JP2918654B2 - ホイップクリーム - Google Patents
ホイップクリームInfo
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Description
クリームに関する。
ましい乳味感、こく味感に代表される風味を有し、ホイ
ップクリーム用などに幅広く用いられている。また、近
年、食生活の洋風化並びに高級志向などの影響として、
前記用途の他に料理、調理用としての需要が増加する傾
向がある。しかしながら、生クリームは高価であるだけ
でなく、品質的にも一定なものにするのがむずかしいと
か、あるいは天然物であるが故に物性の面で欠点を有し
ており、使用上も制約される。
態を保つ時間が短く、オーバーホイップとなり、水分離
が起こり易く、水中油型(O/W)分散の安定性の面から
も問題がある。
目的で、動植物性食用油脂を用いた合成クリームが開発
されており、生クリームあるいは乳脂肪を含んだコンパ
ウンドクリームが広く利用される様になっている。
コンパウンドクリームも、生クリームの有する乳味感、
こく味を発現させるためには、多量の生クリームあるい
は乳脂肪を用いなければならず、必ずしも風味的に満足
するものが得られ難いのが現状である。
分においても、充分な乳味感、こく味感を有するO/W乳
化物を得るため鋭意研究した結果、ジグリセリドと蛋白
質及び必要に応じ乳成分を特定量含有させて水中油型乳
化油脂組成物をつくれば、ホイップクリームの乳味感、
こく味感が飛躍的に向上することを見い出し、本発明を
完成するにいたった。
リドを10重量%以上20重量%未満含有し、水相中には0.
1重量%以上の蛋白質を含有してなるホイップクリーム
に係わるものである。より好ましくは油相/水相の重量
比が10/90〜70/30であり、油相中全油脂量を基準にして
10重量%以上20重量%未満の一種又は二種以上のジグリ
セリドを含有し、水相中0.1重量%以上の蛋白質を含有
し、油滴表面に蛋白質が凝集してなり、更に、乳成分を
0.1重量%以上含有することを特徴とする、乳味感、こ
く味感に優れたホイップクリームを提供するものであ
る。
未満、好ましくは−20〜15℃のジグリセリド(グリセリ
ンジ脂肪酸エステル)が好ましい。かかるジグリセリド
を構成する脂肪酸としては、炭素数16〜22の不飽和脂肪
酸が好ましく、その含有量としてはジグリセリドの脂肪
酸残基を基準として70重量%以上、中でも80重量%以上
が好ましい。尚ジグリセリドの構成脂肪酸としては2個
以上の二重結合を有する高度不飽和脂肪酸含量が70重量
%を越えないことが好ましく、更に好ましくは60重量%
以下である。
就中、ジシス不飽和ジグリセリドが好ましく、その含有
量としてはジグリセリドを基準として50重量%以上が好
ましい。更には70重量%以上が好ましい。
は、天然起源の油脂、例えばサフラワー油、ナタネ油、
コーン油、大豆油、綿実油、オリーブ油、パーム油等の
植物油、更にはラード、牛脂、魚油、バター脂等の動物
脂、あるいはそれらの硬化油、分別油、ランダムエステ
ル交換油から選ばれた1種以上の油脂とグリセリンの混
合物を、アルカリ金属又は(及び)アルカリ土類金属の
水酸化物の存在下でエステル交換するか、又は不飽和脂
肪酸レベルの高い脂肪酸組成物とグリセリンの混合物を
エステル化反応することにより得られる。
リセリドは、油脂組成物中に高い比率で含まれると、口
腔内にて水と相互作用してゲル物質を形成し、食感に著
しい悪影響を及ぼすため、予め分子蒸留法あるいはクロ
マトグラフィー法によって除去することが好ましい。従
ってモノグリセリドは全油脂量を基準として10重量%以
下が好ましく、更に好ましくは0〜5重量%である。
ば、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、ナタネ油、コ
ーン油、大豆油、パーム油等の植物油脂、更にはラー
ド、牛脂、魚油、バター脂等の動物油脂あるいはそれら
の硬化油、分別油、ランダムエステル交換油から選ばれ
た1種又は2種以上の油脂である。
ードバターを用いることができる。又、乳化安定性や起
泡力を安定化させる為にも固形脂を用いるのが好適であ
る。例えば、ヤシ油やパーム核油からつくられるラウリ
ン系のハードバター、あるいは大豆油、コーン油などの
植物油脂をトランス酸の生成の多い条件下で水素添加し
て得られる油脂をそのまま、あるいは溶剤分別して得ら
れるトランス型ハードバター、また、パーム油、シア
油、イリッペ脂等のトリグリセリドの2位の位置にオレ
イン酸を多量に含有する油脂を溶剤分別して得られる中
