JPH0646381U - 車輪速計測装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 急停止時および低速時における車輪速計測の
応答および精度の向上。 【構成】 車輪速度に反比例してパルス列の周期が変化
する車輪速センサ１からの車輪速センサ信号のエッジ入
力により、間欠的に車輪速度を演算する方法に加え、カ
ウンタ４のオーバーフローフラグの変化により低速時の
車輪速の演算を毎ループごとにおこなう。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は車両の車輪速計測に関し、特に急停止時および低速時における車輪速 計測装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、車輪速度の計測には、車輪速度に反比例してパルス列の周期が変化する 車輪速センサ信号のエッジ入力ごとのクロックパルスカウント値を用いて車輪速 を演算する方法がある。

【０００３】 また、この技術を改良したものとして、例えば、特開昭５９−１９６４６７が あり、これは、クロックパルスをカウントするタイマカウンタがフルカウントに 達したときに発生するオーバーフローフラグをオーバーフローフラグカウンタで カウントする一方で通常の車輪速演算を行い、通常の車輪速演算ごとにオーバー フローフラグカウンタをリセットし、このオーバーフローフラグカウンタの値が ２以上になった時に演算値を固定値にするものである。これを、車輪速の時間的 変化を示す図２上に表すと点線部で示される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この従来の技術では、急停止時および急減速時の判断を行うまでにオーバーフ ローフラグカウンタの値が２になるまで一定の時間を要し、急停止時および急減 速時の車輪速演算に対する応答性が悪化していた。

【０００５】 それ故に本考案の目的は、急停止時および急減速時の車輪速演算に対する応答 を改善し、また低速から高速までの車輪速演算値を求めるものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

従って、本考案は、上述の目的を達成するために、車輪速度に反比例してパル ス列の周期が変化する車輪速センサと、前記車輪速センサからの信号をカウント するカウンタと、前記カウンタのオーバーフローの変化を監視するフラグを設定 するフラグ設定手段と、前記フラグ設定手段で設定されたフラグを判定するフラ グ判定手段と、前記フラグ判定手段の判定結果に基づき、前記カウンタの出力か ら車輪速を演算する車輪速演算手段とを備えたものである。

【０００７】

【実施例】

次に本考案の一実施例について図１〜図５を参照して説明する。

【０００８】 図３において通常、車輪速を求める場合車輪速センサからのパルス信号が入力 された時点でのクロックパルスカウンタの値をｍとすると、車輪速Ｖwは、 Ｖw ＝ ｋ／ｍ （ｋ：定数） として算出できる。

【０００９】 このとき、図４のとおり車輪速をカウントするカウンタのビット数は有限であ るため、車輪速が低下してしまうとオーバーフローしてしまい、車輪速を求める ことはできなくなってしまう。すなわち、オーバーフローした後にセンサからの パルス信号が入力されても、通常の計測では車輪速は算出できない。

【００１０】 この問題を解決するための一実施例の構成を図１に示す。

【００１１】 図１において、車輪速センサ１の出力信号は、波形整形手段２でパルス波形に 整形された後、カウンタ４に入力される。カウンタ４には、このカウンタ４のオ ーバーフローの変化を監視するフラグ（以下、オーバーフロー変化フラグという ）を設定するフラグ設定手段６が接続され、フラグ設定手段６には、フラグ判定 手段７が接続され、フラグ設定手段６で設定されたオーバーフロー変化フラグを 判定し、前記カウンタ４の出力から車輪速を演算する車輪速演算手段５に判定結 果を出力する。車輪速演算手段５は、カウンタ４の出力とフラグ判定手段７の結 果に基づき、最終的な車輪速を出力する。

【００１２】 次に、図５のフローチャートを用いて本考案の動作について説明する。

【００１３】 ここで、オーバーフロー変化フラグは、オーバーフローが起きたときにセット され、通常の車輪速演算が行われたときにリセットされる。であるから、このオ ーバーフロー変化フラグは、以下に述べる演算中は、セットされたままである。

【００１４】 図５において、まずオーバーフロー変化フラグがセットされているかを判定す る（１０１）。オーバーフロー変化フラグがセットされている場合は、車輪速が 低速の状態にありオーバーフローが起こった後なので、前回の演算から現在まで のカウント値を読み込み（Ｖwn）、前回の車輪速（Ｖwb）を用いて今回の車輪速 （Ｖw）を算出する（１０２）。

【００１５】 １ Ｖw ＝───────────── １／Ｖwb ＋ １／Ｖwn Ｖwn ＝ ｋ／ｍ （ｍ：前回の演算から現在までのカウ
ント値） として算出できる。

【００１６】 オーバーフロー変化フラグがセットされていなかった場合は、オーバーフロー が起きているか判定する（１０３）。オーバーフローが起きている場合は、オー バーフロー変化フラグがセットされていなかったことから、初めてのオーバーフ ローと考えられる。したがって車輪速は、前回の演算から現在までのカウント値 を読み込み、 Ｖw ＝ ｋ／ｍ （ｍ：前回の演算から現在までのカウント値） となる（１０４）。この車輪速は保存しておき、次回の演算時に用いる。

【００１７】 オーバーフローフラグもセットされず、オーバーフローも起きなかった場合に は、オーバーフロー変化フラグをリセットする（１０５）。

【００１８】 これらを図２に表すと、実線で示す変化となり、低速時および急停止時におけ る車輪速計測の精度が向上する。

【００１９】

【考案の効果】

以上のように本考案は低速時および急停止時における車輪速を計測する場合の 応答および検出精度が向上し、車輪速の低速から高速までの計測の精度を向上さ せるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の構成を示す図である。

【図２】本考案と従来技術との比較説明図である。

【図３】通常時のパルス信号とカウンタ値の状態図であ
る。

【図４】低速時のパルス信号とカウンタ値の状態図であ
る。

【図５】本考案の一実施例の動作を示すフローチャート
である。

【符号の説明】

１ 車輪速センサ ２ 波形整形手段 ３ 車輪速センサのパルス信号 ４ カウンタ ５ 車輪速演算手段 ６ フラグ設定手段 ７ フラグ判定手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車輪速度に反比例してパルス列の周期が
   変化する車輪速センサと、前記車輪速センサからの信号
   をカウントするカウンタと、前記カウンタのオーバーフ
   ローの変化を監視するフラグを設定するフラグ設定手段
   と、前記フラグ設定手段で設定されたフラグを判定する
   フラグ判定手段と、前記フラグ判定手段の判定結果に基
   づき、前記カウンタの出力から車輪速を演算する車輪速
   演算手段とを具備することを特徴とした車輪速計測装
   置。