのようなラウリン酸含有率の高い
油脂は、該エステルを添加した際の油脂全体の上昇融点
が30〜35℃程度になるように調節して使用すること
が好ましい。本発明においては、上記油脂のうち、大豆
硬化油、パーム核硬化油、及びヤシ硬化油を組み合わせ
て使用することが特に好ましい。
【0014】本発明で使用される蛋白質としては、例え
ば、カゼイン、ホエー蛋白、脱脂粉乳、全脂粉乳、乳清
蛋白及び大豆蛋白を挙げることができる。またカゼイン
ナトリウム等の乳蛋白質の塩類などでも良い。更に、蛋
白質を含む原料、例えば、牛乳、生乳などでも使用でき
る。蛋白質は、通常乳化物中に1〜10重量%含有され
ている。
【0015】本発明で使用される乳化剤としては、例え
ば、クエン酸あるいは乳酸等の有機酸モノグリセリド
類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪
酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂
肪酸エステル類、レシチン類、プロピレングリコール脂
肪酸エステル類などを挙げることができる。これらの乳
化剤は、水相には親水性の乳化剤が、油相には親油性の
乳化剤がそれぞれ一種類あるいは適宜組み合わせて使用
される。乳化剤は、通常乳化物中に0.1〜1.0重量
%含有されている。
【0016】所望により添加する安定剤は、例えば、リ
ン酸(ヘキサメタリン酸、第二リン酸など)やクエン酸
のアルカリ金属塩、あるいはグアガム糖のガム類を用い
ることができる。また、フレーバー、エッセンス類とし
ては、例えば、ミルクフレーバー、バニラフレーバー、
バニラエッセンスなどを挙げることができる。
【0017】本発明の起泡性水中油型乳化物は、上記の
成分を使用して常法により製造することができる。例え
ば、食用油脂、及び本発明に係るグリセリンジ脂肪酸エ
ステル、及び乳化剤を含む油性成分(油相)と、水、蛋
白質、及び乳化剤を含む水性成分(水相)とを、それぞ
れ適当な温度に加温した後、両者を混合予備乳化し、更
に均質化、滅菌、均質化(再均質化)、冷却、そしてエ
ージングの通常行われる各処理を行うことにより製造す
ることができる。乳化物の調製に際しては、上記のよう
に油性成分と水性成分とを別々の系で混合し、その後こ
の両者を混合する方法で行っても良いが、最初から一つ
の系で行っても良い。また乳化物は、油相成分が3〜5
0重量%(好ましくは15〜40重量%)、水相成分が
50〜97重量%(好ましくは60〜85重量%)とな
るように調製する。
【0018】このようにして得られる本発明の起泡性水
中油型乳化物は、そのホイップ特性などを考慮するとそ
の粘度が、常温(20℃)において、20〜300cp
(好ましくは、20〜100cp)となるように調製さ
れていることが好ましい。
【0019】
【実施例】以下に、実施例および比較例を用いて本発明
を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を
制限するものではない。なお、実施例中の「%」は、
「重量%」を意味する。
【0020】[実施例1] (グリセリンジ脂肪酸エステル(試料1)の調製)硬化
パーム核油(ヨウ素価8.2)75重量部及び精製グリ
セリン25重量部を混合し、これに水酸化カルシウム
0.1重量部を加え、250℃で30分加熱攪拌し、グ
リセロリシス反応を行った。反応後、分子蒸留法によ
り、過剰のグリセリン、及びモノエステルの除去を行
い、蒸留残渣を常法により精製し、ラウリン酸を主構成
脂肪酸残基とするグリセリンジ脂肪酸エステル(試料
1)を得た。
【0021】(グリセリンジ脂肪酸エステル(試料2)
の調製)ラウリン酸(純度98重量%)40重量部、パ
ルミチン酸(純度95重量%)20重量部、オレイン酸
(純度90重量%)24重量部、及び精製グリセリン1
6重量部を混合し、これに市販リパーゼ製剤(商品名:
Lipozyme3A、ノボ・インダストリー・A・S社製)2
0重量部を加え、75℃、220Torrにて5時間攪拌
し、エステル化反応を行った。反応終了物を分子蒸留器
にパスさせ、未反応の脂肪酸、グリセリン及びモノエス
テルを除去し、目的とするジエステルを蒸留残渣として
得た。この蒸留残渣をヘキサン分別処理し、中融点画分
を分取し、ラウリン酸を主構成脂肪酸残基とするグリセ
リンジ脂肪酸エステル(試料2)を得た。
【0022】上記のようにして得られた試料1及び試料
2のグリセリンジ脂肪酸エステルの組成を以下の表1に
示す。
【0023】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 試料1 試料2 ──────────────────────────────────── グリセリド組成(%) モノ 0.1 0.1 ジ 90.2 92.5 トリ 9.7 7.4 ──────────────────────────────────── 脂肪酸組成(%) カプリル酸 C8 3.8 0.0 カプリン酸 C10 3.6 0.1 ラウリン酸 C12 47.2 59.4 ミリスチン酸 C14 15.6 1.2 パルミチン酸 C16 9.1 17.7 ステアリン酸 C18 11.0 1.0 オレイン酸 C18:1 9.1 19.8 その他 0.6 0.8 ──────────────────────────────────── 上昇融点(℃) 32.5 39.1 ────────────────────────────────────
【0024】上記のようにして得られた試料1及び試料
2を用いて以下のような起泡性水中油型乳化物を調製し
た。 (起泡性水中油型乳化物(I)の調製)下記配合の油性
液(油相)と水性液(水相)を調製した。 (油相)大豆硬化油(融点32℃) 20.