融点画分のテンパリング型ハードバター、更にそのテン
パリング型ハードバターを、1,3位に選択性を有するリ
パーゼにより適当な脂肪酸あるいは脂肪酸エステルとエ
ステル交換を行い得られるPOSt脂(1−パルミトイル−
2−オレオイル−3−ステアロイルグリセリン)、およ
びカカオ脂から選ばれる1種又は2種以上のハードバタ
ーを用いることができる。
満のジグリセリドとを組み合わせて製造された油脂を使
用し得る。これらの組み合わせから一般に次の値 N10≦60,N20=5〜40,N30=0〜20,N35=0〜10 に相当する油脂固体プロフィル(NMRにより各温度で測
定した固体脂%)を有し、ジグリセリドを10重量%以上
30重量%未満含有する油脂組成物を製造することが好ま
しい。
おけるN値で表され、結晶脂肪のレベルを%で示したも
のである。
基準油脂分析試験法の暫3−1983、暫定固体脂含量(NM
R法)により測定することができる。
%、即ち、油相/水相の重量比が10/90〜70/30となる割
合が好ましい。水相中には、卵蛋白質、乳蛋白質、大豆
蛋白質、小麦蛋白質等の蛋白質、複合蛋白質及びこれら
蛋白質の分解物から選ばれる一種又は二種以上の蛋白質
を0.1重量%以上、好ましくは、0.2〜30重量%含有す
る。
して0.1重量%以上含有させてもよい。蛋白質の含有量
が水相中0.1重量%未満の場合には、乳味感、こく味感
の発現が不充分となり、効果が現われない。
れ、乳化物の風味と密接な関係があることを見出した。
即ち、本発明における油滴表面の蛋白質の凝集とは、透
過型電子顕微鏡を用いて観察されうるものであり、更に
はAgriculturalBiological Chemistry45巻、2491〜2496
頁においてShimizuらが述べる方法によって定量するこ
とが可能であり、発明者らはこの方法に準じて、油滴表
面に形成される蛋白質の凝集層の分画を行い、本発明に
おけるジグリセリドを用いた乳化物の油滴表面では著し
く蛋白質の凝集量が増加しており、しかも乳化組成物中
のジグリセリド含量の増加に従い、油滴表面における蛋
白質の凝集量が増加してゆくことが認められ、乳化物の
風味・食感との間に有意な相関を見出した。
せることが好ましい。乳成分とは、生乳、脱脂乳、全脂
粉乳、乳脂肪、乳清、生クリーム、チーズ類、ヨーグル
ト類、バター、バターミルク又はそれらを濃縮加工した
ものを意味する。(あるいはミルクフレーバー、バター
フレーバー等、乳製品に用いられる呈味剤、フレーバー
をも意味する。)これらの含有量は0.1重量%以上が好
ましく、より好ましくは0.5〜50重量%含まれる。
味料、フレーバー、香味料、乳化剤、安定剤等の添加剤
を加えることができ、水相中には乳化安定性強化を目的
として蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤、及びア
ラビアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ローカス
トビーンガム、タマリンドガム、澱粉、α化澱粉、ペク
チン等の高分子多糖類の一種又は二種以上を配合するこ
ともできる。更に本発明乳化物の水相には、目的に応じ
て食塩、糖、食酢、香辛料糖の調味料、香味料及び着色
料等の各種添加料・添加剤も配向することができる。
セリドを特定量含有し、水相の1成分として蛋白質を用
いて油滴表面に蛋白質を凝集させ、かつ好ましくは乳成
分を特定量含有することにより、クリームの乳味感、こ
く味感を著しく向上するものである。
の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限
定されるものではない。
し、これに水酸化カルシウム0.1重量部を加え常法によ
りエステル交換反応を行なった後、分子蒸留法によりモ
ノグリセリドを除去し、更に常法により精製を行なって
エステル交換油を得た。このエステル交換油のグリセリ
ド組成はトリグリセリド19.4%、ジグリセリド79.6%、
モノグリセリド1.0%であった。
す割合で配合し、油脂試料(1)、(2)を調製した。
これら油脂試料及びナタネ白絞油のグリセリド組成を表
−1に示す。
5部に油脂試料(1)を15重量部、配合、溶解した油相
に、乳化剤として蔗糖脂肪酸エステル0.2重量部、レシ
チン0.2重量部、グリセリン脂肪酸モノエステル0.1重量
部を加えて油相を調製した。
酸第2ソーダ0.2重量部を精製水51重量部に溶解し水相
を調製した。
乳化したO/W乳化物を更にホモゲナイザーにて乳化した
後、得られた乳化物を氷中にて撹拌冷却し、5℃にて24
時間静置した。