0% ヤシ硬化油(融点32℃) 16.0% 試料1 4.0% ステアリン酸モノグリセリド 0.1% 大豆レシチン(市販大豆レシチン) 0.4% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.1% (水相)脱脂粉乳 5.
0% ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.3% 水 54.0% 上記溶液を混合し、予備乳化を行った。得られた予備乳
化物を65℃においてホモジナイザーで均質化処理を行
った。次いで、得られた乳化物をUHT殺菌機(岩井機
械工業(株)製)を用いて滅菌処理を行い、その後更に
70℃においてホモジナイザーで再均質化処理を行っ
た。得られた乳化物を8℃まで冷却し、充填後、本発明
に従う起泡性水中油型乳化物(I)を調製した。
【0025】[比較例1] (起泡性水中油型乳化物(I−C)の調製)下記配合の
油性液(油相)と水性液(水相)を調製した。 (油相)大豆硬化油(融点32℃) 20.
0% ヤシ硬化油(融点32℃) 20.0% ステアリン酸モノグリセリド 0.1% 大豆レシチン(市販大豆レシチン) 0.4% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.1% (水相)脱脂粉乳 5.
0% ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.3% 水 54.0% 上記実施例1において、上記の配合を用いた以外は、上
記実施例1と同様にして比較用の起泡性水中油型乳化物
(I−C)を調製した。
【0026】[実施例2] (起泡性水中油型乳化物(II)の調製)下記配合の油性
液(油相)と水性液(水相)を調製した。 (油相)バター脂 11.
0% 大豆硬化油(融点32℃) 4.0% ヤシ硬化油(融点32℃) 8.0% 試料2 12.0% ステアリン酸モノグリセリド 0.1% 大豆レシチン(市販大豆レシチン) 0.4% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.1% (水相)脱脂粉乳 5.
0% ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.3% 水 59.0% 上記実施例1において、上記の配合を用いた以外は、上
記実施例1と同様にして本発明に従う起泡性水中油型乳
化物(II)を調製した。
【0027】[比較例2] (起泡性水中油型乳化物(II−C)の調製)下記配合の
油性液(油相)と水性液(水相)を調製した。 (油相)バター脂 11.
0% 大豆硬化油(融点32℃) 10.0% ヤシ硬化油(融点32℃) 14.0% ステアリン酸モノグリセリド 0.1% 大豆レシチン(市販大豆レシチン) 0.4% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.1% (水相)脱脂粉乳 5.
0% ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.3% 水 59.0% 上記実施例1において、上記の配合を用いた以外は、上
記実施例1と同様にして比較用の起泡性水中油型乳化物
(II−C)を調製した。
【0028】[起泡性水中油型乳化物としての評価]以
上のようにして得られた各起泡性水中油型乳化物につい
て以下のような物性評価(粘度の測定、ホイップ特性、
造花性、保型性及び離水耐性)、及び官能評価を行っ
た。 (1)粘度の測定 各起泡性水中油型乳化物の20℃における粘度を、粘度
計(BM−型粘度計、東京計器(株)製)を用いて測定
した。
【0029】(2)ホイップ特性の評価 各起泡性水中油型乳化物を5℃にて72時間熟成後、縦
型ミキサーを用いてホイップし、ホイップドクリームを
調製した。そしてホイップ時のホイップ特性(ホイップ
時間、オーバーラン)を評価した。 ホイップ時間:縦型ミキサーを使用し、700RPM
で1リットルの水中油型乳化物をホイップした時の最適
ホイップ状態になるまで時間 オーバーラン(%):次式で示されるホイップによる
容積増加割合
【0030】(3)造花性 造花性は、ホイップして得られた上記ホイップドクリー
ムを用いて星形の口金から絞り出し、造花して、その時
の造花物の形状で評価した。評価は、以下の基準に従っ
た。 A:星形の口金の形状が全く崩れることなくはっきり現
れた。 B:星形の口金の形状が殆ど崩れることなくはっきり現
れた。 C:星形の口金の形状が一部崩れているところもある
が、許容範囲である。 D:星形の口金の形状が全体に崩れているが、星形の形
状は残っている。 E:星形の口金の形状が余り良くわからないほど崩れて
いた。
【0031】(4)保型性、離水耐性 上記(3)のようにして得られた各造花物を20℃、3
0時間放置し、その後の形状を調べ(保型性を調べ)、
また同時に離水状態も調べた。評価は、以下の基準に従
った。 A:造花物の形状は、変化することなく、離水も殆どな
かった。 B:造花物の形状は、わずかに変化し、離水もわずかに
認められたが、殆ど問題ない程度あった。 C:造花物の形状は、一部崩れ、離水も認められたが、
許容できる範囲であった。 D:造花物の形状が全体に崩れ、離水もかなり認められ
た。 E:造花物の形状は、全体にかなり崩れ、離水もかなり
ひどく認められた。
【0032】(5)官能評価 ホイップして得られたホイップドクリームの木目を目視
により、観察し、また食感(口溶け感)を専門パネラー
による官能テストを行って、評価した。評価は以下の基
準に従った。 A:非常に良かった。 B:良かった。 C:許容できる範囲であった。 D:余り良くない。 E:全く良くない。 結果を以下の表2に示す。
【0033】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 評価項目 実施例1 比較例1 実施例2 比較例2 ──────────────────────────────────── 乳化物の粘度(cp) 45 60 30 45 ホイップ時間(分) 4.1 4.2 5.5 7.2 オーバーラン(%) 110 100 120 145 ──────────────────────────────────── 造花性 A C A E 保型性 A C A E 離水状態 A C A E ──────────────────────────────────── 木目 A D A E 食感 A C A E ────────────────────────────────────
【0034】上記の表2に示された結果から、特定の脂
肪酸組成のグリセリンジ脂肪酸エステルを含む本発明に
従う起泡性水中油型乳化物(実施例1及び2)は、該グ
リセリンジ脂肪酸エステルを含まない、それぞれに対応
する比較用の起泡性水中油型乳化物(比較例1及び2)
に比べ、ホイップ性、造花性、そして保型性等の物性面
での優れた特性が備えられていると同時に、食感、木目
などの点においても優れていることが明らかである。
【0035】
【発明の効果】本発明の起泡性水中油型乳化物は、乳化
物としての必要な乳化安定性、ホイップする際の基本的
な物性であるホイップ特性、そして風味、食感を備えて
いると共に、特に本発明の乳化物をホイップして作った
ホイップドクリームはきめが細かく、伸展性などに優
れ、造花などを美しく作ることができる。また造花物
は、長時間保存しておいても組織の変化が少なく、また
離水なども少なく、高い保型性を有している。従って、
本発明により、フィリング、トッピング、あるいはサン
ド用クリームなどとして従来にない高品質な起泡性水中
油型乳化物を提供できる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂、蛋白質、乳化剤及び水を含み、3
    〜50重量%のトリグリセリドを主成分とする油相と5
    0〜97重量%の水相とからなる起泡性水中油型乳化物
    であって、該油相中に構成脂肪酸残基のうちの40重量
    %以上がラウリン酸残基であり、上昇融点20℃〜5
    0℃範囲にあるグリセリンジ脂肪酸エステルが1〜5
    0重量%含有されていることを特徴とする起泡性水中油
    型乳化物。
  2. 【請求項2】 上記グリセリンジ脂肪酸エステルの上昇
    融点が20℃〜40℃の範囲にある請求項1に記載の起
    泡性水中油型乳化物。
  3. 【請求項3】 上記グリセリンジ脂肪酸エステルの上昇
    融点が30℃〜40℃の範囲にある請求項2に記載の起
    泡性水中油型乳化物。
  4. 【請求項4】 上記グリセリンジ脂肪酸エステルの構成
    脂肪酸残基中の50%以上が飽和脂肪酸残基である請求
    項1乃至3のうちのいずれかの項に記載の起泡性水中油
    型乳化物。
  5. 【請求項5】 20℃における粘度が20〜300cp
    の範囲にある請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記
    載の起泡性水中油型乳化物。
  6. 【請求項6】 ホイップして用いるためのものである請
    求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載の起泡性水中
    油型乳化物。
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