物90重量部の割合にて混合、ホバートミキサーにてホイ
ップさせ、ホイップクリームを調製、評価サンプルとし
た。
(2)を用い、他は全て実施例1に従ってO/W乳化物を
調製し同様に評価を行なった。
絞油を用い、他は全て実施例1に従ってO/W乳化物を調
製し同様に評価を行なった。
量%以上20重量%未満において豊かな乳味感、こく味感
が発現することがわかる。
で配合したもの3重量部に、硬化油3重量部、乳脂4重
量部を配合、溶解した油相に、乳化剤として蔗糖脂肪酸
エステル0.4重量部、レシチン0.26重量部、グリセリン
脂肪酸モノエステル0.2重量部を加えて油相を調製し
た。
重量部を精製水90重量部に溶解し、水相を調製した。
リームの調製を行い、評価サンプルとした。
上記のO/W乳化物15gを5℃,10000gで30分間遠心分離を
行い、水相とクリーム層に分離する。得られたクリーム
に0.25M蔗糖水溶液を15g添加し、5℃で分散させた後、
5℃,10000gで30分間遠心分離を行い、クリーム層を洗
浄する。3回洗浄操作を繰り返し、得られたクリーム層
に0.25M蔗糖水溶液15gを加え、40℃で静置し油相を分離
し、40℃,10000gで15分間遠心分離を行い、水相と凝集
物層、油相を分離する。更に0.25M蔗糖水溶液15gを加
え、同様の操作を3回繰り返し、得られた凝集物層と油
相に蒸留純水15gを加え、40℃に静置し油相を吸引して
除去する。残余の油相についてはn−ヘキサンを重層
し、n−ヘキサン中に溶解せしめた後除去した。こうし
て調製した凝集物と遠心分離で分離された各水相の蛋白
質の定量を行った。その結果を表−4に示す。
Claims (3)
- 【請求項1】油相中に1種又は2種以上のジグリセリド
を10重量%以上20重量%未満含有し、水相中には0.1重
量%以上の蛋白質を含有してなることを特徴とするホイ
ップクリーム。 - 【請求項2】ジグリセリドが a)上昇融点が20℃未満であり b)構成脂肪酸中の炭素数16〜22の不飽和脂肪酸含量が
70重量%以上であり c)2個以上の二重結合を有する高度不飽和脂肪酸含量
が70重量%を越えない ことを特徴とする請求項1記載のホイップクリーム。 - 【請求項3】蛋白質が卵蛋白質、乳蛋白質、大豆蛋白
質、小麦蛋白質及びこれら蛋白質の分解物からなる群か
ら選ばれる一種又は二種以上の蛋白質である請求項1記
載のホイップクリーム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2204830A JP2918654B2 (ja) | 1990-07-31 | 1990-07-31 | ホイップクリーム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2204830A JP2918654B2 (ja) | 1990-07-31 | 1990-07-31 | ホイップクリーム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0488944A JPH0488944A (ja) | 1992-03-23 |
JP2918654B2 true JP2918654B2 (ja) | 1999-07-12 |
Family
ID=16497092
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2204830A Expired - Fee Related JP2918654B2 (ja) | 1990-07-31 | 1990-07-31 | ホイップクリーム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2918654B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3132974B2 (ja) * | 1994-08-12 | 2001-02-05 | 花王株式会社 | 起泡性水中油型乳化物 |
CN113367344B (zh) * | 2021-07-08 | 2022-12-16 | 广东粤膳特医营养科技有限公司 | 富含亚麻籽油基甘油二酯的乳液及其制备方法 |
-
1990
- 1990-07-31 JP JP2204830A patent/JP2918654B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0488944A (ja) | 1992-03-23 |
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